とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part03

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だれでも歓迎! 編集


御坂がこんなに可愛いわけがない


お互いの名前を呼び合うようになってから一ヶ月が経とうとしていた。俺と美琴は何て言うか・・・
勘違いかもしれないが俺の知識だと恋人っていう関係に近いのかもしれない。でもキスとかはしてないぞ?
でもその・・・腕組んで歩いたりするのって恋人がやることだろ?好きじゃなかったら女の子は
して来ないよな?でも美琴はしてくる。一人で外出して帰ってくると

「おかえりぃ!」

と言って俺に飛び掛る勢いで抱きついてくる。俺が知ってる美琴じゃなく新しい美琴になったと言ったほうがいいのかもしれない。
普段の美琴は・・・うん、最初と比べると凄く元気になった。前よりも活発になったとも思う。

例えば俺がソファーでウトウトしていると

「寝ないで私の相手しなさーーーーーーーーーい!!!」
「うぼぇあ!!!」

見事に俺の腹にボディプレスをかまして来たり、


例えば食事を取っている時

「それちょうだい!」
「ん?同じヤツじゃん」
「違う、アーンしてほしいの!」
「/////////////////////////////ほれ」


と心も体も色んな意味で満身創痍な訳なのです。上条さん理性が良く保ってくれていらっしゃる。
それくらい何かとじゃれてくる。俺はというと・・・嫌ではない。ていうか嬉しいに決まっている。
最初はどうなるかと思った美琴との生活だが十分満喫できている俺がいた。

でも俺は一つ大事なことを思い出した。忘れていたわけではないが・・・

美琴の「自分だけの現実」のことだ。
俺からすれば最初の美琴と今を比べると天地の差。笑顔が絶えないし色んなことを話してくる。

これは・・・元に戻ったんじゃねえか?

そう思って美琴に聞こうとするが


「美琴、お前の「自分だけの現実」のことだけど・・・」
「あ、トイレ」
「おう・・・」

そう言って美琴は2時間トイレから出てこない。おいおい、いくら大きいのだからって
長すぎですよ?2時間も経てば俺も「自分だけの現実」のことを話そうとしていたのを忘れてしまっている。
それで美琴が寝た時に「あっ!!」と思い出す。その繰り返し。
でもですね、最近美琴の気持ちを多少なりともわかった気がする上条さんはある疑問が浮かんだのです。



もしかして話をされまいと逃げているんじゃないか・・・と。


そう思ってから色んなタイミングで話そうとしても美琴はさすがレベル5。俺が上手く「自分だけの現実」についての話題に持っていったとしても
巧みな話術と行動であやふやにされる。何でもない普通の会話の時は笑顔を見せてくれるのだけど・・・
仕方ない・・・一番やりたくなかった最後の手段を使うしかない。




ここでの生活で俺はソファーに座っていることが多くなった。なんていうか、俺が一番落ち着く位置だろう。
美琴は手が空いてると最近は必ず俺の隣に座ってくる。そして俺の右腕堪能タイム。
ギュっと抱きついてきてその仕草が可愛い。

「えへへっ」

そしてこの満足そうな笑顔である。上条さんの特殊能力に美琴属性が備わったのは確実だろう。

たまにその時俺が漫画本を読んでいたらそこから

「何読んでるの?」

と頭をにゅっと伸ばしてくる。その位置は俺の顔のちょうど真下。髪の毛のいい匂いがするのは言うまでもない。
俺はこの一連の動作は嫌いじゃない、むしろ好きなくらいだ。美琴の気持ちを多少なりともわかった気がする俺の考えだと
きっと美琴もこの時が好きなのだろう。

「触れ合っているだけで守ってもらっている気がする」

ともいつか言ってくれたっけ。だから拒まなかったし拒む必要もなかった。


美琴に悪いがその心の隙を狙うしかない。全てをはっきりさせるために。




その日は朝からずっとソファーに座ってテレビを見たり雑誌を読んだりしてひたすら美琴が
隣に来るのを待つ。しかし美琴は料理をしたり洗濯、掃除をしたりしてなかなか来ない。
いや、必ずチャンスは来る!それまで待つんだ上条当麻!!

一通り家事をこなした美琴は・・・よし!こっちに来た!!


「えへへ、隣いい?」
「あぁ」

美琴は自然な流れで俺の隣に座る。そしていつものように俺の腕に抱きつこうとするが
俺はそれを許さず

「今日は俺が美琴に抱きつく番だ!」
「えっ!?ちょ・・・きゃ!」

わずかな抵抗を見せてきたが構わず美琴の全身を両腕で包んだ。右手で美琴の頭を俺の方へ寄せ、
左手でガッチリ捕まえた。

「ふふん、たまにはやり返さないとな?」
「わ、私がしたかったのに・・・」
「これで俺からは逃げられないな?」
「うん、当麻に捕まっちゃった。えへへ」

このセクハラ!て言われないだろうかと心配したがその反対、喜んでくれたようだ。でも俺は
この後美琴を傷つけてしまうのだろう。でも美琴のため。そう信じて心を鬼にした。


「この生活には慣れたか?」
「うん、毎日楽しい!最初どうなるかと思ったけど」
「お前、俺に謝るだけだったもんな」
「うん。あの時の私は本当にどうかしてた」
「今はどうだ?」
「もうあんなことにはならないと思う。当麻と一緒にいられるっていうことがこんなに
幸せだってわかったから」

俺の腕の中でモジモジしているのがわかる。そこがまた可愛らしいのだが・・・

「ならさ・・・もうこの生活はいいんじゃねえか?」
「・・・え?」

腕の中の美琴の全部が固まった。まるで石を抱いているみたいだった。


「これで美琴の「自分だけの現実」は元に戻ったかそれ以上になっているハズだ。俺はそう思っている。
だからもうこの部屋を出る時が来たと思うんだ?それに美琴の「自分だけの現実」が回復するまでの期間だけだし
これじゃお互いダメになると思う」

きっと俺の言葉は耳に届いていると信じて話し続けた。美琴の耳にしっかり届いていたが癇癪を起こしだした。

「やだやだ!ずっと一緒にいるの!!」
「いや、二度と会えない訳じゃな・・・」
「アンタはいつもどこかに消えて、気づいたら大怪我して帰ってくるし・・・そんな事がたくさんあるアンタなのに
何故そんな簡単に二度と会えない訳じゃないって言えるの!?アンタを離したくない!
もう嫌なの・・・アンタが私の前からいなくなるのが・・・」
「でもここを出ないとお前のためにはならない!」
「嫌!アンタがここから出たら・・・もう私の前に現れない!!」
「んな訳ないだろ!!」
「いや、いや・・・・」

美琴は俺がいなくなるということを恐れていた。でも何故そこまで俺に執着する?
なら俺は美琴のことをどう思う?俺は・・・・・・


「美琴、俺はお前と約束したハズだ。美琴を守ると」
「そんな約束、叶うハズない!」
「何が何でも叶えてやる。だってさ・・・」



「好きな女の子との約束を守る事って当然のことだろ?」


静まり返った部屋の中で美琴の「え?」と言った音がやけに響いていた。



「い、今なんて・・・」
「もう恥ずかしすぎて言えません・・・」

俺の決死の告白に腕の中の美琴は石みたいになっていた体の硬さが取れた。
しっかり聞こえていたクセに聞き返すのはやめてください・・・

「う、嘘・・・信じられない・・・ねえ、私のためだからってそんな嘘つかないでいいのよ?」
「嘘じゃねえ。お前のためというよりこれは・・・俺のわがままだ」

美琴は俺に抱きしめられているため身動きがとれない。その顔の距離がやけに近い・・・
これは・・・まさか「アレ」のフラグですか~~????


そう舞い上がっていたけど


「うっ・・・う・・・えぐ・・・」

いつ以来の美琴の涙を見ただろう。でも何故か心が痛まなかった。いや、サディスティックではありませんよ?
その涙は今まで見た涙より綺麗だと思えた。

「美琴・・・すまん」
「何でアンタが謝るのよ。何で私が泣いてるかわかる?」
「・・・悲しいから?」
「アンタの頭の中には嬉し泣きという単語がないのかしら?」
「・・・えと、つまり俺の事好きってことでしょうか」
「もっと早くに気づいてよ!!ていうか最初に気づけ!!この鈍感!バカ!アホ!!
 ・・・・・・・・・・・・うわあぁぁぁぁん!!」

美琴は顔をぐしゃぐしゃにして俺のシャツを濡らした。それを止めようとは全く思わず右手で美琴の細い手を握った。

この手は絶対に離さない。



だって美琴と本当に、やっと心が繋がったと実感したから。



あれから俺と美琴はすぐ部屋を出て、それぞれの戻る場所へ戻った。インデックスは小萌先生の家で散々贅沢をさせてもらったのが原因で
俺の寮に戻るのを相当ためらっていた。それを考えると・・・くそ、美琴とは正反対だぜ。

美琴はというと能力判定テストを再び受けて見事超能力者の力を見せ付けた。でも寮に戻ると
白井に散々尋問されたらしい。こんな長い期間の療養なんて絶対怪しいですの!と・・・
誤魔化さないで俺たちの関係教えたら?と言ったら

「あの子は当麻と直接会った時に伝えないと意味がない」とのこと。なんとなくわかる気がする。
美琴ゾッコンLOVEの白井から奪ってしまったもんなぁ。


そして肝心の俺たちの関係は・・・

順調というか以前と変わらない関係かもしれない。でも恋人になったということは間違いない。
俺は美琴、美琴は俺のことを当麻と下の名前で呼ぶ所は継続している。順調にも思えていたのですが・・・


「ア~ン~タ~は~!!私がいるというのに他の女の子と下校ってどういうことよ!!!」
「はいぃ!?何を言っているのですか美琴さん??」
「その隣にいる!その女の子!!」
「ち、違うんだ、さっき財布拾ってあげただけで・・・」
「・・・・・・・・・へ?」
「勘違いさせてしまってすみません彼女さん!!」
「か・・・・かの・・・///////いえ、私こそ取り乱してごめんなさい」
「では失礼します」
「・・・な?違うだろ?」
「ふん!私がいないとすぐこれなんだから。行くわよ!」
「おわっ、待てって!」


俺の右腕に抱きついて器用に俺を目的も決まっていない行き先へ引っ張った。

「やっぱり当麻と一緒にいるだけで幸せ」
「じゃあ、何もしなくていいんじゃね?」
「そうかもね?えへへ」

前言撤回、やっぱり順調でした。今日は俺の部屋へ招待してみようか?インデックスはさぞかし驚くことだろう。
インデックスもきっと美琴の話を聞いたら喜んでくれるに違いない。




なあ美琴、俺はお前を守れているか?


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