「くしゅんっ!! ……う~」
鼻をすすると、ずるずるっていう音がしてイヤだ。
頭もぼーっとしてるし体も熱いし……あー、かがみの夏風邪、完全にもらってきちゃったかな。
「38.2℃か。うーん、すっかりやられてるな」
水銀式の体温計を振りながら、お父さんが心配そうにのぞき込んでくる。
「やっぱり……うつすと悪いから、ゆーちゃんは部屋に入らないほうがいいかな」
「そうだな、そうゆーちゃんにも言っておくよ。でも、かなり心配してたぞ?」
ありゃま、心配かけちゃってるか……そりゃそうか、私がホントの風邪なんて珍しいし。
「だよねー。風邪が全快したら、その分ぎゅーぎゅー抱きついたげよ」
「こなた、それは俺に『写真を撮れるものなら撮ってみやがれ』って挑発か?」
ああ、こんなにダメッぷりが加速してるのも熱のせいだよね。とゆーかそう思いたい。
「それはともかく、ちゃんと横になっとけよ。かがみちゃんが見舞いに来るんだからな」
「うん、わかってる」
私が寝ている間に、かがみから家に電話があったらしい。かがみが来るってことは、
あのときのおまじないがちゃんと効いたのかな。
そして、お父さんが部屋を出てからしばらくして、ちょっと厚着をしたかがみがやってきた。
「どう? 大丈夫?」
「んー……なんか、頭がぼーっとしてる」
「私のといっしょじゃないの。ごめんね、私のをうつしちゃったみたいで」
そうやって顔をのぞき込んでくるかがみは、この間と違ってすっかり顔色が良くなっていた。
「ううん、かがみが治ったならなによりだよ」
「それにしても……あの時は、よくもやってくれたわね」
「えっ?」
ぼーっとした頭でかがみの目を見ると、なんだか、ちょっと怒ってる?
「風邪で動けないとはいえ、乙女の柔肌なキスだなんて」
「うぐっ」
や、やっぱりちゃんと覚えてたんだ。
「でもっ、別にいーじゃん。ちゃんとかがみが治ったんだもん」
「それはそれ、これはこれ。
ほっぺたに指に胸にくちびる、耳に首筋におでこ。あげくの果てには猫化までして、
ホント今まで好き放題にやってくれたじゃない」
「だ、だって、かがみの肌ってやーらかいし、すべすべしてるし、とってもキレイで――」
「それは舐めてもいい理由にはならないでしょ?」
ううっ、褒めてるつもりなのに全然笑ってすらくれない。これは本気で怒ってるのかも……
「でも、でも……」
「だから、こなたが動けなくなった今、ちゃんとお返ししないとね」
そう言いながら、かがみがくちびるの端っこを吊り上げる。
「やっ、やだ……やだよぉ……」
私はなんとか後ずさろうとしたけど、体はだるくて言うことを聞いてくれそうもない。
このまま、
されるがままになるしかないのかな。ほっぺをぎゅーぎゅーされたり、デコピンの嵐を喰らわされるのかな……
なんだかちょっと怖くなって、目をぎゅっとつむる。
「ふふっ、叱られる子供じゃないんだから……んっ」
「えっ?」
突然のかがみの優しいささやきに、ゆっくり目を開けると――
「か、かがみ……?」
おでこに広がる、やわらかい感触。
そこから、ぽっと小さな火がともったようなぬくもりが伝わってくる。
「……ふうっ。ほら、こなたへのお返しよ」
照れたように顔を赤くしながら、かがみが少しだけ目をそらした。
「つかさにもやったから……その、こなたにもしないわけにはいかないでしょ」
それは、いつものかがみのツンデレな姿。
「か、かがみ……ああっ、だから私はかがみが好きなんだよーっ!!」
なんだかたまらなくなって、私は思いっきりかがみに抱きついた。
「ちょっ、こ、こなたっ、病気なんだからはしゃがないのっ! こらっ、また猫みたいに飛びかかるなっ!!」
「やだやだっ! だって、かがみが初めて私にくちびるで触ってくれたんだからっ!」
それに、かがみのおかげで熱もすっかりどっかに吹っ飛んじゃったもんね。
そういう元気をいつもくれるから、私はあなたが大好きなんだよ。かがみっ!
鼻をすすると、ずるずるっていう音がしてイヤだ。
頭もぼーっとしてるし体も熱いし……あー、かがみの夏風邪、完全にもらってきちゃったかな。
「38.2℃か。うーん、すっかりやられてるな」
水銀式の体温計を振りながら、お父さんが心配そうにのぞき込んでくる。
「やっぱり……うつすと悪いから、ゆーちゃんは部屋に入らないほうがいいかな」
「そうだな、そうゆーちゃんにも言っておくよ。でも、かなり心配してたぞ?」
ありゃま、心配かけちゃってるか……そりゃそうか、私がホントの風邪なんて珍しいし。
「だよねー。風邪が全快したら、その分ぎゅーぎゅー抱きついたげよ」
「こなた、それは俺に『写真を撮れるものなら撮ってみやがれ』って挑発か?」
ああ、こんなにダメッぷりが加速してるのも熱のせいだよね。とゆーかそう思いたい。
「それはともかく、ちゃんと横になっとけよ。かがみちゃんが見舞いに来るんだからな」
「うん、わかってる」
私が寝ている間に、かがみから家に電話があったらしい。かがみが来るってことは、
あのときのおまじないがちゃんと効いたのかな。
そして、お父さんが部屋を出てからしばらくして、ちょっと厚着をしたかがみがやってきた。
「どう? 大丈夫?」
「んー……なんか、頭がぼーっとしてる」
「私のといっしょじゃないの。ごめんね、私のをうつしちゃったみたいで」
そうやって顔をのぞき込んでくるかがみは、この間と違ってすっかり顔色が良くなっていた。
「ううん、かがみが治ったならなによりだよ」
「それにしても……あの時は、よくもやってくれたわね」
「えっ?」
ぼーっとした頭でかがみの目を見ると、なんだか、ちょっと怒ってる?
「風邪で動けないとはいえ、乙女の柔肌なキスだなんて」
「うぐっ」
や、やっぱりちゃんと覚えてたんだ。
「でもっ、別にいーじゃん。ちゃんとかがみが治ったんだもん」
「それはそれ、これはこれ。
ほっぺたに指に胸にくちびる、耳に首筋におでこ。あげくの果てには猫化までして、
ホント今まで好き放題にやってくれたじゃない」
「だ、だって、かがみの肌ってやーらかいし、すべすべしてるし、とってもキレイで――」
「それは舐めてもいい理由にはならないでしょ?」
ううっ、褒めてるつもりなのに全然笑ってすらくれない。これは本気で怒ってるのかも……
「でも、でも……」
「だから、こなたが動けなくなった今、ちゃんとお返ししないとね」
そう言いながら、かがみがくちびるの端っこを吊り上げる。
「やっ、やだ……やだよぉ……」
私はなんとか後ずさろうとしたけど、体はだるくて言うことを聞いてくれそうもない。
このまま、
されるがままになるしかないのかな。ほっぺをぎゅーぎゅーされたり、デコピンの嵐を喰らわされるのかな……
なんだかちょっと怖くなって、目をぎゅっとつむる。
「ふふっ、叱られる子供じゃないんだから……んっ」
「えっ?」
突然のかがみの優しいささやきに、ゆっくり目を開けると――
「か、かがみ……?」
おでこに広がる、やわらかい感触。
そこから、ぽっと小さな火がともったようなぬくもりが伝わってくる。
「……ふうっ。ほら、こなたへのお返しよ」
照れたように顔を赤くしながら、かがみが少しだけ目をそらした。
「つかさにもやったから……その、こなたにもしないわけにはいかないでしょ」
それは、いつものかがみのツンデレな姿。
「か、かがみ……ああっ、だから私はかがみが好きなんだよーっ!!」
なんだかたまらなくなって、私は思いっきりかがみに抱きついた。
「ちょっ、こ、こなたっ、病気なんだからはしゃがないのっ! こらっ、また猫みたいに飛びかかるなっ!!」
「やだやだっ! だって、かがみが初めて私にくちびるで触ってくれたんだからっ!」
それに、かがみのおかげで熱もすっかりどっかに吹っ飛んじゃったもんね。
そういう元気をいつもくれるから、私はあなたが大好きなんだよ。かがみっ!
「お姉ちゃん、元気になったの? って、わわっ、ごっ、ごめんなさーいっ!!」
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- かがみにまたうつるんじゃないか? じゃなくて うつれwww -- 名無しさん (2013-01-03 23:23:54)
- 最後のはゆーちゃんかな?
とにかくいい仕事してます♪ -- ゆん (2008-03-30 03:55:04) - つかさいいキャラしてるwww -- 名無しさん (2007-12-16 10:56:04)
- 続き期待してますw
-- 名無しさん (2007-09-09 00:57:48)