「ん……ぅ…」
眩しい光で、閉じた目蓋の裏側が白く染まる。今日もすっごく良い天気みたい。ああ、早く起きなきゃ…。こうして今日も、私の何の変哲もないごく普通の一日が始まる……。
‐‐‐‐‐
「ゆーちゃーん。朝だよ、ゆーちゃーん」
そう言いながら、私はゆーちゃんの部屋に入っていった。え、私がこんな朝早く起きてるなんておかしい?
私がここ最近柄にもなく早起きしているのは…そう、まだ眠っているゆーちゃんを堪能す…あ、いやいや、起こしてあげるためなのだよ。おねえちゃん(いとこだけど)の権限ってヤツだね!
「ゆーちゃ~ん…」
お、本日も健やかに寝ておりますな。窓から差し込む朝日が顔に降り注いでいても、ゆーちゃんは全く起きる気配がない。私はゆーちゃんの傍にたたずんで頬杖をつき、その寝顔を見つめる。
ピンク色のさらさらの髪の毛に、朝日がきらきらと光を落としている。取れたてのみずみずしい桃みたいなほっぺは、ちいさな呼吸に合わせてわずかに動いているように見えた。
…こんなに可愛い寝顔、見てるだけじゃ物足りないよネ。
「……ぅみゅぅ…」
ゆーちゃんが少しだけ体を捩る。そして少しの沈黙のあと、また規則的な可愛い寝息が聞こえてきた。
…今聞きました?「ぅみゅぅ」って。「ぅみゅぅ」って!!ちょ…んな子ぬこ…もとい子ねこみたいな寝言聞かされたら、もう…ますますどーにかしたくなっちゃうってば……。
ぐっすり寝てるみたいだし…か、軽いちゅーぐらいなら…
頬杖をやめて、身を乗り出すみたいにしてゆーちゃんの顔に私の顔を近付けていく。
可愛らしいくちびると私のそれの距離が縮まっていく。
あと10センチ。
あと5センチ。
あと3センチ…
あと5センチ。
あと3センチ…
「んにゅ…ふぁ…あ、おねえ、ちゃん…?」
「ほわぁ!!!!!」
「ほわぁ!!!!!」
ど、どどどど…どーして…どーしてこのタイミングで起きるかなこの子はっ!!!
「あれ、…なんかおねえちゃんの顔が、今すごい近くに…」
「あーーっと!!ほ、ほらほらゆーちゃん、早く準備しないと遅刻だヨっ!?」
「え…ってきゃああもうこんな時間!?急いで準備しなきゃっ!!」
「そうそう早く早くっ!」
「あーーっと!!ほ、ほらほらゆーちゃん、早く準備しないと遅刻だヨっ!?」
「え…ってきゃああもうこんな時間!?急いで準備しなきゃっ!!」
「そうそう早く早くっ!」
……やれやれ。さて、私も自重…いや、学校の準備しないとネー…。
‐‐‐‐‐
学校の昇降口傍の廊下を歩いていると、小走りをしている小さな足音が聞こえた。まだ朝も早いのに走って……いや、もしかして…
「…ゆたか?」
「ふわっ!」
「ふわっ!」
うしろを振り向くと、可愛らしいピンクのツインテールがぴょこぴょこと揺れていた。…やっぱり。
「えへへ…やっと追い付いた。みなみちゃん、おはよ!」
登校途中で見つけた私を追い掛けてきてくれたのだろう。ゆたかは息を少しはずませながら、太陽のような笑顔で私に言った。…ゆたかは、今日もすごく可愛い。
「ふふ…おはよう。ゆたか、今日は少し遅かったね。お寝坊さん?」
「はわっ!え、えっと、その…っ………うん…」
「はわっ!え、えっと、その…っ………うん…」
はずかしがっているのか、顔がほんのり赤い。ああもう。本当に…本当に可愛いなあ…。
「今日は…寒いね」
「嫌だよね~。…あ!そうだ、みなみちゃん、これあげる!」
「嫌だよね~。…あ!そうだ、みなみちゃん、これあげる!」
ごそごそとコートのポケットを探ると、ゆたかは私にソレを差し出してきた。
「これ…カイロ、良いの?」
差し出されたのは使い捨てのカイロだった。今日は一段と冷え込んだから、持ってきたのだろう。
「うんっ!みなみちゃん、それ使って?」
「でも…ゆたかが寒くなる」
「私は平気だよ、今急いできてからだいぶあったかくなったもん。それよりも私、みなみちゃんの体が冷えちゃう方が嫌だよ!だから、ね、使って」
「でも…ゆたかが寒くなる」
「私は平気だよ、今急いできてからだいぶあったかくなったもん。それよりも私、みなみちゃんの体が冷えちゃう方が嫌だよ!だから、ね、使って」
笑顔のまま、ゆたかは言う。…本当にもう、この子は。
「…ゆたか」
「なあに?」
「……ありがとう」
「…うんっ!」
「なあに?」
「……ありがとう」
「…うんっ!」
最高の、とろけるような笑顔を浮かべ、ゆたかは私の手にやさしく触れた。
ゆたか。私は、たくさんゆたかに助けられた。だから…私も、ゆたかを守ってあげたい。お願いゆたか、こんな私じゃ頼りないかもしれないけど…ゆたかのこと、守らせて…ね。
「みなみちゃん、早く教室いこ!」
「…うん」
「…うん」
ゆたか…。
「お!あれって小早川さんじゃん?」
「マジだ…今日も可愛いなあオイ。俺小早川さんタイプなんだよね」
「可愛いよな小早川さん!ちっさくて病弱で…守ってあげたいってカンジ」
「だよなだよな!守ってあげたいよなー!」
「マジだ…今日も可愛いなあオイ。俺小早川さんタイプなんだよね」
「可愛いよな小早川さん!ちっさくて病弱で…守ってあげたいってカンジ」
「だよなだよな!守ってあげたいよなー!」
――――ギンッ!!
「……何か、今突然強い敵意の視線を感じたような…」
「お、俺も…」
「お、俺も…」
ゆたかを守るのは、私の役目………。
‐‐‐‐‐
「おはようっ田村さん!」
「あ、小早川さんに岩崎さん。おはよー」
「あ、小早川さんに岩崎さん。おはよー」
小早川さん、今日も笑顔が眩しいッスねえ。徹夜明けの五臓六腑に染み渡るッス。しかし朝から岩崎さんとお熱いことで。やっぱり百合カポゥはいつも一緒じゃなきゃあ!
…って朝っぱらから何を考えてんスか自分は!!自重しろ自重!自重自重次長!あ、最後違うか…。
「うう…ふおぉぉおぉ…!」
「た、田村さん?どこか具合悪いの?大丈夫?」
「た、田村さん?どこか具合悪いの?大丈夫?」
罪の意識に苦しむ(悶える)私を見て、小早川さんが心配してくれてるッス。か、かたじけない…!
「だ、大丈夫っ!どこも全然、ぴんぴんしてるよ!」
…考えが腐っているだけッスよ。
「良かった…でも、具合悪い時は無理しちゃ駄目だよ?」
あ、そうか。小早川さんは自分が体が弱くて、体調を崩しやすいから…その苦しさとか、辛さを嫌って程わかってるんスね…。だからこんなに私の心配を…。
心配そうに私を覗き込んでいる小早川さん。その星を湛えたような大きな瞳は、今にも涙が零れ落ちてしまいそうな程に潤んでいる。大丈夫かと言葉をかけるくちびるは、ふっくらと桜色に色付いていてもうなんていうか…
……可愛い。
…ッいや待て待て待て待て!!!!確かに!今何を!私は何を考えたッ!!?
確かに私は百合が好きだ!断言しよう、百合が好きだ!!だけどもだけどっ!それはあくまで読んだり見たり書いたりする側での話ッス! 自分が体験するだなんてもってのほかッスよ!
「ふ…っふおぉぉおぉ…ッッ!!!!」
ゆ、百合なんてっ!百合体験なんてっ!!
「た、田村さんっ!?やっぱり、どこか具合悪いんじゃ…」
星を湛えた瞳。
桜色のくちびる。
桜色のくちびる。
……あう。
‐‐‐‐‐
Oh!イントルーダーアラート!
…じゃなかッタ、ターゲットをハッケンしマシタ♪ターゲットはゲンザイヒトリ。コイツァ朝からエンギがグッドでス!
…じゃなかッタ、ターゲットをハッケンしマシタ♪ターゲットはゲンザイヒトリ。コイツァ朝からエンギがグッドでス!
ソモソモこのガッコウ…というカ、パティのマワリには「萌キャラ」が多いのでス。ちびオタ・コナタ。クールビューティ・ミナミ。ヤマトナデシコ腐ジョシ・ヒヨリ。
デモデモ、ヤハリナンバワンの萌キャラは…
「グッモーニン、ユタカ!」
「あ、おはようパトリシアさん!」
「あ、おはようパトリシアさん!」
ソウ、このスズのコロガルようナロリボ…イエ、キューティボイス。クイーン・オブ・萌キャラは、ヤハリユタカデス!
「そうだ、あの…パトリシアさんにちょっとお願いがあるんだけど…」
「Oh!ユタカのためナラ例え火のナカ水のナカあのコのスカートのナカ!なんデモ言ってクダサイ!」
「あの…今日提出の、英語のプリントで…ちょっとわからないところがあってね…」
「ソコを見せれバ良いのデスね。Ok!任せてくだサイ、なんたっテイングリッシュは母国語デス♪」
「ほ、ほんと?ありがとうパトリシアさんっ!」
「Oh!ユタカのためナラ例え火のナカ水のナカあのコのスカートのナカ!なんデモ言ってクダサイ!」
「あの…今日提出の、英語のプリントで…ちょっとわからないところがあってね…」
「ソコを見せれバ良いのデスね。Ok!任せてくだサイ、なんたっテイングリッシュは母国語デス♪」
「ほ、ほんと?ありがとうパトリシアさんっ!」
不安なカオからイッペンして、ユタカがベリィキュートなスマイルになりマス。Ah...とても可愛ラシイデスユタカ…。このパティ、ユタカにダッタらフルボッコにされテモ構わナイデス…!!
「…でも、ごめんね…」
「ユタカ?」
「ユタカ?」
さっきのスマイルはドコカに消え失セ、ユタカは今にも泣きそうナ顔をしていマス…。
「私…ただでさえしょっちゅう具合悪くしてパトリシアさんにも迷惑かけてるのに…こんなことでまで迷惑かけちゃって…」
ユタカの眼カラ、ナミダがこぼれソウになっテ。そんナ…そんナ、ユタカは…
「…ごめんね……」
「ユタカ!」
「……っ!?」
「ユタカ!」
「……っ!?」
ショードウ的に、ユタカを抱き締めテいまシタ。マワリの眼?そんナのカンケーネエ。
「ぱ…っパトリシアさん、ここ教室…!」
「ユタカ。聞いてくだサイ。ユタカのカラダがヨワイのは、ユタカのせいじゃナイデス。そしてユタカ、ワタシは…ユタカにメイワクをかけられたオボエなんテ、今マデ一度もありまセン!」
「パトリシアさん…」
「だかラ、ユタカはあやまってハいけナイのデス!!」
「ユタカ。聞いてくだサイ。ユタカのカラダがヨワイのは、ユタカのせいじゃナイデス。そしてユタカ、ワタシは…ユタカにメイワクをかけられたオボエなんテ、今マデ一度もありまセン!」
「パトリシアさん…」
「だかラ、ユタカはあやまってハいけナイのデス!!」
ユタカは、その大きナ眼を一度閉じたアト。
「…うん、ありがとう…パトリシアさん」
マタ、オハヨウって言ってクレタ時のスマイルに戻って言いマシタ。
ソレは、まるデ、ハートがとろけるようナ。そんナ、…ビューティフルスマイル。
「ユタカ……I love you.」
ちゅ。
ちゅ。
「……ぱっ、パトリシアさん!!??いいい今…」
「Oh,ユタカ、アメリカではタイセツなヒトにはキッスをプレゼントするモノデスよ?」
「こ…ここは日本だよっ!」
「Oh,ユタカ、アメリカではタイセツなヒトにはキッスをプレゼントするモノデスよ?」
「こ…ここは日本だよっ!」
ソウ言って真っ赤になるユタカは、ベリィベリィキュートで。ヤハリユタカは、ナンバワンの…ワタシだけの、オンナノコデス♪
‐‐‐‐‐
学校から帰ってきて、お夕飯を食べてお風呂に入って。また、夜がやってくる。
今日も一日、色んなことがあったなあ…。お父さんお母さん、私のまわりはみんないい人ばっかりです。私はきっと、幸せ者だよね。
だから私は今日もこうして眠りにつく。長い夜の先にある、何の変哲もない、ごく普通の、とても素敵な一日へ向かうために。
だから私は今日もこうして眠りにつく。長い夜の先にある、何の変哲もない、ごく普通の、とても素敵な一日へ向かうために。
END.
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- ゆた☆フェチとはまた違った良さが溢れてますねwwwGJです! -- コメント職人U (2009-06-05 09:53:15)
- 是非コレの絵を見たい。 -- 名無しさん (2009-02-12 02:36:14)
- ↓ゆーちゃんのせいでロリ根になるんですね、わかります。 -- 名無しさん (2008-12-27 08:49:00)
- ゆーちゃんかわいいよゆーちゃん
-- 名無しさん (2008-10-12 17:39:37) - ゆーちゃんはとてもかぁいいですね。ゆーちゃんのせいでロリ
コn(ry) -- 九重龍太(仮名) (2008-03-31 23:30:16)