とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part14

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匿名ユーザー

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バレンタイン


「あーふこ……美琴大好き」 「あーふこ……当麻大好き」

第一声で、見事なバカップルであることを証明した二人。
ご存じ、不幸プリンス、上条当麻と
悲運プリンセス、御坂美琴である。

二人は上条宅に


逃げ込んだ。


「……なーんで私が受け取る側なのよ」

常盤台生から全力で逃げた美琴。
黒子は、犠牲になったのだ。

「今日逃げきれても明日がある、……どうしましょう」

学校中の男子+吹寄から逃げてきた上条。
周りの女子は、犠牲になったのだ。

「あーふこ……美琴大好き」 「あーふこ……当麻大好き」

これだけで、本当に幸せな気分になるから不思議だ。
やっすい二人である。
気を取り直して。

「さーて、お待ちかね!! バレンタインのプレゼント!!」

「おー!! 初めてのバレンタインが、彼女からのチョコとは!!
間違いなく、オレは今幸せです!!」

しかし、この二人は、基本、

「はい!! 手作りクッキー!!!」

「……」

不幸である。

「……なんか、サラサラしてます」

「……」

「きっと、走り回っているうちに、砕けたんでしょうね」

「うぅ……」

「さらに袋は穴が開いています。現在進行形で消失し……終わりました」

「……ぐすっ」

「大丈夫だ!! 美琴!!」

「えっ!!??」

「残念ながら想定の範囲内だ!!」

「本当に残念よね、ふこ当麻大好き」

「なんと、材料は準備しています!!」

「おおー!!」

「だから、一緒に作ろうぜ!!」

「うん!!//////////」



湯煎していたら、コンロが爆発した。急に。

「ゴホッ、ゴホッ、あー美琴大好き」

「当麻大好き、ゴホッ、ゴホッ」

「チョコは……後で考えるとして、シャワーでも浴びてこいよ」

「え……ふぇ!!!!??」

「??……!!!! 違う違う!! 灰をかぶっただろ!!」

「ああ!! じゃ、じゃあ借りるね!!

「おう!!」

すっげー気まずい。さらに数分後、

「バスタオル、全部干してた……」

さすが上条クオリティ。ちなみに、乾いてはいる。
バスタオルを持ち、思案するツンツン頭。

「さーて、どうしても脱衣所に入らなければならないのですが」

そうすると、裸の美琴と鉢合わせするのが上条である。

(ですので、オルソラ宅の轍は踏みませんのことよ)

コンコン。
ノックとは、成長したな上条当麻。

「美琴、脱衣所に入っていいか?」

「当麻!!? ダメ!! 今はダメ!!!」

案の定、ちょうど出てきたところらしい。
策士上条が不幸に勝ったようだ。



その時、脱衣所の扉が落ちる。金具がとれたようだ。
違う、これは孔明の罠だ。不幸め奴は天下の奇才よ。
きっと「おなかすいたー」と言いながら、誰かがたたきすぎたせいです。

「へっ??」

状況がわかっていない美琴をよそに、事態はさらに進む。
ドアは当然倒れる、上条の方に。もちろんです。
上条はギリギリ、
よけられない。足の指がドアで潰れる。

「○〒※×⇒△!!!!」

声にならない叫びをあげながら、一本足で飛び跳ねる不幸プリンス(笑)

はい、予想通り、倒れて美琴さんを押し倒します。
それだけでなく、


唇が重なった。


それからの事は二人とも、よく覚えていない。
ファーストなキスでありました。
どたばたと上条は部屋まで退避。
その場でもっとイチャつけ?? 余韻?? 
今彼女裸だぞコノヤロウ!!!

そんなこんなで謝ることも、感想を言う暇もなく離れた二人。
どっちも屈伸の要領でしゃがみこみ、
全身真っ赤である。

(うわ~~~~~~~~~~~~~~!!)

(ふにゃ~~~~~~~~~~~~~!!)


一時間近くして、ようやく美琴が脱衣所から出てきた。
が、上条の方は見ない。見られない。
久しぶりに、小さくだが、ビリビリと漏電している。

「……あ、あがりました。いい湯加減ですました」

「そ、それは用語ザンした」

シャワーだっただろ。日本語を話せ。
そして本題を話せ。

「////////////////////////」

「////////////////////////」

早く。

「あー、えーと、ごめん」

「いや、当麻にとっては、いつものことだし!!」

「見ちまったことには謝るけど……」

上条の顔はこちらからは見えない。
耳は真っ赤だけども。

「あっちは……その、嫌、だった、か?」

「そ、そんなわけは、ない、よ!!」

「じゃ、じゃあ、そっちは、あ、あ、謝らないぞ!!」

「う、うん!! 別に!! 大丈夫!!!」

大丈夫じゃないです。もう限界です。

「きょ、今日は帰るね」

「お、おう。気をちゅけてな」

「うん、しょれじゃあ」

だめだこりゃ。

別々の場所で両者は考える。

(初めてのバレンタインで、初めての、キスしちゃった~~////////)

(バレンタインなのに、私がプレゼント貰っちゃった~~~////////)

この二人はチョコレートなんて、もうどうでもいいらしい。

(( 初めての二人のバレンタインは、とてもやわらかかったです ))







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