EPISODE 3
Scene_1 【未だ名前の出ないとある高校】
昨日、互いの想いを交換し合って、私と当麻は恋人同士になった。
芹亜先輩にはちょっと申し訳ないことになっちゃったけど、やっぱり当麻は渡せない。
ただ昨日はあの後、当麻はバーゲンセールがあるとか言って、すぐにスーパーに行っちゃった。
愛しの彼女を放ったらかしにして、どういうつもりよ、もう。(プンプン)
芹亜先輩にはちょっと申し訳ないことになっちゃったけど、やっぱり当麻は渡せない。
ただ昨日はあの後、当麻はバーゲンセールがあるとか言って、すぐにスーパーに行っちゃった。
愛しの彼女を放ったらかしにして、どういうつもりよ、もう。(プンプン)
だから、今日は当麻の通う学校まで来て、待ち伏せることにした。
もちろん、当麻には秘密。
いきなり行って、ビックリさせてやるんだから。
もちろん、当麻には秘密。
いきなり行って、ビックリさせてやるんだから。
それにしても、やはり『常盤台』の制服は目立つ。
さっきから、何人もの男の子に声をかけられ続けている。
無視し続けてはいるけれど、かなりイライラが募ってきてるのが自分でも分かる。
一昨日の経験がなかったら、自分の中にある『闇』を見る。というあの体験が無かったら、とっくに電撃の一発や二発は撒き散らしていると思う。
自分の感情をコントロールする。
口で言うのは簡単だけど、これはかなり難しい。
その為のヒント、きっかけみたいなモノを一昨日の体験の中で得られたような気がする。
それまでが酷かったこともあって、でもだからこそだろうか? 格段にコントロール出来る領域が広がったような気がする。
さっきから、何人もの男の子に声をかけられ続けている。
無視し続けてはいるけれど、かなりイライラが募ってきてるのが自分でも分かる。
一昨日の経験がなかったら、自分の中にある『闇』を見る。というあの体験が無かったら、とっくに電撃の一発や二発は撒き散らしていると思う。
自分の感情をコントロールする。
口で言うのは簡単だけど、これはかなり難しい。
その為のヒント、きっかけみたいなモノを一昨日の体験の中で得られたような気がする。
それまでが酷かったこともあって、でもだからこそだろうか? 格段にコントロール出来る領域が広がったような気がする。
それにしても……遅いわねぇ……。
何やってんのよ、あのバカ彼氏。
何やってんのよ、あのバカ彼氏。
「アレ? 御坂さんじゃない?」
「あ、芹亜先輩」
「こんなトコロで何を? ……って、ああ、そうか。あのバカを待ってるんだ」
「ええ、まあ……(ポッ/////)」
「フ~ン、見せつけてくれるわね……。で、上条はどうしたのよ? 姿が見えないんだけど?」
「それが、まだ……」
「そう……。さっき、居たはずなんだけど……」
「そうなんですか?」
「うん、出て来る時に見かけたんだけど……。あ……、おーい、吹寄ェ~」
「えッ? アッ、はっ、ハイッ!! 何かご用でしょうか!? 雲川さん」
「別にそんなに畏まらなくてもイイんだけど。……吹寄って確か、上条と同じクラスだったはずだけど」
「えっ!? ……まさか、あのバカがまた何かしでかして、雲川さんにご迷惑をおかけしたとかですか? だったら、私が制裁を加えて参りますっ!!!」
「アッ、ちょっと待って。待って欲しいんだけど。違うんだけどぉ~……。ああ、行っちゃった……」
「あの、芹亜先輩。……今の人は?」
「ああ、上条と同じクラスの子でね。以前、私と一緒に『大覇星祭』の実行委員をやったのよ。そしたら何か知らないけど、憧れの存在みたいに思われちゃってるんだけど」
「へえ……、当麻と同じクラスなんだ……」
「あの子にだけは、さすがの上条もフラグを立てられないらしいよ。何でも『対カミジョー属性完全ガード』の女っていうウワサだけど……」
「何なんです? それ?」
「それだけあのバカがアッチコッチでフラグを立てまくってるってコトだけど」
「えッ!?(ムカッ!!!)」
『パチッ!!』
「キャッ!? あ……アハハ、アイツの事になるとまだコントロールが甘いみたいだけど」
「う……(//////////)」
「あ、芹亜先輩」
「こんなトコロで何を? ……って、ああ、そうか。あのバカを待ってるんだ」
「ええ、まあ……(ポッ/////)」
「フ~ン、見せつけてくれるわね……。で、上条はどうしたのよ? 姿が見えないんだけど?」
「それが、まだ……」
「そう……。さっき、居たはずなんだけど……」
「そうなんですか?」
「うん、出て来る時に見かけたんだけど……。あ……、おーい、吹寄ェ~」
「えッ? アッ、はっ、ハイッ!! 何かご用でしょうか!? 雲川さん」
「別にそんなに畏まらなくてもイイんだけど。……吹寄って確か、上条と同じクラスだったはずだけど」
「えっ!? ……まさか、あのバカがまた何かしでかして、雲川さんにご迷惑をおかけしたとかですか? だったら、私が制裁を加えて参りますっ!!!」
「アッ、ちょっと待って。待って欲しいんだけど。違うんだけどぉ~……。ああ、行っちゃった……」
「あの、芹亜先輩。……今の人は?」
「ああ、上条と同じクラスの子でね。以前、私と一緒に『大覇星祭』の実行委員をやったのよ。そしたら何か知らないけど、憧れの存在みたいに思われちゃってるんだけど」
「へえ……、当麻と同じクラスなんだ……」
「あの子にだけは、さすがの上条もフラグを立てられないらしいよ。何でも『対カミジョー属性完全ガード』の女っていうウワサだけど……」
「何なんです? それ?」
「それだけあのバカがアッチコッチでフラグを立てまくってるってコトだけど」
「えッ!?(ムカッ!!!)」
『パチッ!!』
「キャッ!? あ……アハハ、アイツの事になるとまだコントロールが甘いみたいだけど」
「う……(//////////)」
と、美琴が芹亜にからかわれていると、校舎の方から叫び声が聞こえてきた。
「だぁぁぁああああッ!!! やめろ吹寄ぇ!! オレが何をしたって言うんだぁぁぁああああ!?」
「うるさい!!! この大バカモノが!!! あの雲川さんにご迷惑をかけるなど言語道断!!! 今すぐ息の根を止めてやるから覚悟しなさい!!!」
「えッ!? 雲川先輩に!? 何でお前がそれを知ってるんだぁッ!?」
「貴様ァ! やはり雲川さんに何かしたのね!? 絶対に許さないわよ!!!」
「あ、いや……何かしたと言うか……されたと言うか……」
「うるさい!!! この大バカモノが!!! あの雲川さんにご迷惑をかけるなど言語道断!!! 今すぐ息の根を止めてやるから覚悟しなさい!!!」
「えッ!? 雲川先輩に!? 何でお前がそれを知ってるんだぁッ!?」
「貴様ァ! やはり雲川さんに何かしたのね!? 絶対に許さないわよ!!!」
「あ、いや……何かしたと言うか……されたと言うか……」
とゴニョゴニョと言い難いコトを言わねばならなくなった途端、上条の逃げ足が衰えてしまう。
そこに吹寄の十八番が炸裂しそうになった瞬間だった。
そこに吹寄の十八番が炸裂しそうになった瞬間だった。
「はい、そこまで」
上条と吹寄の間に芹亜がスッと割って入る。
吹寄は急ブレーキをかけて止まり、上条は芹亜の傍に居た美琴の後ろに隠れて、震えている。
吹寄は急ブレーキをかけて止まり、上条は芹亜の傍に居た美琴の後ろに隠れて、震えている。
「ありがと、吹寄。上条を呼んできてくれて」
「えッ!? く、雲川さん、このバカが何かしでかしたんじゃないんですか!?」
「別に。私はコイツに用があっただけだけど。……まあ、何かをしたのかと言えば、確かにしてくれたんだけど」
「何をしたんですか!? 事と次第によっては私が制裁を……」
「あ~、そう言うんじゃないんだけどね。……まぁ、私がコイツに告ったんだけど、フラれた。……ってだけなんだけど」
「え……?」
「ちょっと、私も恥ずかしいんだから、聞き直さないで欲しいんだけど」
「……あ、あの……雲川さんが……、このバカに……、こ、告白……って……、ええええええええええええええええええええええッ!?」
「ちょっと、吹寄……。声が大きいんだけど……」
「あの雲川さんが……、このバカに、告白……。ウソだ……。何で、私の憧れの雲川さんが……、こんなバカに……」
「あ、アレ? 吹寄? ちょっと、何処行くの? 吹寄ェ~ッ!?」
「えッ!? く、雲川さん、このバカが何かしでかしたんじゃないんですか!?」
「別に。私はコイツに用があっただけだけど。……まあ、何かをしたのかと言えば、確かにしてくれたんだけど」
「何をしたんですか!? 事と次第によっては私が制裁を……」
「あ~、そう言うんじゃないんだけどね。……まぁ、私がコイツに告ったんだけど、フラれた。……ってだけなんだけど」
「え……?」
「ちょっと、私も恥ずかしいんだから、聞き直さないで欲しいんだけど」
「……あ、あの……雲川さんが……、このバカに……、こ、告白……って……、ええええええええええええええええええええええッ!?」
「ちょっと、吹寄……。声が大きいんだけど……」
「あの雲川さんが……、このバカに、告白……。ウソだ……。何で、私の憧れの雲川さんが……、こんなバカに……」
「あ、アレ? 吹寄? ちょっと、何処行くの? 吹寄ェ~ッ!?」
何かをブツブツと呟きながら、フラフラと去っていく吹寄に向かって芹亜が必死に呼びかけるが、まるで応答がない。
「放っといてもイイんだけど……、ちょっと可哀相な気も……。……じゃあ、私はあの子を追い掛けるから。またね。御坂さん」
そう言うと、芹亜は吹寄を追い始めた。
そうして取り残されたのは、美琴と当麻の二人だけ。
そうして取り残されたのは、美琴と当麻の二人だけ。
「ちょろっと……、当麻。いつまでそうしてるつもりなの?」
「ヘッ!? あ、アレッ!? み、御坂さん? どうしてこんなトコロに居られるのでせう?」
「む~~~~~~~~~~ッ!!!」
「えっ!? なッ、何をそんなにお怒りになられてるのでせう? 上条さんは何が原因なのか全然分かりませんのコトよ」
「御坂じゃなくて、美琴!!!」
「あ……、ごっ、ゴメン……。まだその、呼び慣れてないって言うか……、恥ずかしいって言うか……」
「……だったら、恥ずかしくなくなるまで呼び慣れたらいいじゃない……バカ当麻……」
「す、スマン。っみ……美琴(/////)」
「エヘッ、嬉しい」
「あ……と、ところでさ……」
「うん、なあに? 当麻」
「どうして美琴はここに居るんだ?」
「え、えっと……それは、その……」
「もしかして……、オレを迎えに来てくれたのか?」
『……コクン(ポッ/////)』
「じゃあ、何で連絡しなかったんだよ?」
「え? 何でって?」
「今日は無かったからイイけどさ、追試とか補習とかがあったら待ち惚け喰っちまうところだったんだぜ」
「あ、それは、だから……その……」
「もしかして……オレをビックリさせたかったから……か?」
『……コクン(ポッ//////////)』
「フッ……」
「なッ、何よォ~ッ!?(なッ、なんて笑顔をするのよッ!? そんな顔、そんな優しい顔されたら…。ゴニョゴニョ……)」
「オマエって、すんげぇカワイイのな」
「ふえッ!? かっ、かっ、かかッ、かわッ、かわかわッ……カワイイ?」
「ああ、すんげえカワイイぜ。美琴(ニカッ)」
「ヘッ!? あ、アレッ!? み、御坂さん? どうしてこんなトコロに居られるのでせう?」
「む~~~~~~~~~~ッ!!!」
「えっ!? なッ、何をそんなにお怒りになられてるのでせう? 上条さんは何が原因なのか全然分かりませんのコトよ」
「御坂じゃなくて、美琴!!!」
「あ……、ごっ、ゴメン……。まだその、呼び慣れてないって言うか……、恥ずかしいって言うか……」
「……だったら、恥ずかしくなくなるまで呼び慣れたらいいじゃない……バカ当麻……」
「す、スマン。っみ……美琴(/////)」
「エヘッ、嬉しい」
「あ……と、ところでさ……」
「うん、なあに? 当麻」
「どうして美琴はここに居るんだ?」
「え、えっと……それは、その……」
「もしかして……、オレを迎えに来てくれたのか?」
『……コクン(ポッ/////)』
「じゃあ、何で連絡しなかったんだよ?」
「え? 何でって?」
「今日は無かったからイイけどさ、追試とか補習とかがあったら待ち惚け喰っちまうところだったんだぜ」
「あ、それは、だから……その……」
「もしかして……オレをビックリさせたかったから……か?」
『……コクン(ポッ//////////)』
「フッ……」
「なッ、何よォ~ッ!?(なッ、なんて笑顔をするのよッ!? そんな顔、そんな優しい顔されたら…。ゴニョゴニョ……)」
「オマエって、すんげぇカワイイのな」
「ふえッ!? かっ、かっ、かかッ、かわッ、かわかわッ……カワイイ?」
「ああ、すんげえカワイイぜ。美琴(ニカッ)」
そう言うと上条は、優しく美琴の髪を梳くように撫でてやる。
すると美琴は……
すると美琴は……
『(ポンッ!!!////////////////////)』
「エヘ、エヘヘヘ……。ねえ、当麻……」
「ん? 何だ、美琴?」
「『ギュッ』って、して……」
「え?」
「『ギュッ』てして欲しいの」
『(ボンッ!!!!!////////////////////)』
(そっ、それは……それはカワイ過ぎるだろうッ!!!!!)
「ダメ?」
(そッ、そのッ……上目遣いとうっすらと桜色に染まった頬は……凶器ですよッ、凶器!!! そんな顔をされたら、されてしまったら……上条さんは、上条さんは……ダメになってしまいそうですぅッ!!!!!)
「ダメ、じゃない……です」
「エヘ、エヘヘヘ……。ねえ、当麻……」
「ん? 何だ、美琴?」
「『ギュッ』って、して……」
「え?」
「『ギュッ』てして欲しいの」
『(ボンッ!!!!!////////////////////)』
(そっ、それは……それはカワイ過ぎるだろうッ!!!!!)
「ダメ?」
(そッ、そのッ……上目遣いとうっすらと桜色に染まった頬は……凶器ですよッ、凶器!!! そんな顔をされたら、されてしまったら……上条さんは、上条さんは……ダメになってしまいそうですぅッ!!!!!)
「ダメ、じゃない……です」
『ギュッ』
もう、バカップル全開である。
但し、二人は忘れていた。
ココがドコであるのかを……。
但し、二人は忘れていた。
ココがドコであるのかを……。
『ザワザワ、ザワザワ……』
(何だか、周りがウルサいな……)
(何よォ~、せっかくイイトコロなの……に……?)
(何だか、周りがウルサいな……)
(何よォ~、せっかくイイトコロなの……に……?)
二人は、二人の、二人による、二人だけの空間を作っていた訳だが……。
それが周囲の喧噪に邪魔されてしまった。
二人が、二人の、二人による、二人だけの空間から現実世界に戻って来て……周囲を見渡した時……。
二人はやっと気が付いた。
それが周囲の喧噪に邪魔されてしまった。
二人が、二人の、二人による、二人だけの空間から現実世界に戻って来て……周囲を見渡した時……。
二人はやっと気が付いた。
「「あッ!?」」
そう。
二人が今居る場所。
それは、上条が通うとある高校の校門前。
そんなところで、常盤台の制服を着たお嬢様を『ギュッ』としてたらどうなるのか?
しかも、抱き締めているのは『フラグ男』として超有名で、この学校の生徒なら知らぬ者など居ない上条当麻その人である。
羨望の眼差しなど無論皆無。
あるのは『またか、コノ野郎』という男の嫉妬と、『またか、コノ野郎』という女の恨みの視線だけ。
男子からも、そして女子からも、無言の……だが、殺意の隠った視線が上条に向けられ続けているのは言うまでもない。
二人が今居る場所。
それは、上条が通うとある高校の校門前。
そんなところで、常盤台の制服を着たお嬢様を『ギュッ』としてたらどうなるのか?
しかも、抱き締めているのは『フラグ男』として超有名で、この学校の生徒なら知らぬ者など居ない上条当麻その人である。
羨望の眼差しなど無論皆無。
あるのは『またか、コノ野郎』という男の嫉妬と、『またか、コノ野郎』という女の恨みの視線だけ。
男子からも、そして女子からも、無言の……だが、殺意の隠った視線が上条に向けられ続けているのは言うまでもない。
(終わった……。上条さんの人生は、今ココで終わってしまったのですね。終了のゴングが鳴ってしまったワケですね。そうなんですね、こんちくしょうッ!!!)
そう心の中で上条は叫ぶが、それで今の状況が変わる訳もない。
それどころか、時間が経てば経つほど周囲に集まる生徒達の数は増え、余計に動けなくなってしまっている。
それを見てテンパった頭にイイ案が浮かぶ訳もなく、ただ、この状況から美琴だけは守りたいと美琴を抱き締める力が余計に強くなる。
美琴は、周囲の状況もさることながら、上条に抱き締められる力がより力強くなるのが嬉しく感じられ、余りの心地良さに『ふにゃー化』寸前である。
但し、右手が触れているため漏電は起きない。
それどころか、時間が経てば経つほど周囲に集まる生徒達の数は増え、余計に動けなくなってしまっている。
それを見てテンパった頭にイイ案が浮かぶ訳もなく、ただ、この状況から美琴だけは守りたいと美琴を抱き締める力が余計に強くなる。
美琴は、周囲の状況もさることながら、上条に抱き締められる力がより力強くなるのが嬉しく感じられ、余りの心地良さに『ふにゃー化』寸前である。
但し、右手が触れているため漏電は起きない。
こうなれば、一か八か、美琴を抱き抱え、強行突破するしかない。
上条がそう思い定めた時だった。
周りに居た生徒達が一人、また一人とその場を去っていき、誰も何事もなかったかのように下校の途について行く。
上条がそう思い定めた時だった。
周りに居た生徒達が一人、また一人とその場を去っていき、誰も何事もなかったかのように下校の途について行く。
「「え……?」」
いつの間にか、二人の周りには誰も居なくなっていた。
それだけでなく、未だ抱き合ったままの二人を誰も気にもしなくなっていた。
それだけでなく、未だ抱き合ったままの二人を誰も気にもしなくなっていた。
「な……何がどうなってんだ?」
「一体、どうして?」
「一体、どうして?」
何が起こったのか分からず、呆気に取られる二人だったが……。
「とりあえず、助かった……のかな?」
「うん、そうみたいね……」
「じゃあ、これからどうする?」
「とりあえず……、何処かで落ち着きたいな」
「ああ、分かった」
「じゃあ、行きましょ?」
「そうだな。行くか」
「ムッ……」
「なッ、何だよ……。何を急に、そんなにむくれてんだ?」
「手……」
「ヘッ!?」
「手……繋いで……」
「あ、…ああ……///////////」
「うん、そうみたいね……」
「じゃあ、これからどうする?」
「とりあえず……、何処かで落ち着きたいな」
「ああ、分かった」
「じゃあ、行きましょ?」
「そうだな。行くか」
「ムッ……」
「なッ、何だよ……。何を急に、そんなにむくれてんだ?」
「手……」
「ヘッ!?」
「手……繋いで……」
「あ、…ああ……///////////」
美琴に言われ、まだ恥ずかしさが先に立つものの、右手で美琴の左手を優しく握る上条。
美琴もまだ、恋人つなぎをするほどに慣れてはいないらしく、顔を赤く染めながら、その手を握り返す。
でも、初々しくても二人の距離はシッカリと恋人同士のそれであり、寄り添いながら『とある高校』を後にした。
美琴もまだ、恋人つなぎをするほどに慣れてはいないらしく、顔を赤く染めながら、その手を握り返す。
でも、初々しくても二人の距離はシッカリと恋人同士のそれであり、寄り添いながら『とある高校』を後にした。
Scene_2 【喫茶店 エトワール】
「そりゃまあ、ウチとしては来てくれるのはありがたいんだけど……」
「アハ、アハハハ……」
「ちょっとは美琴ちゃんのことも考えてあげなさいよ。ウチじゃ、保護者同伴でデートしてるようなもんじゃない?」
「うう……」
「あ、いえ……その、ココに来たいって言ったのは……私が言い出したの……」
「え? ホントなの? 美琴ちゃん」
「ぅ、うん……。ココなら落ち着けるし……、それに、知り合いにも会わないだろうし……。何より、そんなに他の人が来ないから……」
「お、オイ、美琴……。オマエ、今サラッととんでもないコト言ったぞ?」
「えッ!?」
「だって、ほら……」
「アハ、アハハハ……」
「ちょっとは美琴ちゃんのことも考えてあげなさいよ。ウチじゃ、保護者同伴でデートしてるようなもんじゃない?」
「うう……」
「あ、いえ……その、ココに来たいって言ったのは……私が言い出したの……」
「え? ホントなの? 美琴ちゃん」
「ぅ、うん……。ココなら落ち着けるし……、それに、知り合いにも会わないだろうし……。何より、そんなに他の人が来ないから……」
「お、オイ、美琴……。オマエ、今サラッととんでもないコト言ったぞ?」
「えッ!?」
「だって、ほら……」
と上条が前を指差す。
その先には……
ガックリと項垂れるマスターとアッコさんが居た。
その先には……
ガックリと項垂れるマスターとアッコさんが居た。
「た、確かに常連以外の客は……あんまり来ねえけどさ……」
「面と向かって言われると……さすがに堪えるわね……」
「アッ、ごっ、ゴメンなさいッ!? そっ、そんなつもりじゃあ……」
「美琴……世の中には言っちゃいけないコトがあるんだぞ。特に本当のことはな……」
「面と向かって言われると……さすがに堪えるわね……」
「アッ、ごっ、ゴメンなさいッ!? そっ、そんなつもりじゃあ……」
「美琴……世の中には言っちゃいけないコトがあるんだぞ。特に本当のことはな……」
上条のトドメの一言に、より一層『ズズーン|||||』と落ち込む二人。
マスターなんて『おーあーるぜっと(orz)』になってる。_| ̄|〇
だが、事実は変わらないのである。
それにしても、段々話がややこしくなりそうなので、これからは誰が言っているのか分かるように
上条 ⇒(上) 美琴 ⇒(琴) マスター ⇒(マ) アッコ ⇒(ア)
と分類しますね。
マスターなんて『おーあーるぜっと(orz)』になってる。_| ̄|〇
だが、事実は変わらないのである。
それにしても、段々話がややこしくなりそうなので、これからは誰が言っているのか分かるように
上条 ⇒(上) 美琴 ⇒(琴) マスター ⇒(マ) アッコ ⇒(ア)
と分類しますね。
(マ)「ええいッ、クソッ、クソッ、確かに客の少ねえこんな店だけど、少しぐらいバカップルにも対応出来るところを見せてやらあッ!!!」
(上)「誰がバカップルだッ!?」
(マ)「お前ら(キッパリ!)」
(琴)「ああッ、マスター、ひどぉ~い!!!」
(ア)「だって、お返しはしとかなきゃねぇ。やられっ放しは性に合わないし」
(琴)「あ~ッ、アッコさんまでェ~!?」
(ア)「テーブル席に横に並んで座るのもどうかと思うけど、わざわざカウンター席で椅子引っ付けて、繋いだ手を離さないんだもん。バカップル確定よ!」
(上琴)「「う……(/////)」」
(ア)「ココまで言っても手は離さなんだから……。もう、ラブラブよねぇ~(ニヤニヤ)」
(琴)「だってぇ~、繋いどいて貰わないと、二人にからかわれて、いつ漏電しちゃうか分かんないし……」
(マ)「嬢ちゃん、何か最近キャラ変わってねえか?」
(琴)「えッ? そっ、そうかな?」
(上)「あッ、マスターもそう思う?」
(マ)「何だよ、上条。オマエも嬢ちゃんのキャラが変わったって思うのか?」
(上)「ああ、すんげえカワイくなった!」
(琴)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(マ)「またか、コノ野郎……」
(ア)「さすが、学園都市ナンバーワンのフラグ男ね。美琴ちゃんがもうメロメロよ……」
(琴)「ふにゃ……、当麻ぁ……。か、カワイイ……私……、カワイイ?」
(上)「ああ、美琴がこんなにカワイイ生き物だったなんて、全然知らなかったぞ。以前は会うと電撃してくる変なヤツだとしか思ってなかったけどな」
(琴)「ふにゃぁ~~~……(コテン)と、当麻に……カワイイって……エヘ、…エヘヘヘ……」
(ア)「あらあら、上条君の肩に頭乗っけちゃって、もう……常盤台のエースとは思えない顔ね」
(マ)「カワイいってトコしか、聞いてねえんじゃねえか? コイツ今、結構ヒドいこと言ったはずだが……」
(上)「ねッ、カワイいでしょ? 今まで見たこと無い一面がどんどん見えて来て、だから面白くって」
(マ)「それにしても……会う度に電撃? どっかで聞いたような話だな?」
(ア)「あッ、アンタは何思い出そうとしてんのよッ!?(/////)」
(マ)「ヘッ!? ああ、そうか。オマエだよ」
(ア)「なッ、何がよッ!?」
(マ)「コイツもな、昔は会う度に電撃して来やがってな。後で分かったんだが、自分を無視するから、構って欲しかったから電撃してたって言うんだよ」
(ア)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(上)「ヘッ!?」
(マ)「どうした?」
(上)「もしかして……、美琴もそうだったりして……。オイッ、美琴、美琴!?」
(琴)「ふえッ!? なッ、…何ッ!? ……どうしたの、当麻?」
(上)「あ、あのさ……変なこと、聞くけど……」
(琴)「変なこと?」
(上)「ああ、あのさ……、以前はオレと会うと、良くビリビリしてきてたろ?」
(琴)「ぅ、……うん……」
(上)「あ、アレってさ……、もしかして、オレに構って欲しかったとか……なのか?」
(琴)「だッ、だってッ! ……だってさ、必死になって当麻を捜して、やっと見つけたと思ったら、スルースキル全開で無視するんだもん……」
(上)「え?」
(琴)「私を見て欲しいのに……。私だけを見て欲しかったのに……。いつも、違う女の子連れてさ……」
(上)「かっ、上条さんにはそんな出会いはありませんのコトよッ!? 第一、いつもは美琴がいきなり電撃して来たんじゃねえか……」
(琴)「その前に何度も呼んでるのッ!!! 呼んでるのに……当麻が全然気が付いてくれないのッ。振り向いてくれないんだもん……(ゴニョゴニョ)」
(上)「そ、そうだったっけ……?」
(琴)「そうだよッ! ……だから……つい、その……頭に来ちゃって……」
(マ)「ははあ……、嬢ちゃんもコイツと一緒かよ……。そういや、そんなコト前に言ってたっけ?」
(琴・ア)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(上)「か、可愛いッ!!! カワイ過ぎるぞッ。美琴ッ!!!!!『ギュッ!!!』」
(琴)「えッ!? いッ、いきなりッ……そんな……、抱き締められ……たら……、ア、……ふ、ふ…、……ふにゃあ……」
(マ)「あのな……上条。……そう言うことは、家に帰ってやってくれ。ココは純粋な喫茶店なんだ……」
(上)「あ、アハ……、アハハハハ……」
(ア)「ねぇ……アンタァ~……」
(マ)「えッ!? お、オイ……どうした?」
(ア)「目の前で、こんなの見せつけられちゃったら……、アタシもスイッチ入っちゃった……」
(マ)「バッ、バカ野郎ッ!? なッ、何考えてんだッ!?」
(ア)「ねえ、イイでしょう……」
(マ)「バッ、バカッ! やめろッ!! コイツらの見てる前で、何考えてやがるっ!?」
(ア)「イイじゃない。アタシ達も見せつけてやりましょうよぉ~」
(上)「オレ達のことをバカップルだって言ったけど、マスター達も充分バカップルだよな」
(マ)「バカ野郎ッ! ニヤニヤしてねえでッ!? ああッ、もう……不幸だァ~~ッ!!!!!」
(上)「あ、十八番取られちまった」
(上)「誰がバカップルだッ!?」
(マ)「お前ら(キッパリ!)」
(琴)「ああッ、マスター、ひどぉ~い!!!」
(ア)「だって、お返しはしとかなきゃねぇ。やられっ放しは性に合わないし」
(琴)「あ~ッ、アッコさんまでェ~!?」
(ア)「テーブル席に横に並んで座るのもどうかと思うけど、わざわざカウンター席で椅子引っ付けて、繋いだ手を離さないんだもん。バカップル確定よ!」
(上琴)「「う……(/////)」」
(ア)「ココまで言っても手は離さなんだから……。もう、ラブラブよねぇ~(ニヤニヤ)」
(琴)「だってぇ~、繋いどいて貰わないと、二人にからかわれて、いつ漏電しちゃうか分かんないし……」
(マ)「嬢ちゃん、何か最近キャラ変わってねえか?」
(琴)「えッ? そっ、そうかな?」
(上)「あッ、マスターもそう思う?」
(マ)「何だよ、上条。オマエも嬢ちゃんのキャラが変わったって思うのか?」
(上)「ああ、すんげえカワイくなった!」
(琴)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(マ)「またか、コノ野郎……」
(ア)「さすが、学園都市ナンバーワンのフラグ男ね。美琴ちゃんがもうメロメロよ……」
(琴)「ふにゃ……、当麻ぁ……。か、カワイイ……私……、カワイイ?」
(上)「ああ、美琴がこんなにカワイイ生き物だったなんて、全然知らなかったぞ。以前は会うと電撃してくる変なヤツだとしか思ってなかったけどな」
(琴)「ふにゃぁ~~~……(コテン)と、当麻に……カワイイって……エヘ、…エヘヘヘ……」
(ア)「あらあら、上条君の肩に頭乗っけちゃって、もう……常盤台のエースとは思えない顔ね」
(マ)「カワイいってトコしか、聞いてねえんじゃねえか? コイツ今、結構ヒドいこと言ったはずだが……」
(上)「ねッ、カワイいでしょ? 今まで見たこと無い一面がどんどん見えて来て、だから面白くって」
(マ)「それにしても……会う度に電撃? どっかで聞いたような話だな?」
(ア)「あッ、アンタは何思い出そうとしてんのよッ!?(/////)」
(マ)「ヘッ!? ああ、そうか。オマエだよ」
(ア)「なッ、何がよッ!?」
(マ)「コイツもな、昔は会う度に電撃して来やがってな。後で分かったんだが、自分を無視するから、構って欲しかったから電撃してたって言うんだよ」
(ア)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(上)「ヘッ!?」
(マ)「どうした?」
(上)「もしかして……、美琴もそうだったりして……。オイッ、美琴、美琴!?」
(琴)「ふえッ!? なッ、…何ッ!? ……どうしたの、当麻?」
(上)「あ、あのさ……変なこと、聞くけど……」
(琴)「変なこと?」
(上)「ああ、あのさ……、以前はオレと会うと、良くビリビリしてきてたろ?」
(琴)「ぅ、……うん……」
(上)「あ、アレってさ……、もしかして、オレに構って欲しかったとか……なのか?」
(琴)「だッ、だってッ! ……だってさ、必死になって当麻を捜して、やっと見つけたと思ったら、スルースキル全開で無視するんだもん……」
(上)「え?」
(琴)「私を見て欲しいのに……。私だけを見て欲しかったのに……。いつも、違う女の子連れてさ……」
(上)「かっ、上条さんにはそんな出会いはありませんのコトよッ!? 第一、いつもは美琴がいきなり電撃して来たんじゃねえか……」
(琴)「その前に何度も呼んでるのッ!!! 呼んでるのに……当麻が全然気が付いてくれないのッ。振り向いてくれないんだもん……(ゴニョゴニョ)」
(上)「そ、そうだったっけ……?」
(琴)「そうだよッ! ……だから……つい、その……頭に来ちゃって……」
(マ)「ははあ……、嬢ちゃんもコイツと一緒かよ……。そういや、そんなコト前に言ってたっけ?」
(琴・ア)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(上)「か、可愛いッ!!! カワイ過ぎるぞッ。美琴ッ!!!!!『ギュッ!!!』」
(琴)「えッ!? いッ、いきなりッ……そんな……、抱き締められ……たら……、ア、……ふ、ふ…、……ふにゃあ……」
(マ)「あのな……上条。……そう言うことは、家に帰ってやってくれ。ココは純粋な喫茶店なんだ……」
(上)「あ、アハ……、アハハハハ……」
(ア)「ねぇ……アンタァ~……」
(マ)「えッ!? お、オイ……どうした?」
(ア)「目の前で、こんなの見せつけられちゃったら……、アタシもスイッチ入っちゃった……」
(マ)「バッ、バカ野郎ッ!? なッ、何考えてんだッ!?」
(ア)「ねえ、イイでしょう……」
(マ)「バッ、バカッ! やめろッ!! コイツらの見てる前で、何考えてやがるっ!?」
(ア)「イイじゃない。アタシ達も見せつけてやりましょうよぉ~」
(上)「オレ達のことをバカップルだって言ったけど、マスター達も充分バカップルだよな」
(マ)「バカ野郎ッ! ニヤニヤしてねえでッ!? ああッ、もう……不幸だァ~~ッ!!!!!」
(上)「あ、十八番取られちまった」
とまあ、バカップルの二組が大騒ぎな訳ですが……。
そんな大騒ぎもしばらくして治まり、マスターが上琴に何かを作っているようです。
そんな大騒ぎもしばらくして治まり、マスターが上琴に何かを作っているようです。
(マ)「ヨシッ! ま、とりあえずはこんなモンだろ。久しぶりだから、ちょっと自信がなかったけどな……」
(琴)「なになに、マスター。何作ってくれたの?」
(ア)「はい、お待たせ~」
(上琴)「わあ……」
(マ)「デザインカプチーノとか、ラテアートなんて呼んでる店もあるな。まあ、要はエスプレッソコーヒーに、泡立てたフォームドミルクで絵を描くだけなんだが……、これがなかなか難しいんだよな」
(琴)「なになに、マスター。何作ってくれたの?」
(ア)「はい、お待たせ~」
(上琴)「わあ……」
(マ)「デザインカプチーノとか、ラテアートなんて呼んでる店もあるな。まあ、要はエスプレッソコーヒーに、泡立てたフォームドミルクで絵を描くだけなんだが……、これがなかなか難しいんだよな」
出されたカップの中には、エスプレッソの茶色いキャンパスに、白いミルクで描かれたハート。
そしてそのハートの中に、ココアパウダーで『 Mikoto & Touma 』と文字が書かれていた。
そしてそのハートの中に、ココアパウダーで『 Mikoto & Touma 』と文字が書かれていた。
(マ)「文字はアルファベットのそういうヤツがあってな。久々だから、ちょっと時間がかかっちまったが……」
(琴)「カワイイッ! 飲むの勿体ないよッ、コレッ!!!」
(上)「へえ、マスターがこんなことも出来るなんて……」
(マ)「どういう意味だよ? まぁ、とりあえず飲んでみてくれ。嬢ちゃんのは砂糖いり。上条のはそのままだ」
(琴)「わあ、甘くて美味しい」
(上)「おッ、イイ苦味だ」
(マ)「今日のは、コロンビア・サンチャリオのイタリアンだからな。コイツのプレスがまた、美味いんだ」
(上)「オオッ!! 今度飲みたいッ!!!」
(マ)「ああ、イイぜ。でだ、そのラテアートだけど、上手な人が作ると、そのクレマとフォームが崩れないから、カップの底にその絵が残るんだよ」
(琴)「ええッ!? ホントにっ!? うわぁ……それってロマンチック」
(マ)「ウチのは無理だぜ。エスプレッソの出来がな……。家庭用のマシンしかねえから、どうしてもなクレマがな……」
(琴)「なんだぁ……つまんないの……」
(上)「クレマって?」
(マ)「クレマって言うのはエスプレッソの上の細かい泡のことだよ。因みにフォームは牛乳を同じように泡立てたモノのことだ」
(上琴)「「へえ……」」
(マ)「誰が考えたのかは知らないが、カップの中に絵を描くなんてな。まあ、オレは葉っぱとかハートくらいしかできねえんだが……」
(琴)「色んなコトって?」
(マ)「動物とか、花とかな。そんなのも描ける人が居るってコトだ」
(琴)「もしかして、ゲコ太も描けるとか!?」
(上)「相変わらず好きだよな……。カエル……」
(琴)「カエルじゃないッ! ゲコ太!!!」
(上)「わっ、分かったよ。……ゲコ太な、……ゲコ太……うん……」
(琴)「分かればイイのよ。でさ、マスター……」
(マ)「なッ、何だよ、嬢ちゃん。そのキラキラした目は……?」
(琴)「描いてッ!!!」
(マ)「描いてって、……何をだよ?」
(琴)「だから、ゲコ太を描いてッ!!!」
(マ)「む、無茶言うなよ……。第一、オレにそういう絵心はねえよ」
(ア)「自慢気に言うコトじゃないわよ。でもまあ、その通りだしね……」
(上)「それに描いて貰ったって、美琴のことだから『カワイくて飲めない』とか言い出しそうだぞ」
(琴)「う……あ、当たってるかも……」
(マ)「(ホッ)な、なら……まあ、諦めてくれな。ハハハ……(助かったァ)」
(琴)「うう……」
(ア)「それじゃあ、アタシからもちょっと……」
(上・琴・マ)「「「え?」」」
(ア)「アタシ特製の『クローバーリーフケーキ』よッ!!!」
(マ)「……オマエこそ、何自慢気に出してんだよ。それはウチのコーヒーを使ってくれてる『アンティーク』から納めて貰ってるヤツじゃねえか?」
(ア)「言わなきゃ、バレないのに(ブツブツ)……そっ、それに、デコレーションしたのはアタシだもん!! だから、アタシ特製でイイのッ!!!」
(マ)「ハイハイ、分かりましたよ……」
(上)「へえ、カワイイハート型のケーキが四つ。クローバーの葉っぱみたいに並んでるのか……」
(琴)「でもさ、アッコさん。これ、一人だとちょっと多くない?」
(上)「そう言われりゃそうだよな。まあ、一口サイズではあるが……確かにココは量が多いのが普通だけど」
(ア)「それは二人分よ。このケーキはカップル専用メニューなの」
(上琴)「「えッ?」」
(ア)「前にね、ハート型のケーキを出してた時があったんだけど、それだとハートを切って食べることになるから、縁起が悪いって言われてね」
(琴)「言われてみれば……そうかも?」
(上)「オレはそんなコト気にしないけど?」
(琴)「女の子はそう言うのを気にするの。ちょっとはそういうコトも勉強しなさいよ」
(上)「う……、不幸だ……」
(ア)「アハハ。でね、だから幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーを、恋人同士で二つずつ分け合って食べられるようにってコトで、こう言うのを作って貰ったのよ」
(琴)「へえ……、何かカワイイ」
(ア)「で、自分の想いをケーキに込めて、相手に食べさせてあげる。っていうのがこのケーキの食べ方なの」
(琴)「えッ!? そっ、それって……もしかして……」
(ア)「そうよぉ~、美琴ちゃん。あの王道、『アーン』よ『アーン』。それをするためのケーキなのよッ!!!」
(琴)「アッコさん。今すぐちょうだい!!!!!」
(上)(なッ、何だぁッ!? み、美琴の目の色が……変わってる!?)
(琴)「とっ、と、とととっ、当麻。……ハッ、ハイッ……あ、あ、アーンして……(////////////////////)」
(上)「ちょ、ちょっ、ちょっと……み、美琴さん? こっ、これは……余りにも恥ずかし過ぎやしませんでせうか?」
(琴)「いッ、いッ、イイッ、イイじゃないッ!? 一度、やってみたかったんだもん……。はい……アーン……」
(上)「う……、あ、……アーン……。パクッ」
(琴)「ど、どう? 美味しい?」
(上)「モグモグ……ゎ、分かんねえ……」
(琴)「え?」
(上)「恥ずかしくって、味なんか分かんねえ!」
(琴)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(マ)「(あそこのパティシエの腕は一流なんだが……。それこそ、学舎の園の中の店にも負けねえくらいの腕してるはずなんだがなぁ……)」
(ア)「(イイの、イイの。じゃあ、後は……(コソコソ)……)」
(マ)「(あ、オイ……。またやる気だよ……。好きだねぇ)」
(琴)「じゃ、じゃあ……こっ、今度は、とっ、と、当麻の番だから……ねッ!!!」
(上)「お、おうッ……(うわァ……恥ずかし過ぎるだろ……コレッ!? ////////////////////)」
(琴)「はッ、早くぅ……」
(上)「わっ、分かってるって……じゃ、じゃあ……そ、そ、そのッ……美琴、あ、アーン……」
(琴)「(うわッ!? そっ、想像していた以上に恥ずかしいッ!!! でッ、でもッ、あの憧れの『アーン』が、当麻からの『アーン』が目の前に……)」
(上)「(はッ、早くしろよッ! オレだって、メチャクチャ恥ずかしいんだぞッ!!!)」
(琴)「(だって、だって……口が開かないんだもん……)」
(上)「(声出せ、声を。そうすれば、自然に口が開くから……)」
(琴)「(あ、ぅ、うん……)……あ、……アーン……。パクッ!」
(琴)「カワイイッ! 飲むの勿体ないよッ、コレッ!!!」
(上)「へえ、マスターがこんなことも出来るなんて……」
(マ)「どういう意味だよ? まぁ、とりあえず飲んでみてくれ。嬢ちゃんのは砂糖いり。上条のはそのままだ」
(琴)「わあ、甘くて美味しい」
(上)「おッ、イイ苦味だ」
(マ)「今日のは、コロンビア・サンチャリオのイタリアンだからな。コイツのプレスがまた、美味いんだ」
(上)「オオッ!! 今度飲みたいッ!!!」
(マ)「ああ、イイぜ。でだ、そのラテアートだけど、上手な人が作ると、そのクレマとフォームが崩れないから、カップの底にその絵が残るんだよ」
(琴)「ええッ!? ホントにっ!? うわぁ……それってロマンチック」
(マ)「ウチのは無理だぜ。エスプレッソの出来がな……。家庭用のマシンしかねえから、どうしてもなクレマがな……」
(琴)「なんだぁ……つまんないの……」
(上)「クレマって?」
(マ)「クレマって言うのはエスプレッソの上の細かい泡のことだよ。因みにフォームは牛乳を同じように泡立てたモノのことだ」
(上琴)「「へえ……」」
(マ)「誰が考えたのかは知らないが、カップの中に絵を描くなんてな。まあ、オレは葉っぱとかハートくらいしかできねえんだが……」
(琴)「色んなコトって?」
(マ)「動物とか、花とかな。そんなのも描ける人が居るってコトだ」
(琴)「もしかして、ゲコ太も描けるとか!?」
(上)「相変わらず好きだよな……。カエル……」
(琴)「カエルじゃないッ! ゲコ太!!!」
(上)「わっ、分かったよ。……ゲコ太な、……ゲコ太……うん……」
(琴)「分かればイイのよ。でさ、マスター……」
(マ)「なッ、何だよ、嬢ちゃん。そのキラキラした目は……?」
(琴)「描いてッ!!!」
(マ)「描いてって、……何をだよ?」
(琴)「だから、ゲコ太を描いてッ!!!」
(マ)「む、無茶言うなよ……。第一、オレにそういう絵心はねえよ」
(ア)「自慢気に言うコトじゃないわよ。でもまあ、その通りだしね……」
(上)「それに描いて貰ったって、美琴のことだから『カワイくて飲めない』とか言い出しそうだぞ」
(琴)「う……あ、当たってるかも……」
(マ)「(ホッ)な、なら……まあ、諦めてくれな。ハハハ……(助かったァ)」
(琴)「うう……」
(ア)「それじゃあ、アタシからもちょっと……」
(上・琴・マ)「「「え?」」」
(ア)「アタシ特製の『クローバーリーフケーキ』よッ!!!」
(マ)「……オマエこそ、何自慢気に出してんだよ。それはウチのコーヒーを使ってくれてる『アンティーク』から納めて貰ってるヤツじゃねえか?」
(ア)「言わなきゃ、バレないのに(ブツブツ)……そっ、それに、デコレーションしたのはアタシだもん!! だから、アタシ特製でイイのッ!!!」
(マ)「ハイハイ、分かりましたよ……」
(上)「へえ、カワイイハート型のケーキが四つ。クローバーの葉っぱみたいに並んでるのか……」
(琴)「でもさ、アッコさん。これ、一人だとちょっと多くない?」
(上)「そう言われりゃそうだよな。まあ、一口サイズではあるが……確かにココは量が多いのが普通だけど」
(ア)「それは二人分よ。このケーキはカップル専用メニューなの」
(上琴)「「えッ?」」
(ア)「前にね、ハート型のケーキを出してた時があったんだけど、それだとハートを切って食べることになるから、縁起が悪いって言われてね」
(琴)「言われてみれば……そうかも?」
(上)「オレはそんなコト気にしないけど?」
(琴)「女の子はそう言うのを気にするの。ちょっとはそういうコトも勉強しなさいよ」
(上)「う……、不幸だ……」
(ア)「アハハ。でね、だから幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーを、恋人同士で二つずつ分け合って食べられるようにってコトで、こう言うのを作って貰ったのよ」
(琴)「へえ……、何かカワイイ」
(ア)「で、自分の想いをケーキに込めて、相手に食べさせてあげる。っていうのがこのケーキの食べ方なの」
(琴)「えッ!? そっ、それって……もしかして……」
(ア)「そうよぉ~、美琴ちゃん。あの王道、『アーン』よ『アーン』。それをするためのケーキなのよッ!!!」
(琴)「アッコさん。今すぐちょうだい!!!!!」
(上)(なッ、何だぁッ!? み、美琴の目の色が……変わってる!?)
(琴)「とっ、と、とととっ、当麻。……ハッ、ハイッ……あ、あ、アーンして……(////////////////////)」
(上)「ちょ、ちょっ、ちょっと……み、美琴さん? こっ、これは……余りにも恥ずかし過ぎやしませんでせうか?」
(琴)「いッ、いッ、イイッ、イイじゃないッ!? 一度、やってみたかったんだもん……。はい……アーン……」
(上)「う……、あ、……アーン……。パクッ」
(琴)「ど、どう? 美味しい?」
(上)「モグモグ……ゎ、分かんねえ……」
(琴)「え?」
(上)「恥ずかしくって、味なんか分かんねえ!」
(琴)『ボンッ!!!(////////////////////)』
(マ)「(あそこのパティシエの腕は一流なんだが……。それこそ、学舎の園の中の店にも負けねえくらいの腕してるはずなんだがなぁ……)」
(ア)「(イイの、イイの。じゃあ、後は……(コソコソ)……)」
(マ)「(あ、オイ……。またやる気だよ……。好きだねぇ)」
(琴)「じゃ、じゃあ……こっ、今度は、とっ、と、当麻の番だから……ねッ!!!」
(上)「お、おうッ……(うわァ……恥ずかし過ぎるだろ……コレッ!? ////////////////////)」
(琴)「はッ、早くぅ……」
(上)「わっ、分かってるって……じゃ、じゃあ……そ、そ、そのッ……美琴、あ、アーン……」
(琴)「(うわッ!? そっ、想像していた以上に恥ずかしいッ!!! でッ、でもッ、あの憧れの『アーン』が、当麻からの『アーン』が目の前に……)」
(上)「(はッ、早くしろよッ! オレだって、メチャクチャ恥ずかしいんだぞッ!!!)」
(琴)「(だって、だって……口が開かないんだもん……)」
(上)「(声出せ、声を。そうすれば、自然に口が開くから……)」
(琴)「(あ、ぅ、うん……)……あ、……アーン……。パクッ!」
『パシャッ!!!』
(上琴)「「ヘッ!?」」
美琴が上条から差し出されたケーキを口に入れたその瞬間。
無粋なシャッター音が店の中に響く。
二人は、音のした方に首をゆっくりと回してゆく。
それこそ、錆び付いたドアが開くように『ギギギギギ』と音を立てながら……。
すると、そこにはニヤニヤした顔で、学園都市製のデジタルカメラを構えるアッコの姿があった。
無粋なシャッター音が店の中に響く。
二人は、音のした方に首をゆっくりと回してゆく。
それこそ、錆び付いたドアが開くように『ギギギギギ』と音を立てながら……。
すると、そこにはニヤニヤした顔で、学園都市製のデジタルカメラを構えるアッコの姿があった。
(ア)「んッフフ~ン。二人の初『アーン』写真。ゲットだぜ!!!」
何かのアニメの主人公のように、アッコさんは右手の親指を『グッ』と突き出して宣言する。
(上)「ちょっ、ちょっと、アッコさんっ!? なッ、何撮ってるんですかッ!?」
(琴)「もごッ、もご、もごごッ!? もごもごもごッ!!!」
(ア)「美琴ちゃん。口の中にモノを入れたまま喋るのは行儀が悪いわよ?」
(琴)「もぐもぐッ、ングッ……!? そっ、そんなコトよりっ!? なッ、何て写真撮ってるんですかぁッ!?」
(ア)「このケーキセットを食べるカップルには、写真を撮らせて貰うって言う決まりがあるのよ」
(上琴)「「そんなコト、聞いてねえぞ(ません)!!!!!」」
(ア)「アレッ!? 言い忘れたのかなぁ……? まぁ、イイじゃない。二人の結婚式には、ちゃんとデータあげるからね。心配しなくてもイイわよん♪」
(琴)「ふえッ!? けっ、け、けけけっけっ、けこッ、けっけこッ、けこッ……結婚~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!?」
(上)「けっ、結婚って……、そっ、そっ、そんなの……はッ、まだッ……」
(琴)「えッ!? とっ、当麻? まだって……あッ、あのッ!? わッ、私ッ、私じゃダメなのッ!?」
(上)「えッ!? あッ、イヤッ!? そっ、そういうコトじゃなくって……、まだ、その決めるには……ちょっと早いかなぁ……ってだけで……」
(琴)「はッ、早いって? 決めるのが早いって……、そっ、それじゃあ、私は……私は、いつか当麻に捨てられちゃうのッ!?」
(上)「だッ、誰も、そんなコト言ってないだろおッ!?」
(琴)「じゃあ、今すぐ約束してっ!!! 私を当麻のお嫁さんにしてくれるって約束してッ!!!!!」
(上)「ちょっ、ちょっと待てって!? そっ、そりゃあ、美琴がオレの嫁さんになってくれたら……嬉しい……けどさ」
(琴)「じゃッ、じゃあ、イイじゃないッ!!! 約束してくれたってイイじゃない!?」
(上)「だッ、だから……まだそれを決めるには早いって……」
(琴)「やっぱりそうなんだ。私、私は……いつか当麻に捨てられちゃうんだッ!!! 私じゃ当麻のお嫁さんにはなれないんだあッ!!!!!」
(上)「何でそうなるっ!? あッ、イヤッ、だッ、だから……そういう意味じゃなくって……。……あのッ……だからッ……」
(琴)「私は決めてるんだよッ!!! 当麻のお嫁さんになって、当麻の赤ちゃんを産むって決めてるんだよッ!?」
(上)「えッ!? み、美琴……。お、オマエ、今……何て……?」
(琴)「私は当麻のお嫁さんになるって決めてるのッ!!! 当麻のお嫁さんになって、当麻の赤ちゃんを産むって決めてるのッ!!!!!」
(上)「おッ、オマエッ、今自分が何言ってるのか分かってんのかッ!?」
(琴)「分かってるわよッ!!! ずっと当麻と歩きたいのッ!!! ずっと当麻の傍に居たいのッ!!! 一生、当麻と一緒に居るのッ!!!!!」
(上)「オマエ……それは、その……一生、オレの不幸と付き合うってコトなんだぞ……。一生、幸せになれないかも知れないって事なんだぞッ!!!」
(琴)「当麻が居ない不幸に比べたら、そんなのどうってコト無いわよッ!!! 当麻が居ない不幸に比べたら、当麻の不幸なんて……、当麻の不幸なんて……、どうってコト無いッ!!!!!」
(上)「み、美琴……」
(琴)「あの地獄に比べたら……、『妹達(シスターズ)』の一件だって、天国みたいなモノよッ!!!!!」
(上)「ばッ、バカなコト言うんじゃねえッ!!!!!」
(琴)「バカなコトなんかじゃないッ!!! 本当のことよッ!!! 当麻がまた居なくなっちゃったら、私はもう生きていけないのよッ!!!!!」
(上)「美琴……お前……」
(琴)「本気だよ……。私は本気なんだよ……。当麻とずっと一緒に居るの。一生傍に居るの。当麻と一緒に歩いて行きたいの……」
(マ)「ふう……」
(上)「ま、マスター……。お、オレ……」
(マ)「イイんだよ。まだオマエが決められないのは仕方がねえことだ。そこまで考えたことがねえんだろうからな」
(上)「う……」
(マ)「嬢ちゃんも、そう急いてやるな。コイツはまだそこまで考えてはいねえんだからさ」
(琴)「あ、……ご、ゴメン……ゴメンなさい」
(マ)「謝る必要なんて無いさ。嬢ちゃんはそれだけの覚悟があるってコトだろ? その覚悟が分かっただけでも、良かったんだよ。二人にとってはな」
(上)「でッ、でも……オレ。美琴がこんなにオレの事を考えてくれてて、こんなに想われてるなんて……」
(マ)「重てえか?」
(上)「えッ!?」
(マ)「嬢ちゃんの想い。お前にとっちゃ、重てえのかって聞いてるんだよ?」
(上)「うッ……あ、あの……」
(マ)「正直に答えてやりな。ちゃんと自分の気持ちを言ってやらないとな。あれだけの想いに対して、失礼だぜ」
(上)「あッ……はい。……今は、まだ……重い……というか、その重さを受けとめられるだけの自信がありません。……ただ」
(マ)「ただ……?」
(上)「受けとめられるだけの自分になりたい。……その気持ちは、あります!!!」
(琴)「ッ!!!!!!!!!!!!」
(マ)「そうか……。なら、今はそれでイイんじゃねえの?」
(上琴)「「え?」」
(ア)「全部を今決める必要はないってコト。二人でゆっくり歩いて、二人で選んでいけばイイのよ」
(マ)「そういうコトだ。焦る必要はないんだよ。オマエ達にはまだ時間があるんだからな」
(ア)「青春真っ只中なんでしょ? もっと悩んで、もっとぶつかって、選んでいけばイイのよ。前に進むことを怖れずに、一歩一歩歩んでいけばイイの」
(マ)「そうするしかねえのさ。人生なんてな。その時、その時に最善を尽くす。それ以外の道なんてねえのさ」
(ア)「アタシ達だって、そうやって歩いてくるしかなかったんだもん。ね、アンタ……」
(マ)「まあな。ただなぁ……」
(ア)「ただなぁ……って、何よ?」
(マ)「こんなキツい性格の女になるなんて、想像してなかったからなぁ……。もうちょっと考えとけば良かった。って思ったことは何度か『ゴンッ!』痛っっっってええええええええええええッ!!!!!」
(ア)「イイ根性してんじゃないッ!!! このバカ亭主がッ!!!!!」
(マ)「おッ、おまッ……オマエなぁッ、大切な旦那様に向かって暴力を振るうとはどういうつもりだッ!?」
(ア)「だったら、もうちょっと稼いでみなさいってえのッ!!! オタク知識ばっかり披露しちゃってさ、肝心の商売あがったりじゃないッ!!!」
(マ)「そっ、それは……、苦労かけて申し訳ないとは思うけどよぉ……」
(ア)「そう思うんだったら、少しは労いの言葉もかけなさいって言ってるのッ!!!」
(マ)「言ったって、オマエは『バカ』って言うだけじゃねえかよッ!?」
(ア)「照れ隠しで言ってるだけだって、どうして気付かないのよッ!? この鈍感バカ亭主がぁッ!!!!!」
(マ)「うわッ、やっ、やめろッ!? やめろって!!! なッ、おッ、オレが悪かった。オレが悪かったから、だッ、だから、勘弁してくれッ!? なッ、なッ」
(ア)「美琴ちゃん、よ~~~~く見ておきなさいね。ぐうたら亭主はこうやって教育するのが一番イイんだからねッ!!!!!」
(マ)「うッ、うわぁッ……かッ、上条ッ! たっ、助けてくれぇ~~ッ!!!」
(上琴)「……」
(上)「……美琴、そろそろ行こうか?」
(琴)「うん、そうね。……これ以上、御邪魔しちゃ悪いし、二人はこのままの方が幸せそうだし」
(上)「そうだな。じゃあ、マスター、アッコさん。ご馳走様。お代は置いときます」
(琴)「ご馳走様でした。また来ますね」
(ア)「あ、二人ともありがとうね。また来てね~♪」
(マ)「こッ、コラァッ!? みっ、見捨てるなぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!」
(琴)「もごッ、もご、もごごッ!? もごもごもごッ!!!」
(ア)「美琴ちゃん。口の中にモノを入れたまま喋るのは行儀が悪いわよ?」
(琴)「もぐもぐッ、ングッ……!? そっ、そんなコトよりっ!? なッ、何て写真撮ってるんですかぁッ!?」
(ア)「このケーキセットを食べるカップルには、写真を撮らせて貰うって言う決まりがあるのよ」
(上琴)「「そんなコト、聞いてねえぞ(ません)!!!!!」」
(ア)「アレッ!? 言い忘れたのかなぁ……? まぁ、イイじゃない。二人の結婚式には、ちゃんとデータあげるからね。心配しなくてもイイわよん♪」
(琴)「ふえッ!? けっ、け、けけけっけっ、けこッ、けっけこッ、けこッ……結婚~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!?」
(上)「けっ、結婚って……、そっ、そっ、そんなの……はッ、まだッ……」
(琴)「えッ!? とっ、当麻? まだって……あッ、あのッ!? わッ、私ッ、私じゃダメなのッ!?」
(上)「えッ!? あッ、イヤッ!? そっ、そういうコトじゃなくって……、まだ、その決めるには……ちょっと早いかなぁ……ってだけで……」
(琴)「はッ、早いって? 決めるのが早いって……、そっ、それじゃあ、私は……私は、いつか当麻に捨てられちゃうのッ!?」
(上)「だッ、誰も、そんなコト言ってないだろおッ!?」
(琴)「じゃあ、今すぐ約束してっ!!! 私を当麻のお嫁さんにしてくれるって約束してッ!!!!!」
(上)「ちょっ、ちょっと待てって!? そっ、そりゃあ、美琴がオレの嫁さんになってくれたら……嬉しい……けどさ」
(琴)「じゃッ、じゃあ、イイじゃないッ!!! 約束してくれたってイイじゃない!?」
(上)「だッ、だから……まだそれを決めるには早いって……」
(琴)「やっぱりそうなんだ。私、私は……いつか当麻に捨てられちゃうんだッ!!! 私じゃ当麻のお嫁さんにはなれないんだあッ!!!!!」
(上)「何でそうなるっ!? あッ、イヤッ、だッ、だから……そういう意味じゃなくって……。……あのッ……だからッ……」
(琴)「私は決めてるんだよッ!!! 当麻のお嫁さんになって、当麻の赤ちゃんを産むって決めてるんだよッ!?」
(上)「えッ!? み、美琴……。お、オマエ、今……何て……?」
(琴)「私は当麻のお嫁さんになるって決めてるのッ!!! 当麻のお嫁さんになって、当麻の赤ちゃんを産むって決めてるのッ!!!!!」
(上)「おッ、オマエッ、今自分が何言ってるのか分かってんのかッ!?」
(琴)「分かってるわよッ!!! ずっと当麻と歩きたいのッ!!! ずっと当麻の傍に居たいのッ!!! 一生、当麻と一緒に居るのッ!!!!!」
(上)「オマエ……それは、その……一生、オレの不幸と付き合うってコトなんだぞ……。一生、幸せになれないかも知れないって事なんだぞッ!!!」
(琴)「当麻が居ない不幸に比べたら、そんなのどうってコト無いわよッ!!! 当麻が居ない不幸に比べたら、当麻の不幸なんて……、当麻の不幸なんて……、どうってコト無いッ!!!!!」
(上)「み、美琴……」
(琴)「あの地獄に比べたら……、『妹達(シスターズ)』の一件だって、天国みたいなモノよッ!!!!!」
(上)「ばッ、バカなコト言うんじゃねえッ!!!!!」
(琴)「バカなコトなんかじゃないッ!!! 本当のことよッ!!! 当麻がまた居なくなっちゃったら、私はもう生きていけないのよッ!!!!!」
(上)「美琴……お前……」
(琴)「本気だよ……。私は本気なんだよ……。当麻とずっと一緒に居るの。一生傍に居るの。当麻と一緒に歩いて行きたいの……」
(マ)「ふう……」
(上)「ま、マスター……。お、オレ……」
(マ)「イイんだよ。まだオマエが決められないのは仕方がねえことだ。そこまで考えたことがねえんだろうからな」
(上)「う……」
(マ)「嬢ちゃんも、そう急いてやるな。コイツはまだそこまで考えてはいねえんだからさ」
(琴)「あ、……ご、ゴメン……ゴメンなさい」
(マ)「謝る必要なんて無いさ。嬢ちゃんはそれだけの覚悟があるってコトだろ? その覚悟が分かっただけでも、良かったんだよ。二人にとってはな」
(上)「でッ、でも……オレ。美琴がこんなにオレの事を考えてくれてて、こんなに想われてるなんて……」
(マ)「重てえか?」
(上)「えッ!?」
(マ)「嬢ちゃんの想い。お前にとっちゃ、重てえのかって聞いてるんだよ?」
(上)「うッ……あ、あの……」
(マ)「正直に答えてやりな。ちゃんと自分の気持ちを言ってやらないとな。あれだけの想いに対して、失礼だぜ」
(上)「あッ……はい。……今は、まだ……重い……というか、その重さを受けとめられるだけの自信がありません。……ただ」
(マ)「ただ……?」
(上)「受けとめられるだけの自分になりたい。……その気持ちは、あります!!!」
(琴)「ッ!!!!!!!!!!!!」
(マ)「そうか……。なら、今はそれでイイんじゃねえの?」
(上琴)「「え?」」
(ア)「全部を今決める必要はないってコト。二人でゆっくり歩いて、二人で選んでいけばイイのよ」
(マ)「そういうコトだ。焦る必要はないんだよ。オマエ達にはまだ時間があるんだからな」
(ア)「青春真っ只中なんでしょ? もっと悩んで、もっとぶつかって、選んでいけばイイのよ。前に進むことを怖れずに、一歩一歩歩んでいけばイイの」
(マ)「そうするしかねえのさ。人生なんてな。その時、その時に最善を尽くす。それ以外の道なんてねえのさ」
(ア)「アタシ達だって、そうやって歩いてくるしかなかったんだもん。ね、アンタ……」
(マ)「まあな。ただなぁ……」
(ア)「ただなぁ……って、何よ?」
(マ)「こんなキツい性格の女になるなんて、想像してなかったからなぁ……。もうちょっと考えとけば良かった。って思ったことは何度か『ゴンッ!』痛っっっってええええええええええええッ!!!!!」
(ア)「イイ根性してんじゃないッ!!! このバカ亭主がッ!!!!!」
(マ)「おッ、おまッ……オマエなぁッ、大切な旦那様に向かって暴力を振るうとはどういうつもりだッ!?」
(ア)「だったら、もうちょっと稼いでみなさいってえのッ!!! オタク知識ばっかり披露しちゃってさ、肝心の商売あがったりじゃないッ!!!」
(マ)「そっ、それは……、苦労かけて申し訳ないとは思うけどよぉ……」
(ア)「そう思うんだったら、少しは労いの言葉もかけなさいって言ってるのッ!!!」
(マ)「言ったって、オマエは『バカ』って言うだけじゃねえかよッ!?」
(ア)「照れ隠しで言ってるだけだって、どうして気付かないのよッ!? この鈍感バカ亭主がぁッ!!!!!」
(マ)「うわッ、やっ、やめろッ!? やめろって!!! なッ、おッ、オレが悪かった。オレが悪かったから、だッ、だから、勘弁してくれッ!? なッ、なッ」
(ア)「美琴ちゃん、よ~~~~く見ておきなさいね。ぐうたら亭主はこうやって教育するのが一番イイんだからねッ!!!!!」
(マ)「うッ、うわぁッ……かッ、上条ッ! たっ、助けてくれぇ~~ッ!!!」
(上琴)「……」
(上)「……美琴、そろそろ行こうか?」
(琴)「うん、そうね。……これ以上、御邪魔しちゃ悪いし、二人はこのままの方が幸せそうだし」
(上)「そうだな。じゃあ、マスター、アッコさん。ご馳走様。お代は置いときます」
(琴)「ご馳走様でした。また来ますね」
(ア)「あ、二人ともありがとうね。また来てね~♪」
(マ)「こッ、コラァッ!? みっ、見捨てるなぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!」
虚しく響くマスターの悲鳴を背中で聞きつつ、オレ達は【エトワール】を後にした。
もう、時間はすっかり遅くなっていて、外は夜の帳が降りていた。
もう、時間はすっかり遅くなっていて、外は夜の帳が降りていた。
Scene_3 【オンボロ自販機があるいつもの公園】
(上)「見捨てて来ちゃったけど、マスター……大丈夫かな?」
(琴)「イイんじゃない? アレはアレで……。二人にとってはアレがコミュニケーションなんだろうし……」
(上)「そ、そうだな……。あ、そ、それよりさ……」
(琴)「えッ? なあに、当麻?」
(上)「さっきは、その……ゴメンな。美琴の想いを受けとめるだけの自信がない……何て言っちまって……」
(琴)「ぅ…、ううん……。イイの。私が焦りすぎてるんだって分かったし……」
(上)「ウソ……言うんじゃねえよ」
(琴)「え?」
(上)「本気なんだろ? さっき言ったコト……。本気でそう思ってるんだろ? オレにちゃんと応えて欲しかったんだろ!?」
(琴)「ぅ、……うん……」
(上)「オレだってさ、美琴の想いに応えたいっていう気持ちがない訳じゃないんだぜ。……でもな……」
(琴)「うん……」
(上)「まだ、自信がねえんだよ。美琴の想いに応えられるだけの……自信がさ……」
(琴)「うん……、イイの……それでも……」
(上)「え……?」
(琴)「当麻は、『応えられる自分になりたい』って言ってくれた。嬉しかった……。ホントに、嬉しかったよ」
(上)「み、美琴……」
(琴)「当麻……、あ、あのね……、お願いがあるの……」
(上)「何だ? 言ってみろよ?」
(琴)「目を、瞑って……」
(上)「え?」
(琴)「イイからッ!! ……目を瞑って!!!」
(上)「こ、こうか?」
(琴)「イイんじゃない? アレはアレで……。二人にとってはアレがコミュニケーションなんだろうし……」
(上)「そ、そうだな……。あ、そ、それよりさ……」
(琴)「えッ? なあに、当麻?」
(上)「さっきは、その……ゴメンな。美琴の想いを受けとめるだけの自信がない……何て言っちまって……」
(琴)「ぅ…、ううん……。イイの。私が焦りすぎてるんだって分かったし……」
(上)「ウソ……言うんじゃねえよ」
(琴)「え?」
(上)「本気なんだろ? さっき言ったコト……。本気でそう思ってるんだろ? オレにちゃんと応えて欲しかったんだろ!?」
(琴)「ぅ、……うん……」
(上)「オレだってさ、美琴の想いに応えたいっていう気持ちがない訳じゃないんだぜ。……でもな……」
(琴)「うん……」
(上)「まだ、自信がねえんだよ。美琴の想いに応えられるだけの……自信がさ……」
(琴)「うん……、イイの……それでも……」
(上)「え……?」
(琴)「当麻は、『応えられる自分になりたい』って言ってくれた。嬉しかった……。ホントに、嬉しかったよ」
(上)「み、美琴……」
(琴)「当麻……、あ、あのね……、お願いがあるの……」
(上)「何だ? 言ってみろよ?」
(琴)「目を、瞑って……」
(上)「え?」
(琴)「イイからッ!! ……目を瞑って!!!」
(上)「こ、こうか?」
そう言って、オレは目を閉じた。
美琴が何をするのか……。
それを、薄々感じていたのかも知れない。
本当は、それをオレがしてやりたかった。
でも、美琴の覚悟を受けとめきれないオレには……その資格はないと思った。
だから出来なかった。
美琴が何をするのか……。
それを、薄々感じていたのかも知れない。
本当は、それをオレがしてやりたかった。
でも、美琴の覚悟を受けとめきれないオレには……その資格はないと思った。
だから出来なかった。
ちょっとの間があって……、美琴の腕がオレの首に回る。
少し、引っぱられた。
抗うことなく、身体を少し屈める。
そして訪れた、唇への柔らかい感触……。
少し、引っぱられた。
抗うことなく、身体を少し屈める。
そして訪れた、唇への柔らかい感触……。
思わず、美琴を抱き締めてしまった。
愛おしかった。
唇を重ねてきた少女が……この世の全てより、愛おしかった。
愛おしかった。
唇を重ねてきた少女が……この世の全てより、愛おしかった。
フッと、唇から柔らかい感触が消える。
思わず、目を開けてしまった。
そこにあったのは……夜の闇の中でも、赤く染まっていることがハッキリと分かってしまうほど、恥ずかしがっている美琴の顔だった。
思わず、目を開けてしまった。
そこにあったのは……夜の闇の中でも、赤く染まっていることがハッキリと分かってしまうほど、恥ずかしがっている美琴の顔だった。
(琴)「好きよ……当麻……」
(上)「ああ、オレも美琴が好きだ……」
(上)「ああ、オレも美琴が好きだ……」
そう言って、今度はオレが美琴の唇を奪った。
覚悟がどうとか、想いがどうとか……。
そんなものは、どうでも良くなっていた。
ただ、目の前に居る少女が愛おしかった。
ただ、目の前に居る少女の唇が欲しかった。
その想いが溢れてきて、思わずそうしてしまった。
覚悟がどうとか、想いがどうとか……。
そんなものは、どうでも良くなっていた。
ただ、目の前に居る少女が愛おしかった。
ただ、目の前に居る少女の唇が欲しかった。
その想いが溢れてきて、思わずそうしてしまった。
そして、自分がしてしまったコトへの意味を感じてしまった時……。
オレは慌てて唇を離した。
オレは慌てて唇を離した。
(上)「あ、……ごっ、ゴメン……」
(琴)「どうして、……どうして、謝るの?」
(上)「だッ、だって……オレ。そのッ、……覚悟もないのに……、美琴に、キスしちゃったから……」
(琴)「イイの……今は、当麻がそうしてくれたってコトだけで……イイ」
(上)「美琴……」
(琴)「私の想いを受けとめてくれること以前に……、今は、アナタが……当麻が側に居てくれることだけで、私は幸せなの……」
(上)「美琴……」
(琴)「そ、それに……」
(上)「それに?」
(琴)「これで、芹亜先輩より1回多いし……エヘッ……」
(上)「何、張り合ってんだよ……。バカ……」
(琴)「どうして、……どうして、謝るの?」
(上)「だッ、だって……オレ。そのッ、……覚悟もないのに……、美琴に、キスしちゃったから……」
(琴)「イイの……今は、当麻がそうしてくれたってコトだけで……イイ」
(上)「美琴……」
(琴)「私の想いを受けとめてくれること以前に……、今は、アナタが……当麻が側に居てくれることだけで、私は幸せなの……」
(上)「美琴……」
(琴)「そ、それに……」
(上)「それに?」
(琴)「これで、芹亜先輩より1回多いし……エヘッ……」
(上)「何、張り合ってんだよ……。バカ……」
オレはそう言うと美琴をそっと抱き締めた。
『ザザアアアアッ!!!!!』
その時……一陣の風が通り過ぎた。
「風が冷たくなってきたな……」
「うん……でも、当麻の胸……温かい……。私、幸せ」
「美琴が居てくれたら、オレも幸せだぜ。『不幸』なんてドコかに行っちまいそうだ」
「エヘッ、……嬉しい」
「そろそろ、行こうか?」
「もうちょっと……このままがイイ……」
「ハイハイ」
「うん……でも、当麻の胸……温かい……。私、幸せ」
「美琴が居てくれたら、オレも幸せだぜ。『不幸』なんてドコかに行っちまいそうだ」
「エヘッ、……嬉しい」
「そろそろ、行こうか?」
「もうちょっと……このままがイイ……」
「ハイハイ」
ずっと美琴を抱き締めていたかったが、時間は容赦なく過ぎていく。
門限時間が迫ってきたので、仕方無くオレ達は常盤台の寮へと歩いて行く。
その途次、美琴が聞いて来た。
門限時間が迫ってきたので、仕方無くオレ達は常盤台の寮へと歩いて行く。
その途次、美琴が聞いて来た。
「ねッ、明日はどうしようか?」
「明日は、特売セールがあるんだよな。だからそっちに行かなきゃ……」
「だったら、一緒に行こ?」
「え?」
「一緒にお買い物行って、その後、当麻の部屋でご飯作ってあげる」
「あッ、イヤ……。美琴にそこまでして貰う訳には……」
「遠慮すること無いわよ。……それに、……(花嫁修業にもなるし……ゴニョゴニョ)……」
「それに……、何だ?」
「あ、なッ、何でもないッ!」
「そっ、そうか……じゃ、じゃあ、お言葉に甘えよう……かな……?」
「うんッ!!! エヘッ、楽しみだわ」
「と、トコロで……美琴って料理出来るのか?」
「ちょっと……、それどういう意味よ!?」
「イ、イヤ……お嬢様の料理スキルってのが、どうもな……」
「お嬢様、舐めんなよ。せいぜい楽しみにしていると良いわ。ビックリさせてやるんだからッ!!!」
「えッ!? エラく、張り切ってんな? でもさ、張り切るのはイイけど、オレの食えるモノにしてくれよ?」
「ちょろっと……当麻!? それ、どういうコトよッ!?」
「あ、……イヤ。訳の分からない名前の料理なんて食わされたって、美味いか不味いか何て分からないからさ……」
「訳の分からない名前の料理って?」
「フランス料理とかスペイン料理とかさ、高級料理って言うのか? お嬢様にとっては当たり前でも、オレの知らない料理とかあるだろ?」
「ああ、そういうコトね。それなら安心して貰って大丈夫よ」
「そうか? じゃあ、期待してるぜ」
「じゃあ、待ち合わせをしましょ?」
「そうだな……。じゃあ、とりあえず……」
「明日は、特売セールがあるんだよな。だからそっちに行かなきゃ……」
「だったら、一緒に行こ?」
「え?」
「一緒にお買い物行って、その後、当麻の部屋でご飯作ってあげる」
「あッ、イヤ……。美琴にそこまでして貰う訳には……」
「遠慮すること無いわよ。……それに、……(花嫁修業にもなるし……ゴニョゴニョ)……」
「それに……、何だ?」
「あ、なッ、何でもないッ!」
「そっ、そうか……じゃ、じゃあ、お言葉に甘えよう……かな……?」
「うんッ!!! エヘッ、楽しみだわ」
「と、トコロで……美琴って料理出来るのか?」
「ちょっと……、それどういう意味よ!?」
「イ、イヤ……お嬢様の料理スキルってのが、どうもな……」
「お嬢様、舐めんなよ。せいぜい楽しみにしていると良いわ。ビックリさせてやるんだからッ!!!」
「えッ!? エラく、張り切ってんな? でもさ、張り切るのはイイけど、オレの食えるモノにしてくれよ?」
「ちょろっと……当麻!? それ、どういうコトよッ!?」
「あ、……イヤ。訳の分からない名前の料理なんて食わされたって、美味いか不味いか何て分からないからさ……」
「訳の分からない名前の料理って?」
「フランス料理とかスペイン料理とかさ、高級料理って言うのか? お嬢様にとっては当たり前でも、オレの知らない料理とかあるだろ?」
「ああ、そういうコトね。それなら安心して貰って大丈夫よ」
「そうか? じゃあ、期待してるぜ」
「じゃあ、待ち合わせをしましょ?」
「そうだな……。じゃあ、とりあえず……」
そんな他愛もない会話を重ねつつ、オレ達は常盤台の寮へと向かう。
しかし、オレ達はこの時忘れていた。
オレが『不幸』な体質の持ち主であることを……。
しかし、オレ達はこの時忘れていた。
オレが『不幸』な体質の持ち主であることを……。