3.
「……………ここ、どこ?」
こなちゃん達と秋葉原へお出掛けした帰りの電車で、私は意識を失った。
そして目が覚めると、そこは星輝く一面の夜空が拡がっていた。
そして目が覚めると、そこは星輝く一面の夜空が拡がっていた。
つまり、私は『何か』の上で眠っていたことになる。
「寒いよぅ」
「寒いよぅ」
今、私が何処に居るかはすぐに分かった。
駅のホームだった。
私が寝ていたのはホームに二脚だけ置かれてある木製のベンチだった。
駅のホームだった。
私が寝ていたのはホームに二脚だけ置かれてある木製のベンチだった。
屋根は無く、頼りない水銀灯がその周りをぽつんと照らしているだけ。
電気の無い所は真っ暗で危うく線路に落ちそうになってしまった。
ホームから少し離れたところにコンクリートで出来た駅舎がある。
どうやら田舎の無人駅のようで、待合室と思われる場所以外は電気が消えていた。
電気の無い所は真っ暗で危うく線路に落ちそうになってしまった。
ホームから少し離れたところにコンクリートで出来た駅舎がある。
どうやら田舎の無人駅のようで、待合室と思われる場所以外は電気が消えていた。
そして、私は驚いた。
「な、何でこんな所にいるの!!?」
ホームにはベンチの他に、駅名の書かれた看板が掲げられてあった。
えっと、「駅名標」って言うのかな?
鷲宮駅にも残っているけれど、白地に「T」字型の線と文字が書かれただけの非常にシンプルなやつで、
そこには
『きりしまにしぐち』
『鹿児島県姶良郡牧園町』
と書かれていた。
「な、何でこんな所にいるの!!?」
ホームにはベンチの他に、駅名の書かれた看板が掲げられてあった。
えっと、「駅名標」って言うのかな?
鷲宮駅にも残っているけれど、白地に「T」字型の線と文字が書かれただけの非常にシンプルなやつで、
そこには
『きりしまにしぐち』
『鹿児島県姶良郡牧園町』
と書かれていた。
「どうしよう、どうやったら帰れるか、分からないよう」
こんな何も無い所だと、携帯電話も使えない。
実際、私の携帯電話は「圏外」と表示されていた。
こんな何も無い所だと、携帯電話も使えない。
実際、私の携帯電話は「圏外」と表示されていた。
私以外に人は居ない。
こなちゃんも居なければ、『二人のお姉ちゃん』も居ない。
お父さんもお母さんも居ない。
クラスの他のお友達も居ない。
それどころか、全然関係の無い人も居ない。
こなちゃんも居なければ、『二人のお姉ちゃん』も居ない。
お父さんもお母さんも居ない。
クラスの他のお友達も居ない。
それどころか、全然関係の無い人も居ない。
「どうしよう、どうしよう、
私……私………このまま……帰れなくなったら……………うっ……うっ………」
思わず私は駅のホームで泣いてしまった。
私……私………このまま……帰れなくなったら……………うっ……うっ………」
思わず私は駅のホームで泣いてしまった。
その時だった。
『カンカンカンカン……』
聞き覚えのある警鐘音がホームの外れから聞こえてきた。
踏切だ。
しばらくすると、向こうから眩しい一筋の光が見えてきた。
電車だ。電車が来たんだ。
踏切だ。
しばらくすると、向こうから眩しい一筋の光が見えてきた。
電車だ。電車が来たんだ。
でも、それは『電車』ではなかった。
その『電車』、見た目は電車だけど、いつも通学で乗っているようなやつとは違って、
モータの音はしない。その代わり、バスの様に豪快なエンジンを「ガラガラガラ」と響かせている。
その電車だかバスだか分からない様な「列車」が、「キーッ」と甲高いブレーキ音を鳴らして
ゆっくりと、ゆっくりと到着した。
その『電車』、見た目は電車だけど、いつも通学で乗っているようなやつとは違って、
モータの音はしない。その代わり、バスの様に豪快なエンジンを「ガラガラガラ」と響かせている。
その電車だかバスだか分からない様な「列車」が、「キーッ」と甲高いブレーキ音を鳴らして
ゆっくりと、ゆっくりと到着した。
エンジン音がやかましい列車をしばらく見ていると、車掌さんの声が聞こえた。
「お客さん、乗るの?」
「お客さん、乗るの?」
幸いバッグもお財布もある。
私は、その『隼人行き』と書かれた普通列車に乗ることにした。
私は、その『隼人行き』と書かれた普通列車に乗ることにした。
車内はとても寒かった。
と言っても地元の鷲宮の様に北風が吹いている訳では無い。
列車はたったの1両で、座席は4人ずつに分けられたボックス席だった。
そう、(東武)日光線を走ってる行楽電車みたいな感じだった。
座席は現代人の体格を考えれば明らかに狭い。
車内が混んでいたら大変だ。
と言っても地元の鷲宮の様に北風が吹いている訳では無い。
列車はたったの1両で、座席は4人ずつに分けられたボックス席だった。
そう、(東武)日光線を走ってる行楽電車みたいな感じだった。
座席は現代人の体格を考えれば明らかに狭い。
車内が混んでいたら大変だ。
天井はがらんとしていて、ゆきちゃんの地元を走っている電車の様に扇風機がたくさん並んでいる。
蛍光灯の数が少ないのか、それとも天井が高いのか、はたまた車内の色のせいなのか、薄暗くて寒々しい。
でも、足下から来る熱気から、どうやら暖房は付いている様だ。
「でも、なんでこんなトコに付いてるの?」
私はボックス席の窓側、足下にある熱を持ったステンレスの箱を靴で突きながら思った。
蛍光灯の数が少ないのか、それとも天井が高いのか、はたまた車内の色のせいなのか、薄暗くて寒々しい。
でも、足下から来る熱気から、どうやら暖房は付いている様だ。
「でも、なんでこんなトコに付いてるの?」
私はボックス席の窓側、足下にある熱を持ったステンレスの箱を靴で突きながら思った。
線路が悪いのか、列車がボロいのか、列車はとにかく揺れる。
トンネルに入ると、ただでさえやかましいエンジン音が更に響いて、これだと人と会話をするのも大変だ。
窓は全部閉まっているけれど、立て付けが悪いのか、排気ガスが車内に入り込んできて臭い。
トンネルに入ると、ただでさえやかましいエンジン音が更に響いて、これだと人と会話をするのも大変だ。
窓は全部閉まっているけれど、立て付けが悪いのか、排気ガスが車内に入り込んできて臭い。
ちなみに、乗客は私の他にも一人乗っていた。
「次は~終点、隼人~隼人~」
車掌さんが車内を歩きながらアナウンスをする。
駅を出る度に、車掌さんは車内を往復しながらアナウンスをする。
へぇ、田舎の列車って、こうやって車掌さんが歩いてアナウンスしてるんだ。
車掌さんが車内を歩きながらアナウンスをする。
駅を出る度に、車掌さんは車内を往復しながらアナウンスをする。
へぇ、田舎の列車って、こうやって車掌さんが歩いてアナウンスしてるんだ。
これが勘違いだということには、この時、全く気付いていなかった。
私が車掌さんが運転席に戻る様子を観察していると、もう一人の乗客が私の下へやって来た。
その子は、私よりも年下の、女の子だった。
白いコートに、ふわふわの「ボンボン」が付いたピンクと白の縞模様のマフラーが可愛らしい。
私が軽く会釈をすると、女の子はいきなり私にこう言った。
その子は、私よりも年下の、女の子だった。
白いコートに、ふわふわの「ボンボン」が付いたピンクと白の縞模様のマフラーが可愛らしい。
私が軽く会釈をすると、女の子はいきなり私にこう言った。
「あなた、まだ気付いていないようね」
何に?
女の子が突拍子も無いことを言い出したので、私は驚いた。
「私が、鹿児島にいること?」
「それだけじゃないわ」
どうでもいいけど、この女の子、言葉がこっち(埼玉)の訛りで親近感が沸く。
「…………気付いていないんなら、仕方ないわ。
この列車が隼人駅に着いたら西鹿児島に向かいなさい」
「え?!」
女の子が何を言いたいのかがさっぱり分からない。
「これであなたが気付かなかったら、多分、『元いた所へ』帰れなくなるわ?」
「あ……で、でも…」
「何よ、早く言いなさいよ!」
この子、『お姉ちゃん』みたい……。
「わ、私……こっちのこと、良く…分からなくて………」
あたふたしていると、女の子は怒った様に、でも、丁寧にこう言ってくれた。
「仕方ないわね! 私が案内してあげるわ。
ちょうど私も『そっち』に帰るつもりだったし」
「貴方は鹿児島に住んでるの?」
「………」
しばらくの間。
「………まぁ、そんなところよ」
あやふやな答え。どうやら私に知られたくはないようなので、私はこれ以上訊くことはやめにした。
『まもなく、終点、隼人、隼人です。
日豊線、加治木、姶良、鹿児島方面、西鹿児島行きは────』
「ほら、もうすぐ着くわよ」
「う、うん。あ、ちょっと待って」
女の子が突拍子も無いことを言い出したので、私は驚いた。
「私が、鹿児島にいること?」
「それだけじゃないわ」
どうでもいいけど、この女の子、言葉がこっち(埼玉)の訛りで親近感が沸く。
「…………気付いていないんなら、仕方ないわ。
この列車が隼人駅に着いたら西鹿児島に向かいなさい」
「え?!」
女の子が何を言いたいのかがさっぱり分からない。
「これであなたが気付かなかったら、多分、『元いた所へ』帰れなくなるわ?」
「あ……で、でも…」
「何よ、早く言いなさいよ!」
この子、『お姉ちゃん』みたい……。
「わ、私……こっちのこと、良く…分からなくて………」
あたふたしていると、女の子は怒った様に、でも、丁寧にこう言ってくれた。
「仕方ないわね! 私が案内してあげるわ。
ちょうど私も『そっち』に帰るつもりだったし」
「貴方は鹿児島に住んでるの?」
「………」
しばらくの間。
「………まぁ、そんなところよ」
あやふやな答え。どうやら私に知られたくはないようなので、私はこれ以上訊くことはやめにした。
『まもなく、終点、隼人、隼人です。
日豊線、加治木、姶良、鹿児島方面、西鹿児島行きは────』
「ほら、もうすぐ着くわよ」
「う、うん。あ、ちょっと待って」
一両編成の気動車は、隼人駅のホームに、ゆっくりと停車した。