激突!激突!!激突ゥウー!!!
巨体のバク宙ッ!
vs
人間独楽(ごま)ッ!
バク宙・ゴールデン・
ダイナマイト・ボディ・
ブラック・アタック!!
vs
メイア・ルーア・ジ・
カポエイラ・オーレンジ!!
縦の回転と横の回転ッ!
二つの回転と回転とがッ!
ぶつかり合うのだッ!
ぶつかり合うのだッ!!
ぶつかり合うのだッ!!!
こ
こ
で
!
2人の体格を比較しようッ!!
まずは、ブラックゴールド!!
28歳。
195cm125kg。
黒い覆面に金の王冠を被り、
黒パンツと黒シューズの、
いわゆるストロングスタイルの、
コスチュームの地下プロレスラー。
ファイトスタイルの
土壌(どじょう)は
プロレス殺法ではあるが、
『決まった型』を持たない
“破天荒な戦闘スタイル”を
ウリとしている。
次にカポこと、カポエイリスタ!!
183cm80kg。
ドレッドヘヤーの口髭(ヒゲ)。
上半身は裸であり、
カポエイラ用の『アバダ』と
呼ばれる長ズボンを穿いており、
細く引き締まった体は、
無駄なく肉のついた
美しさを感じられる。
体色は褐色(かっしょく)。
これはボディペイントに
よるもので、実際は白人の肌が、
紅潮したような体色をしている。
体には『油』が塗られている。
ブラックゴールドの
流儀はプロレスである事から、
投げや関節技と言う
掴んでからの動作に対して、
『油』を塗る事で、掴み
対策をしているからだ。
で
は
・
・
この回転の激突…ッ。
勝ち得るのはどちらか?
体格はブラックゴールド。
回転はカポエイリスタ。
両の方、どちらも
有利なポイントがあり…。
激突は互角かに見えた…が?
「グヘェッ!?」
激突面積に違いがあったッ。
ブラックゴールドは、
ボディアタックが故に、
胴体をぶつける。
カポは、蹴り技故に、
カカトで蹴り抜く。
故
に
!
面積の為、威力が集中した、
カポの技は、威力で勝り…ッ!
ま
た
!
カポのカカトが、
ブラックゴールドの
みぞおちに入った…ッ!!
カポの磨かれた
カポエイラの練度が、
回転と言う大きな力をも、
コントロールし…ッ!
的確に人体急所を
蹴り抜いたのだッ!!
〇みぞおち
みぞおちは、鳩尾とも書き、
胸骨の下のくぼんだ部分で、
胃や横隔膜が近くにある為、
急所の一つとされている。
みぞおちを強く押すと、横隔膜の動きが
一時停止し、呼吸困難に陥る可能性が
あるからだ。
また、みぞおちは
水落ち(みずおち)と言う
言葉の転訛(てんか)で、
飲んだ水が落ちる感覚のある場所という
意味で名付けられたとも言われている。
・
・
・
・
ブラックゴールドは
グヘェッ!?とうめいた。
呼吸困難におちいったのだ。
ギ
ャ
ル
ル
!
カポは回転しながら
ス
タ
!
立ち上がるッ!!
「グッグガッ!?」
ブラックゴールドは、
マットに沈むも…!!
「グッ!!」
立ちて上がる!!
そ
の
瞬
間
ッ
!
カポの蹴り技ッ!!
「メイア・ルーア・
ジ・フレンチッ!!」
ッ
ッ
〇メイア・ルーア・ジ・フレンチ
前を向いた構えから、踏み込みながら
足を虹を描くように前方に回す。
名前は直訳すると「半月前蹴り」
相手を牽制するように、
相手を動かす蹴りであるものも、
カポは起き上がる
ブラックゴールドの鼻先に、
右カカトを叩きつけたッ!!
・
・
・
・
ブシャ ァ ア ! !
ブラックゴールドは、
鼻から出血するッ!!
それを観た観客達は
どよめきこう言うッ!!
「「チャンプが出血ッ!?」」
「「前のチャンプとの
死合以来じゃね?」」
「「カポ、想像以上に強ぇ!!」」
「「これは歴史が変わるか?」」
ダンダンダンダンダン!!
観客達は座ったまま
足踏みをするッ!!
興奮を覚えたからだッ!!
先程の場外乱闘と言う、
死合観戦に対し、
観戦不良の状態から今…!
観客達は、観戦冥利を
味わっているッ!!
ッ
ブラックゴールドは
立ち上がるッ!!
「小賢しいぜぇ~ええ~~!
カァァポォォオオオオー!!」
次なる
ブラックゴールドの行動ッ!
そ
れ
は
!
「ゴールデン・ストーム・
ブラック・チョッパー!!」
「チョップの連打で、
コテンパンだぜぇ~い!!」
グ
ォ
オ
オ
!
ブラックゴールドは
右腕を上げ、
カポ目掛けて
チョップを…ッ!!
さ
せ
な
い
!
カポは先に動くッ!!
「パラフーゾッ!!」
ッ
ッ
〇パラフーゾ
踏み込みながら横に360度回転させ、
軸足側の足でジャンプして
同じ足で蹴りを放つ。
カンフーやムエタイの飛び回し蹴りと
同じような見た目であり、
ジャンプして回転しながら
ダイナミックに蹴る為、
アクロバット技としての使い方もできる。
ッ
ッ
ドッッ ゴォォオオオ!!
カポのパラフーゾが
ブラックゴールドの
顔面に入るッ!!
フ
ラ
・
・
・
・
ブラックゴールドは
一瞬意識が飛ぶッ!!
し
か
し
そこは暴力の権化…ッ!!
ブラックゴールドは
かまわずチョップを放つ!!
「クヒィィイイイイイイイイ!!」
シュ バァアアアアアアア!!
カポの脳天目掛けて、
チャンプ NO チョップ!!
対
し
!
カポはゆるぎない!!
ヒュン!(チョップを)
シュバ!(回避し…!)
カ
ポ
!
「マルテロッ!!」
ッ
ッ
〇マルテロ
ポルトガル語で「かなづち」
という名のキック。
片足をしっかり伸ばし
相手の頭に向かって蹴り込む。
腰の回転の動きによる
遠心力を使って蹴り抜く。
キックボクシングの
ミドル・ハイキックに似ているが、
蹴った後足を引き、横に戻し
地面につくのが異なる。
ッ
ッ
ギュ パァァアアアアアン!!
カポのマルテロが
ブラックゴールドの
頭部を捉えるッ!!
そ
の
際
!
ブラックゴールドは…ッ!
「グピィ!?」
膝を突くッ!
化け物評される、
ブラックゴールドにして、
頭部にもらい過ぎたのだ!!
そ
し
て
カ
ポ
は
!
タ ン !
(土下座をするように
大地に手を付いてッ!)
(そのまま、地面から
『強烈な遠心力』を
用いて相手を蹴り抜ける!)
(『カポエイラの
必殺蹴撃ッッ!!!』)
そ
れ
を
今
!
放とう!!
ッ
ッ
カポは叫んだ!!
「『メイア・ルーア・
ジ・コンパッソ』ッ!!」
ガッッッ
ゴォォォオオ
ンンンン──ッッ!!
ッ
ッ
飛び切りの
コンパス蹴りが、今ッ!!
ブラックゴールドの顔面に
HIT!HIT!HIT!!
ッ
ッ
さしものこれには…!
グ
ラ
・
・
・
・
ブラックゴールドも…!
バッ タァァァアアン!!
巨体倒れし、
ダウンをしたッ!!
倒れ伏すはチャンプ!
ブラックゴールド…!!
ブラックゴールドは
歯がみをするッ!
満たされないッ!
満たされないッ!!
自分はこんなにも、
カポを殺したいのに、
それが満たされないッ!!
殺したいッ!
ぶっ殺してやりたいッ!!
ー 「ブッ殺す」と
心の中で思ったならッ!
ー その時スデに行動は
終わっているんだッ!
ジョジョの奇妙な冒険は、
プロシュート兄貴の
有名なセリフであるが、
ブラックゴールドも
また、似た思考をしていた。
殺すと思ったら、
殺すのだッ!!
そ
こ
に
!
ためらいなんて、
ありはしないッ!!
腕一本になっても、
カポを叩きつけろ!
髪の毛一本になっても、
カポを絞め殺せ!!
狂気!
狂い気!!
俺は異常者ッ!
暴力の体現者ッ!
そ
う
!
それが、
ブラックゴールドで
あるのだッ!!
ダ
ン
!
ブラックゴールドは
立ち上がったッ!!
「クヒィ!クッヒヒィ!!」
「俺の肩は“ショルダータックル”
だぜぇい!ぶ・ぶちかますッ!!」
突進!カポに!
右肩を突きだして!
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!
ぶちかましに行ったァー!!
カポはブラックゴールドの
ショルダータックルの
直線状にてッ!
「肉弾のね!ようみたいだね!!
オーレンジ!オーレンジだよ!!」
「ボクはキレてても、
クレバーかつ、
フルーティーに動くよ!!」
グゥゥン!!
(『アウー』である!!)
(それ即ち、『側転』。)
(動作中は地面に
ついた手を見ずに、
『敵者を見続ける』ッ!!)
そ
れ
を
!
グゥゥン!!
(二連である!!)
(ブラックゴールドの
直線状に居るのを避ける!!)
ッ
ブラックゴールドは
更にいら立つ!
「力には力で!
技には技で立ち向かうと
言ったじゃねぇか、カポォ!!」
「許せねぇ!ぶん投げてやる!!」
グォオオ!!
ブラックゴールドは
右手で、カポの左肩を
掴みにかかるッ!
し
か
し
!
ツルゥ~ッ!
ブラックゴールドは
掴めないッ!!
「ぬめるぞ、こりゃあ!?」
カ
ポ
は
笑
う
ッ
!
「キィィスキスキスサンキスト!」
「油を塗っているんだ
よよよよぉ~~~ん!!」
さ
て
!
「掴み損ねて、無防備な君を、
ボクは見逃さない…ッ!!」
「カポエイラの妙技(みょうぎ)を
味わうんだ、ブラックゴールド君!!」
「 シャパ !! 」
ッ
〇シャパ
体を横に向け上体をやや後方に倒し、
膝を持ち上げ伸ばしながら足の裏で
相手を突き飛ばす。
痛みを与えないようにしながらも、
相手に当てることのある蹴り技。
足も横に倒す。
相手の頭やお腹を狙う。
ッ
ッ
グ ン…ッ!!
カポは、
ブラックゴールドを
押した…ッ!
そして出来た間合い。
カポの必殺の間合い。
そ
う
だ
!
これぞ!
これぞ!!
これぞぉ~!!
カポは叫ぶッ!
「 ヘ ジ ォ ナ ウ ッ !! 」
ヴ
ァ
ン
ッ
!
『浴びせ蹴り』だァーッ!!
『スピンキック』だッ!!
『サマーソルト』ってヤツだッ!!
『バックキック』に至りッ!!
『バック転』で締めたッ!!
そ
う
・
・
・
・
カポこと、
カポエイリスタの
最大の必殺技ッ!!
連撃ッ!
連撃ッ!!
連撃ッ!!!
連撃ッ!!!!
カポエイラの
アクロバティックさを、
ふんだんに詰め込んだ
俊敏(しゅんびん)なるは、
息もつかさぬ
『 連 撃 襲 撃 』ッ!!
積み重ねた
カポエイラの修練は!
このヘジォナウを、
全弾人体急所に
蹴り込むに至るッ!!
ッ
ッ
ブラックゴールドは!
「ヒ…ヒィ…ヒヒ…!!?」
とヒをつぶやき。
倒れ…。
倒れ…!
倒れぇ~!!
無
い
!
ド ドド ド ド ドド ド
それは恐怖であった。
カポへの恐怖であった。
なんてぇ連撃だ。
とんでもない連撃だ。
痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!
そんな連撃を受け、
ブラックゴールドは
恐怖した!!
死を予感したッ!
母親に殺されそう
になった時のようにッ!
初めて地下プロレスの
リングに上がった時のようにッ!
先代のチャンプに
挑戦した時のようにッ!
そ
う
だ
!
その時!
「クヒクヒヒ!!」
ソイツは不気味に
嗤(わら)って居た!
ッ
ッ
「ヒヒヒヒヒヒヒ!!」
地下プロレスが王者
“ブラックゴールド”がッ!
ッ
ッ
そして
“ブラックゴールド”は
こう言い放つッッ!!
ッ
ッ
「怖ぇよ!カポが怖ぇよ!
マジ怖ぇぇえええー!!」
ッ
ッ
「クヒィィイイイイイ!!!」
ッ
ッ
「俺は恐怖で強くなるんだッ!
今よりもだ!もっと!もっとぉー!」
ッ
ッ
「俺はもっと強くなるぞ、
カポエイリスタァァアアア!!!」
ッ
ッ
!
「『 ク ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ
ヒ ィ ィ イ イ イ イ ! ! 』」
更なる絶叫ッ!
それは更なる“パワー”
生み出すに至った!!
ブラックゴールドは!
今
!
恐怖の訪れにより
『未知なるパワー』を
解放するゥー!!
ーーーーーー
・・・続く。