概要
古の英雄と呼ばれているらしい生前の
ドルベの伝説を綴った壁画のある遺跡の番人。
遊馬たちの前に現れ、「
ナンバーズを持つに相応しい魂かを試す試練」と称してデュエルを挑んでいる。
デュエル前には
凌牙と
旅行者ナッシュを人質にとっており、試練に利用していた。
マッハの言う「試練」の肝は「決断」にあり、作中でも様々な決断を遊馬に迫っている。
デュエルではモンスターかライフのどちらかを失う選択を遊馬に強要しており、
ホープを維持する選択をした遊馬のライフは次々に削られてしまっていた。
また、人質にした凌牙とドルベを遺跡の罠から逃がすためには攻撃を行うしかないということになっていたのだが、《決断の迷宮》の効果で攻撃の度に手札を捨てなくてはならなくすることで、こちらも人質の命か手札のどちらかを遊馬に選択させている。
結果としてライフと手札を次々に削られてしまう遊馬であったが、見兼ねた凌牙が「ホープを破壊しろ」と助言した一方でドルベが「ホープを守れ」と助言したため、遊馬は更なる板挟みに悩むことになる。
しかし、我らが遊馬先生は敵であるドルベを信じるというとてもとても高尚な選択をなされたため、見事試練を突破し、マッハはナンバーズを託して消えていったのだった。
めでたしめでたし。
試練という名の茶番劇
さてこの試練、「決断」と銘打たれていたものの、それがまた酷い。
凌牙は「ホープを破壊しろ」と遊馬に助言していたが、そんなことをすればそのまま《No.44 白天馬スカイ・ペガサス》にダイレクトアタックされて遊馬が負けるだけである。
「決断」だの「人を信じる」だの言う以前に、素より遊馬には選択肢などなかった。
一応、遊馬側には未判明の
カードが2枚あったため、それでなんとかできたという可能性もないわけではない。
ただ、それらを視聴者や凌牙が知るすべはなかったため、結局不自然な展開のまま終わっている。
また、遊馬はデュエル後に「オレは人を信じることしかできないんだ……」と言っていつものように自己陶酔していたが、言うまでもなく、ドルベの助言を信じるということは凌牙の助言を信じないことと同義である。
そのため、味方である凌牙を差し置いて敵であるドルベの助言を信じた遊馬の行動は凌牙からの信用を失う行為であり、件の自己陶酔発言に至っては凌牙の神経を逆撫でするものでしかない。
ただ、例によって遊馬の支離滅裂な言行に苦言を呈する者が作中に誰一人として存在せず、当の凌牙にも何の反応もなかった。
どうやらアニメスタッフにとっては、これは遊馬先生の信じる心を示した美談だったようである。
美談どころか、マッハの「仲間とは互いに離れ離れになった時こそその真価を問われる」という発言や「お前達の人を信じる力に賭けてみよう」という発言が、皮肉と化してしまっているのだが。
遊馬先生も遊馬先生で、
「オレは自分の信じたいことしか信じないんだ……」と自省すべきであろう。(特に
ベクターの件で)
正体
その正体は生前のドルベの愛馬ペガサスであり、謀反を起こした兵士からドルベを庇って共に死亡していたことが、遺跡の壁画に描かれていたようだ。
その行動を鑑みるに主人であるドルベへの忠誠心は高いと思われるが、マッハは生前の容姿のままであったドルベに対して最後まで何の反応も見せないどころか、命に危険が及ぶ罠に嵌めて人質として利用までしている。
自分を犠牲にしてまでドルベを助ける程の高い忠誠心を持つ者の行動とはとても思えないが、彼は古の英雄の伝説の続きを自ら語っていたため、伝説と史実が違うというわけではないようであり、ドルベのことを忘れているとも考えにくい。
結局、何故ナンバーズの番人になったのか、何故人の姿で現れたのか、誰がドルベの伝説を残したのか、マッハ自身が内心何を思っていたのか等は完全に不明なままだった。
また、ゼアルでは
「バリアン七皇に本当の記憶を取り戻させるためには、ドン・サウザンドの呪いのナンバーズを遺跡のナンバーズで倒す」という因果関係がよく分からない設定が途中で追加されていたのだが、ドルベの記憶に関しては完全に無視されていたため、マッハの遺跡のナンバーズとなる《No.44 白天馬スカイ・ペガサス》がその目的のために再登場することはなかった。
同じことは、
ナッシュや
メラグの遺跡のナンバーズにも言える。
最終更新:2020年06月28日 12:26