とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part06

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「ん……」

上条当麻は暗い一室で目を覚ました。湿気が多く、それ暑くなかったが壁などが濡れていた。
朦朧とする意識を必死に掴みながら光を辿って歩いて行く。
出た先は高級ホテルの様な風景だった。綺麗な椅子や窓から見える学園都市の夜景。ダブルベッドがあって、その上にキャバクラのお姉ちゃんの様な
格好をした少女と椅子に座っている垣根帝督がいた。

「……か、垣根?」
「お、目を覚ましたか。なんか食うか?」
「いや……いらない。ところでそこのお姉さんは?」
「あ?覚えてないのかよ、俺とお前とアイツと……」
「へ?こ、心姉ちゃん?いやいや、あんなキャバっぽくなかった様な……でも……」
「失礼ね、職業柄そうしなきゃならなかったの!」

心理定規はベッドの上で足をぶらぶらさせながら突っ込んだ。
上条はそれで心理定規が幼馴染四人組の1人、心姉ちゃんだという事がわかった。帝督兄ちゃんと心姉ちゃん。なら後1人は誰だ、と訊かれると上条は答えられない。

「久しぶり、当麻」
「……心姉ちゃん。なぁ垣根、一体どうなってんだ?御坂も……一体」
「御坂っていうと超電磁砲か……ったく、俺はつくずく超電磁砲とは馬が合わねぇらしい。あの女の両親が起こしたつまんねぇ事件の後始末とか?
超電磁砲の父親の野郎……アイツ、どういう訳か第一位と超電磁砲を回収したいらしいな……」

茶色の髪の毛をクシャッと押さえた。上条には何を言っているか理解できなかった。

「クローンの件だが……処分は延期。これも超電磁砲率いる暗部組織『プライム』の成果らしいな」
「プライム……?」
「ああ、学園都市の反乱分子を削除する為に作られた組織らしいな。暗部では有名な『絶対銃姫(ブレッドプリンセス)』をいやがるし、色々厄介な敵だ。
それに協力してるのが木原一族が管理している52の研究所と第一位が所属している『グループ』。やつらは『反発派』。と呼んだほうがいいか」
「その反発派ってのは学園都市の体制について反発しているってことか?」
「そうだ、俺達『スクール』は『崩壊派』。つまりは学園都市を完全に崩壊させたい。まぁ当然のように『推進派』ってのがいやがるんだが。
まぁいいか。取り敢えず、俺達の目的は超電磁砲率いる『プライム』と第一位が所属している『グループ』を暗部から消す事だ。つまり反発派は必要ない。
今回の作戦には『アイテム』も協力してもらう。第四位や能力追跡などが居る」

作戦、それは手を組んでいる『プライム』と『グループ』を消す為の作戦だった。
これは殺し合いになる。味方も敵も入り組んだ血だけの抗争。
垣根帝督は背中に羽を生やすと、上条の体を掴んで窓を割る。地上から数十メートルの位置にいる上条と垣根は早速、『作戦』に移った。
既にアイテムがプライムの本拠地、ロートレインボータウン(第七学区の高級ホテル街)の一室へ攻め込んでいるハズだ。
と、突然。レーザーが上条と垣根をかする。


「まさか……原子崩し……裏切ったかァあああ!?」
「その通りだよ、第二位の糞野郎が。ったく、超電磁砲についた方が得だったじゃねぇか」
「クソが、おい。当麻、お前は先にターゲットの超電磁砲を確保してこい!俺はこいつをぶっ殺す」
「垣根……っ!?」

上条は地面へ落とされる。
二人は睨み合う。原子崩しなど効くはずもない。それは麦野沈利にもわかっていた。
時間稼ぎになれば良かったのだ。上条は入り組んだ廃工場を縫って歩いて行く。
そんな時だった。来た道から激しい爆音と光が見えた。レベル5同士の戦闘は伊達じゃない。
カツッ、と靴音が聞こえる。それは静かで、綺麗だったが、まるで忍び足だった。

「チーフ……じゃなくて上条さん。何してるんですか」
「……佐天さん……っ」
「ここはあなたが居るような所じゃない。学園都市の癌になってからもう随分経つ。もう後戻りは出来ないんですよ」

木製の古いショットガンの銃口が上条へ向けられた。足がすくむ。人殺しの目だった。
たかが一度、高性能なマシンガンをぶっ放して、何人も重傷に負わせて、闇になりきれたつもりだった。それでも光にいた自分は格好良いと勘違いしていた。
違う、格好良くもなんともない。元から闇に身を落としてなんかいない。ただ漫画の向こうで繰り広げられる戦いに憧れてたガキなのだ。
佐天は殺すことに躊躇はない。息も、視線も、動悸も何もかもが普通だった。殺し慣れていた。
だから一発で、単価数十円の鉄の塊で人の命を殺める事を厭わない。



「死ね」

冷たい声で言い放たれた言葉と共に銃弾は上条の肩を吹き飛ばした。
アスファルトに肉片や血が飛び散る。痛みなんてほとんどない。あるのは左手がズルリ、とアスファルトへ落ちたことか。
怒りも憎しみも悲しみも、そんな感情は湧いてこない。湧いてくるのはただ『死にたくない』という願望だけ。
叶わない願いだと言うのは分かっていた。

「チッ、軌道を……外したんですか」
「あ、当たり前だろ?死にたくないんだ」
「今、ここにいて。死にたくないというのは余りにも勝手すぎますよ。私は『絶対銃姫』!あなたを殺し、御坂さんを守るのがクライアントの命令です。
クライアントは実にこの絶望した状況をわかっていた。気持ちが悪い程、この『作戦』は透けていた。だから原子崩しという暴れるしか脳のない暴れ牛と
世界最高峰のスパイでありながらも、この学園都市を何も分かっていなかった脳内花畑サングラスを騙し、上条当麻を殺せる」

口調が明らかに変わった。
ショットガンを投げ捨てて、腰についていたホルスターからレディース用拳銃と取り出した。
アスファルトに座り込んでいる上条へその銃口が向けられた。ばくん、ばくんと上条の心臓は、脳は上条へ警戒を知らせる。
しかし全身の筋肉が凍らされたかのように動かない。ニヤリ、と不敵で歪んだ笑みを浮かべた佐天は上条を蹴り飛ばす。

「御坂さんは私達のリーダーという扱いにはなってますが……クライアントの命令上、あなたを殺すためなら何でもしていいんですよ」
「……?」
「何十年も小汚い部屋で監禁して、犬のように首輪をつけて、決まった時間に餌を持ってきて、一生を過ごすってなら……助けてもいいですよ」

歪んでいた。学園都市の格差社会が生み出した、綺麗な差別をなくそうとする闇。それに影響され、そして染まってしまった学園都市の一番の『被害者』。
上条は歯ぎしりした。それを見た佐天は舌なめずりをした。
レディース用拳銃を頭に突きつけて、痛みこそ感じないが恐怖で動けなくなった上条のズボンを切り裂く。

「!?」
「苦しそう……楽にしてあげようか?」

怖かったのに、怖いのに、小便を撒き散らしてしまいそうなのに。ソコは快楽を求める。
佐天はアハハ、と奇妙な声で笑うと、ゆっくりと優しく包み込むようにパンツをずらして、そして。

「うふ」

歪んだ笑い。レディース用拳銃の矛先は、ソレに向いた。
一発だけ、バン。という音をたてて鉄の塊は生殖器を貫いて、二度と使えなくした。
上条は何も考えられない。恐怖よりも痛み、情けなさが頭の中をぐちゃぐちゃに駆け巡る。

(おれはいったいなんなんだここになにをしてるあれをおおきくさせてこんなきもちわるいおんなによくじょうしてじゅうでうちぬかれてちがちがちがちがいたいいたいいたい。
おしっこがもられるうんちがでるいたいいたいのうみそがかゆいあたまをかきだしてかきたいかきたいしんぞうもめだまもかきだしていっそしにたいいたいいたい)

上条当麻は恐怖、痛みの二重苦によって狂わされる。佐天涙子は人ではなかった。

「……なぁんだつまんない。もう壊れちゃったかぁ」
「……やっほー、『絶対銃姫』。原子崩しならそこでおねんねしてるぜ?あとな、テメェがそいつの生殖器を撃った所から……虚像だけどなに1人で騒いでんだクソ女」
「まさか?電子パルスでも弄った?超電磁砲でも至難の業なのに?馬鹿馬鹿しいハッタリですね」

佐天は倒れ込んでいる上条当麻を見た。上条当麻は影も形も成さなくなり、プツンと消えた。
本物は垣根の隣でスヤスヤ、と眠っている。それを確認した時、佐天の顔は歪んだ。
レディース用拳銃を放り投げて、元から仕込んであった小型の対要塞破壊兵器、CTRRS(ケルステルロブレスト・スナイプ)を垣根に向けた。
海外の軍事施設に声がかかるほど、佐天の腕は良かった。重心移動を極めているし、サイレンサー無しで音をたてないで撃つことだってできる。
CTRRS(ケルステルロブレスト・スナイプ)は対要塞破壊戦略兵器だ。銃やミサイルの類ではなく、実際にこういう兵器として存在する。
レールガン以上の火力、音速の五倍で放たれる超強化特殊合金製の銃弾、その摩擦抵抗によって起こる熱を破壊力に変えるシステム。単価三百万円の銃弾は壁を簡単に破壊する。

「死ねェっ!」

引き金を引いた、が。垣根に銃弾が効くはずがなかった。数千度の熱を帯びた弾丸は空中で硬直し、熱はすぐに冷めた。
指を鳴らすと。銃弾はコロン、と音をたててアスファルトへ転がる。

「あ、あああ。あ。あ。あああああああああ!!!」
「うっせぇよ馬鹿。お前は闇向きの人間じゃねぇ。メンタルが弱すぎる。それと頭も足らねぇな」

吐き捨てるように垣根は言った。







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