そっと、傷つけないように唇を重ねた。
重なる瞬間、自分もゆたかも目を閉じた。
そこから先は、理性の立ち入る隙が無く、
初めは触れているだけの唇も、やがてお互いを求めて落ち着かなかった。
「ん……んんぅ……」
意識しているわけでもないのに勝手によがった声が出て、
ますます「そういうこと」をしているんだという気にさせられる。
心臓はドクドクと音を立てて全身に忙しなく血液を運び、
それにより蒸気機関のように熱を帯びた体から、荒く深い息が何度も押し出された。
ひよりは、未だかつてないほどに興奮していた。
同級生の友達の、女性であるはずのゆたかに、性的な欲求すら感じてしまっている。
それはひより自身が一番よく分かっていた。
いつも、自分がそういう本を読んだときに感じる、あのどうしようもなく苦しくて、むず痒い気持ち。
それを何倍にも濃くした抑えようのない衝動が、ひよりの中で渦巻いている。
しかしひよりは今、それを静めることができない。
静めるどころか、ゆたかとこうしてキスしている以上、それはどんどんと積もり積もっていく。
ひよりはゆたかを求め続けることでしか、それを崩していくことができなかった。
「くちゅ……ちゅぷ……んぅ」
「ふぁ……んん、んん~……」
唇が触れ合う音と自らの声、そしてゆたかの声はひよりを昂らせ、行為をエスカレートさせていく。
体は疼いて仕方がなく、太ももは無意識にもじもじと擦りあわさった。
しかしどうしても止まらない欲求は、ひよりにゆたかの口の中へと舌を捻じ込ませた。
「ん、ふ、ぁあっ……んんんぁあっ……」
瞬間、おかしくなってしまいそうなほどの、はっきりとした快感がひよりに流れ込み、
淫らに色づいた声が口から捻り出された。
「ちゅぱ……じゅくじゅく……ぴちゃ」
「ん、ん、ふぅぅ、んん~……んふぁぁ……」
ゆたかと舌を絡ませると胸がきゅうぅと縮み、息苦しさと気持ちよさが混ざりあった。
ぬるぬるとした舌の触覚は本来心地良さとは無縁だが、今はそれが堪らなく愛おしかった。
これ以上続けると本当にどうかなってしまう、そう思うところまできて、ひよりは口を離した。
「こ、小早川さ……んっ」
しかし、ゆたかはそれを許さなかった。
ゆたかもまた、ひよりを強く求めていたのだ。
手を伸ばしてひよりの頭を寄せ、今度はゆたかのほうから口付けた。
ゆたかの舌がひよりに入ってくるのと同時に、ひよりの体にぴりぴりと熱いものが駆け巡った。
下着の湿り気はもう誤魔化せない。ひよりはゆたかとのキスで、完全に感じてしまっていた。
何度も離れたり、一つになったりを繰り返しながら、二人は夢中でキスをし合った。
重なる瞬間、自分もゆたかも目を閉じた。
そこから先は、理性の立ち入る隙が無く、
初めは触れているだけの唇も、やがてお互いを求めて落ち着かなかった。
「ん……んんぅ……」
意識しているわけでもないのに勝手によがった声が出て、
ますます「そういうこと」をしているんだという気にさせられる。
心臓はドクドクと音を立てて全身に忙しなく血液を運び、
それにより蒸気機関のように熱を帯びた体から、荒く深い息が何度も押し出された。
ひよりは、未だかつてないほどに興奮していた。
同級生の友達の、女性であるはずのゆたかに、性的な欲求すら感じてしまっている。
それはひより自身が一番よく分かっていた。
いつも、自分がそういう本を読んだときに感じる、あのどうしようもなく苦しくて、むず痒い気持ち。
それを何倍にも濃くした抑えようのない衝動が、ひよりの中で渦巻いている。
しかしひよりは今、それを静めることができない。
静めるどころか、ゆたかとこうしてキスしている以上、それはどんどんと積もり積もっていく。
ひよりはゆたかを求め続けることでしか、それを崩していくことができなかった。
「くちゅ……ちゅぷ……んぅ」
「ふぁ……んん、んん~……」
唇が触れ合う音と自らの声、そしてゆたかの声はひよりを昂らせ、行為をエスカレートさせていく。
体は疼いて仕方がなく、太ももは無意識にもじもじと擦りあわさった。
しかしどうしても止まらない欲求は、ひよりにゆたかの口の中へと舌を捻じ込ませた。
「ん、ふ、ぁあっ……んんんぁあっ……」
瞬間、おかしくなってしまいそうなほどの、はっきりとした快感がひよりに流れ込み、
淫らに色づいた声が口から捻り出された。
「ちゅぱ……じゅくじゅく……ぴちゃ」
「ん、ん、ふぅぅ、んん~……んふぁぁ……」
ゆたかと舌を絡ませると胸がきゅうぅと縮み、息苦しさと気持ちよさが混ざりあった。
ぬるぬるとした舌の触覚は本来心地良さとは無縁だが、今はそれが堪らなく愛おしかった。
これ以上続けると本当にどうかなってしまう、そう思うところまできて、ひよりは口を離した。
「こ、小早川さ……んっ」
しかし、ゆたかはそれを許さなかった。
ゆたかもまた、ひよりを強く求めていたのだ。
手を伸ばしてひよりの頭を寄せ、今度はゆたかのほうから口付けた。
ゆたかの舌がひよりに入ってくるのと同時に、ひよりの体にぴりぴりと熱いものが駆け巡った。
下着の湿り気はもう誤魔化せない。ひよりはゆたかとのキスで、完全に感じてしまっていた。
何度も離れたり、一つになったりを繰り返しながら、二人は夢中でキスをし合った。
「ぷは……はぁ……はぁ……」
二人がようやくキスを終えたのは、部屋に差し込む日がすっかりオレンジ色になっている頃だった。
うつ伏せで枕に顔を埋めていたひよりは、赤く照らされているゆたかの顔を見てそれに気付く。
「ふぇ……もうこんな時間?」
スケッチを始めたのはいつ頃だったかはもう思い出せないが、少なくとも一時間、
もしかすると二時間以上はこうしてゆたかとベッドにいたかもしれない。
「ホントだ……そろそろ、帰らなきゃ……」
ふぅ、ふぅ、と息をついて、ゆたかがぼんやりと言った。
「小早川さん、大丈夫?」
「うん……でも、ちょっと、力が抜けちゃったかな……」
そう言って天井を見上げるゆたかに辛そうな表情は見えないが、
声の調子から察するに若干の疲れが残っているようで、
ゆたかをこんな状態にした原因が自分であることに、ひよりは申し訳ない気持ちになった。
「よいしょ、っと」
せめてもの恩返しと、ひよりは体を起こし、ゆたかの背を支えて起き上がる手伝いをした。
ゆたかはベッドから床に足を付けたときに少しふらついたが、
そばに居たひよりにしがみついてこけずに済み、えへへとはにかんで笑った。
それにつられてひよりからも、自然と笑みが零れた。
「今日はありがとうね、田村さん」
「ううん、こちらこそ。結局何も出来なかったけど、よかったらまた来てあげてね」
二人とも敢えてさっきまでベッドでしていたことには触れなかった。
気まずかった、というわけではなく、どちらかというと恥ずかしさのほうが先行したのだろう。
ひよりは玄関までゆたかを見送り、ゆたかが見えなくなるまで手を振り続けた。
本来ならば、ゆたかがあんな状態なので、最低でも駅までは送っていかなくてはいけないのだろうが、
今のひよりにそれは出来なかった。
一つは、ゆたかを見ていると、また求めてしまいそうだったから。
そしてもう一つは――
「んっ、はぁ、んんっ……」
ひよりは、自室に戻るとすぐにベッドに寝ころがり、布団を被った。
そして、そっと自分のスカートの中に手を入れ、湿った下着越しに自らの秘所を撫でた。
みっともないかもしれないが、ひよりはもうとっくに我慢できなくなってしまっていたのだ。
いくらゆたかと激しくキスをしても、体は焦らされるだけで性的欲求自体が解消されるわけではなく、
こうして自らを慰めることでしか、それは成し得ない。
まさかゆたかの前でするわけにもいかなかったので、
実のところ、ひよりはゆたかが早めに帰ってくれて助かったという気持ちもあった。
「ふぁ、ああぁ、ん、ん、あぁっ……」
ぐしょぐしょの下着が気持ち悪くなってすぐにそれを脱ぎ、直に指を沿わせた。
初めてキスをしてからの数時間分、たっぷりと焦らされたそこはこの上なく敏感になっていて、
少し触れただけでも声を出さずにはいられないほどの快感が全身を突き抜けた。
顔を埋めた枕にはまだゆたかの匂いが残っていて、意識してやったわけではなかったが、
そうするとゆたかとのキスの感覚が鮮明に思い出されて、ますますひよりの快感を募らせた。
「小早川、さ、ん……んん、はぁ、はぁぁっ、気持ちいいよぅ……」
ひよりは頭の中で、自分の手をゆたかの手にすり替えた。
友人をネタにして自慰をする日が来るとはひよりもまさか思っていなかったが、
そうすることで今まで経験したことのないほどの快感を手に入れることが出来た。
ぐちゅぐちゅといやらしい音を立て、
尚もひよりの太ももを濡らすそこが限界を迎えるのは、それほど時間のかからないことだった。
「はっ、あっ、も、ダメ……小早川、さぁん……」
ひよりはぎゅっと目を瞑り、右手の人差し指を噛んだ。
ぞくぞくと毛穴が開き、何かが自分の中を駆け上がってくるのを感じて、そして、
「ん、ふっ、あっ、ああっ……んふぁ、ああぁあぁっ!!!」
と声を上げ、びくびくと体を痙攣させた後、ひよりは力尽きてぐったりとベッドに仰向けになった。
「ふぅ……ん、ふぅ……」
薄暗くなった部屋でひよりは先ほどのゆたかのようにぼんやりと天井を見上げた。
どっと疲れが押し寄せたのか、やがて目を閉じ、そのまま眠りへと落ちていった。
二人がようやくキスを終えたのは、部屋に差し込む日がすっかりオレンジ色になっている頃だった。
うつ伏せで枕に顔を埋めていたひよりは、赤く照らされているゆたかの顔を見てそれに気付く。
「ふぇ……もうこんな時間?」
スケッチを始めたのはいつ頃だったかはもう思い出せないが、少なくとも一時間、
もしかすると二時間以上はこうしてゆたかとベッドにいたかもしれない。
「ホントだ……そろそろ、帰らなきゃ……」
ふぅ、ふぅ、と息をついて、ゆたかがぼんやりと言った。
「小早川さん、大丈夫?」
「うん……でも、ちょっと、力が抜けちゃったかな……」
そう言って天井を見上げるゆたかに辛そうな表情は見えないが、
声の調子から察するに若干の疲れが残っているようで、
ゆたかをこんな状態にした原因が自分であることに、ひよりは申し訳ない気持ちになった。
「よいしょ、っと」
せめてもの恩返しと、ひよりは体を起こし、ゆたかの背を支えて起き上がる手伝いをした。
ゆたかはベッドから床に足を付けたときに少しふらついたが、
そばに居たひよりにしがみついてこけずに済み、えへへとはにかんで笑った。
それにつられてひよりからも、自然と笑みが零れた。
「今日はありがとうね、田村さん」
「ううん、こちらこそ。結局何も出来なかったけど、よかったらまた来てあげてね」
二人とも敢えてさっきまでベッドでしていたことには触れなかった。
気まずかった、というわけではなく、どちらかというと恥ずかしさのほうが先行したのだろう。
ひよりは玄関までゆたかを見送り、ゆたかが見えなくなるまで手を振り続けた。
本来ならば、ゆたかがあんな状態なので、最低でも駅までは送っていかなくてはいけないのだろうが、
今のひよりにそれは出来なかった。
一つは、ゆたかを見ていると、また求めてしまいそうだったから。
そしてもう一つは――
「んっ、はぁ、んんっ……」
ひよりは、自室に戻るとすぐにベッドに寝ころがり、布団を被った。
そして、そっと自分のスカートの中に手を入れ、湿った下着越しに自らの秘所を撫でた。
みっともないかもしれないが、ひよりはもうとっくに我慢できなくなってしまっていたのだ。
いくらゆたかと激しくキスをしても、体は焦らされるだけで性的欲求自体が解消されるわけではなく、
こうして自らを慰めることでしか、それは成し得ない。
まさかゆたかの前でするわけにもいかなかったので、
実のところ、ひよりはゆたかが早めに帰ってくれて助かったという気持ちもあった。
「ふぁ、ああぁ、ん、ん、あぁっ……」
ぐしょぐしょの下着が気持ち悪くなってすぐにそれを脱ぎ、直に指を沿わせた。
初めてキスをしてからの数時間分、たっぷりと焦らされたそこはこの上なく敏感になっていて、
少し触れただけでも声を出さずにはいられないほどの快感が全身を突き抜けた。
顔を埋めた枕にはまだゆたかの匂いが残っていて、意識してやったわけではなかったが、
そうするとゆたかとのキスの感覚が鮮明に思い出されて、ますますひよりの快感を募らせた。
「小早川、さ、ん……んん、はぁ、はぁぁっ、気持ちいいよぅ……」
ひよりは頭の中で、自分の手をゆたかの手にすり替えた。
友人をネタにして自慰をする日が来るとはひよりもまさか思っていなかったが、
そうすることで今まで経験したことのないほどの快感を手に入れることが出来た。
ぐちゅぐちゅといやらしい音を立て、
尚もひよりの太ももを濡らすそこが限界を迎えるのは、それほど時間のかからないことだった。
「はっ、あっ、も、ダメ……小早川、さぁん……」
ひよりはぎゅっと目を瞑り、右手の人差し指を噛んだ。
ぞくぞくと毛穴が開き、何かが自分の中を駆け上がってくるのを感じて、そして、
「ん、ふっ、あっ、ああっ……んふぁ、ああぁあぁっ!!!」
と声を上げ、びくびくと体を痙攣させた後、ひよりは力尽きてぐったりとベッドに仰向けになった。
「ふぅ……ん、ふぅ……」
薄暗くなった部屋でひよりは先ほどのゆたかのようにぼんやりと天井を見上げた。
どっと疲れが押し寄せたのか、やがて目を閉じ、そのまま眠りへと落ちていった。
翌朝。
登校途中の電車の中、ひよりは二つのことで頭を抱えていた。
一つはあの後、ご飯が出来たことを告げにきた母親に起こされたのはいいが、
それ以降も疲れが取れず、結局原稿に手を付けていないせいで、
ますます締め切りが危なくなってしまったということ。
そしてもう一つは今日、ゆたかにどんな顔をして挨拶をしたらいいのかということだ。
前者のほうはこれから教室で一秒も無駄にすることなくペンを走らせればいいのだが、
後者は避けられない問題であり、なおかつこれといった対策も思いつかないので厄介である。
(でも、普段どおりにすればいいんだよね、きっと)
おそらくゆたかも自分と同じことを考えているに違いない。
意識しないことを心がける、というもの変な話だが、ひよりはそのつもりでゆたかに接しようと決めた。
「おはよう、田村さん!」
「う、うん、おはよう、小早川さん」
いつも通りを心がけていたのに若干詰まってしまったのは、
ゆたかがあまりにも普段通り過ぎる挨拶をしてきたからに他ならない。
明るく後ろ暗いことが何もないような態度は、
昨日あんなことがあったのをすっかり忘れてしまっているような印象すら受ける。
(もしかしてホントに忘れちゃったのかな……?)
確かにキスの後、ゆたかはぼんやりとしていたが、
まさか家に帰って寝てしまったら全て忘れてしまったなどということは、
いくら少しうっかりしているところがあるゆたかとはいえ、あり得ないことだろう。
念のために確認を取りたいところでもあるが、
ヘタに昨日の話題を出してギクシャクしてしまうよりは、今の状態のほうが二人に取って都合がいい。
「あ、おはよう、みなみちゃん!」
「おはよう、ゆたか」
ゆたかがいつも通りにしているのなら、自分もいつも通りにするまでだ。
「Hi,ヒヨリ、ドウかしましたカ?」
「あ、パティ。どう、って、別にどうもしてないけど……」
後方から話しかけてきたパティに対し、ひよりは普段通りに対応したが、
パティの言葉に対してひよりは少しだけ体を緊張させた。
パティはこう見えてカンが鋭いところがある。
おそらくさっきのひよりがゆたかを見る目が、普段通りではなかったのだろう。
しかしそのことに気付いたからと言って、昨日、ゆたかとの間にあったことを察することはできないはずだ。
「ソウですカ? ユタカのホウを見て、何かムズかしい顔をしていたヨウに見えましタが……」
だから、慎重に、ボロを出さないように話していけば、きっと大丈夫なはず。
ひよりは、そう心の中で自分に言い聞かせた。
「マァいいでス。ソレより、『シンカン』のほうはジュンチョウでスか?」
「う、うーん、実は結構マズかったりして……。
今日もココで描くためにもってきたんだけどね。なかなか最後がビシっと決まらなくて……」
「Oh,ユタカのkiss sceneのトコでスね?」
「しーっ! 声が大きいよっ!」
「S,sorry...とイウことは、結局ユタカにはキョウリョクしてもらえなかったんでスね?」
「いやー、協力はしてもらえたんだけどね……」
そこまで言って、ひよりは一瞬しまったと思ったが、
嘘を隠すために嘘を付いてはいつかは取り返しのつかないことになりそうだったので、
瞬時に思考を切り替え、何食わぬ顔で昨日描いたゆたかのスケッチをカバンから出した。
「Oh,コレはvery prettyなユタカでス。コンナ顔をされたら、オモわずkissしたくなってしまいまスね」
しかし、この言葉にはさすがに動揺せざるを得なかった。
元々ひよりは隠し事は得意なほうではない。
みなみのようにポーカーフェイスならまだしも、漫画を描いているせいで表情が変わりやすいこともあって、
ひよりの顔には明らかな動揺の色が浮かんでいた。
「ヒヨリ? マサカ、ホントにkissしてシマったのでスか?」
「そ、そそそんなわけないよっ!! 確かに可愛かったけど、さすがにそんなことしたりはしないよ~」
「Mmm,ソレもソウでスね。危うく二次元とサン次元を混同するトコロでシた」
思いっきり上ずった声で喋ってしまったが、パティは気付かなかったのか、
それとも敢えて突っ込まなかったのかは分からないが、ひよりはなんとかその場を凌ぐことができた。
もっと気を楽にしなきゃ、と気持ちを改め、ゆたかのキスの表情は後回しに、
ひよりは他のページの執筆へと取り掛かった。
登校途中の電車の中、ひよりは二つのことで頭を抱えていた。
一つはあの後、ご飯が出来たことを告げにきた母親に起こされたのはいいが、
それ以降も疲れが取れず、結局原稿に手を付けていないせいで、
ますます締め切りが危なくなってしまったということ。
そしてもう一つは今日、ゆたかにどんな顔をして挨拶をしたらいいのかということだ。
前者のほうはこれから教室で一秒も無駄にすることなくペンを走らせればいいのだが、
後者は避けられない問題であり、なおかつこれといった対策も思いつかないので厄介である。
(でも、普段どおりにすればいいんだよね、きっと)
おそらくゆたかも自分と同じことを考えているに違いない。
意識しないことを心がける、というもの変な話だが、ひよりはそのつもりでゆたかに接しようと決めた。
「おはよう、田村さん!」
「う、うん、おはよう、小早川さん」
いつも通りを心がけていたのに若干詰まってしまったのは、
ゆたかがあまりにも普段通り過ぎる挨拶をしてきたからに他ならない。
明るく後ろ暗いことが何もないような態度は、
昨日あんなことがあったのをすっかり忘れてしまっているような印象すら受ける。
(もしかしてホントに忘れちゃったのかな……?)
確かにキスの後、ゆたかはぼんやりとしていたが、
まさか家に帰って寝てしまったら全て忘れてしまったなどということは、
いくら少しうっかりしているところがあるゆたかとはいえ、あり得ないことだろう。
念のために確認を取りたいところでもあるが、
ヘタに昨日の話題を出してギクシャクしてしまうよりは、今の状態のほうが二人に取って都合がいい。
「あ、おはよう、みなみちゃん!」
「おはよう、ゆたか」
ゆたかがいつも通りにしているのなら、自分もいつも通りにするまでだ。
「Hi,ヒヨリ、ドウかしましたカ?」
「あ、パティ。どう、って、別にどうもしてないけど……」
後方から話しかけてきたパティに対し、ひよりは普段通りに対応したが、
パティの言葉に対してひよりは少しだけ体を緊張させた。
パティはこう見えてカンが鋭いところがある。
おそらくさっきのひよりがゆたかを見る目が、普段通りではなかったのだろう。
しかしそのことに気付いたからと言って、昨日、ゆたかとの間にあったことを察することはできないはずだ。
「ソウですカ? ユタカのホウを見て、何かムズかしい顔をしていたヨウに見えましタが……」
だから、慎重に、ボロを出さないように話していけば、きっと大丈夫なはず。
ひよりは、そう心の中で自分に言い聞かせた。
「マァいいでス。ソレより、『シンカン』のほうはジュンチョウでスか?」
「う、うーん、実は結構マズかったりして……。
今日もココで描くためにもってきたんだけどね。なかなか最後がビシっと決まらなくて……」
「Oh,ユタカのkiss sceneのトコでスね?」
「しーっ! 声が大きいよっ!」
「S,sorry...とイウことは、結局ユタカにはキョウリョクしてもらえなかったんでスね?」
「いやー、協力はしてもらえたんだけどね……」
そこまで言って、ひよりは一瞬しまったと思ったが、
嘘を隠すために嘘を付いてはいつかは取り返しのつかないことになりそうだったので、
瞬時に思考を切り替え、何食わぬ顔で昨日描いたゆたかのスケッチをカバンから出した。
「Oh,コレはvery prettyなユタカでス。コンナ顔をされたら、オモわずkissしたくなってしまいまスね」
しかし、この言葉にはさすがに動揺せざるを得なかった。
元々ひよりは隠し事は得意なほうではない。
みなみのようにポーカーフェイスならまだしも、漫画を描いているせいで表情が変わりやすいこともあって、
ひよりの顔には明らかな動揺の色が浮かんでいた。
「ヒヨリ? マサカ、ホントにkissしてシマったのでスか?」
「そ、そそそんなわけないよっ!! 確かに可愛かったけど、さすがにそんなことしたりはしないよ~」
「Mmm,ソレもソウでスね。危うく二次元とサン次元を混同するトコロでシた」
思いっきり上ずった声で喋ってしまったが、パティは気付かなかったのか、
それとも敢えて突っ込まなかったのかは分からないが、ひよりはなんとかその場を凌ぐことができた。
もっと気を楽にしなきゃ、と気持ちを改め、ゆたかのキスの表情は後回しに、
ひよりは他のページの執筆へと取り掛かった。
休み時間をフルに使って左手を動かし続けようと決めていたひよりだったが、
今日の四時間目は体育であり、その直前の休み時間は体操服に着替えないといけないため、
さすがのひよりもその場で漫画を描き続けることは出来なかった。
「ううー、マズいなぁ~……間に合うかなぁ~……」
「Relaxして下サイ、ヒヨリ。
マンガのコトばかり考えてイては、またミナミにdodge ballをブツけられてしまいますヨ?」
「いや、それは関係ないんじゃ……あ、私トイレ行ってくるから、先に行ってて、パティ」
「リョーカイしましタね」
そう言ってパティと別れてトイレに入り、用を済ませ、
今月始まったお気に入りのアニメのOPを鼻歌で歌いながら、洗面台で手を洗った。
しかしその歌は、
「田村さんっ!」
と、背後から突然名前を呼ばれたことにより、「わっ!」という自らの驚きの声を最後に止められてしまった。
「こ、小早川さん?」
ひよりが振り向くと、そこには体操服姿のゆたかがいた。
「どうしたの、こんなところで……岩崎さんは?」
「先に行ってもらったんだ……。それより、昨日のことなんだけど……」
昨日のこと、と言われれば、話すことは一つしかなかった。
ひよりはゆたかが忘れているわけではなかったことに安心したが、
深刻そうなゆたかの話に耳を傾けるためにすぐに心を切り替えた。
「あれ以来、なんだかずっと胸がドキドキしてるんだ……。
ちょっと苦しくって、最初は風邪引いちゃったかな、と思ったんだけど、熱は無いみたいで、
でもあの時のことを思い出すともっと変な気分になっちゃって……」
ひよりは、ゆたかの言葉を聞いてようやく気付くことができた。
あのとき興奮していたのは、何も自分だけではなかったのだ。
ひよりは勝手に、ゆたかは純粋故に興奮などしないと思っていたが、
発達の差はあるものの、同じ高校一年生の体だ、
知識の有無とは関係なく、あのように長い間キスをしていれば反応してしまうのは当然だった。
しかもゆたかの場合本当に無知であったから、自分を慰める手段も知らず、
ずっと胸のモヤモヤを抱き続けることになってしまった。
それが何かも分からないゆたかがどれだけ辛かったかを思うと、ひよりはいたたまれない気持ちになった。
「お風呂に入って、眠っちゃったら良くなったんだけど、
今日はなるべく昨日のことは考えないようにしようと思って、普段通りにしようとしてたんだ。
でも、田村さんのことを見るとどうしても思い出しちゃって……。
だから……お願いっ、田村さん! もう一回、私とキス、してくれないかな……?」
「こ、小早川さん!?」
「そしたら、きっとこの気持ちも治まると思うから……でもやっぱり、ダメ、かな……」
ゆたかは目を伏せ、今にも泣き出しそうだった。
ここでゆたかの頼みを断われば、ひよりは困っている友人を見捨てることになる。
ひよりはまさかそんなお願いをされるとは思っておらず、突然のことに返答を考える余裕は無かった。
しかしゆたかは昨日、自分の突然の、勝手な頼みをどうしただろうか?
ゆたかは、「田村さんのためだもん」と言って、迷う素振りも見せずに協力してくれた。
「一回だけ、だよ……? でないと、また変な気分になっちゃうといけないから……」
昨日手伝ってもらったことへのお返し。
そして、なにより自らの、「ゆたかともう一度キスしたい」という願望も含ませ、ひよりはゆたかを受け入れた。
「ありがとう、田村さん……」
ゆたかが目を瞑ったのを見て、ひよりは唇を近づけた。
この行為も三回目となるが、やけに慣れてきたようだった。
「んっ……ん、ふっ……」
唇が重なったと同時に、ゆたかの舌が滑り込んできて、ひよりの口の中をかき乱した。
ひよりは予期せぬ強烈な刺激に思わずゆたかの肩を持ち、引き離した。
「こ、小早川さん……ダメ、だよ……また、止まらなくなっちゃう……」
「お願い、田村さん……今だけでいいから……」
少しだけ目元を潤ませて、上目遣いで自分を見つめるゆたかに、ひよりは駄目だと言えるはずもなかった。
「小早川さん……」
ひよりはゆたかを離さないようにそっと抱きしめ、また一つになった。
「ん……ちゅく……んぅ」
互いのドクドクと音を立てる胸を鼓動を感じ、それに触発されて二人の行為も一層熱を帯びた。
二人きりの空間に、二人分の吐息と、一つ分の水音だけが響いていた。
授業開始を告げるチャイムが鳴っても、二人はそこから動かなかった。
ひよりも、ゆたかも、今は動きたくなかった。
今日の四時間目は体育であり、その直前の休み時間は体操服に着替えないといけないため、
さすがのひよりもその場で漫画を描き続けることは出来なかった。
「ううー、マズいなぁ~……間に合うかなぁ~……」
「Relaxして下サイ、ヒヨリ。
マンガのコトばかり考えてイては、またミナミにdodge ballをブツけられてしまいますヨ?」
「いや、それは関係ないんじゃ……あ、私トイレ行ってくるから、先に行ってて、パティ」
「リョーカイしましタね」
そう言ってパティと別れてトイレに入り、用を済ませ、
今月始まったお気に入りのアニメのOPを鼻歌で歌いながら、洗面台で手を洗った。
しかしその歌は、
「田村さんっ!」
と、背後から突然名前を呼ばれたことにより、「わっ!」という自らの驚きの声を最後に止められてしまった。
「こ、小早川さん?」
ひよりが振り向くと、そこには体操服姿のゆたかがいた。
「どうしたの、こんなところで……岩崎さんは?」
「先に行ってもらったんだ……。それより、昨日のことなんだけど……」
昨日のこと、と言われれば、話すことは一つしかなかった。
ひよりはゆたかが忘れているわけではなかったことに安心したが、
深刻そうなゆたかの話に耳を傾けるためにすぐに心を切り替えた。
「あれ以来、なんだかずっと胸がドキドキしてるんだ……。
ちょっと苦しくって、最初は風邪引いちゃったかな、と思ったんだけど、熱は無いみたいで、
でもあの時のことを思い出すともっと変な気分になっちゃって……」
ひよりは、ゆたかの言葉を聞いてようやく気付くことができた。
あのとき興奮していたのは、何も自分だけではなかったのだ。
ひよりは勝手に、ゆたかは純粋故に興奮などしないと思っていたが、
発達の差はあるものの、同じ高校一年生の体だ、
知識の有無とは関係なく、あのように長い間キスをしていれば反応してしまうのは当然だった。
しかもゆたかの場合本当に無知であったから、自分を慰める手段も知らず、
ずっと胸のモヤモヤを抱き続けることになってしまった。
それが何かも分からないゆたかがどれだけ辛かったかを思うと、ひよりはいたたまれない気持ちになった。
「お風呂に入って、眠っちゃったら良くなったんだけど、
今日はなるべく昨日のことは考えないようにしようと思って、普段通りにしようとしてたんだ。
でも、田村さんのことを見るとどうしても思い出しちゃって……。
だから……お願いっ、田村さん! もう一回、私とキス、してくれないかな……?」
「こ、小早川さん!?」
「そしたら、きっとこの気持ちも治まると思うから……でもやっぱり、ダメ、かな……」
ゆたかは目を伏せ、今にも泣き出しそうだった。
ここでゆたかの頼みを断われば、ひよりは困っている友人を見捨てることになる。
ひよりはまさかそんなお願いをされるとは思っておらず、突然のことに返答を考える余裕は無かった。
しかしゆたかは昨日、自分の突然の、勝手な頼みをどうしただろうか?
ゆたかは、「田村さんのためだもん」と言って、迷う素振りも見せずに協力してくれた。
「一回だけ、だよ……? でないと、また変な気分になっちゃうといけないから……」
昨日手伝ってもらったことへのお返し。
そして、なにより自らの、「ゆたかともう一度キスしたい」という願望も含ませ、ひよりはゆたかを受け入れた。
「ありがとう、田村さん……」
ゆたかが目を瞑ったのを見て、ひよりは唇を近づけた。
この行為も三回目となるが、やけに慣れてきたようだった。
「んっ……ん、ふっ……」
唇が重なったと同時に、ゆたかの舌が滑り込んできて、ひよりの口の中をかき乱した。
ひよりは予期せぬ強烈な刺激に思わずゆたかの肩を持ち、引き離した。
「こ、小早川さん……ダメ、だよ……また、止まらなくなっちゃう……」
「お願い、田村さん……今だけでいいから……」
少しだけ目元を潤ませて、上目遣いで自分を見つめるゆたかに、ひよりは駄目だと言えるはずもなかった。
「小早川さん……」
ひよりはゆたかを離さないようにそっと抱きしめ、また一つになった。
「ん……ちゅく……んぅ」
互いのドクドクと音を立てる胸を鼓動を感じ、それに触発されて二人の行為も一層熱を帯びた。
二人きりの空間に、二人分の吐息と、一つ分の水音だけが響いていた。
授業開始を告げるチャイムが鳴っても、二人はそこから動かなかった。
ひよりも、ゆたかも、今は動きたくなかった。
二人がグラウンドに到着したのは、授業が始まってから十五分程過ぎた頃だった。
遅刻した理由について、ゆたかは自分の調子が少し悪くなって、
しばらくひよりに付き添ってもらっていたと話し、
先生もクラスメイトもそれを疑うことは無かったため、事なきをえた。
見学席に移動するゆたかにみなみが心配そうに話しかけたが、
もう大丈夫だからと返すゆたかと、
みなみはひよりのことも信頼していることもあって、それ以上に心配することはなかった。
「ユタカ、ダイジョウブでしタか?」
「うん、もう良くなったって」
今のゆたかは完全に仮病なため、心配いらないことは確かなのだが、
今日二回もパティに嘘を付いてしまったことに、ひよりは少し罪悪感を抱いた。
遅刻した理由について、ゆたかは自分の調子が少し悪くなって、
しばらくひよりに付き添ってもらっていたと話し、
先生もクラスメイトもそれを疑うことは無かったため、事なきをえた。
見学席に移動するゆたかにみなみが心配そうに話しかけたが、
もう大丈夫だからと返すゆたかと、
みなみはひよりのことも信頼していることもあって、それ以上に心配することはなかった。
「ユタカ、ダイジョウブでしタか?」
「うん、もう良くなったって」
今のゆたかは完全に仮病なため、心配いらないことは確かなのだが、
今日二回もパティに嘘を付いてしまったことに、ひよりは少し罪悪感を抱いた。
「はぁ……今日もキスしちゃったな……」
帰宅後、夕飯を済ませて自室に戻り、漫画の原稿をカバンから出しながらひよりはそう呟いた。
もしこのままゆたかとキスし合う日が続けば、いつかはみなみやパティにバレてしまうだろう。
そもそも、ひよりとゆたかは付き合っているわけではない。
今日のゆたかは、自分のモヤモヤした気持ちをどうにかしたくてひよりにキスを求めたのであって、
そこに恋愛感情の類はなく、そのようなキスが望ましいかと言われればそうではない。
しかし、今のゆたかにはそうする他に選択肢はなく、
そんなゆたかをあっさりと突き放せるほど、ひよりは薄情な人間でもない。
おそらく、明日も、明後日も、その次の日も、ひよりはゆたかのキスを求められたら、断われないだろう。
「いっそ、小早川さんにアレのやり方を教えちゃうとか……って、何言ってんだ、私は……」
しかし、ひよりもまた、自分の欲望を抑えられないのも事実。
ひよりはゆたかとのキスが癖になりつつあり、その証拠に、
今日もチャイムがなったにも関わらず、授業に行くことよりもゆたかとのキスを優先してしまった。
今も、本来なら漫画を完成させなければならない状況だが、
原稿を机の上に出しただけで一向に手をつけず、することと言えばのはゆたかのことを考えることだけだった。
「小早川さん……」
顔を赤く火照らせたひよりは、昨日のように少しずつ左手をスカートのほうへと伸ばしていった。
そして指先がそこに触れかけた、そのとき、
「ピリリリリリリ……」
「わっ! って、電話? 誰からだろ……」
ひよりを制止するかのように携帯電話が鳴った。
しかし、その電話の主――小早川ゆたかは、ひよりを制止するどころか、
この後さらに良くない方向へと進ませることとなる。
「こ、小早川さん!? も、もしもし?」
「田村さん……私、また昨日みたいな変な気分になっちゃって……どうしたらいいのかな……」
ひよりは少しの間、躊躇していた。
この先、自分の取ろうとしている行動が、どのような意味を持つかを考えたからだ。
しかし、ゆたかのことを助けたいという思い、そして自らの好奇心と欲求が、その躊躇いを簡単に乗り越えた。
「小早川さん……私の言うことを、よく聞いてくれる……?」
帰宅後、夕飯を済ませて自室に戻り、漫画の原稿をカバンから出しながらひよりはそう呟いた。
もしこのままゆたかとキスし合う日が続けば、いつかはみなみやパティにバレてしまうだろう。
そもそも、ひよりとゆたかは付き合っているわけではない。
今日のゆたかは、自分のモヤモヤした気持ちをどうにかしたくてひよりにキスを求めたのであって、
そこに恋愛感情の類はなく、そのようなキスが望ましいかと言われればそうではない。
しかし、今のゆたかにはそうする他に選択肢はなく、
そんなゆたかをあっさりと突き放せるほど、ひよりは薄情な人間でもない。
おそらく、明日も、明後日も、その次の日も、ひよりはゆたかのキスを求められたら、断われないだろう。
「いっそ、小早川さんにアレのやり方を教えちゃうとか……って、何言ってんだ、私は……」
しかし、ひよりもまた、自分の欲望を抑えられないのも事実。
ひよりはゆたかとのキスが癖になりつつあり、その証拠に、
今日もチャイムがなったにも関わらず、授業に行くことよりもゆたかとのキスを優先してしまった。
今も、本来なら漫画を完成させなければならない状況だが、
原稿を机の上に出しただけで一向に手をつけず、することと言えばのはゆたかのことを考えることだけだった。
「小早川さん……」
顔を赤く火照らせたひよりは、昨日のように少しずつ左手をスカートのほうへと伸ばしていった。
そして指先がそこに触れかけた、そのとき、
「ピリリリリリリ……」
「わっ! って、電話? 誰からだろ……」
ひよりを制止するかのように携帯電話が鳴った。
しかし、その電話の主――小早川ゆたかは、ひよりを制止するどころか、
この後さらに良くない方向へと進ませることとなる。
「こ、小早川さん!? も、もしもし?」
「田村さん……私、また昨日みたいな変な気分になっちゃって……どうしたらいいのかな……」
ひよりは少しの間、躊躇していた。
この先、自分の取ろうとしている行動が、どのような意味を持つかを考えたからだ。
しかし、ゆたかのことを助けたいという思い、そして自らの好奇心と欲求が、その躊躇いを簡単に乗り越えた。
「小早川さん……私の言うことを、よく聞いてくれる……?」
電話越しに、二人の吐息が重なった。
【続】
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- ひよゆたいいな -- 名無しさん (2008-03-15 15:53:24)
- これは続きにwktkせざるを得ない!
ひよゆた!ひよゆた! -- 名無しさん (2008-03-11 07:17:49)