○現在 レゼルヴェ国 百文字宅 居間
休日である。
緊張感、漂(ただよ)う戦争中ではあるが…。
アフリカ南部に駐在していた、
ボギヂオ部隊が撤退をした事により、
少々ではあるが余裕が出来たのだ。
その為、今日と言う日を休日にあててみた。
「ハンドレッド。」
「ビスケットカデンツが始まるわよ。」
妻のレディ(・ミィラ)が呼ぶ。
そう。ワシは…!
『耐撃の百文字(たいげき の ひゃくもんじ)』!!
サイボーグにして、レゼルヴェ国の支配者(オサ)であり…!
超巨大ロボット『ギガント28号』と共に、
外宇宙からの侵略者『アムステラ神聖帝国』と、
戦争を繰り広げる者である!!
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
○超鋼戦機カラクリオー外伝
クロガネの賛歌 第8.5章 ー ショートストーリー ー
最 終 話 「 百 文 字 の 休 日 」
☆ビスケットカデンツ主題歌
『 ジャガってしまえ 』
なやみを、かかえてしまったら
そこでたちどまらず
いっぽふみだしてみよう
きりむすぶ
たちのしたこそ
じごくなれ
ふみこみ
みれば
あとはごくらく
かべなんて
ジャガってしまえ
じんせいとは
ゆうきのさんか
ビスケッケッ ビスケッケッ
ビスケットットッ カッデンツ
ビスケッケッ ビスケッケッ
ビスケットットッ カッデンツ
ワシ。
「この『ジャガってしまえ』を聴く度思うのだが。」
レディ。
「なぁに、ハンドレッド?」
ワシ。
「この歌には『それいけアンパンマン』の歌詞に通じるモノがあると思うのだ。」
レディ。
「そうね。どっちの歌も幼児番組でありながら、人生をテーマにしているものね。」
ワシ。
「ビスケットカデンツが根強い人気を持つ一因であろうな。」
「ジークに目が行きがちだが、このような一面も持っている。」
レディ。
「ハンドレッド。『ジークチャレンジ』が始まるわよ。」
ワシ。
「此度(こたび)は何にチャレンジするか?ジークよ…!」
TVに集中するワシ等。
此度、ジークがチャレンジするのは…!
『 プ ロ レ ス 』ッ ! !
ゲストとして最近ブイブイ言わせているプロレスラー、
『 ン ー ・ ダ ム ン マ 』ッ ! !
がッ!
登場するッ!!
ダムンマはこう言う。
「ヘイ!ジーク!!」
「この人気プロレスラー、
ンー・ダムンマ様が出演してやってるんだ!!」
「しょぼい事すんなよ、この兎野郎!!」
ジーク。
「人は兎には勝てない…。」
「太気拳もコマンドサンボもやってない兎にだ。」
ダムンマ。
「俺は勝てるなぁぁぁあああああああ~~~~~!!」
「プロレスラーってのはなぁ!『超人』なんだよ!!」
「俺にかかりゃあ“拳王”『李白鳳』だって片手で5分だぜ!!」
ジーク。
「エフッエフッエフッ。」
ダムンマ。
「何だぁ~?咳き込んでるのかぁ~??」
ジーク。
「嗤(わら)ったんだピョン。」
ダムンマ。
「嗤っただとう!この兎!!」
「この超人様に対して、馬鹿にしてるのかぁ~ん??」
ジーク。
「超人様なら、ファミレスでだべってろだピョン。」
ダムンマ。
「俺はスペシャルマンやプリプリマンじゃねぇんだよ!!」
「控え目に言っても、ロビンマスクだ!!コーホー!!!」
ジーク。
「馬鹿が。コーホーは、ウォーズマンだピョン。」
ダムンマ。
「う・うっせぇ!うっせぇぞ、コラァ!!」
「し・知ってんだよコラァ!!やんのかおい!!」
ジーク。
「その為の『ジークチャレンジ』だピョン。」
「『プロレス』。体験させてもらうだピョン。」
ダムンマ。
「へ…へへ。そうだなぁ~~~。」
「リング。上がれよ。この兎野郎。」
ダ
ン
!
ジークとダムンマ!
共にリングに上がる!!
ダムンマ。
「さぁて。子供達に大人気なジークくんが…!」
「“超人”ンー・ダムンマ様の前に悲鳴を挙げる様をご披露しちゃおうかね!!」
カ
ァ
ン
!
ゴングが鳴った!!
ダ
ゥ
ン
!
跳んだ!
ダムンマが跳んだ!!
そ
し
て
!
ダムンマ!
「“必尻(ひっけつ)ッ!”ダイナマイト・ヒップ・アタックーッ!!」
ッ
ッ
ダムンマの必殺技である!!
ッ
ッ
ドッッッッッグシャァァァァアアアアアアアアア~~~~~!!
ッ
ッ
ダムンマのヒップ・アタックが!
ジークの顔面にHITするッ!!
し
か
し
!
ジーク。
「遊戯(ゆうぎ)に等しい。」
「これでは『プロレスの受け』を見せられない。」
ッ
ッ
ジークは微動だにしない!!
ッ
ッ
ダムンマ。
「え…?ええ…??」
ッ
ッ
ダムンマは冷や汗をかく…!
ッ
ッ
ジークは。
パ
ン
パ
ン
!
己の頬(ほお)を叩き。
「ここを殴るんだピョン。」
と、挑発する!!
ッ
ッ
ダムンマは…!
「オ・オキャァァァァアアアアアアアア!!」
ッ
ッ
絶叫をするように叫び声を挙げ!!
ッ
ッ
ドッッッッッガアアアァァァァアアアアアアアアア~~~~~!!
ッ
ッ
ダムンマのグーパンチが!
ジークの頬にHITするッ!!
ッ
ッ
ジークはピクリとも動かずに。
「君はつまらん。」
ッ
ッ
と言い放ち…!!
ガ
シ
ィ
!
ジークはダムンマの両肩を掴む。
そ し て ! !
ッ
ッ
ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! )
ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! )
ゴ” ッッッ キ” ュ”ウ”ウ”ウ”ウ”ゥゥ ウ ウ ウ ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ァ ァアア ア ア ッ ッ ! ! ! )
ジークは、その豪力にて!
ダ ム ン マ を !
『 ジ グ ザ ク に、 押 し 潰 し た 』の で あ る ッ ッ ! ! !
ッ
ッ
ダムンマは…!
「ほぎぃ…。ほぎぎぃ…。」
と呻(うめ)く。
ッ
ッ
ジークは言い放つ!
「今考えていることの逆が正解だ。でもそれは大きなミステイク。」
ッ
ッ
「 私 が ア ン チ ェ イ ン だ ! ! 」
ッ
ッ
そう言うとジークは…!
『これ見よがしの逆三角形』を見せつける…!
此度の『ジークチャレンジ』も大成功であった!!
ワシ。
「うぅむ、見事。」
「さすがはジークである。」
レディ。
「伊達にハンドレッドと互角のパワーを持っていないわね。」
「ちょっと、昔(地下プロレス時代)を思い出しちゃったわ。」
ワシ。
「うむ。ワシも昔(地下プロレス時代)を思い出した。」
「あの時は互いにガムシャラであったな。」
レディ。
「今も大概ガムシャラだけどね。」
ワシ。
「フッフフ。そうであるな。」
などと歓談(かんだん)をしながら、
ビスケットカデンツを視聴し続け…。
歌のおねーさん。
「それじゃあ皆♪まったねぇ~~~~♪♪」
ジーク。
「次も見るだピョン。」
と、番組が終了した。
ワシ。
「ふむ。面白かったな。」
レディ。
「これ見てると休日なんだなって気がするわ。」
ワシ。
「では、レディ。」
「一つ頼まれてくれぬか?」
レディ。
「『耳掃除』ね。」
「いいわよ。」
ゴロン。
ワシは横になり。
トン。
レディの膝枕に頭を乗せる。
ワシ。
「フゥゥウウウ………。」
レディ。
「ハンドレッドの耳は、
10km先の針が落ちる音すら聞き分けるモノね。」
「ちゃんと手入れをしなくちゃ。」
ワシ。
「頼む…。」
ワシの耳はいわゆる『カリフラワー耳』である。
ワシが人間であった時。
ワシの師『巴 二十八(ともえ にじゅうはち)』の柔道訓練の際、
耳介(じかい)という外耳道(がいじどう)と外耳で構成している部分の、
皮膚と軟骨の間に血液がたまって腫れ耳介血腫(じかいけっしゅ)となり…。
この耳介血腫が耳が腫れる、俗にいう「カリフラワー耳」になったのだ。
通常の耳より…。硬くて強い。
しかし、そんな耳を持ってしても、
超聴力『ハンドレッド・イヤー』は繊細(せんさい)な箇所だ。
時折掃除が必要になる。
敏感な箇所を掃除される事により…。
ワシは…。
「ムゥ…。」
「フゥ……。」
心地良さを覚えるのだ。
レディ。
「はい。終わりよ、ハンドレッド。」
ワシ。
「次はワシの番だな。」
ワシはブラシを持ち。
「獣化せよ、レディよ。」
レディ。
「この姿も久しぶりね。」
ヒュォオ…ン……。
レディはオオウ星人の姿。
『半獣半人。』
人と犬の合いの子。
世にも奇妙なその姿を、露(あら)わにする。
世にも奇妙なその姿を、露(あら)わにする。
そんなレディの体毛を。
サァ…。サァ…。と。
優しくブラッシングをしてやるのだ。
レディは。
「ン…♪」
と心地良さ気な声を挙げる。
レディは白く綺麗な毛並みをしている。
ワシはレディのこのオオウ星人として姿こそ美しく感じるが…。
この地球。異形の者が生きていける程、平穏な星じゃあない。
包帯で身を覆った姿も美しくもあるが。
いつの日か。レディには…。サニー=グレーデンには。
オオウ星人として姿で生きて欲しい。
そう思うワシが居る。
「終わったぞ、レディ。」
レディ。
「この姿の時は『サニー』と呼んで…。」
ワシ。
「そうであるな。」
「終わりだぞ『サニー』。」
サニー。
「ありがとう、ハンドレッド。」
そして、サニーはレディ・ミィラの姿に戻った。
夕食である。
レディの食事は、出会った頃、ワシが教えた日本料理。
ワシの食事は…。
「慣れたとは言え味気ない物だな。」
「ガソリンと言うのは。」
そう。
ワシの食事は『ガソリン』のみ。
ワシの体に使われている『レアメタル・スターシルバー』は、
ガソリンを循環(じゅんかん)させる事により、
神経と同じ働きをし、その神経によって、手足を動かす事が可能なのだ。
故に食事は『ガソリンのみ』。
人間であった時好きであった『プリン』が恋しくもなる。
レディがこう言う。
「せめて、味でも付けられれば良いのにね。」
ワシ。
「甘い物が恋しくもなるな。」
「21世紀のプロレスラー『真壁 刀義(まかべ とうぎ)』のように、
ブログでスイーツを紹介する程好きと言う訳ではないが、
20年経っても味の記憶と言うのは残るモノだ。」
レディ。
「それじゃ、キスの味で忘れさせてあげるわ。」
ワシ。
「今のワシの口は『ガソリン臭い』ぞ?」
レディ。
「何言ってんのよ?『夫婦』じゃない。」
ワシ。
「レディ…。」
レディ。
「なぁに、ハンドレッド?」
ワシ。
「ありがとう。」
そうしてワシ等はキスをした。
翌朝である。
休日は終わり、多忙な日常へと戻る。
ワシは…。
この地球を守る為に戦う。
かけがえのない地球(ほし)だ。
数々の者達と“絆”を結んで来た星だ…。
それを傷つける者は許さない。
だ
か
ら
!
ワシは力の限り戦う!
レディと共に!
ギガントと共に!!
そして、かけがえのない仲間達と共にな!!
ゆくぞ、ギガント!!
ギガントが応える!!
「グ”ギ”ャ”オ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”」
ギガントの蛮声が轟(とどろ)き響いた!!
ーーーーーー
最終話「百文字の休日」