とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part15

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匿名ユーザー

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御挨拶
第一章 出発


『まま~』

『どうしたの美琴ちゃん?』

『わたしおおきくなったら、ままとけっこんする!!』

『ああ、テレビでやってたのそれか。うれしい、ありがとね!!』

『美琴ちゃん、おれは~?』

『ぱぱは、ままをひとりぼっちにするからやだ!!』

『そ、そんな~』



風力発電の羽根が回る。

ここは学園都市のとある駅。

「「――ええい! コノヤロー! 
あーもうちくしょー美琴(当麻)大好きすぎますーっ!!」」

悪口なのか、愛の御裾分けなのか、
とにかく叫びながら二人は走っていた。
「Level5」だし、「幻想殺し」だし、もう少しこそこそしたら?

「ああ!! もう!! 無痛注射器が故障さえしなければ!!」

おかげで普通の注射痛かったし。
と叫ぶのは、「幻想殺し」こと上条当麻。
ただ今、絶賛不幸中であります。

「それを言うなら、あそこでタクシーが故障しなければ大丈夫だったわよ!!」

普通は故障なんてしないのに、能力者の喧嘩に巻き込まれるんだもんね。
とぼやくのは、「超電磁砲」こと御坂美琴。
ただ今、無料で不幸を体験中であります。

珍しく私服の二人は、それよりもあそこで野良犬がーだとか、
いいや公園の時計がーだとか、言っているうちに駅のホームに着いた。

「さて、少しの間お別れだな」

「そうね」

感傷に浸る暇は無い、
暇欲しかった、イチャイチャしたかった。

二人は今春休み。そして両親に旅行に誘われている。
一泊二日で、同じ日にだ。
しかし、場所が完全に離れているのは、送られた切符から把握可能。
一方は北へ、一方は南へ向かっていた。

二人は寂しい、……なんてことなかった。
愛しいパートナーのために、やらなければならないことがあったからである。

「美琴隊員!! 今回の作戦における目標を述べよ!!」ビシッ!!

「はっ!! 自分の両親に相手の素晴らしさをアピールすることであります当麻隊長!!」ビシッ!!

「望めるなら、付き合っている事を把握してもらい、今度挨拶に伺おうとしていると、伝えたいところだ」ヨロシイ

恋人のノリじゃねーだろ。
まあ、結構重要な任務だ。
御両親が味方かどうかで環境は大きく異なる。
特に

(お義父さん……か)

ここがとても厄介だ。マジで恐い。
そのため、ミコっちゃんには頑張ってもらいたい。
かわいいかわいいミコっちゃんに。

「頼むから、オレがバカだとか鈍感だとかは伝えないでくれよ?」

「自覚あるんかい。そっちこそ私が怒りっぽいとか、電撃が怖いとか言ったら許さないからね!!」

「やっぱり自覚「アァ!?」何でもないでやんす」

たまに、ごくたまに、ガラの悪い美琴さんに頑張ってもらわなければ。

一方、

(お義母さんか……)

嫁、姑問題はいつの世でも厄介だ。
いや、まだ早いっていうかなんていうかだけども。
彼氏の母親というのはとんでもないプレッシャーだ。
頑張ってマイラブリー当麻!!
なんて思っていたが、
この鈍感大魔王に任せていいものか、

「美琴」

「なに?」

思考をやめ、上条の方を見る。



チュッ



キスされた。

「……なっ!!」/////

「当分できないしな、今のうちに」

「不意打ちなんて、ズルい!!」//////////

「美琴たんの反応かわいいからついな、そんじゃーなー!!」

「もうっ!! 当麻のバカ!!!」///////////////



……進展、してるじゃん!!!



作者が一番驚いた出来事は、二人には普通のようだ、
何事もなかったかのように別々のルートで出発。
一方、何も知らない作者は、いじけました。

車内で上条は、両親との数少ない思い出に浸っていた。

「最初は病室」

記憶喪失直後、両親が見舞いに来てくれた。
父と母が同い年ということに驚いた。
まあ、その数日後にステイルに襲われ、三沢塾でアウレオルス=ダミーやアウレオルス=イザードに殺されかけることで、なんかどーでもよくなるのだが。

「……次は、神奈川の海だったな」

妹美琴は今思うと新鮮だ。……よそう、変な趣味に目覚めてしまう。

そして、神裂に殺されかけ、天使が降臨して、土御門とのガチバトル。

「………………そして大覇星祭」

体操着の美琴……こっちもやめておこう。

吹寄にぼこられ、その吹寄が事件に巻き込まれて、オリアナと戦い、美琴に殴られ、姫神が巻き込まれて、オリアナと戦い、吹寄にぼこられ、姫神に怒られ、白井に蹴られて……

上条の涙は止まらなかった。

一方、車内でシミュレーションを重ねる美琴。

(おお、当麻君はそんなにいい男なのか美琴よ!!)

(ならば善は急げ!! 早速結婚式の準備だ!!)

(よかったわね、美琴ちゃん!!)

いや……素晴らしい……自分だけの現実《パーソナルリアリティ》ですこと。

(新居は学園都市の……)

続くの!!?


そうこうして、二人はそれぞれの目的地に到着した。

「遅かったじゃない!!」 「ん? おう着いたか!!」

「おーやっと着いたか!!」 「あら。あらあら、思ったより時間がかかりましたね」

しかし、
これは、
どういうことだ、
なんで

「当麻君も一緒とはねー、それで、美琴ちゃんは?」

「美琴さんも一緒とは、ところで当麻は?」

相手の両親が目の前にいる???????




*1

いつ?

「当麻君も呼ぶなんて、頑張ったねー美琴ちゃん!!!」

チケットが届いた時点からだろうか?(この二人ならありえる)

「君が上条君か、私は旅掛、美琴の父だ。家内や娘が世話になってるね」

見せあいっこした時か?(魔術師と戦闘中)

「美琴さん、大覇星祭以来だね、元気にしてたかい?」

その後、寮で予定を立てながらイチャついた時か?(千客万来)

「あら。当麻さんたら、昔の刀夜さんを見ているみたい」ゴウッ

それとも今日、二人同時に落とした時か?(計五回)


とりあえず、これはまずい、
二人は別の場所で同時に頭を抱えた。


さて、話は変わるが、習慣とはとてつもない力を発揮する。
魔術師レイヴィニア=バードウェイは、過去から全く同じ動作を積み重ねることで、聖人にも劣らない化け物として君臨した。

そして彼ら二人にも習慣、『約束』があった。

「あー美琴大好きだー」「あー当麻大好きよー」

言った瞬間気付いたが、もう遅い。
世界が固まった。

みんなも、大事な時に、うっかり悪い癖が出ないように気をつけようね!!







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注釈

*1 切符が入れ替わった!!!!!?????