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それぞれのバレンタインデー(中編)

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だれでも歓迎! 編集
ここは宮河家宅
バレンタインデー前日
「あら、ひかげ。何を作ってるの?」
「わっ、もうっ。ビックリさせないでよ。ひなたお姉ちゃん」
「もしかして……チョコを作ってるの?」「えっ、なんで判ったの!?」
「だって明日は、バレンタインデーでしょ。」
「うん、そうだよ。明日はバレンタインデーだよ」
「うちってチョコを作る材料って持ってたっけ?
借りてきたの?」
「うん、そうなの。材料とかは、友達に少し分けて貰ったの。トッピングとかは、自分の貯金で少し買ったけど」
「そうなんだ。へぇ~、手作りねぇ~」
ひなたは、ニヤニヤ笑いながら、ひかげを見つめた
「えっ、何っ。何なの?」
「ふーん、手作りって事は……。うん、やっぱり、そういう事よね~」
「もうっ、何なのよ!ひなたお姉ちゃん」
「クラスメートに、誰か好きな男の子が居るのかな~」
「!」
「あらっ、ず・ぼ ・しかな~」
「ちっ、違うのっ、これは違うの!」
「ウフッ、慌てちゃって。もう、ひかげのおませさ~ん」
「だからぁっ、違うって言ってるでしょ!ひなたお姉ちゃんの馬鹿っ」
「はいはい、そういう事にしときましょね~」
「うぅ~~」
「じゃっ、私はバイトに行ってくるわね。ご飯作っておいたから、温めて食べてね。……明日は、頑張ってね」
「だぁかぁらぁ!違うって言ってるでしょー!」
「ふふふ」
ひなたは笑いながら、バイトに出掛けた
「……」
(もう……ひなたお姉ちゃんの馬鹿……)

そして、バレンタインデー当日
「ただいまー」
学校から帰宅したひなたは、自宅の玄関を開け中に入った
「お帰り、ひかげ」
「ただいま、ひなたお姉ちゃん」
「今日はお楽しみでしたね」
「なっ何言ってるの?」
「あらあら、とぼけちゃって。……好きな男の子にチョコは渡せたの?告白したの?」
瞳をキラキラ輝かせながら、ひかげの返事を待つ
「だからっ、違うって、誤解なのっ誤解っ!」
「あらっ、違うの?」
「昨日から違うって言ってるでしょ!もう。チョコは……チョコは学校に持って行ってないよ……
家の冷蔵庫の中に隠してある……」
「えっ、なんで持って行ってないの?」
「実はね……」
ひかげは冷蔵庫に近づき、扉を開け、隠して置いたチョコを取り出した


「このチョコはね……、ひなたお姉ちゃんの為に作ったの……」
「私の……為に……?」
「そうなの……」
「なんで……私に」
「だって、ひなたお姉ちゃんは、いつも忙しそうにバイトに、働きに出掛けている。私達の両親が居ない分、仕事や家事を頑張ってる。
たまにひなたお姉ちゃんは、自分の変な趣味でお金使ってるけど、私達の生活費や光熱費、他に私の学校の給食費を払っている。
私は、家事のお手伝いしかやってない……。ほとんど何もしてやれてない……」
「……ひかげ」
「ひなたお姉ちゃんは私に、ひもじい思いをさせない為に、必死に頑張っている!
だから……だから… …、せめてのお礼がしたくて、昨日、一生懸命チョコを作ったの……」
「……」
「ひなた姉ちゃん……いつも……いつも……ありがとう……。私の為に、あんな疲れるまでに、頑張って……。
本当にありがとう……
ひなた姉ちゃんが隣にいるだけで、私は、ずっと、ずっと、幸せだから……」
ひかげは涙を流しながら、話を続ける
「ひなた姉ちゃん……受け取ってくれるかな?私の手作りチョコを……」
「うん……ありがとう。ひかげ……」
チョコを受け取り、ひかげを抱きしめた
「あそこまで、私を想ってくれて……本当に嬉しいわ……」
「だって、私の大事なお姉ちゃんなんだもん……」
「私だって、私にとってひかげは、大事な妹なんだから……」
「私ね、もっと大きくなったらね、ひなたお姉ちゃんを支えてあげたいな……」
「別に、急がなくても良いわよ。ゆっくりで良いから……」
ひかげの頭を、優しく撫でる
「ありがとう……ひなたお姉ちゃん……」
「私も、ありがとう。ひかげ」


――ねぇ、ひなたお姉ちゃん――
――なぁに、ひかげ――
――大好きだよ――
――ありがとう。私も、大好きだよ――

こうして2人の姉妹は、絆を更に深くさせ、日々の生活を更に明るく、楽しく過ごせる様になった



次の舞台は、陵桜学園の放課後、保健室にて

「なぁー、ふゆきー。お茶くれー」
「はいはい。少し待って下さいね。」
そこには、生物学教諭の桜庭ひかると、保健教諭の天原ふゆきが居た
「はい、お茶ですよ」
「おっ、悪いな」
渡されたお茶を『ズズズ』と一口飲み
「いやぁ~。ふゆきが淹れたお茶は旨いな~」
人心地をついた
「どういたしまして」
「なぁ、ふゆき」
「なんですか?天原先生」
「結婚してくれ」


「もう、またですか。これで何度目になりますか?」
かれこれ6回以上は、同じ言葉を言っているのですよっ」
「んっ、何度でも言うぞ。私と結婚してくれるまで」
「まったく、ご冗談を……」
「冗談じゃないぞ。私は、いつも本気だ」
「はいはい。判りました」
「むー」
ひかるは、ふゆきの素っ気ない返事に、ふてくされていた
「何をふてくされているのですか?これでも食べて、機嫌を直して下さい」
ふゆきは机に置いてあった白い小さな箱を、ひかるに渡した
「何だこれは……開けて良いか?」
「どうぞ、開けてみて下さい」
蓋を開け中身を確かめると、そこにはお菓子が幾つか綺麗に並べていた
「これは……クッキーか?」
「そうですよ。昨日の内に焼いときましたから」
「ほう、美味しそうだな。どれどれ」
クッキーを一枚取り出し、口に運び、味を確かめた
「どうですか?」
少し心配しながら、感想を待った
「うん、美味い!粉っぽくなく、しっかり出来ている!」
「そうですか、よかった」
安堵の溜め息を漏らす
「本当に、お料理だけではなく、お菓子もあんなに作るのが上手いな。これならいつお嫁になってもおかしくないな。……私の」
「桜庭先生のですかっ」
ついツッコンでしまったふゆき
「そうだぞ。私だったら必ず、ふゆきを幸せにできる」
「どこにそのような、自信と根拠があるんですか。」
「だからなーふゆきー、結婚してくれー」
「もう」
「今思ったんだか、このクッキーは私の為に焼いたのか?」
「……そうですよ」
「それは何でだ?」
「だって今日は、バレンタインなんですよ」
「そうか。今日はバレンタインだったか……ということは」
「?」
「これは所謂、『本命』って言うことだな!」
ビシッと指さした
「//////!」
顔を真っ赤にさせたふゆき
「図星か?ふゆき」
「ちっ違いますよ!そっそれは、あの……そっそう、所謂『友チョコ』ですよっ」
「『友チョコ』?クッキーなのにか?」
「あうっ、だから、それは、ずっと友達で居てくれたお礼と言うか、感謝の気持ちと言うか、そのっ」
「落ち着け、ふゆき。動揺し過ぎだぞ」
「だから、つまり、そう言うことですよっ!」
「おっ怒るなよ。変な事聞いて悪かったな」
「べっ別に怒ってなんか……いませんよ……」
「そうか。じゃっ、これ頂くな。家に持って帰って、ふゆきの手作りクッキーをゆっくり味わいながら食べるよ」
「あっ、はい。どうぞ……」


「じゃあな。邪魔したな」
「……」
ひかるは腰に掛けていた椅子から離れ、ドアの前まで移動し直前まで止まって
「やっぱり……ふゆきは、私と結婚した方が良いと思うけどな……」
「えっ?」
「んや、別に。じゃっまた明日な」
「はっはい、また明日……」
ひかるは手を小さめに振りながら、保健室から出て行った
「……ふうっ」
ふゆきは軽く溜め息をついた

――天原先生、あなたが知らないと思うけれど、『結婚してくれ』と言う度に、鼓動が激しくなるのですよ……。
それが悟られない様に、必死で堪えているのですよ。
実は私も、天原先生と結婚出来たらなって思ってるのです。
もし、本当に女同士で結婚が出来たらなって、いつも思ってるのです
でも、私は、天原先生にはまだ、本当の事は言わない……
同性結婚が法律で認められる時まで、この言葉を取っときますからね……
『結婚して下さい』と――



一方その頃、ひかるは禁煙パイポをくわえながら、廊下を歩いていた
すると目の前から白石が走って来て、ひかげの横を通り過ぎた
「こらっ、廊下を走るなっ!」
注意された白石は、立ち止まり体ごと振り向いて、「すっすみませんっ!」と謝った
「何を慌ててるか知らないが、人にぶつかったりしたら危ないからな。ゆっくり走れよ」
「ゆっくり走れって、どういう意味なんですか?」
「さあな。まっ、気を付けて帰れよ」
「あっはい、判りました。ありがとう御座います。それではさようなら」
そう言い、走り去って行った
「たく……走るなって言ってるだろ。そんなに慌てて、何があるんだ?」
ひかるは不審に思ったか、すぐ頭の隅に追いやり、(早く同性結婚が、法律で認めてくれないかな……)と思いながら、歩きを再開した



同時刻、体育館の裏にて


「こう、どうしたの?こんな所まで、連れ出して」
「あー、なんかさ。このシチュってさ、『お前最近、目立ちすぎなんだよ!ちょっと体育館裏まで来いよ』みたいじゃない?」
「知らないわよ。真面目に答えて」
「すみません」
そこには、八坂こうと永森やまとが居た
「で、何の用なの?」
「えっと…渡したい物が有ってね」
「渡したい物?」
「うん、ちょっと待ってて」
こうは鞄から綺麗に包装された小包みを取り出した
「これ、あげるね」
やまとにそれを手渡した
「これは……」
「チョコ、だよ。バレンタインチョコ」
「チョコ?、こうが……私に?」


「そうだよ。昨日、作ったんだ。少し雑だと思うけど」
「開けてみて良い?」
「うん、良いよ」
やまとは包装を綺麗に剥がし、蓋を開け中身を確認した
「どっどうかな?形、おかしくない?」
「見た目は、綺麗に仕上がってると思うよ」
「じゃあ、食べて…みて」
「判ったわ」
チョコを取り出し、一口食べる
こうは緊張した面持ちで、返事を待つ
「美味しい……」
「へっ?」
「美味しいよ、こう。上手に出来てる」
「えっ、そうっ!よかった~」
やまとの言葉により緊張が解かれ、安堵の溜め息を漏らす
「でも、何で私に?……他に渡す人は居なかったの?」
「うん。やまと以外は、誰も居ない…… 」
言い終わった後、俯いた
「どうかしたの?こう。」
遂に決心したかの様に、顔を上げ、真っ直ぐとやまとの顔を見詰める
「どう、したの……」
こうの真剣な表情で、言い詰まってしまうやまと
そして……
私は……私は……やまとの事が……好き……」
「えっ?」
「だから……私は、やまとの事が好きなの!
恋愛感情でやまとの事が、好きなの!」
「こうが……私の事を……好き?……」
「そうっ。前から好きだったの!
私達、中学からの付き合いだよね……。
中学の頃からやまとは、私の大事な友達……。
でもっ、私は、それだけの関係では納得出来なくて、それに、やまとと一緒に居る時がなによりも楽しくて……いつも、いつも、独りで居る時にやまとの顔が浮かんでしまう……
やまとは私にとって、掛け替えのない大切な人だから……」
「こう……」
「だからっ、私は、やまとの事が好き!大好きっ!……私と……付き合ってっ!!」
涙に濡れてくしゃくしゃになったこうの表情に、視線を逸らさず、ただ見つめていた
「こう……」
こうに近づき、涙の粒を指で掬った
「泣かないで、こう。あなたの気持ちはしっかり受け止めたわ。
私も、私にとってこうは、唯一の掛け替えのない大切な存在」
「やまと……」
「だから、返事をするね……。
私も、こうの事が……好き」
「えっ?」
「だから私は、こうの事が大好き。勿論、恋愛感情でね」
「ーーーー!っ。やまとぉーー」
こうはやまとを抱き締めた
「こう……」
「ありがとうっ、やまとっ。私、凄く嬉しいっ!!」
「私も、だよ。だから泣き止んで……」
こうの頭を、優しく撫でる
「うん…ぐずっ、へへへ…ありがとねっやまと」


こうはポケットからハンカチを取り出し、涙をで拭き取り、満面の笑みを浮かべた
「やっぱり……」
「?」
「こうは笑った顔の方が、一番可愛いわよ」
「/////////!」
やまとの発言により、顔を朱に染めた
「さぁ、行きましょう」
左手を差し出し
「うっ、うん」
その手を握り締めた
「一緒に帰る?それとも、そのまま何処かに行く?」
「あぁっ、うん。行くっ。アキバに行こうっ!!やまとっ」
「判ったわ。行きましょう」
2人は手を繋ぎながら、その場を後にした

――ねぇ、やまと――
――なに、こう――
――これってデートになるのかな?――
――フフッ、どうでしょうね?――
――やまと――
――なぁに、こう――
――いつまでも、一緒に居ようね――
――そうね、ずっと、一緒に居ましょうね――


こうして、2人は結ばれて、互いの新しい未来に向かって、歩き出した


つづく









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  • 僭越ながら、下記該当箇所を修正いたしました。 -- 名無しさん (2009-02-24 16:33:03)
  • 携帯からの投稿なんで、多分修正出来ないです
    すみません -- ペテ・クルルーソウ (2009-02-24 12:40:24)
  • ご指摘ありがとうございます
    今 気付きました
    どうやって直せば よろしいのでしょうか? -- ペテ・クルルーソウ (2009-02-24 11:06:11)
  • 作中で天原先生になっているところは桜庭先生の間違いだと思います -- 名無しさん (2009-02-23 21:21:57)

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