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(こなた視点)
3月に入り、厳しい季節はようやく終わりを告げようとしている。
『仰げば尊し、わが師の恩~ 』
夜のローカルニュースでは、高校の卒業式を放送している。
私の卒業証書も、今日、埼玉から送られてきた。
三学期は、一度も登校していないのに卒業してしまったことに、とても複雑な気分になる。
でも、私はまだいい。
頭を痛めているのは、私の同居人のことだ。
『仰げば尊し、わが師の恩~ 』
夜のローカルニュースでは、高校の卒業式を放送している。
私の卒業証書も、今日、埼玉から送られてきた。
三学期は、一度も登校していないのに卒業してしまったことに、とても複雑な気分になる。
でも、私はまだいい。
頭を痛めているのは、私の同居人のことだ。
「ゆーちゃん。バイトしたいの? 」
「こなたお姉ちゃんばかりに迷惑かけられないから」
バイト先から家に帰って食事をしている時に、ゆーちゃんがお願いをしてきた。
「でも、ゆーちゃんは、学校に行かないと駄目だから」
ゆーちゃんには、地元の学校に転校して欲しい。
幸いにして学力は十分なのだから、受け入れ先に困ることはないと思うのだけど、本人の意思が問題だ。
「こなたお姉ちゃんばかりに迷惑かけられないから」
バイト先から家に帰って食事をしている時に、ゆーちゃんがお願いをしてきた。
「でも、ゆーちゃんは、学校に行かないと駄目だから」
ゆーちゃんには、地元の学校に転校して欲しい。
幸いにして学力は十分なのだから、受け入れ先に困ることはないと思うのだけど、本人の意思が問題だ。
「私、お姉ちゃんを助けたいの」
「お金には困っていないから大丈夫だよ」
駆け落ちした恋人同士としては、ありえない事だけど、今のところ生活費には困っていなかった。
もちろん、仕送りにはなるべく手をつけないようにしているけれど、高校生のバイト収入だけで
生活することは、売春をしない限り不可能である。
小説家として一応の成功を収めているお父さんからは、かなりの額の仕送りが送られてくるし、
ゆい姉さんや、ゆーちゃんの両親からも、必要以上の額が口座に振り込まれてくる。
残念ながら、通帳に刻まれる金額を見る限り、私たちは駆け落ちをしているというよりも、
下宿しているといった方が正しい。
よって、ゆーちゃんが家計に貢献したいと思うのは自然なことだけど、今すぐ必要というものではなかった。
「お金には困っていないから大丈夫だよ」
駆け落ちした恋人同士としては、ありえない事だけど、今のところ生活費には困っていなかった。
もちろん、仕送りにはなるべく手をつけないようにしているけれど、高校生のバイト収入だけで
生活することは、売春をしない限り不可能である。
小説家として一応の成功を収めているお父さんからは、かなりの額の仕送りが送られてくるし、
ゆい姉さんや、ゆーちゃんの両親からも、必要以上の額が口座に振り込まれてくる。
残念ながら、通帳に刻まれる金額を見る限り、私たちは駆け落ちをしているというよりも、
下宿しているといった方が正しい。
よって、ゆーちゃんが家計に貢献したいと思うのは自然なことだけど、今すぐ必要というものではなかった。
「うーん。でも、学業は大切だし」
数ヶ月前の自分からみたら仰天するような、真面目な事を考えていることに気づいて苦笑する。
見知らぬ土地であり、ゆーちゃんを護るのは自分だけだから、責任感みたいなものが強くなっているのだろう。
数ヶ月前の自分からみたら仰天するような、真面目な事を考えていることに気づいて苦笑する。
見知らぬ土地であり、ゆーちゃんを護るのは自分だけだから、責任感みたいなものが強くなっているのだろう。
「私、ちゃんと高校に通うから。だからお願い」
ゆーちゃんは、両手をあわせて懸命にお願いしてくる。
「でも、高校に行って、バイトをするのは大変だよ。ゆーちゃん身体壊しちゃうかもしれないよ」
腕組みしながら逡巡する私に向かって、ゆーちゃんは必死に説得を続ける。
今日のゆーちゃんはやけに粘り強い。
「大丈夫だよ。お姉ちゃん。私、最近調子良いから。それにお姉ちゃんと一緒に働きたいの」
ゆーちゃんは、両手をあわせて懸命にお願いしてくる。
「でも、高校に行って、バイトをするのは大変だよ。ゆーちゃん身体壊しちゃうかもしれないよ」
腕組みしながら逡巡する私に向かって、ゆーちゃんは必死に説得を続ける。
今日のゆーちゃんはやけに粘り強い。
「大丈夫だよ。お姉ちゃん。私、最近調子良いから。それにお姉ちゃんと一緒に働きたいの」
ゆーちゃんは、私と同じメイド喫茶で働くことを希望している。
たぶん、いや絶対に、ゆーちゃんが面接を受ければ、即採用だろう。
萌え要素のカタマリだし、性格も真面目で、仕事をこなすことはそれほど難しいことではない。
健康さえ維持できれば何ら問題がない。無いはずだけど。
「お願いっ、お姉ちゃん! 私、役に立ちたいのっ」
迷う私にむかって、必死の形相で懇願を続けて――
たぶん、いや絶対に、ゆーちゃんが面接を受ければ、即採用だろう。
萌え要素のカタマリだし、性格も真面目で、仕事をこなすことはそれほど難しいことではない。
健康さえ維持できれば何ら問題がない。無いはずだけど。
「お願いっ、お姉ちゃん! 私、役に立ちたいのっ」
迷う私にむかって、必死の形相で懇願を続けて――
結局、私は折れざるをえなかった。
誰かの役に立ちたいと願う心と、自立したいという気持ちは、抑えてはいけないと思ったからだ。
「明日、店長に話してみるから」
「ほんと!? 」
ゆーちゃんの瞳が煌く。
「だけど、身体の調子が悪かったら絶対に休むんだよ」
「ありがとう! こなたお姉ちゃん」
「うわっ」
満面の笑顔を浮かべたゆーちゃんは、飛びつくように抱きついてくる。
ゆーちゃんの心底からの笑顔は、何にも代え難い貴重なもので、仕方がないなと思いながらも、
自然と頬がゆるんでいた。
誰かの役に立ちたいと願う心と、自立したいという気持ちは、抑えてはいけないと思ったからだ。
「明日、店長に話してみるから」
「ほんと!? 」
ゆーちゃんの瞳が煌く。
「だけど、身体の調子が悪かったら絶対に休むんだよ」
「ありがとう! こなたお姉ちゃん」
「うわっ」
満面の笑顔を浮かべたゆーちゃんは、飛びつくように抱きついてくる。
ゆーちゃんの心底からの笑顔は、何にも代え難い貴重なもので、仕方がないなと思いながらも、
自然と頬がゆるんでいた。
ゆーちゃんが寝静まった後、私は、カーテンを開けて夜の空を見上げた。
街の中であり、決して見える星の数は多くないけれど、それでもいくつか見覚えがある星達が、
静かに己の存在を誇示している。
「甘い…… のかな? 」
春の星座を東の空に臨みながら、天空のどこかにいるお母さんに問いかけた。
街の中であり、決して見える星の数は多くないけれど、それでもいくつか見覚えがある星達が、
静かに己の存在を誇示している。
「甘い…… のかな? 」
春の星座を東の空に臨みながら、天空のどこかにいるお母さんに問いかけた。
(了)
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天使のようなへ続く
天使のようなへ続く
コメントフォーム
- え、ちょ、急展開過ぎるぅw この数ヶ月に何があったの?
卒業証書送られてきたって、居所バレてるの・・・てか「嫁」の家って1月12日までしかいられないんじゃ。
誰か補完してええええ -- 名無しさん (2009-03-20 11:54:30) - まだ続きがあったのか
-- 九重龍太 (2008-03-23 14:55:47)