とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part09

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匿名ユーザー

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定期検診っ!


今日は、初めての定期検診の日です。
ぽかぽか陽気の日に、上条さんに抱っこされながら病院までやってきました。

「にゃー…」

初めて来るからでしょうか。
みこにゃんはとても不安そうです。

「大丈夫だって。1人で検診するわけじゃないんだからさ」

上条さんはみこにゃんの頭を撫でてあげました。
クマ耳のついた帽子の耳もなんだかしょんぼりしています。

「定期検診の方、こちらへどうぞ」

「あ、呼んでるから行こうぜ」

「にゃー」

上条さんとみこにゃんは診察室へ入っていきました。


―診察室―

ネコの定期検診は、1時間程で終わります。
身体測定や視力検査、能力検査、予防接種などが主な検診です。
今日の最初の検診は視力検査です。

「じゃ、これで右目を隠してくださいね」

優しそうな女医さんがみこにゃんに黒い虫眼鏡のようなものを渡しました。

「にゃ」

「それじゃ、始めますね。これは、どこに穴が開いてるかな?」

みこにゃんは上を指さしました。

「うん、OKだね。じゃあ、これは?」

次は右。

「ちゃんと見えてますね。これはどうかな?」

みこにゃんはちょっと迷って左を指さしました。

「すごいすごい。右は2.0ですね」

その後の検診も、とくに問題なく進んでいきました。


―言語能力検査―

「それじゃ、「あ」から「ん」までを1つ1つ発音してみようか」

この検査では、年齢に合わせた早口言葉などが言えるかどうかを検査します。
みこにゃんはまだ2歳なので早口言葉ではなく、言語の発音です。

「あ、い、う、え、お」

とてもゆっくりですが、きちんと言えています。
上条さんも一安心です。しかし…

「た、ち、つ、て、と、にゃ、に、ぬ、ね、の」

「ん?」

今、みこにゃんは「な」のところを「にゃ」と言いました。
どうしたのでしょうか。

「もう一回言ってみようか。さん、はい」

「にゃ、に、ぬ、ね、の」

「にゃって言ってますね…いつもそう発音してますか?」

「あ、はい。「な」って言ってるのは聞いたことないです」

「そうですか…、まぁネコにとってこれは仕方ないんですけどね」

「え?」

「たまにいるんですよ、「な」が「にゃ」になってしまうネコって。これは遺伝なので、
 特に心配する必要はありません。もし気になるなら、家で発音練習させるのも良いかと思います」

「分かりました。考えておきます」

「にゃー」

「はい、次は「は」からです。さん、はい」

みこにゃんの舌足らずな声が室内に響きました。




―地獄の―

「これで検査は終了です。あとは予防接種のみですね、こちらへどうぞ」

最後は予防接種です。
今日の注射は筋肉注射なので3日ほど痛みが続くそうです。

「とーま、にゃにするの?」

「え、えーと…薬をうつんだ!腕にな!」

「にゃー?」

注射というものも今日が初めて。形も知らなければ痛みも知りません。
みこにゃんは上条さんの膝に座り、女医さんと向かい合います。

「最初に消毒しますね。はい、腕まくってもらえるかな」

「にゃ」

みこにゃんの腕に白いコットンが置かれ、手早く消毒が行われます。
なんだかスース―して気持ち悪いです。

「はい、ちょっとチクっとしますよー」


チクっ


「うにゃぁーーーーーッッ!!!」

「はい、終わりました。血が止まるまで安静にしていてください」

「にゃぁーーーーーーーーーーーッ!!!」

「今日はありがとうございました。これからもよろしくお願いします」

「はい、お疲れ様でした」

「にゃぁーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」

上条さんは泣き叫ぶみこにゃんを抱えながら部屋を出ました。
みこにゃんはよほど痛かったのか、涙で顔がびしょ濡れになっています。

「痛かったな、よく頑張った」

上条さんはみこにゃんの背中をトントンと優しく叩いて宥めました。
ついでに帽子もかぶせてあげます。

「痛い…にゃーっ」

「今日は頑張ったご褒美にマシュマロたくさん買うからな」

「えっぐ…ひっく…にゃー…」

病院を出ると、よしよしと宥めながらスーパーへ向かうのでした。


―ふぃん―









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