「さぁ来い上条! お前の根性と俺の根性、どっちが上か白黒ハッキリつけようぜ!」
(まさか削板の奴、ここですごいパーンチってのをやるつもりか? いや、いくら何でもそれは無い。とすると……)
「行くぜ、すごいスライディーング」
(まさか削板の奴、ここですごいパーンチってのをやるつもりか? いや、いくら何でもそれは無い。とすると……)
「行くぜ、すごいスライディーング」
削板のすごいスライディーング、要は音速の2倍の速度で繰り出されたスライディングである。
しかし体は地面を滑っておらず超低空で飛んでいるのでスライディングというより飛び蹴りと呼ぶ方が正しいのかもしれない。
普通に考えれば避けられないのだが上条は普通のカテゴリーに収まる人間ではない、強敵との戦闘をくぐり抜けてきた猛者なのだ。
しかし体は地面を滑っておらず超低空で飛んでいるのでスライディングというより飛び蹴りと呼ぶ方が正しいのかもしれない。
普通に考えれば避けられないのだが上条は普通のカテゴリーに収まる人間ではない、強敵との戦闘をくぐり抜けてきた猛者なのだ。
「なにっ! かわしただと!」
「悪いな削板。今はお前と真っ正面から勝負するつもりはねぇんだ。何せ人の恋路がかかってるんだからな!」
(他人の恋の為か、ホントに根性入ったすげぇ奴だな)
「悪いな削板。今はお前と真っ正面から勝負するつもりはねぇんだ。何せ人の恋路がかかってるんだからな!」
(他人の恋の為か、ホントに根性入ったすげぇ奴だな)
削板のすごいスライディーングをジャンプでかわした上条、着地して心理掌握の守るゴールへと切り込んでいく。
ところがそこへ【歩く教会】チーム最後の砦が上条の進撃を阻む。
ところがそこへ【歩く教会】チーム最後の砦が上条の進撃を阻む。
「削板を抜いたからって気を抜き過ぎよ!」
「うわっ! む、結標っ!」
「うわっ! む、結標っ!」
【座標移動】で上条の前に現れた結標の鋭いスライディングで上条はボールを取りこぼしてしまう。
宙に舞ったボールにいち早く反応したのは白雪で、雪の翼の力強い跳躍ですぐさまボールに詰め寄ると雪の翼でボールを撃ち出す。
コースは【歩く教会】チームのゴール右上隅、しかし心理掌握もきっちり反応していた。
宙に舞ったボールにいち早く反応したのは白雪で、雪の翼の力強い跳躍ですぐさまボールに詰め寄ると雪の翼でボールを撃ち出す。
コースは【歩く教会】チームのゴール右上隅、しかし心理掌握もきっちり反応していた。
(コースは厳しいですがキャッチは出来ますわ。そして近くまで下がっている削板さんへパス。すごいパーンチで逆転で試合終了、いけますわ!)
「ナイスセンタリングだァ白雪ィ! 行ってこいよ紫木くんよォ!」
「のわああああああああああああっ! へぶしっ!!」
「(アク様がチームメイトの誰かを撃ち出した!)し、しまったっ!」
「ナイスセンタリングだァ白雪ィ! 行ってこいよ紫木くんよォ!」
「のわああああああああああああっ! へぶしっ!!」
「(アク様がチームメイトの誰かを撃ち出した!)し、しまったっ!」
そこにいつの間にか情報屋の後ろに回っていた一方通行が情報屋を風のベクトルを操作して射出した。
暴風で飛ばされるという人生の中でもワースト3に入る恐怖体験をしている情報屋の顔面に白雪の撃ち出したボールが上手い具合にヒット。
そしてボールは心理掌握とは逆方向に飛んでゴールネットを揺らしていた、上条チームの逆転である。
暴風で飛ばされるという人生の中でもワースト3に入る恐怖体験をしている情報屋の顔面に白雪の撃ち出したボールが上手い具合にヒット。
そしてボールは心理掌握とは逆方向に飛んでゴールネットを揺らしていた、上条チームの逆転である。
「き、」
「「「「「「「「「「決まった(ァ)ーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」
「やりやがったな情報屋!」
「あの野郎なんて根性入ったヘディング(?)なんだ!!」
「お前らまだ気抜くんじゃないぜよ?まだ試合は終わってないんだからにゃー」
「あれ?友くんは…?」
「「「「「「「「「「決まった(ァ)ーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」
「やりやがったな情報屋!」
「あの野郎なんて根性入ったヘディング(?)なんだ!!」
「お前らまだ気抜くんじゃないぜよ?まだ試合は終わってないんだからにゃー」
「あれ?友くんは…?」
テンションが最高潮に達するスタジアム。
そんな中このゴールの主役である紫木は…
そんな中このゴールの主役である紫木は…
「ぐふぅ、あ、アクセラぁ…。感謝してはいるが別な方法は無かったのかよぉ」
「ンだァ!?せっかくゴール譲ってやったンだろォが!?文句でもあるンですかァ!!?」
「いや、だからもっと優しくできなかったのかって…」
不機嫌になった一方通行におどおどしながらも自らの意見を述べる紫木。
しかし
「ンだァ!?せっかくゴール譲ってやったンだろォが!?文句でもあるンですかァ!!?」
「いや、だからもっと優しくできなかったのかって…」
不機嫌になった一方通行におどおどしながらも自らの意見を述べる紫木。
しかし
「一方通行!!貴方のアシストいぶし銀で痺れちゃった!ってミサカはミサカは賞賛を送ってみたり!!」
という打ち止めからの声で機嫌をなおし
「打ち止めァ!次はオレがゴール決めて差を広げてやるぜェ!!」
と言い残し自分のポジションへと帰っていく。
という打ち止めからの声で機嫌をなおし
「打ち止めァ!次はオレがゴール決めて差を広げてやるぜェ!!」
と言い残し自分のポジションへと帰っていく。
その頃逆転を許した【歩く協会】チームは…
「すいません。あそこで私がもっとアク様の動きに気を配っていれば…」
「過ぎたことは仕方ないんだよ。それに相手の攻撃力を甘くみて選手をあげるようにいったの私にも責任はあるかも…。それよりもいま話し合わなくちゃいけないのはいかにしてこの短時間でゴールを決めるかなんだよ!」
「確かに。残り時間はあと僅かだね…。」
「でしたら…とミサカは最後の賭けとなる戦略を提示します。 ごにょごにょ」
「すいません。あそこで私がもっとアク様の動きに気を配っていれば…」
「過ぎたことは仕方ないんだよ。それに相手の攻撃力を甘くみて選手をあげるようにいったの私にも責任はあるかも…。それよりもいま話し合わなくちゃいけないのはいかにしてこの短時間でゴールを決めるかなんだよ!」
「確かに。残り時間はあと僅かだね…。」
「でしたら…とミサカは最後の賭けとなる戦略を提示します。 ごにょごにょ」
「!!いや、でもそれは…!」
「でもここまで来たら超覚悟決めましょう!!」
「そうね、それしかないわ!」
「こんなに根性入った作戦は初めてだ!!」
「腹をくくるしかないね。」
「なんとしてでもとうま達にかつんだよ!!」
「でもここまで来たら超覚悟決めましょう!!」
「そうね、それしかないわ!」
「こんなに根性入った作戦は初めてだ!!」
「腹をくくるしかないね。」
「なんとしてでもとうま達にかつんだよ!!」
【歩く協会】チームは御坂妹の提案した最後の賭けにのった。
その『最後の賭け』の正体は
「「「「「「「「「「「決着はPK合戦で(超)お願い(するんだよ)(するよ)(します)!(とミサカは頭を下げます)」」」」」」」」」」」
「は、」
「「「「「「「「「「「は(ァァァァァァァァァァァァァ)ああああああああああああああああ!!!!???」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「は(ァァァァァァァァァァァァァ)ああああああああああああああああ!!!!???」」」」」」」」」」」
【歩く教会】チームの最後の賭け、その内容に上条チームは怒りを通り越して呆れていた。
何とか気を取り直した土御門が冷静に【歩く教会】チームキャプテンのインデックスに尋ねる。
何とか気を取り直した土御門が冷静に【歩く教会】チームキャプテンのインデックスに尋ねる。
「なぁ禁書目録。要するにお前さん達は今までの試合は無かったことにしてPK合戦で本当の決着をつけよう、そう言いたいのか?」
「うん。さすがはもとはる、察しが良くて」
「ふっざけんじゃねーーにゃーーっ! 今までの努力や汗を無駄にするような提案なんぞ呑めるわけねーーだろーーっ!」
「ふふんっ、超分かりました。土御門は私達とPK合戦で勝つ自信が超無いから拒否するんですね。まったくとんだ超チキン野郎です」
「うん。さすがはもとはる、察しが良くて」
「ふっざけんじゃねーーにゃーーっ! 今までの努力や汗を無駄にするような提案なんぞ呑めるわけねーーだろーーっ!」
「ふふんっ、超分かりました。土御門は私達とPK合戦で勝つ自信が超無いから拒否するんですね。まったくとんだ超チキン野郎です」
【歩く教会】チームの不条理極まりない提案&絹旗の暴言に土御門もさすがに我慢の限界に来ていた。
そこに真夜が割り込んで【歩く教会】チームを正当かつ容赦の無い追い込みを仕掛ける。
そこに真夜が割り込んで【歩く教会】チームを正当かつ容赦の無い追い込みを仕掛ける。
「すみませんがあなた達のそのプライドの無い提案、受け入れることは出来ません。試合終了後ならまだしも試合中ですよ」
「そ、それはそうだけど……」
「それに泣きの1回のようなPK合戦、今まで僕たちを応援してくれた観客の皆さんに申し訳ないと思います。それに潔くありません」
「そ、それはそうだけど……」
「それに泣きの1回のようなPK合戦、今まで僕たちを応援してくれた観客の皆さんに申し訳ないと思います。それに潔くありません」
真夜の物言いに【歩く教会】チーム全員が何も言えなかった、麦野や絹旗でさえも。
そして止めとして真夜がPK合戦を反対する理由が語られるのだが、それは意外にも【歩く教会】チームの不利を示すものだった。
そして止めとして真夜がPK合戦を反対する理由が語られるのだが、それは意外にも【歩く教会】チームの不利を示すものだった。
「PK合戦になったら僕達は当麻くんじゃなくて一方通行くんをキーパーにします。風のベクトルを操作すればどんな相手だって止められますから」
「……確かにそうよね。私は【座標移動】でのボール移動は禁止されてるから直接ゴールは決められないし……。誰も決められないんじゃないかしら?」
「流石は淡希さん、理解が早くて助かります。そちらもその白い学生服の人の奇妙なパンチがありますけど一方通行くんのシュートは止められないですし」
「そんなもん俺のこ」
「時間もギリギリあるようですから諦めるのは早いと思いますよ。さ、試合を再開させましょう。試合終了後、同点だった場合はあなた達の提案を受け入れることも考えますので」
「……確かにそうよね。私は【座標移動】でのボール移動は禁止されてるから直接ゴールは決められないし……。誰も決められないんじゃないかしら?」
「流石は淡希さん、理解が早くて助かります。そちらもその白い学生服の人の奇妙なパンチがありますけど一方通行くんのシュートは止められないですし」
「そんなもん俺のこ」
「時間もギリギリあるようですから諦めるのは早いと思いますよ。さ、試合を再開させましょう。試合終了後、同点だった場合はあなた達の提案を受け入れることも考えますので」
削板の発言を遮った真夜を見て削板以外の【歩く教会】チームは思う、間違いなく削板に怒っていると。
真夜の言葉、そして早めに表示されたロスタイムが2分なのを見てインデックスは素直に引き下がり、奇跡的な逆転勝利を掴むことを決意する。
真夜の言葉、そして早めに表示されたロスタイムが2分なのを見てインデックスは素直に引き下がり、奇跡的な逆転勝利を掴むことを決意する。
「いやー助かったぜよ井ノ原弟。あそこでお前さんが割り込んでくれなかったらオレらしくなく挑発に乗ってた所だぜい」
「いえ、正直ギリギリでした。一方通行くんの能力使用時間を相手の方々に悟られていたら危うかったです。さ、今は勝つことだけを考えましょう」
「よし! 情報屋の逆転ゴールでようやくここまできたんだ、絶対に勝つぞぉ!!」
「「「「「「「「「「おおっ!!!」」」」」」」」」」
「勝負は最後まで分からない。みんな、ここは出せる力の全てをもって逆転して優勝を勝ち取るんだよ!!」
「「「「「「「「「「オーーーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」
「いえ、正直ギリギリでした。一方通行くんの能力使用時間を相手の方々に悟られていたら危うかったです。さ、今は勝つことだけを考えましょう」
「よし! 情報屋の逆転ゴールでようやくここまできたんだ、絶対に勝つぞぉ!!」
「「「「「「「「「「おおっ!!!」」」」」」」」」」
「勝負は最後まで分からない。みんな、ここは出せる力の全てをもって逆転して優勝を勝ち取るんだよ!!」
「「「「「「「「「「オーーーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」
両チームの最後の円陣の後、後半44分から【歩く教会】チームのボールで試合再開。
そこからの3分間、余計な言葉は一切聞かれず、互いのチームは全力でぶつかり合った。
お互いに一歩も譲らない試合展開に観客席に居る応援団も一生懸命彼らを応援し、選手もそれに応えるように更に頑張りを見せる。
そして主審の災誤の試合終了のホイッスルが吹かれた、6対5で上条チームの勝利と共に上条のクラスの全種目優勝が決まったのだった。
そこからの3分間、余計な言葉は一切聞かれず、互いのチームは全力でぶつかり合った。
お互いに一歩も譲らない試合展開に観客席に居る応援団も一生懸命彼らを応援し、選手もそれに応えるように更に頑張りを見せる。
そして主審の災誤の試合終了のホイッスルが吹かれた、6対5で上条チームの勝利と共に上条のクラスの全種目優勝が決まったのだった。