とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part1

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プロローグ


「カミやーん。執事決定にゃー」
土御門が唐突に部屋にきたと思ったら
最初に言われたセリフがこれである。
「……は?」
さすがに意味がわからないといった感じで聞き返す。
「だから執事だぜい。メイドさんの男バージョンだにゃー」
妹の舞夏が聞いたら軍隊仕込みっぽい本気拳が飛んできそうなセリフだ。
だが、今はそれを気にするどころではない。
「いや、だから何で俺が執事なんだよ!しかも誰にお仕えするんでしょうかご主人様!?」
「……カミやん、ご主人様といっていいのは女の子だけだにゃー」
げんなりした顔で土御門はこたえる。しかしその返事は求めていない。
「そこじゃねー!なんで俺が執事なのかの答えを言えよ!」
土御門はカラカラと笑うと答えた。
「もちろん一端覧祭のうちらのクラスの出し物が執事喫茶だからだぜい。カミやんいなかったから勝手にきめたにゃー」
「……執事喫茶になったのはまだいい。なんでこの私めが執事なのでしょう。」
と、うんざりとした感じで聞き返したところ、土御門の目がサングラスの奥でギラリと光った感じがした。
「……カミやん、しっとるか?一端覧祭は一応学校の宣伝をし、生徒を集めるという目的もあるにゃ」
それは知っている。それゆえあの常盤台中学ですら一部の開放をするくらいなのだ。
「それと俺が執事になることに何のつながりが?」
上条がなおもうんざりと質問すると土御門はサングラスの中心を中指で押し上げながら言った。
「もちろん、カミやんの能力をフル活用するためだぜい。」
「……幻想殺しと何の関係があるのかさっぱりわからないんですが?」
「幻想殺しじゃない。」
土御門は真剣な口調になって答えた。その威圧感に少しひるむ。
しかし、そっちじゃないとはどういう意味だろうか。
上条も真剣になった。なんせ相手が土御門だ。
自分が知らないうちに魔術に関係することにまた関わっているのかも知れない。
「幻想殺しじゃないとすると何だ?」
そんな上条に向かって土御門は答えた。
「もちろん……カミやん病にきまってるにゃー!」
上条は無言で右拳を握り締め土御門を殴り飛ばした。
本当に右手は便利だ。目の前の馬鹿野郎を殴り飛ばすのには。

「つまり俺が執事をやれば来年女の子が大量に入ってきてうっはうは!薔薇色の学園生活!が目的!?あほだろうちのクラス!」
上条が絶叫する。殴り飛ばされた割りには元気な土御門が相変わらず軽い感じで答える。
「にゃー。ついでにフラグ立てて放置されてる子がくるだろうから、そのおこぼれゲットだぜい。」
上条は両手をわなわなと震わている。
「そんな都合よくいくか!てか硬派上条さんにフラグなんてありませんよ!」
「にゃー……自覚なしか。まあ、冗談だにゃー。半分は。」
「半分かよ!?残り半分は何だよ!」
「執事みたいな仕事をするときに起こる不幸見学だぜい。さらに迷惑かけられた女の子に優しくすることでフラグをゲット!」
「いっぺん死ねー!」
夜はふける。馬鹿達の絶叫で。デルタフォースは一人足りなくてもその戦力に申し分はないようだ。

クラスでの決定にはさすがに逆らえず。
土御門元春プロデュースで上条当麻は執事としての振る舞いを土御門舞夏に叩き込まれていた。
とてもスパルタだった。
(まあ、あれだな。せーの。不幸だー)
彼は知らない。本当に大変なのはこれからだということを。

そして一端覧祭当日。とあるお嬢はとある学校の前にいた。
「ここがアイツの学校……」
彼女のバックの中には小型ながら超高性能の最新のデジタルカメラが入っていた。
まだ撮られた写真の数は0。

長い一日が始まる。


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