kairakunoza @ ウィキ

嫁は誰だ?

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匿名ユーザー

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事の発端はそう、確か一週間前。
最近出たギャルゲにハマってた私の

「CL●NNADに出てる女の子は全員私の嫁」

とかいう一言だった気がする。
よく某巨大匿名掲示板やら動画サイトやらに書かれてる言葉だけど。
いくらオタクだってそれが二次元の女の子だってことは分かってるし、ましてや本当に嫁だなんて思ってる人は少ないと思う。
いや、まぁ本当に思ってる人もいるかもしれないから、そこを断定形では言えないんだけど…
とにかく、いくら世間外れな言動や行動をしている私だって、その言葉に深い意味なんてなかったんだよ。


「おはよう、こなちゃん。結婚指輪はダイヤモンドとルビーとサファイア、どれがいいかな?」

「おっす、こなた。結婚式の衣装、ドレスと白無垢と内掛け、どれがいい?」

だから、朝、しかも人通りが激しい駅前でかれこれ2年半も一緒にいる友達2人からこんなカオスな質問をされる筋合いもない。
てゆーか、なにそれ、新しいテンプレ?

「今日もいい天気だねぇ」

目をキラキラと輝かせて私の答えを待つ2人を華麗にスルーして一歩先を歩く。

「そうだね」
「そうね」

と、さすが双子!!と言う位息をピッタリに合わせて返す2人。
コンパスの違いかあっと言う間に一歩の距離を詰められて前につかさ、半歩後ろにかがみといった変な対陣でバス停へと向かう。
てかつかさ、なんで私の左手の薬指に物差し当ててるのかな。
そして、かがみ。メジャーで胸部とか身長とか計らないで。
どこから持って来たのか、とかなんで測定結果を必死にメモってるのか、とかもうそんなツッコミさえする気力がなくて。
慣れって怖いなぁ、と深い溜め息をつくと

「「ジャスティス!!!」」

とか言いながら小さいビニール袋で必死にソレに空気を入れる二人。
なにをそんなに集めているかなんて知ったこっちゃない。というか、
知 り た く も な い 。
私の口の周りの空気を取り終えた二人がソレを自分の口に当てて、一気に吸込む。
なにを飲み込んだのかなんて知ったこっちゃない。というか、
知 り た く も な い 。
大事なことだから2回言うよ。本当にありがとうございました。

『CL●NNADに出てる女の子は全員私の嫁』発言から今日で一週間。
アレ以来ずっと2人はこんな調子だ。いや、学校に行けばもう1人強敵がいるんだけど。
なんでこうなったか、とか考えるだけ無駄だと理解するには十分な時間で。

『こなたは私の嫁よ、常識的に考えて』

『お風呂、ご飯…悩むけどやっぱり、こなちゃんかな』

『泉さんが毎日作ってくださる味噌汁、楽しみで堪りません』

上からかがみ、つかさ、みゆきさんの発言に唖然となったあの瞬間から私の理解できる枠からは逸脱していたんだと思う。というかそう思いたい。
それになんだろ、かがみが一番まともに聞こえる辺り私も枠から逸脱しかけてるのかもしれない。
つかさやみゆきさんは返し自体、意味不明だし。
一体脳でどんな変換作用が働いてたのさ。

「え?だってお風呂とご飯とこなちゃんだったら、確実にこなちゃんでしょ?」

だから、何が。
というか心の中の会話に自然に入って来ないでよ、つかさ。
そしてなにうんうん頷いてるのさ、かがみ。

「泉さん三原則ですね、分かります」

いつから居たのかいつの間にか背後から私を抱き締めていたみゆきさんが私の頭を撫でる。
色々ツッコむことはあるけど…とりあえずおはよ、みゆきさん。

「泉さん三原則の概要ですか?それを説明すると後2年はかかりますが、よろしいでしょうか?」

いや、遠慮しとくよ。そもそも聞いてないし。
何気なく抱き締めているみゆきさんの腕から脱出を試みるも、そうはさせないと言うように予想外の力でそれを防がれる。
あ、あれ?みゆきさんってこんなに力強かったっけ。
運動部に所属してないとは言え、格闘技経験者だし、体力には自信あったんだけどなぁ。

「みゆき、腕離しなさい」

「そうだよ、ゆきちゃん。離してあげなよ」

本気で困っていた私を見兼ねたのかそれまでビニール袋に夢中だったかがみとつかさが助け船を出してくれ…

「こなたは私の絶対にして、無二の嫁なのよ」

「こなちゃんはご飯よりもお風呂よりも大事なお嫁さんなんだよ」

――なかった。
2人とも、真顔で言う台詞じゃないよ。
そしてそんな熱い視線送られても困る。

「いや、あ、あのね。ちょっと待っ…」

「泉さんと私は1万年と2千年前からの許婚です」

うわぉ、それは無理あるよ。みゆきさん。
「ですよね」って笑顔で同意を求められても困るって。
大体歌詞パクってるから、ソレ。

「ほ、ほら急がないと…学校!!遅刻するって!!」

あまりのカオスな3人の言動に忘れてたけど、ここはまだ校門で。
登校する生徒の数もどんどん減ってきている。
時計も携帯も持ってきてないから正確な時間は分からないけど、もうすぐ予鈴がなるんじゃないかな。
時間にルーズな私に指摘されるなんて相当なことだよ、3人共。

「もうすぐ私とこなたを祝福する鐘が鳴るわ」

「指輪交換が楽しみだね」

「そもそも泉さん三原則とは、アホ毛、泣きボクロ、猫口がベースになっており…」

ツッコム気すら起きない友人からの問い掛け。
みゆきさんに至っては何やら『泉さん三原則への考察』とかいう辞書並に分厚い本を持って説明しだしている。
右腕につかさ、左腕にかがみ、後ろにはみゆきさん。
そして一歩も動けない私。
なんてカオス。
フラグ乱立しすぎだよ。
誰かリセットボタンを!!それかロードして、一週間くらい前のデータを。

「ちょ…3人ともいい加減に…っ!!」

いくら行き交う生徒数が少ないとはいえ、校門の前で女の子3人が1人に抱き付いてる光景は普通とは言いがたくて。
好奇と異端と少しの野次馬心理で見られる目が痛い。
被害者は誰でもない私なのに。だけど…

「ハネムーンは…そうね、やっぱり岐阜かしら」

「ウェディングケーキ、バルサミコ酢味にしてもらわなきゃ」

「2005年、国会の5/2の承認を受けた泉さん三原則は、市民の支援もあり…」

なんでハネムーンが国内、しかも岐阜県とかいうマイナーな県なのか、とか。
そんなウェディングケーキ誰も食べたくないよ、とか。
5/2って1超えてるじゃん、そもそも国会に提議したんだ、とか。
いちいち返答を返してしまう私は、結局この3人のことが好きなんだな、と半ば他人行儀に自分に言い聞かせた。



















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コメント:
  • やっぱり どんなにカオスな繋がりでも 付き合うこなたに 激萌え -- ラグ (2009-01-03 02:55:27)
  • 強敵はまだ他にもいると見た。 -- 名無しさん (2008-11-01 23:27:24)
  • なんだかんだで付き合ってしまうこなたが好きです。 -- 名無しさん (2008-10-18 07:29:19)
  • カオスwww -- 名無しさん (2008-10-17 23:34:45)

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