【嵐の夜に】
『台風4号は、午後9時現在、千葉県館山市の西30kmの海上にあって、時速35キロの速さで北東
に進んでいるものと見られます。中心付近の気圧は975hPa、中心付近の最大風速は30m――』
柊家一同は、居間に集まり、番組の予定を変更して台風情報を延々と伝えているニュースを見ていた。
家の外は、暴風域がかなり近くまで迫っているだけあって、風がかなり吹いている。雨戸を閉めていても、
何かが風で飛ぶ音や、樹木が揺れて葉がこすれる音、電線が鳴る音なんかが聞こえる。また時折雨も
降っているようで、その音が聞こえる。―――そして、つかさの震える音も聞こえる。
「つかさ。怖いのはわかったから、やたら私にひっついてくるのはやめてくれ。暑苦しい」
かがみが呆れ顔で言うと、つかさはようやくかがみの腕を掴んでいた手を離した。
『台風4号は、午後9時現在、千葉県館山市の西30kmの海上にあって、時速35キロの速さで北東
に進んでいるものと見られます。中心付近の気圧は975hPa、中心付近の最大風速は30m――』
柊家一同は、居間に集まり、番組の予定を変更して台風情報を延々と伝えているニュースを見ていた。
家の外は、暴風域がかなり近くまで迫っているだけあって、風がかなり吹いている。雨戸を閉めていても、
何かが風で飛ぶ音や、樹木が揺れて葉がこすれる音、電線が鳴る音なんかが聞こえる。また時折雨も
降っているようで、その音が聞こえる。―――そして、つかさの震える音も聞こえる。
「つかさ。怖いのはわかったから、やたら私にひっついてくるのはやめてくれ。暑苦しい」
かがみが呆れ顔で言うと、つかさはようやくかがみの腕を掴んでいた手を離した。
「まったく、あんたは大げさすぎるのよ、ほんとに」
しばらく後、寝る前になって、つかさの部屋でかがみはつかさに言った。
「じゃ、私も寝るから。夜中にトイレ行けない、とか言って起こさないでよね。おやすみ」
そう言い残してかがみは、自分の部屋に戻った。
そのしばらく後、夜の空をほんの一瞬明るく照らす光が見え(つかさの部屋等には雨戸はなかった)、
数秒後に轟音が鳴り響いた。それとほぼ同時、柊家にはつかさの悲鳴にも似た叫び声が響いた。
「お、お姉ちゃ~ん!」つかさはすぐさま、かがみの部屋に駆け込んだ。
しばらく後、寝る前になって、つかさの部屋でかがみはつかさに言った。
「じゃ、私も寝るから。夜中にトイレ行けない、とか言って起こさないでよね。おやすみ」
そう言い残してかがみは、自分の部屋に戻った。
そのしばらく後、夜の空をほんの一瞬明るく照らす光が見え(つかさの部屋等には雨戸はなかった)、
数秒後に轟音が鳴り響いた。それとほぼ同時、柊家にはつかさの悲鳴にも似た叫び声が響いた。
「お、お姉ちゃ~ん!」つかさはすぐさま、かがみの部屋に駆け込んだ。
「ほんとに…あんたは小学生か!」
かがみは、自分と一緒の布団にもぐりこんでいる双子の妹に対して言った。
「だってぇ…お姉ちゃんは怖くないの?」
「全く怖くないって言ったら嘘だけど、…少なくともあんたの行動は、高校3年生のものではない」
外は相変わらず強風が吹いていて、雨戸のない窓には圧がかかっているのがわかる。突風が吹いた
ら割れるんじゃないか、と思う瞬間もある。雷の鳴る音も時折聞こえる。先日見た、落雷による火災の
ニュースが頭をよぎる。まさか…とは思うけど、その確率は完全な0ではないのも確か。
(つかさには強く振舞っているけど、…悲観視するって、結構怖いものね)
かがみがそんなことを考えたとき、突風が吹く音が聞こえ、同時に部屋が真っ暗になった。
「えぇっ!な、なに!?お姉ちゃん!」
停電らしい。つかさは気が動転して、すぐ側にいるはずの姉の体にできるだけ密着しようとする。
「あーっ、だから暑苦しいって!というか落ち着きなさい!ほら」
そう言いながらかがみは、手探りで携帯を探し出し、顔の前で開いた。待ち受け画面の明かりが、
かがみの顔を照らす。それを見てつかさは安堵の表情を見せた。そのうちに、部屋の電気も点いた。
かがみは、自分と一緒の布団にもぐりこんでいる双子の妹に対して言った。
「だってぇ…お姉ちゃんは怖くないの?」
「全く怖くないって言ったら嘘だけど、…少なくともあんたの行動は、高校3年生のものではない」
外は相変わらず強風が吹いていて、雨戸のない窓には圧がかかっているのがわかる。突風が吹いた
ら割れるんじゃないか、と思う瞬間もある。雷の鳴る音も時折聞こえる。先日見た、落雷による火災の
ニュースが頭をよぎる。まさか…とは思うけど、その確率は完全な0ではないのも確か。
(つかさには強く振舞っているけど、…悲観視するって、結構怖いものね)
かがみがそんなことを考えたとき、突風が吹く音が聞こえ、同時に部屋が真っ暗になった。
「えぇっ!な、なに!?お姉ちゃん!」
停電らしい。つかさは気が動転して、すぐ側にいるはずの姉の体にできるだけ密着しようとする。
「あーっ、だから暑苦しいって!というか落ち着きなさい!ほら」
そう言いながらかがみは、手探りで携帯を探し出し、顔の前で開いた。待ち受け画面の明かりが、
かがみの顔を照らす。それを見てつかさは安堵の表情を見せた。そのうちに、部屋の電気も点いた。
「わたしね、本当に、わたしが妹でよかったなぁー、って思うよ」
「いや、姉とか妹とかいう以前に、高校3年でこれはどうなの、って思うけどね」
結局今夜はつかさと一緒に寝ることにしたかがみだが、一応そのことは言っておく。
それを聞いてちょっと申し訳なさそうな顔をしたつかさを見て、さらにかがみは続ける。
「それに、…来年の今頃も一緒にいられるとは、限らないんだからね?」
かがみにはかがみの、つかさにはつかさの進路というものがある。そして、それを目指すためには、
避けて通れないこと――例えば、親しい人との別れ――それが一時的にしろ、が少なからずあるはず。
「そっか――― でも、あんまり実感わかないね」
「私も、まだあんまり実感ないけどね。今自分で言って、初めて自覚したみたいな感じ。」
かがみは、さっきより少し声を明るくして、笑って答える。それを見て、つかさも笑顔を見せる。
そういえば、外がだいぶ静かになった気がする。まだ台風はそんなに遠くに離れていないはずだから
一時的なものかもしれないが、風も雨も、雷も、今はほとんど止んでいるようだ。
「いや、姉とか妹とかいう以前に、高校3年でこれはどうなの、って思うけどね」
結局今夜はつかさと一緒に寝ることにしたかがみだが、一応そのことは言っておく。
それを聞いてちょっと申し訳なさそうな顔をしたつかさを見て、さらにかがみは続ける。
「それに、…来年の今頃も一緒にいられるとは、限らないんだからね?」
かがみにはかがみの、つかさにはつかさの進路というものがある。そして、それを目指すためには、
避けて通れないこと――例えば、親しい人との別れ――それが一時的にしろ、が少なからずあるはず。
「そっか――― でも、あんまり実感わかないね」
「私も、まだあんまり実感ないけどね。今自分で言って、初めて自覚したみたいな感じ。」
かがみは、さっきより少し声を明るくして、笑って答える。それを見て、つかさも笑顔を見せる。
そういえば、外がだいぶ静かになった気がする。まだ台風はそんなに遠くに離れていないはずだから
一時的なものかもしれないが、風も雨も、雷も、今はほとんど止んでいるようだ。
「はぁ、そろそろ眠くなってきたよ。お姉ちゃん、おやすみ。」
「おやすみ、つかさ。」
そう言ってかがみは、つかさの頭を少しなでてやった。
「あ、そうだつかさ、そろそろ電気消していい?寝るにはまぶしいと思うんだけど」
「おやすみ、つかさ。」
そう言ってかがみは、つかさの頭を少しなでてやった。
「あ、そうだつかさ、そろそろ電気消していい?寝るにはまぶしいと思うんだけど」
次の日…は祝日だったのでその次の日。久しぶりに、雨の心配なしに登校ができる、いい天気だ。
こなたは、ゆたかと共に、糟日部の駅前で待つかがみ、つかさの許にやってきた。
「おーっす、かがみ、つかさ」
「こなちゃん、ゆたかちゃん、おはよー」
「あんた、今日は普段よりテンション高いわね」
「まあね。―――ほら、台風が来てる時って、なんかテンション上がんない?」
「あんた、そういう不謹慎な発言は控えたほうがいいと思うぞ」
諭すかがみ、うなずくつかさのどちらも無視して、こなたは続けた。
「まあそれは大した理由じゃないけどね。週末だったから学校が臨時休校になるわけでもなかったし、
そもそも過去形だし。――いや実はね、台風の夜、雨風とか雷の音に怯えたゆーちゃんが私の部屋に
来て、『こなたお姉ちゃん、一緒に寝ていい?』って言ってきて!で、一緒に寝てあげたんだけど、
寝顔とかもうすごいかわいいの、あれはもはや『萌え』ってレベルじゃねーぞ!ってくらい――」
「うわぁ!こなたお姉ちゃん、もう言わないでぇ!」
こなたの発現に顔を赤くしたゆたかが、こなたの口に手を当てて、それ以上言わないように頼む。
それを見て、つかさは、顔だけで笑っていた。
こなたは、ゆたかと共に、糟日部の駅前で待つかがみ、つかさの許にやってきた。
「おーっす、かがみ、つかさ」
「こなちゃん、ゆたかちゃん、おはよー」
「あんた、今日は普段よりテンション高いわね」
「まあね。―――ほら、台風が来てる時って、なんかテンション上がんない?」
「あんた、そういう不謹慎な発言は控えたほうがいいと思うぞ」
諭すかがみ、うなずくつかさのどちらも無視して、こなたは続けた。
「まあそれは大した理由じゃないけどね。週末だったから学校が臨時休校になるわけでもなかったし、
そもそも過去形だし。――いや実はね、台風の夜、雨風とか雷の音に怯えたゆーちゃんが私の部屋に
来て、『こなたお姉ちゃん、一緒に寝ていい?』って言ってきて!で、一緒に寝てあげたんだけど、
寝顔とかもうすごいかわいいの、あれはもはや『萌え』ってレベルじゃねーぞ!ってくらい――」
「うわぁ!こなたお姉ちゃん、もう言わないでぇ!」
こなたの発現に顔を赤くしたゆたかが、こなたの口に手を当てて、それ以上言わないように頼む。
それを見て、つかさは、顔だけで笑っていた。
こなた&ゆたかサイド「嵐の夜に こなゆた」へ
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- 2組が同じシチュなのが萌え萌えっすな~ -- 名無しさん (2011-04-13 06:05:53)
- 一緒に寝て良い?はやはり王道だな!
破壊力が違う。夢のシチュの一つですな~
ちょっとシリアスな話も更に絆が深まる感じでグッドでした~ -- 名無しさん (2008-06-04 19:24:39)