御挨拶
第一章 出発
第一章 出発
『まま~』
『どうしたの美琴ちゃん?』
『わたしおおきくなったら、ままとけっこんする!!』
『ああ、テレビでやってたのそれか。うれしい、ありがとね!!』
『美琴ちゃん、おれは~?』
『ぱぱは、ままをひとりぼっちにするからやだ!!』
『そ、そんな~』
風力発電の羽根が回る。
ここは学園都市のとある駅。
「「――ええい! コノヤロー!
あーもうちくしょー美琴(当麻)大好きすぎますーっ!!」」
あーもうちくしょー美琴(当麻)大好きすぎますーっ!!」」
悪口なのか、愛の御裾分けなのか、
とにかく叫びながら二人は走っていた。
「Level5」だし、「幻想殺し」だし、もう少しこそこそしたら?
とにかく叫びながら二人は走っていた。
「Level5」だし、「幻想殺し」だし、もう少しこそこそしたら?
「ああ!! もう!! 無痛注射器が故障さえしなければ!!」
おかげで普通の注射痛かったし。
と叫ぶのは、「幻想殺し」こと上条当麻。
ただ今、絶賛不幸中であります。
と叫ぶのは、「幻想殺し」こと上条当麻。
ただ今、絶賛不幸中であります。
「それを言うなら、あそこでタクシーが故障しなければ大丈夫だったわよ!!」
普通は故障なんてしないのに、能力者の喧嘩に巻き込まれるんだもんね。
とぼやくのは、「超電磁砲」こと御坂美琴。
ただ今、無料で不幸を体験中であります。
とぼやくのは、「超電磁砲」こと御坂美琴。
ただ今、無料で不幸を体験中であります。
珍しく私服の二人は、それよりもあそこで野良犬がーだとか、
いいや公園の時計がーだとか、言っているうちに駅のホームに着いた。
いいや公園の時計がーだとか、言っているうちに駅のホームに着いた。
「さて、少しの間お別れだな」
「そうね」
感傷に浸る暇は無い、
暇欲しかった、イチャイチャしたかった。
暇欲しかった、イチャイチャしたかった。
二人は今春休み。そして両親に旅行に誘われている。
一泊二日で、同じ日にだ。
しかし、場所が完全に離れているのは、送られた切符から把握可能。
一方は北へ、一方は南へ向かっていた。
一泊二日で、同じ日にだ。
しかし、場所が完全に離れているのは、送られた切符から把握可能。
一方は北へ、一方は南へ向かっていた。
二人は寂しい、……なんてことなかった。
愛しいパートナーのために、やらなければならないことがあったからである。
愛しいパートナーのために、やらなければならないことがあったからである。
「美琴隊員!! 今回の作戦における目標を述べよ!!」ビシッ!!
「はっ!! 自分の両親に相手の素晴らしさをアピールすることであります当麻隊長!!」ビシッ!!
「望めるなら、付き合っている事を把握してもらい、今度挨拶に伺おうとしていると、伝えたいところだ」ヨロシイ
恋人のノリじゃねーだろ。
まあ、結構重要な任務だ。
御両親が味方かどうかで環境は大きく異なる。
特に
まあ、結構重要な任務だ。
御両親が味方かどうかで環境は大きく異なる。
特に
(お義父さん……か)
ここがとても厄介だ。マジで恐い。
そのため、ミコっちゃんには頑張ってもらいたい。
かわいいかわいいミコっちゃんに。
そのため、ミコっちゃんには頑張ってもらいたい。
かわいいかわいいミコっちゃんに。
「頼むから、オレがバカだとか鈍感だとかは伝えないでくれよ?」
「自覚あるんかい。そっちこそ私が怒りっぽいとか、電撃が怖いとか言ったら許さないからね!!」
「やっぱり自覚「アァ!?」何でもないでやんす」
たまに、ごくたまに、ガラの悪い美琴さんに頑張ってもらわなければ。
一方、
(お義母さんか……)
嫁、姑問題はいつの世でも厄介だ。
いや、まだ早いっていうかなんていうかだけども。
彼氏の母親というのはとんでもないプレッシャーだ。
頑張ってマイラブリー当麻!!
なんて思っていたが、
この鈍感大魔王に任せていいものか、
いや、まだ早いっていうかなんていうかだけども。
彼氏の母親というのはとんでもないプレッシャーだ。
頑張ってマイラブリー当麻!!
なんて思っていたが、
この鈍感大魔王に任せていいものか、
「美琴」
「なに?」
思考をやめ、上条の方を見る。
チュッ
キスされた。
「……なっ!!」/////
「当分できないしな、今のうちに」
「不意打ちなんて、ズルい!!」//////////
「美琴たんの反応かわいいからついな、そんじゃーなー!!」
「もうっ!! 当麻のバカ!!!」///////////////
……進展、してるじゃん!!!
作者が一番驚いた出来事は、二人には普通のようだ、
何事もなかったかのように別々のルートで出発。
一方、何も知らない作者は、いじけました。
何事もなかったかのように別々のルートで出発。
一方、何も知らない作者は、いじけました。
車内で上条は、両親との数少ない思い出に浸っていた。
「最初は病室」
記憶喪失直後、両親が見舞いに来てくれた。
父と母が同い年ということに驚いた。
まあ、その数日後にステイルに襲われ、三沢塾でアウレオルス=ダミーやアウレオルス=イザードに殺されかけることで、なんかどーでもよくなるのだが。
父と母が同い年ということに驚いた。
まあ、その数日後にステイルに襲われ、三沢塾でアウレオルス=ダミーやアウレオルス=イザードに殺されかけることで、なんかどーでもよくなるのだが。
「……次は、神奈川の海だったな」
妹美琴は今思うと新鮮だ。……よそう、変な趣味に目覚めてしまう。
そして、神裂に殺されかけ、天使が降臨して、土御門とのガチバトル。
「………………そして大覇星祭」
体操着の美琴……こっちもやめておこう。
吹寄にぼこられ、その吹寄が事件に巻き込まれて、オリアナと戦い、美琴に殴られ、姫神が巻き込まれて、オリアナと戦い、吹寄にぼこられ、姫神に怒られ、白井に蹴られて……
上条の涙は止まらなかった。
一方、車内でシミュレーションを重ねる美琴。
(おお、当麻君はそんなにいい男なのか美琴よ!!)
(ならば善は急げ!! 早速結婚式の準備だ!!)
(よかったわね、美琴ちゃん!!)
いや……素晴らしい……自分だけの現実《パーソナルリアリティ》ですこと。
(新居は学園都市の……)
続くの!!?
そうこうして、二人はそれぞれの目的地に到着した。
「遅かったじゃない!!」 「ん? おう着いたか!!」
「おーやっと着いたか!!」 「あら。あらあら、思ったより時間がかかりましたね」
しかし、
これは、
どういうことだ、
なんで
これは、
どういうことだ、
なんで
「当麻君も一緒とはねー、それで、美琴ちゃんは?」
「美琴さんも一緒とは、ところで当麻は?」
相手の両親が目の前にいる???????
(*1)
いつ?
「当麻君も呼ぶなんて、頑張ったねー美琴ちゃん!!!」
チケットが届いた時点からだろうか?(この二人ならありえる)
「君が上条君か、私は旅掛、美琴の父だ。家内や娘が世話になってるね」
見せあいっこした時か?(魔術師と戦闘中)
「美琴さん、大覇星祭以来だね、元気にしてたかい?」
その後、寮で予定を立てながらイチャついた時か?(千客万来)
「あら。当麻さんたら、昔の刀夜さんを見ているみたい」ゴウッ
それとも今日、二人同時に落とした時か?(計五回)
とりあえず、これはまずい、
二人は別の場所で同時に頭を抱えた。
二人は別の場所で同時に頭を抱えた。
さて、話は変わるが、習慣とはとてつもない力を発揮する。
魔術師レイヴィニア=バードウェイは、過去から全く同じ動作を積み重ねることで、聖人にも劣らない化け物として君臨した。
魔術師レイヴィニア=バードウェイは、過去から全く同じ動作を積み重ねることで、聖人にも劣らない化け物として君臨した。
そして彼ら二人にも習慣、『約束』があった。
「あー美琴大好きだー」「あー当麻大好きよー」
言った瞬間気付いたが、もう遅い。
世界が固まった。
世界が固まった。
みんなも、大事な時に、うっかり悪い癖が出ないように気をつけようね!!