シュヴェリン王国は文明圏から外れた『辺境』と呼ばれている地域に存在する。帝國本土から見て東にあるロディニア大陸フランケル文明圏大内海側沿岸部の中央よりもやや南よりで、距離的には旧世界の帝國-ハワイ間?程度には離れている。

この距離を帝國海軍および帝國商船は海洋を直進して行き来している。

王都は海岸線から約10キロの地点にある。
昭和17年2月に、反乱軍を狙った戦艦「山城」の艦砲射撃により城下町は壊滅状態となった。

数十年前、改革者であり、ハルマヘラ戦争の際の救国の英雄であった(カナ姫の)祖父王の手により国内の『生活が一変した』。

農作物の収入が増え、税率も下がり、飢えから開放された。疫病は激減し、戦もなくなり、平民達は老衰で死ねる様になった。

外国の交易商人達すら、シュヴェリン王国の国状を見て、「とても『辺境』とは思えない」、「列強諸国でも、これ程豊かな農村は珍しい」と感心するほどである。

また稲作の習慣も、同時期にもたらされた。
この世界では珍しい水田地帯があり、昭和17年1月時点での石高は5万石。3万人の自国供給分だけなら十分である。(余談だが転移世界では米は雑穀として見なされており、『シュヴェリンの米食い』と揶揄する言葉もあるほどである。)

また畑のサイクルも三毛作を行なっており、同じ農地で米、小麦、その他作物―大豆や野菜等―を年一回ずつ、合わせて三回作っている。このうち米以外の作物は専ら売却用である。
(流石に地力が持たないので魚肥を使用しているが、魚を食用にまわさない余裕があるのもシュヴェリンくらいなものであろう)

そのなかでも小麦の生産は重要視され、これを国外に売り自国では米を食う事によってシュヴェリンは(微々たる物であるが)長期にわたった国境紛争の痛手から回復しつつある。(帝國では祝い事の時に白米を食べるが、シュヴェリンでは売り物である小麦の白パンを食べる事が贅沢なのである)

シュヴェリン王国の米は非常に原始的な種であり、帝國米に切り替えれば収穫量は倍になり、味も格段に向上する。帝國は昭和17年は現行種で乗り切り、収穫後に開墾して帝國米による農地を増やしていこうと考えている。


人口:約3万人
面積:約4000平方キロ
1平方キロ当り10人未満、のべにすればシベリア並の人口密度だが、7割程にあたる約3000平方キロはバレンバン地方と呼ばれ、無人の砂丘地帯である。その為住民は残りの土地に居住している。不思議な事にバレンバン地方以外の3割は自然豊かな風土であり、何故このような奇妙な環境が成立しているかは今後の研究が待たれている。

バレンバン地方の中心には「死の湖」と呼ばれる油田がある。


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最終更新:2007年02月28日 13:12