『あの』告白から数日。多少ギクシャクしつつも、私達はほぼ今まで通りの関係を続けられていた。まぁ私の中では今だ諦め切れないものがあるけど……
そんな私の想いとは関係なく日々は過ぎ、今日から新学期のスタートだ。
今日は始業式の後にHRをやったら終わりなので、いつもの4人で遊びに行こうと言う事になったんだけど、日下部に捕まって大分時間を取られてしまった。
断れなかったのはあいつが勉強を聞きに来たから。あいつには推薦の話があったんだけど、やはりある程度の成績は必要で、夏の終わり辺りから少しずつやっていたらしい。
そんな日下部の頼みを断る事はとてもじゃないけど出来なくて、気がつけば20分近く付き合っていた。
峰岸は……日下部のお兄さんが休みを取ったとかでデートに行くらしい。そんな彼女を引き留めるなんて出来なくて、私を当てにしたそうだ。
当の日下部は質問の後、体が鈍るからと元気に部活へ行った。
今日は始業式の後にHRをやったら終わりなので、いつもの4人で遊びに行こうと言う事になったんだけど、日下部に捕まって大分時間を取られてしまった。
断れなかったのはあいつが勉強を聞きに来たから。あいつには推薦の話があったんだけど、やはりある程度の成績は必要で、夏の終わり辺りから少しずつやっていたらしい。
そんな日下部の頼みを断る事はとてもじゃないけど出来なくて、気がつけば20分近く付き合っていた。
峰岸は……日下部のお兄さんが休みを取ったとかでデートに行くらしい。そんな彼女を引き留めるなんて出来なくて、私を当てにしたそうだ。
当の日下部は質問の後、体が鈍るからと元気に部活へ行った。
「お待たせー。って、何してんの?」
声を掛けながらB組の教室に入ると、みゆきの周りにこなたとつかさが集まっているのが目に入った。こなたは熱心に何か書いていて、つかさは本を読みながら難しい顔をしてる。
「あ、かがみさん。お疲れ様です。」
「ごめん、ちょっと日下部に捕まっちゃってさ。で、つかさは何読んでる、の……簿記検定? つかさ、あんたこれ受ける気なの?」
「ううん、私じゃないけど……全然さっぱりだよぅ」
「そりゃ勉強不足なだけよ。まぁ頑張ればつかさだって受かるんじゃないかしら? でもつかさ、あんたじゃなきゃみゆきの?」
「いいえ、それは泉さんのですよ」
「へ~。こなた受ける、ん……はぁ?! ちょっと、マジか?!」
みゆきの言葉に思わず声を上げてこなたを見ると、ムッとした顔をこっちを向け、
「そんなに驚かなくてもいーじゃん。私だってやる時はやるのだよ。で、みゆきさん。ここはこれで合ってる?」
「はい、大丈夫ですよ。やってみれば簡単ですよね?」
「いやいや、みゆきさんの教え方が上手なだけだよ。家でやった時は全くわからなかったからねー」
「わ、こなちゃんすごーい。私なんかもっと時間掛かっちゃうよ」
何の事かと机を見ると、そこには数学の参考書が広げられていた……1年生のものだけど。
「あー……こなた、熱でも出したか?」
「んなっ?! なんと失礼な! 私が勉強しちゃいけないの?」
「あんた……昨日あんたの家で何してたか覚えてるか?」
「昨日? もちろん覚えてるよ。夏休みの最後だから宿題の大掃除やったよね。いや~、かがみとみゆきさんのおかげで助かったよ~」
「うん、そうだよね。そんなあんたの口から『勉強しちゃいけないの?』って質問が出る事自体矛盾してると思わないのか?」
「いや、だって。いきなり3年の内容なんて理解出来ないからさ。小さな事からコツコツと、ってね」
「……突っ込む気も失せたわ。とりあえず一段落したんなら行かない?」
「かがみ……遅れておいてその言い方はないんじゃないかな?」
「それについては謝るわ。ごめん、ちょっと日下部の勉強見てたから」
「あら? 日下部さんは陸上で推薦がもらえたはずでは?」
「ああ、成績の方がギリギリらしくてね」
「へ~。推薦もらえたからって、それで決まりじゃないんだ~」
「そんなに甘くないって」
「ほい、お待たせ~」
荷物をまとめたこなたが立ち上がったのをきっかけに、一旦この話は中断して揃って学校を出る。
声を掛けながらB組の教室に入ると、みゆきの周りにこなたとつかさが集まっているのが目に入った。こなたは熱心に何か書いていて、つかさは本を読みながら難しい顔をしてる。
「あ、かがみさん。お疲れ様です。」
「ごめん、ちょっと日下部に捕まっちゃってさ。で、つかさは何読んでる、の……簿記検定? つかさ、あんたこれ受ける気なの?」
「ううん、私じゃないけど……全然さっぱりだよぅ」
「そりゃ勉強不足なだけよ。まぁ頑張ればつかさだって受かるんじゃないかしら? でもつかさ、あんたじゃなきゃみゆきの?」
「いいえ、それは泉さんのですよ」
「へ~。こなた受ける、ん……はぁ?! ちょっと、マジか?!」
みゆきの言葉に思わず声を上げてこなたを見ると、ムッとした顔をこっちを向け、
「そんなに驚かなくてもいーじゃん。私だってやる時はやるのだよ。で、みゆきさん。ここはこれで合ってる?」
「はい、大丈夫ですよ。やってみれば簡単ですよね?」
「いやいや、みゆきさんの教え方が上手なだけだよ。家でやった時は全くわからなかったからねー」
「わ、こなちゃんすごーい。私なんかもっと時間掛かっちゃうよ」
何の事かと机を見ると、そこには数学の参考書が広げられていた……1年生のものだけど。
「あー……こなた、熱でも出したか?」
「んなっ?! なんと失礼な! 私が勉強しちゃいけないの?」
「あんた……昨日あんたの家で何してたか覚えてるか?」
「昨日? もちろん覚えてるよ。夏休みの最後だから宿題の大掃除やったよね。いや~、かがみとみゆきさんのおかげで助かったよ~」
「うん、そうだよね。そんなあんたの口から『勉強しちゃいけないの?』って質問が出る事自体矛盾してると思わないのか?」
「いや、だって。いきなり3年の内容なんて理解出来ないからさ。小さな事からコツコツと、ってね」
「……突っ込む気も失せたわ。とりあえず一段落したんなら行かない?」
「かがみ……遅れておいてその言い方はないんじゃないかな?」
「それについては謝るわ。ごめん、ちょっと日下部の勉強見てたから」
「あら? 日下部さんは陸上で推薦がもらえたはずでは?」
「ああ、成績の方がギリギリらしくてね」
「へ~。推薦もらえたからって、それで決まりじゃないんだ~」
「そんなに甘くないって」
「ほい、お待たせ~」
荷物をまとめたこなたが立ち上がったのをきっかけに、一旦この話は中断して揃って学校を出る。
遊びに行く前にお昼を食べるので近くのファミレスで腰を落ち着け、それぞれ注文をすると、自然とさっきの事が話題になる。
「で。一体どういう風の吹き回し? あんたが勉強やら簿記なんて」
「ん~? そうだねぇ。姉としての威厳に目覚めたから、とか?」
「姉って? こなちゃんは一人っ子じゃ……あぁ、ゆたかちゃんか」
「そ。いつまでも逃げてばっかじゃかっこ悪いっしょ」
「でも泉さんはコツさえ掴めばすぐに出来るようになると思いますよ。先程もちょっとしたヒントですぐ解答に辿り着きましたし」
「そうは言うけどさ、そのコツを掴むまでが大変なんだよ」
「まぁあんたは集中さえすれば出来る方だけどね。今まで何でその集中力を発揮しなかったかな……って、そういやテストでやってたか」
「一夜漬けなのに私より成績がいいなんて、こなちゃん本当にすごいよねー」
「いや、つかさ? そこは褒めるところじゃないって」
呆れながらつかさに言うと、視線を泳がせながらえへへと相変わらずの照れ笑いを浮かべる。
「まぁ受験生としての自覚が出てきたのはいいことなのかしらね」
「へ? あれ、言ってなかったっけ? 私、受験しないよ」
……今、こいつはなんと言った?
「あれ。どったの、みんな?」
「なぁ……『受験しない』って聞こえたんだけど……気のせい、よね?」
「私も、そのように聞こえましたね……」
「こなちゃん、受験しないの?」
三者三様の反応に対し、こなたはあっさりと答える。
「いや~、聞き違いじゃないよ。受験しないで就職……って言うのかな、これ」
ズズズ……とジュースを啜ってから、何でもない風にこなたが続ける。
「バイト先でそのままチーフスタッフに昇格の話があってさ。ま、正社員って訳じゃないけどね。そんでまぁ、少しは資格なんかがあった方がいいかなぁなんて」
「なるほど。それで簿記検定なんですか」
「うん、事務関係の仕事もやるかも知れないからね。他にもいくつか取ろうと思うのがあるんだけど、とりあえず1つずつやってこうかと」
「わぁ。こなちゃん、おめでとう!」
「いやいや、まずは卒業しないとこの話もなくなっちゃうんだけどね~。ま、受験するよりは楽だけど気は抜けないよ」
「そうですね。頑張って下さいね、泉さん」
「ありがと、つかさにみゆきさん……かがみ?」
「え……あ、っと……おめでと、こなた……」
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「いや、何でもないって。あんまりこなたがらしくない事言ったから、ちょっと驚いちゃって。明日は槍でも降るんじゃないの?」
そう言って誤魔化したが、呆然としていたのはそれだけじゃない。
あれだけ将来についていい加減な態度だったこなたが急に変わった理由に思い当たってしまったから。
どうやら完敗なんだと分かってしまったから。
それでも、これだけは聞かないといけないと思い、一旦ジュースを口に含んでカラカラになっていた喉を潤す……味なんてわからなかった。
「ねぇこなた。急にこんな事始めたのって、別の理由があるんでしょ?」
「かがみさん?」「お姉ちゃん、何言ってるの?」
みゆきとつかさが怪訝そうにこちらを見て、私の考えに気づいたのか、あっ、と言う表情になる。
こなたは、いつになく……いや、あの時と同じ真面目な表情で私を見つめて、ゆっくりと口を開く。
「やっぱ、かがみは気づくよね」
「ゆたかちゃん、の為よね」
「んー、正確には私達2人の、だけどね。お父さんや皆は割とすんなり受け入れてくれたけどさ。ゆーちゃんの両親まで、受け入れてくれるとは限らないっしょ?」
「こなちゃん……」
「だから、少しでもちゃんとしないとね。そりゃ大学行って、会社に勤めるのとは世間の評価は違うけど……
そうじゃなくても立派に自立出来るのを見せたいんだ。これなら安心して任せられるってところをね。同性については……気長に説得するしかないけどね」
笑ってそう言うこなたは、体はいつも通り小柄なのに頼もしく見えた。
「で。一体どういう風の吹き回し? あんたが勉強やら簿記なんて」
「ん~? そうだねぇ。姉としての威厳に目覚めたから、とか?」
「姉って? こなちゃんは一人っ子じゃ……あぁ、ゆたかちゃんか」
「そ。いつまでも逃げてばっかじゃかっこ悪いっしょ」
「でも泉さんはコツさえ掴めばすぐに出来るようになると思いますよ。先程もちょっとしたヒントですぐ解答に辿り着きましたし」
「そうは言うけどさ、そのコツを掴むまでが大変なんだよ」
「まぁあんたは集中さえすれば出来る方だけどね。今まで何でその集中力を発揮しなかったかな……って、そういやテストでやってたか」
「一夜漬けなのに私より成績がいいなんて、こなちゃん本当にすごいよねー」
「いや、つかさ? そこは褒めるところじゃないって」
呆れながらつかさに言うと、視線を泳がせながらえへへと相変わらずの照れ笑いを浮かべる。
「まぁ受験生としての自覚が出てきたのはいいことなのかしらね」
「へ? あれ、言ってなかったっけ? 私、受験しないよ」
……今、こいつはなんと言った?
「あれ。どったの、みんな?」
「なぁ……『受験しない』って聞こえたんだけど……気のせい、よね?」
「私も、そのように聞こえましたね……」
「こなちゃん、受験しないの?」
三者三様の反応に対し、こなたはあっさりと答える。
「いや~、聞き違いじゃないよ。受験しないで就職……って言うのかな、これ」
ズズズ……とジュースを啜ってから、何でもない風にこなたが続ける。
「バイト先でそのままチーフスタッフに昇格の話があってさ。ま、正社員って訳じゃないけどね。そんでまぁ、少しは資格なんかがあった方がいいかなぁなんて」
「なるほど。それで簿記検定なんですか」
「うん、事務関係の仕事もやるかも知れないからね。他にもいくつか取ろうと思うのがあるんだけど、とりあえず1つずつやってこうかと」
「わぁ。こなちゃん、おめでとう!」
「いやいや、まずは卒業しないとこの話もなくなっちゃうんだけどね~。ま、受験するよりは楽だけど気は抜けないよ」
「そうですね。頑張って下さいね、泉さん」
「ありがと、つかさにみゆきさん……かがみ?」
「え……あ、っと……おめでと、こなた……」
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「いや、何でもないって。あんまりこなたがらしくない事言ったから、ちょっと驚いちゃって。明日は槍でも降るんじゃないの?」
そう言って誤魔化したが、呆然としていたのはそれだけじゃない。
あれだけ将来についていい加減な態度だったこなたが急に変わった理由に思い当たってしまったから。
どうやら完敗なんだと分かってしまったから。
それでも、これだけは聞かないといけないと思い、一旦ジュースを口に含んでカラカラになっていた喉を潤す……味なんてわからなかった。
「ねぇこなた。急にこんな事始めたのって、別の理由があるんでしょ?」
「かがみさん?」「お姉ちゃん、何言ってるの?」
みゆきとつかさが怪訝そうにこちらを見て、私の考えに気づいたのか、あっ、と言う表情になる。
こなたは、いつになく……いや、あの時と同じ真面目な表情で私を見つめて、ゆっくりと口を開く。
「やっぱ、かがみは気づくよね」
「ゆたかちゃん、の為よね」
「んー、正確には私達2人の、だけどね。お父さんや皆は割とすんなり受け入れてくれたけどさ。ゆーちゃんの両親まで、受け入れてくれるとは限らないっしょ?」
「こなちゃん……」
「だから、少しでもちゃんとしないとね。そりゃ大学行って、会社に勤めるのとは世間の評価は違うけど……
そうじゃなくても立派に自立出来るのを見せたいんだ。これなら安心して任せられるってところをね。同性については……気長に説得するしかないけどね」
笑ってそう言うこなたは、体はいつも通り小柄なのに頼もしく見えた。
注文した品が来て、皆でお喋りしながらそれを食べるけど、あまり味は分からなかったし皆の言葉もほとんど上の空だった。
一通り食べ終わると、トイレに行くと言ってつかさとみゆきが席を立った。
気を利かせたんだろうな、と思う。
2人っきりになって、こなたがじっとこっちを見つめてるのに気づいた。
その表情は困ったような、すまなさそうな弱々しいものだったので、苦笑しながらこなたのおでこにデコピンを食らわせながら、
「何て顔してるのよ。それはこっちがするべきものでしょうに」
「ん。そだね……本当はもっとちゃんとした機会に言おうと思ってたんだけどね」
「いいわよ、そんなの気にしなくて。どうせ同じような反応しか返せないだろうし。それよりもっとシャンとしろって。あんた達は自分でキツイ選択をしたんだから、人の何倍も頑張らなきゃいけないのよ?」
「かがみ……」
「この前も言ったでしょ、幸せにならなきゃ許さないって。この私を振ったんだから、情けない真似は認めないわよ?
その代わり、あんた達が真っ直ぐ進む限り私は……私達はずっとあんた達の味方だし支えになってあげるわよ。多分みなみちゃんもね」
「ありがと、かがみ……私達さ、これからも友達でいられる、かな?」
「馬鹿……当たり前でしょ。こんな恥ずかしいこと二度と言わせないでよね」
そう言ってもう一度こなたのおでこを弾いて笑う。こなたもやっと笑って私の手を取ると、いつものネコ口をして、
「それにしても、やっぱりかがみはツンデレだね~。あんな事言えるなんてさ?」
「なっ、元気になったかと思ったらそれかよ! ったく……まぁいいわ、今は大目に見てあげるわよ。今日の事はあんま否定出来ないしね」
「ちょ、そーいう反応は想定外なんですが?!」
そんな慌てるこなたを横目に離れた所でこっちの様子を窺ってる2人を手招きすると、ほっとした表情を浮かべて戻ってくる。
「変な気を遣わせて悪かったわね」
「いえ……もうよろしいのですか?」
「いいから呼んだのよ。色々とすっきりしたから、もう心配はいらないわよ」
「うん、わかったよ」
「さて、そろそろ行きましょ。今日は久し振りにカラオケなんかどう?」
「ええ、いいですよ。あれから何曲か歌えそうな曲を覚えましたし」
「おー、みゆきさんの歌か~。今から楽しみだよ」
「ねぇお姉ちゃん。この間の歌、一緒に歌おっか?」
「この間の? あぁCMで使ってた奴ね。いいわよ」
一通り食べ終わると、トイレに行くと言ってつかさとみゆきが席を立った。
気を利かせたんだろうな、と思う。
2人っきりになって、こなたがじっとこっちを見つめてるのに気づいた。
その表情は困ったような、すまなさそうな弱々しいものだったので、苦笑しながらこなたのおでこにデコピンを食らわせながら、
「何て顔してるのよ。それはこっちがするべきものでしょうに」
「ん。そだね……本当はもっとちゃんとした機会に言おうと思ってたんだけどね」
「いいわよ、そんなの気にしなくて。どうせ同じような反応しか返せないだろうし。それよりもっとシャンとしろって。あんた達は自分でキツイ選択をしたんだから、人の何倍も頑張らなきゃいけないのよ?」
「かがみ……」
「この前も言ったでしょ、幸せにならなきゃ許さないって。この私を振ったんだから、情けない真似は認めないわよ?
その代わり、あんた達が真っ直ぐ進む限り私は……私達はずっとあんた達の味方だし支えになってあげるわよ。多分みなみちゃんもね」
「ありがと、かがみ……私達さ、これからも友達でいられる、かな?」
「馬鹿……当たり前でしょ。こんな恥ずかしいこと二度と言わせないでよね」
そう言ってもう一度こなたのおでこを弾いて笑う。こなたもやっと笑って私の手を取ると、いつものネコ口をして、
「それにしても、やっぱりかがみはツンデレだね~。あんな事言えるなんてさ?」
「なっ、元気になったかと思ったらそれかよ! ったく……まぁいいわ、今は大目に見てあげるわよ。今日の事はあんま否定出来ないしね」
「ちょ、そーいう反応は想定外なんですが?!」
そんな慌てるこなたを横目に離れた所でこっちの様子を窺ってる2人を手招きすると、ほっとした表情を浮かべて戻ってくる。
「変な気を遣わせて悪かったわね」
「いえ……もうよろしいのですか?」
「いいから呼んだのよ。色々とすっきりしたから、もう心配はいらないわよ」
「うん、わかったよ」
「さて、そろそろ行きましょ。今日は久し振りにカラオケなんかどう?」
「ええ、いいですよ。あれから何曲か歌えそうな曲を覚えましたし」
「おー、みゆきさんの歌か~。今から楽しみだよ」
「ねぇお姉ちゃん。この間の歌、一緒に歌おっか?」
「この間の? あぁCMで使ってた奴ね。いいわよ」
さーて。初恋は見事散っちゃったけど、クヨクヨしてらんないわね。
あのこなたが頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃね。
あいつは恋をして変わっていくけど、もう悩んだりはしない。
私達が親友だという事は誰にも変えられないのだから!
あのこなたが頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃね。
あいつは恋をして変わっていくけど、もう悩んだりはしない。
私達が親友だという事は誰にも変えられないのだから!