埼玉のとある家で少女は姉の帰りを待っていた。
その日、少女は姉に、自分の思いを伝えるつもりだった。
いつも自分のことを気にかけてくれている、感謝の気持ちもあった。
そんな思いを胸に2月14日のバレンタインデー、少女は姉の帰りを待っていた。
ひなた「ただいま。」
ひかげ「あ、お姉ちゃん、おかえり―。」
ひかげ「あ、お姉ちゃん、おかえり―。」
姉、ひなたの帰りにひなたは玄関まで出迎えに行った。
ひなた「ただいま、ひかげちゃん。外は寒かったわ。」
そう言いながらひなたは買い物袋を床に置いた。ふと、ひなたはひかげが左手を後ろに隠して、妙にニコニコしていることに気が付いた。
ひなた「どうしたの、ひかげちゃん?」
ひかげ「えへへ、お姉ちゃん、はい、バレンタインデー!」
ひなた「え?」
ひかげ「えへへ、お姉ちゃん、はい、バレンタインデー!」
ひなた「え?」
ひかげは隠していた左手をひなたの前に出した。その手には一口サイズのチョコがあった。
ひなた「これ、ひかげちゃんが買って来たの?」
ひなたはチョコを受け取りながら、そう聞いた。
ひかげ「うん。あんまり、おこづかい無かったからそういうのしか買えなかったけど。」
ひかげは少し申し訳なさそうにうつむいて言った。
ひなた「ありがとう、ひかげちゃん。とっても嬉しいわ。」
ひかげ「本当!」
ひなた「もちろんよ。」
ひかげ「本当!」
ひなた「もちろんよ。」
その言葉を聞いて、ひかげは嬉しそうに笑った。
ひかげ「よかった。」
ひかげは姉が喜んでくれたことが嬉しいようだ。
ひなた「それじゃ、お姉ちゃんからもひかげちゃんにバレンタインデー。」
ひかげ「へ?」
ひかげ「へ?」
ひなたは買い物袋からラッピングされた箱を取り出した。
ひかげ「こ、これ」
ひなた「スーパーで安く売ってたからひかげちゃんに、と思って買って来ちゃった。」
ひなた「スーパーで安く売ってたからひかげちゃんに、と思って買って来ちゃった。」
ひかげは“はいっ”と手渡された箱を受け取った。
ひかげ「あ、ありがとうお姉ちゃん。」
ひなた「どういたしまして。さぁ、中に入りましょ、玄関も寒いし。」
ひかげ「うん!」
ひなた「どういたしまして。さぁ、中に入りましょ、玄関も寒いし。」
ひかげ「うん!」
居間でひなたが買って来た物を冷蔵庫に片付けている間にひかげは箱を開けていた。
ひかげ「うわぁ、おっきい。」
箱の中にはハートの形をした大きなチョコが入っていた。ひかげはそのチョコを見て目を輝かせて見ていた。そんなひかげを見て、ひなたは買って来て良かった、と思うのであった。
ひかげ「ねぇ、お姉ちゃん。」
ひなた「なぁに、ひかげちゃん。」
ひかげ「このチョコ、あとで一緒に食べよう。」
ひなた「え?」
ひなた「なぁに、ひかげちゃん。」
ひかげ「このチョコ、あとで一緒に食べよう。」
ひなた「え?」
ひなたは片付けている手をおもわず止めてしまった。
ひなた「別にいいのよ、ひかげちゃん。それはひかげちゃんに、と思って買って来たんだから、一人で食べちゃても。」
ひかげ「一人で食べちゃったら不公平だよ。それに一人より二人で食べた方がおいしいし。」
ひなた「ひかげちゃん・・・」
ひかげ「一人で食べちゃったら不公平だよ。それに一人より二人で食べた方がおいしいし。」
ひなた「ひかげちゃん・・・」
ひなたは心にジーンときていた。普段、おやつなどもほとんどないひかげのために、と思っていたがひかげは自分一人ではなく一緒に食べようと言ってくれている。ひなたはひかげがやさしい子に育ってくれたことが嬉しかった。
ひなた「そうね、あとで一緒に食べましょう。」
ひなたは再び片付けるふりをしながらひかげに背を向け、涙を拭き取ったのであった。
ひかげ「おいしいね、お姉ちゃん。」
ひなた「本当ね。」
ひなた「本当ね。」
二人は大きなハート形のチョコをちょうど半分に割って食べていた。ひかげはここで、自分の思いを姉に伝えることにした。いつもは恥ずかしくて言えないが、いまなら素直に言えるように思えたからだ。
ひかげ「お姉ちゃん。」
ひなた「なに?」
ひかげ「大好きだよ。」
ひなた「なに?」
ひかげ「大好きだよ。」
ひかげは顔を少し赤めらせながら言った。
ひなた「私もよ、ひかげちゃん。」
ひかげ「えへへ。」
ひなた「うふふ。」
ひかげ「えへへ。」
ひなた「うふふ。」
二人は笑いながらチョコを食べるのであった。
幸せな姉妹のハッピーバレンタインデー。
コメントフォーム
- 心がほっこりする話です! -- チャムチロ (2012-10-03 20:54:54)