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エロパロスレ舞台裏シリーズ~鈍色プライオリティー編

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匿名ユーザー

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シャァァァ…

キュッ

「…ふう」
今回の舞台で使った血のりと自らの汗をシャワーで洗い流した
長身短髪の少女―岩崎みなみ―は、短く息を吐いてシャワールームを出た。

「あ、みなみちゃん今回は本当にお疲れ様ー」
「…そちらこそお疲れ様です、泉先輩」
「いやいや今回のあたしはチョイ役だから気を使わなくてもいいよー、
 それにしてもみなみちゃんのヤンデレっぷりは凄まじかったよホント」
「ヤンデレ…?」
着替えを終えて楽屋へと戻り、今回の舞台のもう一人の出演者である
背の低い長髪で猫口で左目元に泣きぼくろのある少女―泉こなた―と
会話を交わしつつ…みなみの目は、三人目の出演者にして親友の姿を探していた。

「…あ」
みなみの目が探していた人物の姿を映し、口元が微かに緩む。
そしてゆっくりと目標の人物に近付き…軽く肩を叩きながら、ねぎらいの言葉をかけた。

「…ゆたかも、お疲れ様」
「うひゃあっ!?」
不意に肩を叩かれて声をかけられたからか、今回の舞台の三人目の出演者である
短いツインテールの少女―小早川ゆたか―は思わず驚きの声を上げてしまっていた。

「…ゆたか?」
「どったの、ゆーちゃん?」
「あ、みなみちゃんもお姉ちゃんもごめんね…ちょっとビックリしちゃって」
「そう…こっちこそゴメン、驚かせるつもりはなかったんだけど…」
ゆたかの詫びの言葉に、みなみも驚かせてしまった事への詫びを返す。

「あ、二人ともシャワー浴びて喉渇いちゃったでしょ? 飲み物買って来るね」
そう言いながら、小走りで楽屋の外に出て行くゆたか。

「どしたのかな、ゆーちゃん?」
「…(もしかして、舞台での私が…?)」
そんなゆたかの様子をちょっと心配するこなたを横目に、
みなみは先程までの舞台を思い返しながら思案をしていた。



「う~…お芝居だってわかってるんだけど、まだちょっと怖いよぅ…」
楽屋から少し離れた所の自動販売機でジュースを三本買ったゆたかだが、
先程までの舞台でのみなみの演技が忘れられず楽屋に戻るのに二の足を踏んでいた。

…今回の舞台は、みなみがゆたかに告白したものの受け入れられず
それでも想いを捨てられないみなみが心を病んでしまい…
ゆたかの目の前で、包丁で自分の腹をメッタ刺しにして自殺してしまう…
という、暗い内容で「観る人を選ぶ」内容の話だった。

ゆたかの脳裏には、その舞台でのみなみの「狂った笑顔」と「狂った笑い声」が
強く焼き付いてしまい…みなみの顔を見る事にも、恐怖心を抱いてしまっていた。

「…でも、いつまでも戻らないと二人に心配かけちゃうし…」
しばらくの間自販機の前で立ちすくんでいたゆたかだったが、
二人に心配をかけたくないという気持ちが僅かに上回って
楽屋へと戻る道を行きと同じく小走りで駆け出して行った。

「ただいま、遅くなってごめんね」
「いやいや、気にしてないから謝らなくていいよー」
「…うん、私も気にしてないから気に病まないで」
戻って来たゆたかの詫びの言葉に二人も返事を返し、
買って来たジュースの口を空けてそれぞれ飲み始める。

「…ゆたか」
「な、何? みなみちゃん?」
三人ともジュースを飲み終わった所で、みなみがゆたかに話を切り出す。

「…今、私の事を怖いって思ってる?」
「え? そ、そんな事…ないよ?」
「…お願い、正直に言って」
「…うん、ごめんね…」
みなみからの言葉に、反射的に嘘を返してしまうゆたか。
だが、みなみからの真剣な眼差しに射抜かれてしまい
躊躇いがちなか細い声でゆたかは本心を呟いた。

「そう…」
ゆたかの返事に短く言葉を返したみなみは、
直後にいきなり自分の着ていた上着を脱ぎだした。



「み、みなみちゃん!?」
「ちょ!? どったのみなみちゃんっ!?」
みなみのいきなりの行動に、ゆたかもこなたも驚きの声をあげる。
だがみなみはそんな二人に厭わず上着を完全に脱ぎ、
ゆたかの手を取って自分の胸の右側に掌を当てさせた。

「ほら、ゆたか…感じるでしょ、私の鼓動?」
「…う、うん」
「…この鼓動が、私が今生きている証」
「…うん」
「さっきの舞台では、最後に私は死んでしまったけど…
 今ここにいる、『現実』の私はちゃんと生きているよね?」
「うん」
「…お腹をさすってもらえるかな?」
「うん」
「…どう? お腹の何処かに、傷はあった?」
「ううん、何処にもないよ」
「…ほら、わかったでしょ? さっきの舞台は、『夢』のようなものだって事が」
「うん…ごめんねみなみちゃん、怖がったりなんかして…」
「…謝らなくていいよ、ゆたかは何も悪くないんだから」

「…ね、みなみちゃん」
「…何? ゆたか」
「みなみちゃんの体に、耳当ててもいいかな…?
 みなみちゃんの生きている証、ちゃんと聞きたいから…」
「…いいよ」
その言葉と共に、みなみは自分の胸にゆたかの頭を預けさせる。
そうして目を閉じてみなみの鼓動に聞き入るゆたかの頭を、
みなみは赤ん坊をあやすようにゆっくりと撫でていた。

(ゆーちゃんももう大丈夫そうだし…お邪魔虫は退散しますかねぇ)
二人の様子をしばし見守っていたこなただったが、ゆたかが安心して
みなみに体を預けている様子を見て安堵したのか忍者ばりの忍び足で
音を立てずにこっそりと楽屋を出て行った…その直後。

「わ…我が生涯に、一片の悔い無しっス…」
「ヒヨリ、しっかりするのデス! ヒヨリはまだ死ぬには惜しいのデスヨ!!」
どこぞの拳王の最期の言葉を呟きながら、鼻血を出して拳を上に突き上げながら
満足げな表情であおむけに倒れている黒髪長髪な眼鏡腐女子―田村ひより―と
そんなひよりを介抱(?)する金髪アメリカンオタク少女―パトリシア=マーティン―の
姿を見つけ、こなたも手伝ってひよりを医務室に運んだのはまた別の話。

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コメント:
  • よく書いてくれたって感じだな。本編がすごくショックだったから・・・。こういうのないといつもどおりみなゆたを見れなくなるよ(汗) -- 名無しさん (2008-12-08 00:53:36)
  • みなみ俳優過ぎwwwwww
    なんか色々すっきりしたwwGJ -- 名無しさん (2008-08-16 21:46:32)

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