ここに、14歳と18歳の男女がいる。
14歳は、小神あきらという少年だ。
ピンク髪のショートカット、ぴん、と伸びたアホ毛が特徴だ。
18歳なのは、小神あきらのアシスタント、白石みのる。少女…という歳ではないだろう。
茶髪の…いや、ここからは想像にお任せしよう。
決して考えるのが面倒なわけではない。
14歳は、小神あきらという少年だ。
ピンク髪のショートカット、ぴん、と伸びたアホ毛が特徴だ。
18歳なのは、小神あきらのアシスタント、白石みのる。少女…という歳ではないだろう。
茶髪の…いや、ここからは想像にお任せしよう。
決して考えるのが面倒なわけではない。
さて、この二人には「らっきー☆ちゃんねる」という番組がある。
もう番組開始してから1年たち、二人はすっかり番組のふいん
もう番組開始してから1年たち、二人はすっかり番組のふいん
「説明がなげぇぇ!!」
「ひいっ!」
「ひいっ!」
失礼しました。今の?
いえ、なんでもないですよ?ただの、ただの
いえ、なんでもないですよ?ただの、ただの
「いちいち説明がうぜぇぇぇ!!!」
「ご、ごめんなさいすいませんあきら様っ!!!」
「ご、ごめんなさいすいませんあきら様っ!!!」
ふと見ると、部屋の隅っこに、何を勘違いしたのか、ひまわりをつけたツインテールっこが、わなわなと震えながら座り込んでいた。
……決して私のせいではなかろう。
「お前だよ!」
そうですか……。
……決して私のせいではなかろう。
「お前だよ!」
そうですか……。
「なぁ白石」
「は、はいっ、あきら様っ!」
「は、はいっ、あきら様っ!」
「今日の収録のことは、頭に入ってんだろうな。」
「は、はい…もちろん、です…」
「は、はい…もちろん、です…」
あきら様は学ランと同じ色のズボンのポケットに親指だけ突っ込み、白石との距離を1歩ずつ詰める。
距離が縮まる度に、白石の顔がひきつっていく。
壁際に追い詰められ、身動きのとれない白石の震えが止まらない。
距離が縮まる度に、白石の顔がひきつっていく。
壁際に追い詰められ、身動きのとれない白石の震えが止まらない。
「とちったり噛んだりしたら……どうなるかわかってる、よな、白石さん♪」
「ひっ…!」
「ひっ…!」
あごをちょい、と持ち上げて視線をあわせる。
普通なら恋人同士がすると絵になるこの動作も、この二人がすると、単なる恐喝かなにかに見える。
普通なら恋人同士がすると絵になるこの動作も、この二人がすると、単なる恐喝かなにかに見える。
「ん…?」
「……?」
「……?」
なにかに気付いたのか、あきら様の動きが止まる。
白石は、自分の顔の直ぐ前にあきら様の顔があるせいか、息をとめたまま、じっとしている。
白石は、自分の顔の直ぐ前にあきら様の顔があるせいか、息をとめたまま、じっとしている。
「あ、あの、あきら様…?」
「お前さ、今日俺があげた香水つけてるだろ。」
「………!!」
「お前さ、今日俺があげた香水つけてるだろ。」
「………!!」
かぁっ、という音が聞こえるのではないかと思うくらい、白石の顔がクレヨンで塗ったみたいに赤くなる。
「良い匂いする。」
「ちょっ、あ、あきら様っ?…く…くすぐったい…っ」
「ちょっ、あ、あきら様っ?…く…くすぐったい…っ」
あきら様が、白石の肩に鼻をくっつける。
しかし匂いの元はそこではないらしく、鼻をむき出しの鎖骨にくっつけたり、首筋に、頬に、と移動する。
しかし匂いの元はそこではないらしく、鼻をむき出しの鎖骨にくっつけたり、首筋に、頬に、と移動する。
「ここか。」
「んっ……」
「んっ……」
耳にたどり着いたとき、低い声で囁いた。
また白石の耳に鼻をくっつける。
また白石の耳に鼻をくっつける。
と。
「ひゃんっ!」
「あ、すまん。」
「あ、すまん。」
勢い余ってその耳を舐めてしまったあきら様に、白石の驚く声が響く。
「耳の裏は止めたほう良いらしいぜ?」
「え…?」
「直射日光があたって、そこがしみになるかもしれないしな。」
「そ、そうなんですか…?」
「え…?」
「直射日光があたって、そこがしみになるかもしれないしな。」
「そ、そうなんですか…?」
ぽかん、と口をあけたままの白石が感心したように頷く。
もうちょっと他のとこに驚こうよ…
もうちょっと他のとこに驚こうよ…
「やべ、時間だ、行くぞ、白石!」
「あ、はいっ!頑張りましょ♪」
「おう!」
「あ、はいっ!頑張りましょ♪」
「おう!」
ぱたぱたと駆ける二人のあとに、
微かに香水の残り香があった。
微かに香水の残り香があった。