とある年の瀬、某所、時は深夜
奇妙、いや珍妙なる覆面の男が二人酒を酌み交わしていた
片方は柑橘系の果実を思わせる覆面をかぶっている
その色がまた柑橘系にあるまじき銅色にどんよりと輝いている
その色がまた柑橘系にあるまじき銅色にどんよりと輝いている
もう片方はスイカをくりぬいたような覆面で
ハロウィーンのジャックオーランタンをスイカで作ったような風貌である
ハロウィーンのジャックオーランタンをスイカで作ったような風貌である
「今年はどうかね?」
銅色の柑橘頭が尋ねた
銅色の柑橘頭が尋ねた
スイカ頭はウイスキーでなみなみと満たされたグラスを一口で飲み干すと答える
「粒は揃っていますよ、しかし揃いすぎている」
「トップサンキストに成れる程の者はいませんね」
「粒は揃っていますよ、しかし揃いすぎている」
「トップサンキストに成れる程の者はいませんね」
スイカ頭の空いたグラスに酌をしながら笑って返す
「厳しいのうWM(ウォーターメロン)君は」
「厳しいのうWM(ウォーターメロン)君は」
WMが慌ててグラスに手を添え軽く会釈し苦笑で返す
「地獄の鬼教官と呼ばれたブロンズ様よりは優しいつもりですよ」
「地獄の鬼教官と呼ばれたブロンズ様よりは優しいつもりですよ」
「ほほうそんな悪口を言っていたのかね?」
「い、いや、その・・・・!」
失言である
「構わん、構わんさ、百文字を葬れるサンキストを作れるなら鬼にも悪魔にもなろうて」
「我ら一族はその一願に全てを賭けてきたのだがらのう」
そう彼らはサンキスト一族と呼ばれるアウトローレスラー達だっ!
その中でも特に位が高くかつてはサンキスト養成施設「果樹の室(むろ)」にて
鬼教官と呼ばれたマスクドサンキストブロンズと
現鬼教官のマスクドサンキストウォーターメロンであるっ!
その中でも特に位が高くかつてはサンキスト養成施設「果樹の室(むろ)」にて
鬼教官と呼ばれたマスクドサンキストブロンズと
現鬼教官のマスクドサンキストウォーターメロンであるっ!
酒が回りいくらか饒舌になった二人はさらなる地獄のトレーニングマシンの開発や
近頃の若手サンキストの在り方、教官生徒時代の昔話に花を咲かせる間に
いつの間にか新年を迎えていた
が「明けましておめでとう」などという世俗染みた挨拶をかわすわけもない
代わりにもっと子供じみた質問をWMが漏らした
近頃の若手サンキストの在り方、教官生徒時代の昔話に花を咲かせる間に
いつの間にか新年を迎えていた
が「明けましておめでとう」などという世俗染みた挨拶をかわすわけもない
代わりにもっと子供じみた質問をWMが漏らした
「最強のサンキストって誰なんです?」
もちろん自分ではない事は分り切ってる
才能の無さは折り紙付きで努力と泥臭さでカバーするタイプだった
練習と特訓だけは誰よりも多く積んだそれでも時のトップサンキストには追いつけなかった
おかげで百文字と戦わずに済んだともいえる
だがその事に安堵するようなら教官になど成っていない
今でも勅命が出ればいつでも奴の前に立つ覚悟はある
がそれが無い事は百も承知している
その無念が彼を二代目鬼教官にしたのかもしれない
才能の無さは折り紙付きで努力と泥臭さでカバーするタイプだった
練習と特訓だけは誰よりも多く積んだそれでも時のトップサンキストには追いつけなかった
おかげで百文字と戦わずに済んだともいえる
だがその事に安堵するようなら教官になど成っていない
今でも勅命が出ればいつでも奴の前に立つ覚悟はある
がそれが無い事は百も承知している
その無念が彼を二代目鬼教官にしたのかもしれない
「百文字を倒した者じゃよ」
「なるほどまだ最強のサンキストはまだ生まれていない…という事ですね」
期待した答えとは違うものではあったが
コレはコレで教官としての自分への激ともとれる
百文字を倒す次世代のサンキストを生み出せという
コレはコレで教官としての自分への激ともとれる
百文字を倒す次世代のサンキストを生み出せという
「ちょっと意地悪だったかね」
ブロンズはWMの顔を見ず正面を見据えお猪口を飲み干す、彼は日本酒派だ
ブロンズはWMの顔を見ず正面を見据えお猪口を飲み干す、彼は日本酒派だ
「百文字に殺された者達には悪いが彼らは最強では無い」
「残念だが結果が証明している」
「残念だが結果が証明している」
余りにも厳しい死人に鞭打つ言葉だがアウトロー故の厳しさである
WMも俯いている彼が指導した中にも殺(や)られた者達が居る
全てでは無いにしろ己の指導不足も一因だろう
自分の何倍もサンキストを育て上げたブロンズは
一体幾何の無念を抱え込んでいるのか想像すら出来ない
WMも俯いている彼が指導した中にも殺(や)られた者達が居る
全てでは無いにしろ己の指導不足も一因だろう
自分の何倍もサンキストを育て上げたブロンズは
一体幾何の無念を抱え込んでいるのか想像すら出来ない
「そうさね、WM君の代だったらパラディン君かな」
「でもちょっと最強じゃないよね彼は」
「でもちょっと最強じゃないよね彼は」
WMも同意する、自分よりは遥かに才がある人物だが
最強かと問われると否と答える他ない
最強かと問われると否と答える他ない
「色んなサンキストが色んな時代に居たけどやっぱり面白いのは死の世代かな」
死の世代とは毎年十~二十余り新たなサンキストを輩出する育成機関「果樹の室」から
たった4人しか排出しなかった世代である
無論幾人卒業者を出そうがトップサンキストになれるのは一握りである
だがその世代はたった四人であったにも関わらず
全員がトップサンキストと呼べる実力者へ成長した
たった4人しか排出しなかった世代である
無論幾人卒業者を出そうがトップサンキストになれるのは一握りである
だがその世代はたった四人であったにも関わらず
全員がトップサンキストと呼べる実力者へ成長した
「死の世代ですか~~~んん~~~~・・・・・」
「最強は彼らの中から出ると?」
「最強は彼らの中から出ると?」
「WM君的には微妙かの?」
「いえいえ、一人を除き全員文句なしのサンキストです」
「私の見て来た者たちの中でも特にフレッシュ高品質」
「ただ異質というか異次元というか問題児ばかりだったもので」
「私の見て来た者たちの中でも特にフレッシュ高品質」
「ただ異質というか異次元というか問題児ばかりだったもので」
「だから面白いんじゃよ」
「天才DF(ドラゴンフルーツ)、最終兵器オメガ、麒麟児ザボン、怪力乱心ライムスカッシュ」
「見事育ててくれたものじゃ」
「天才DF(ドラゴンフルーツ)、最終兵器オメガ、麒麟児ザボン、怪力乱心ライムスカッシュ」
「見事育ててくれたものじゃ」
「半分嫌味で言ってません・・・・?」
「果樹の室始まって以来の天才と謳われたDFはベビーフェイスに転向」
「百文字と並ぶ一族のS級粛清対象に」
「素質ではそのDFに勝るとも劣らぬサンキストの最終兵器オメガは出世欲に取りつかれ」
「力に溺れ一度は百文字に敗れたライムスカッシュはさらなる力を渇望し行方不明」
「そして麒麟児ザボンはサンキストのスタイルを捨てつつ「それじゃよ」
「果樹の室始まって以来の天才と謳われたDFはベビーフェイスに転向」
「百文字と並ぶ一族のS級粛清対象に」
「素質ではそのDFに勝るとも劣らぬサンキストの最終兵器オメガは出世欲に取りつかれ」
「力に溺れ一度は百文字に敗れたライムスカッシュはさらなる力を渇望し行方不明」
「そして麒麟児ザボンはサンキストのスタイルを捨てつつ「それじゃよ」
ブロンズが割って入る
「果実は一皮むいて真の味がわかる物」
「捨てつつあるのではなく次の段階に進んでいるのではないかな?」
「したたかさ、慎重さ、猜疑性、向上性、柔軟性、ひたむきさ、頑固さ」
「彼の全てが絶妙のバランスで次世代のサンキストへと進化しようとしておる」
「酸味と甘味の均衡が柑橘の要」
「ザボン君こそ次世代のサンキストとなり一族を担い支える人物と見ておる」
「いや、目を付けておった」
「故にわし自ら名付けたのじゃ」
「果実は一皮むいて真の味がわかる物」
「捨てつつあるのではなく次の段階に進んでいるのではないかな?」
「したたかさ、慎重さ、猜疑性、向上性、柔軟性、ひたむきさ、頑固さ」
「彼の全てが絶妙のバランスで次世代のサンキストへと進化しようとしておる」
「酸味と甘味の均衡が柑橘の要」
「ザボン君こそ次世代のサンキストとなり一族を担い支える人物と見ておる」
「いや、目を付けておった」
「故にわし自ら名付けたのじゃ」
「サンキスト一族の骨子となる者マスク・ド・サンキスト・TheBoenと」
WMはブロンズがそこまでザボンを買っていたのかと嬉しくなった
元は自分の教え子である、どこか誇らしさすら覚えた
だが時を置くと何かざわめきを覚え、
それは徐々に心に絡まりズッシリと重くのしかかった
聞いてはいけない話を聞いたのではないか
酒の席とはいえ聞きようによっては後継宣言をしたようなものである
一族の大事になりかねない話だ自分には荷が勝ちすぎる
出来るなら忘れてしまいたいと思うほどに。
元は自分の教え子である、どこか誇らしさすら覚えた
だが時を置くと何かざわめきを覚え、
それは徐々に心に絡まりズッシリと重くのしかかった
聞いてはいけない話を聞いたのではないか
酒の席とはいえ聞きようによっては後継宣言をしたようなものである
一族の大事になりかねない話だ自分には荷が勝ちすぎる
出来るなら忘れてしまいたいと思うほどに。
彼は今夜の記憶を消すため
しこたま飲み続け明け方には病院で点滴を受ける羽目になった。
しこたま飲み続け明け方には病院で点滴を受ける羽目になった。
ちなみにWMは両腕を失っても再起を果たしたライムスカッシュを買っています
(金婆さんはオメガ派、銀婆さんはDF派という脳内設定)
ほんとザボンの今後に期待です!実は続きを密かに期待しているんです!
(金婆さんはオメガ派、銀婆さんはDF派という脳内設定)
ほんとザボンの今後に期待です!実は続きを密かに期待しているんです!
ついでに補足を
果樹の室(むろ)
ムロとは樹木に空いた穴の事
サンキスト養成機関であり地獄の特訓所である
タイガーマスクで言うところの虎の穴
ムロとは樹木に空いた穴の事
サンキスト養成機関であり地獄の特訓所である
タイガーマスクで言うところの虎の穴
トップサンキスト
サンキスト一族の中でも特に抜きんでた実力を誇る者達の総称
サンキスト一族の中でも特に抜きんでた実力を誇る者達の総称
死の世代(デスジェネレーション)
いくつかあるトップサンキスト達が並んで生まれた世代の一つ
ザボン、DF(ドラゴンフルーツ)、ライムスカッシュ、オメガの四人
(勝手に同世代にしましたが非公認)
いくつかあるトップサンキスト達が並んで生まれた世代の一つ
ザボン、DF(ドラゴンフルーツ)、ライムスカッシュ、オメガの四人
(勝手に同世代にしましたが非公認)
マスクドサンキストDF(ドラゴンフルーツ)
SRCはもちろんのことSSにも未登場
もちろんカジワラさんも未公認のサンキスト
(死の世代、死だし語呂合わせで四人いた方が良いかと)
SRCはもちろんのことSSにも未登場
もちろんカジワラさんも未公認のサンキスト
(死の世代、死だし語呂合わせで四人いた方が良いかと)
かつて果樹の室始まって以来の天才と称されたが
サンキストの名とダーティプレーを捨てドラゴンマスクとして表(ショープロレス)の世界で活躍している
サンキストの名とダーティプレーを捨てドラゴンマスクとして表(ショープロレス)の世界で活躍している
表の世界での評価
デビューから瞬く間にスターダムにのし上がった新進気鋭のマスクドレスラー
華麗なる空中殺法から繰り出されるドラゴンカッター(ダイヤモンドカッター)は威力抜群だ!※週刊新世紀プロレスリングより抜粋
デビューから瞬く間にスターダムにのし上がった新進気鋭のマスクドレスラー
華麗なる空中殺法から繰り出されるドラゴンカッター(ダイヤモンドカッター)は威力抜群だ!※週刊新世紀プロレスリングより抜粋
百文字並みの粛清対象だがあわよくば戻ってきて欲しいと銀柑橘の婆さんは思っている(かもしれない)