年が変わって、門松も取れたある冬の日のこと。
世間一般とは逆に、私たち一家にとって『いちばん忙しい時期』であるところの年末年始。
門松が取れると、やっと一仕事終わったー、って気分になる。
門松が取れると、やっと一仕事終わったー、って気分になる。
……それにしても、今年の年越しは、こなたのおかげでホント大変だったわ。
なんで、よりによって大晦日にあんな『お祭り』やるのかしら……
なんで、よりによって大晦日にあんな『お祭り』やるのかしら……
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「おーい、かがみ様ー」
おっと、説曹操、曹操就到。ウワサをすればカゲがさす……って、オイ。
「こなた……頼むから、"かがみ様"はやめてくれ」
胸元ぐらいの高さしかない、こなたの小さな両肩に手を載せてガックリ。
胸元ぐらいの高さしかない、こなたの小さな両肩に手を載せてガックリ。
「……ま、かがみいじりはこのぐらいにして、と」
こいつは……わかっててやってる分、余計にタチが悪いわ。
いつものゆるい表情で、私を見上げるこなた。
「明日っから土日とお休みじゃん?……かがみ、明日なんか予定とかある?」
「明日っから土日とお休みじゃん?……かがみ、明日なんか予定とかある?」
私の嘆きはスルーっすか、こなたさん。
……でも、ふにゃっとしたこの子の表情を見ると、なぜか怒る気力が失せちゃうのよね。
……でも、ふにゃっとしたこの子の表情を見ると、なぜか怒る気力が失せちゃうのよね。
「別に何もないけど……あんた、また私を引きずり回そうとか考えてんじゃないでしょうね」
あの会場の熱気と喧騒を思い出すと、急に疲れがぶり返してきたような気がする。
あの会場の熱気と喧騒を思い出すと、急に疲れがぶり返してきたような気がする。
……ついでに『あの本』を思い出して、急に頬が熱くなる。あぅぅ。
「いやいや。今度は逆なのだよ、かがみん」
人差し指を立てて、こなた。
人差し指を立てて、こなた。
「……逆?」
「ん。大晦日は私の都合で振り回しちゃったからね。今度は私が、かがみの『やりたいこと』にお付き合いさせていただこうかと」
「へぇ……」
「へぇ……」
宿題を丸写ししたり、ゲマズで私たちの分のポイントをアテにしたり、いつも私たちを振り回しっぱなしのこなた。
傍から見たら、なんて傍若無人な子だろう、って思われるかもしれないけど……
傍から見たら、なんて傍若無人な子だろう、って思われるかもしれないけど……
だけどこの子、忘れかけた頃にちゃんとフォロー入れてくるのよね。
基本自分勝手なヤツなのに、なぜか憎めないのは、そのせいもあるのかしら。
基本自分勝手なヤツなのに、なぜか憎めないのは、そのせいもあるのかしら。
「私はもう慣れっこだから、別にいいわよ。
……それより、つかさのフォローしてあげなさいよ。あの子、コミケじゃ散々だったんだから」
……それより、つかさのフォローしてあげなさいよ。あの子、コミケじゃ散々だったんだから」
後で聞いた話じゃ、こなたはつかさに『場慣れ』させたかったみたい……なんだけど、
あんな特殊な環境に場慣れさせて、何のメリットがあるのやら。
あんな特殊な環境に場慣れさせて、何のメリットがあるのやら。
「ん、つかさには日曜日まる一日捧げてるよん。新作のお菓子作り、手伝うことになってるし」
「……あんたそれ、自分も得してるじゃないの」
「(ギクッ!)……で、でも、材料費は私持ちだよ?」
「どうせあんたも食べるんでしょーに」
「うぐっ……り、利害が一致したんだからいいじゃん」
「……あんたそれ、自分も得してるじゃないの」
「(ギクッ!)……で、でも、材料費は私持ちだよ?」
「どうせあんたも食べるんでしょーに」
「うぐっ……り、利害が一致したんだからいいじゃん」
ジト汗を滲ませ、口をとんがらせて自己弁護するこなた。
(ちょっと可愛いわね……)/(あんた本当に高校生か?)
私の中の二つの感情が奏でる、どこか心地いい不協和音。
(ちょっと可愛いわね……)/(あんた本当に高校生か?)
私の中の二つの感情が奏でる、どこか心地いい不協和音。
「……まあ、つかさがそれでいいなら、別にいいけどね」
やれやれ。……ちょっと大げさに、あてつけがましく肩をすくめてみせてやった。
やれやれ。……ちょっと大げさに、あてつけがましく肩をすくめてみせてやった。
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「かがみさん……これは?」
私の前に積み上げられたラノベの山。その数、十二冊。
「柊かがみ厳選、今期イチオシの作品集よ♪」
「うへぇ……」
私の前に積み上げられたラノベの山。その数、十二冊。
「柊かがみ厳選、今期イチオシの作品集よ♪」
「うへぇ……」
土曜日、朝からかがみの家に呼ばれた私。
てっきりウインドウショッピングでも行くのかと思っていたんだけど……こー来ましたか、かがみさん。
てっきりウインドウショッピングでも行くのかと思っていたんだけど……こー来ましたか、かがみさん。
「あんたの好きなアニメの原作もあるわよー」
山の中から2冊の本を引っ張り出し、ヒラヒラと振ってみせる。
山の中から2冊の本を引っ張り出し、ヒラヒラと振ってみせる。
「ささ、気合入れて読破して、いろいろ語りましょー」
机に肘をついて、両手で頬づえ。
机に肘をついて、両手で頬づえ。
……そういえば、かがみの趣味は読書だったっけ。
『話し相手がいない』ってボヤいてたのを聞いたこともあるし、何かにつけてお気に入りの作品を勧められてる。
『話し相手がいない』ってボヤいてたのを聞いたこともあるし、何かにつけてお気に入りの作品を勧められてる。
かがみの影響で、文字(ラノベ)も読むようになったとはいえ、この量はさすがにキツイ。
だけど、期待に輝くかがみの目を見ていると……
だけど、期待に輝くかがみの目を見ていると……
……ようがす、行けるところまで付き合いましょー!
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「……い……いやー、堪能しましたヨ、かがみ先生」
「でしょ~?なんせ私厳選の良作ばっかりだからね♪……で、どれがよかった?」
「でしょ~?なんせ私厳選の良作ばっかりだからね♪……で、どれがよかった?」
もう、頭の中が活字でいっぱい。明朝体の「ハネ」が脳細胞をチクチクしてる。
「え、えーと……宗介のZガンダムが、『拾ってください』って書かれたダンボールに入って漂ってるラストは泣けたよ~」
「混じってる、混じってる」
「混じってる、混じってる」
― おわる ―
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- 詰め込み教育の悲劇? -- 名無しさん (2011-04-12 22:38:47)
- フイタwwwwwww -- 名無しさん (2009-03-06 20:51:52)