【上田明也の聖夜礼賛~クリスマス・キャロルをもう一度~】
「やぁ、みんなこんにちわ!
僕の名前は上田明也、心優しい都市伝説契約者さ!
今日はクリスマスなんで恵まれない子供達にプレゼントをあげにきたんだ!
やらない善よりやる偽善、本当に偽物がはびこる最高に最低な世の中だよ!
消えて無くなれば良い!」
「マスター……、いきなり何を言い出しているんですか。」
僕の名前は上田明也、心優しい都市伝説契約者さ!
今日はクリスマスなんで恵まれない子供達にプレゼントをあげにきたんだ!
やらない善よりやる偽善、本当に偽物がはびこる最高に最低な世の中だよ!
消えて無くなれば良い!」
「マスター……、いきなり何を言い出しているんですか。」
サンタのコスプレをして夜の街を歩く上田明也。
近所のクリスマス会に参加した直後の様子である。
彼は途中から冬休みで遊びに来ている親戚の子供という設定でメルも呼んで
クリスマス会を人並みにひとしきり楽しんでいた。
夏頃にはニュースを騒がせていた殺人鬼の癖に冬には人並みの幸福に身をゆだねるなんて酷い男だ。
酷い男だがそれをやりぬいているのは彼の能力だし、そんな矛盾も包括しているのは彼の精神だ。
だから一層酷い男であることに間違いは無いのだが……。
近所のクリスマス会に参加した直後の様子である。
彼は途中から冬休みで遊びに来ている親戚の子供という設定でメルも呼んで
クリスマス会を人並みにひとしきり楽しんでいた。
夏頃にはニュースを騒がせていた殺人鬼の癖に冬には人並みの幸福に身をゆだねるなんて酷い男だ。
酷い男だがそれをやりぬいているのは彼の能力だし、そんな矛盾も包括しているのは彼の精神だ。
だから一層酷い男であることに間違いは無いのだが……。
「なぁ、メル。」
「なんですかマスター。」
「ちょっと面白いこと思いついたんで手伝ってはくれないか?」
「ていうかマスター一人で行くつもりだったんですか?」
「まぁね、どうせ子供達にクリスマスパーティーをプレゼントして回るだけだけれども。」
「学校町で殺人鬼と言われていた男とは思えないですね。」
「だからどうした?」
「………本当に貴方は最高だ。」
「なんですかマスター。」
「ちょっと面白いこと思いついたんで手伝ってはくれないか?」
「ていうかマスター一人で行くつもりだったんですか?」
「まぁね、どうせ子供達にクリスマスパーティーをプレゼントして回るだけだけれども。」
「学校町で殺人鬼と言われていた男とは思えないですね。」
「だからどうした?」
「………本当に貴方は最高だ。」
彼らがそうやって会話している間に見慣れた姿の男がやってくる。
碧眼金髪の美青年。
ただし今日はちょっぴり違った服装。
碧眼金髪の美青年。
ただし今日はちょっぴり違った服装。
「メリークリスマス、我が愛すべき友よ!」
そこには貴人サンジェルマンがサンタ服に身を固めて立っていた。
上田明也は呆れたように首を振る。
メルは苦笑いしている。
そしてサンジェルマンはいじけた。
「どうせ赤いサンタなんてコカ・コーラ社の陰謀なんだ……。
本来のサンタさんはもっと地味な感じの聖職者なんだ……。
てことは本来クリスマスって地味な毒男の為の祭り?
そうか、決してクリスマスは都市伝説じゃないんだヤッホー!
……さてと、本題に戻ろうか。」
「ああ、そうしてくれ。」
サンジェルマンはいじけて、
テンションをあげて、
最後に元に戻った。
上田明也は胸をなで下ろした。
そこには貴人サンジェルマンがサンタ服に身を固めて立っていた。
上田明也は呆れたように首を振る。
メルは苦笑いしている。
そしてサンジェルマンはいじけた。
「どうせ赤いサンタなんてコカ・コーラ社の陰謀なんだ……。
本来のサンタさんはもっと地味な感じの聖職者なんだ……。
てことは本来クリスマスって地味な毒男の為の祭り?
そうか、決してクリスマスは都市伝説じゃないんだヤッホー!
……さてと、本題に戻ろうか。」
「ああ、そうしてくれ。」
サンジェルマンはいじけて、
テンションをあげて、
最後に元に戻った。
上田明也は胸をなで下ろした。
「僕たちの計画は例え聖夜であっても行われます。
都市伝説をより自由にやりたい放題活動させて人間と都市伝説の新たな関係を築き上げる団。
略してFFF(freadom folklore families)
日本語で言うならば自由都市伝説同盟、とかどうでしょうか。」
「家族と書いて同盟か?」
「素敵じゃないですか?」
「まぁ良い、お前の感性に文句を付ける気は無いからさ。
今回は俺が手伝って貰う側だし。」
「マスターが自分から何かやろうだなんてろくでもない事としか思えないですね。」
「いや、聖夜に子供達を大々的に攫ってやろうかなあと。」
「うわっ!」
都市伝説をより自由にやりたい放題活動させて人間と都市伝説の新たな関係を築き上げる団。
略してFFF(freadom folklore families)
日本語で言うならば自由都市伝説同盟、とかどうでしょうか。」
「家族と書いて同盟か?」
「素敵じゃないですか?」
「まぁ良い、お前の感性に文句を付ける気は無いからさ。
今回は俺が手伝って貰う側だし。」
「マスターが自分から何かやろうだなんてろくでもない事としか思えないですね。」
「いや、聖夜に子供達を大々的に攫ってやろうかなあと。」
「うわっ!」
メルと呼ばれた少女は露骨に嫌そうな顔をした。
サンジェルマンもケラケラと笑う。
だが、誰も気づかないだろう。
ハーメルンの笛吹きと呼ばれる少女が少し嬉しそうにしていたことに。
その行為が意味を持つのはしばらく後のお話。
「待て待て、誘拐してからはあれだぞ。クリスマスパーティーに招待な。
都市伝説関係、というか組織は大迷惑だぞ~!」
嬉しそうに、心から嬉しそうに笑う上田。
こいつは他人に迷惑をかけることが生き甲斐らしい。
迷惑な人間である。
「それじゃあ、そろそろ始めても良いですか?アキナリ。」
「オーケィだ。やってくれ。」
サンジェルマンが能力を使用し始める。
辺りの空間が次第に歪み始めて上田やメルの視界もぼやけた物になっていく。
それが収まる頃には、上田明也とハーメルンの笛吹きは学校町の中心部に居た。
サンジェルマンもケラケラと笑う。
だが、誰も気づかないだろう。
ハーメルンの笛吹きと呼ばれる少女が少し嬉しそうにしていたことに。
その行為が意味を持つのはしばらく後のお話。
「待て待て、誘拐してからはあれだぞ。クリスマスパーティーに招待な。
都市伝説関係、というか組織は大迷惑だぞ~!」
嬉しそうに、心から嬉しそうに笑う上田。
こいつは他人に迷惑をかけることが生き甲斐らしい。
迷惑な人間である。
「それじゃあ、そろそろ始めても良いですか?アキナリ。」
「オーケィだ。やってくれ。」
サンジェルマンが能力を使用し始める。
辺りの空間が次第に歪み始めて上田やメルの視界もぼやけた物になっていく。
それが収まる頃には、上田明也とハーメルンの笛吹きは学校町の中心部に居た。
「それじゃあ、始めますか!」
上田明也は町の真ん中、人混みの中で思い切り叫んだ。
「なぁにあれ?」
「サンタ?」
「これから何する気かしら?」
周りにいた人々がざわめき始める。
「ふっふっふ……、何も知らぬ奴らめ……。」
「マスター、台詞が悪役っぽいです。」
「良いから始めるぞ。」
上田明也は笛を吹きながら町を歩き始める。
何かのパフォーマーだろうか?といぶかしむ人々の隙間を抜けて学校町の南地区へ向かった。
笛を吹きながらマンションの辺りを回ると面白いほど子供達がついてくる。
空ろな目の子供達。
親とのパーティー、
友達とのパーティー、
それとも・・……ひとりぼっち?
とにかく色々用事のある人間は居ただろう。
しかし関係など無い。
みんなそろって強制参加だ!
上田明也は町の真ん中、人混みの中で思い切り叫んだ。
「なぁにあれ?」
「サンタ?」
「これから何する気かしら?」
周りにいた人々がざわめき始める。
「ふっふっふ……、何も知らぬ奴らめ……。」
「マスター、台詞が悪役っぽいです。」
「良いから始めるぞ。」
上田明也は笛を吹きながら町を歩き始める。
何かのパフォーマーだろうか?といぶかしむ人々の隙間を抜けて学校町の南地区へ向かった。
笛を吹きながらマンションの辺りを回ると面白いほど子供達がついてくる。
空ろな目の子供達。
親とのパーティー、
友達とのパーティー、
それとも・・……ひとりぼっち?
とにかく色々用事のある人間は居ただろう。
しかし関係など無い。
みんなそろって強制参加だ!
そう思って上田がほくそ笑んでいた時だった。
ゴポ、ゴポゴポ………
シュワシュワ…
シュワシュワ…
液体がゴポゴポ言う音。
シュワシュワ言う音。
遠く遠くからそれは上田の耳に入り込む。
ハーメルンの笛吹きと契約した上田は聴覚が研ぎ澄まされており、かなり遠くの音も聞き分けられたのだ。
「なんだなんだ?予想以上に早く来やがったな。よりによって俺が苦手な奴かい。」
つまらなさそうにぼやく上田明也。
シュワシュワ言う音。
遠く遠くからそれは上田の耳に入り込む。
ハーメルンの笛吹きと契約した上田は聴覚が研ぎ澄まされており、かなり遠くの音も聞き分けられたのだ。
「なんだなんだ?予想以上に早く来やがったな。よりによって俺が苦手な奴かい。」
つまらなさそうにぼやく上田明也。
「どうしたんですか、マスター?」
「いや、……俺に構うな先に行け。」
「またまたテンプレな台詞を……、じゃあ先に会場に連れて行きますからさっさと来て下さいよ?」
「いや、……俺に構うな先に行け。」
「またまたテンプレな台詞を……、じゃあ先に会場に連れて行きますからさっさと来て下さいよ?」
メル達を先にパーティ会場まで走らせると彼は一人、真夜中の住宅街の中心に立つ。
辺りにはマンションやら一軒家やらコンビニやら沢山の建物があるが此処だけは静かだ。
先程から足音や、液体の揺れる音は彼の元に近づき続けている。
来るか?来るか?上田は待っていた。
ネズミは仕掛けた。
各種トラップも完璧。
あとはその時を待つだけだ。
上田明也がそう思っていた次の瞬間だった。
バシャア!
大量のコーラが降り注ぐ。
なすすべも無く溶けていくサンタ服を纏った身体はどろどろの肉片になっていた。
辺りにはマンションやら一軒家やらコンビニやら沢山の建物があるが此処だけは静かだ。
先程から足音や、液体の揺れる音は彼の元に近づき続けている。
来るか?来るか?上田は待っていた。
ネズミは仕掛けた。
各種トラップも完璧。
あとはその時を待つだけだ。
上田明也がそう思っていた次の瞬間だった。
バシャア!
大量のコーラが降り注ぐ。
なすすべも無く溶けていくサンタ服を纏った身体はどろどろの肉片になっていた。
「あ~……、殺しちゃった。
生け捕りにするように言われていたのに……。」
生け捕りにするように言われていたのに……。」
子供っぽい話し方で呟いたのは「コーラを飲みすぎると骨が融ける」の契約者。
どうやら組織からの命令でハーメルンの笛吹きの討伐に来ていたらしい。
「まあ良いや、こいつ兄さんの学校の生徒を攫っていたかもしれないし。」
子供達の誘拐事件は上田明也の予想以上のスピードで各地に伝わっているようだ。
ヤンデレ弟はドロドロに溶けた肉片を見下ろしながら辺りを見回す。
「さて、都市伝説は何処に行ったのかな?
あっちの方が生きている以上安心できないからね……。
それに今のは罠かもしれないし……。」
急に月明かりが差す。
おかしい、とヤンデレ気味な彼は考えた。
ここに月明かりなど差すわけがない。
グラリ……
どうやら組織からの命令でハーメルンの笛吹きの討伐に来ていたらしい。
「まあ良いや、こいつ兄さんの学校の生徒を攫っていたかもしれないし。」
子供達の誘拐事件は上田明也の予想以上のスピードで各地に伝わっているようだ。
ヤンデレ弟はドロドロに溶けた肉片を見下ろしながら辺りを見回す。
「さて、都市伝説は何処に行ったのかな?
あっちの方が生きている以上安心できないからね……。
それに今のは罠かもしれないし……。」
急に月明かりが差す。
おかしい、とヤンデレ気味な彼は考えた。
ここに月明かりなど差すわけがない。
グラリ……
「――――――――――――!!」
ヤンデレ弟は気づいたのだ。
この煌々と照る月明かりの下で見た上田の身体には人間の身体にしては嫌にネズミの毛がまとわりついていた。
否、やはりこれはそもそもハーメルンの笛吹きの身体ではない。
彼が融かしたのは上田明也のサンタ服の中に詰め込まれたネズミ。
しかし気づいた時にはもう遅い。
月の明かりに照らされたマンションの影が揺れた。
この煌々と照る月明かりの下で見た上田の身体には人間の身体にしては嫌にネズミの毛がまとわりついていた。
否、やはりこれはそもそもハーメルンの笛吹きの身体ではない。
彼が融かしたのは上田明也のサンタ服の中に詰め込まれたネズミ。
しかし気づいた時にはもう遅い。
月の明かりに照らされたマンションの影が揺れた。
「俺が村正を持っていることを忘れるべきじゃなかったな。
さようならだよ、コーラ男。」
ヤンデレ弟が最後に見たのは取り壊し予定のマンションの屋上に乗っかってこちらに向かってくる上田明也だった。
さようならだよ、コーラ男。」
ヤンデレ弟が最後に見たのは取り壊し予定のマンションの屋上に乗っかってこちらに向かってくる上田明也だった。
ゴガアアアアアアアアアアアアアアン!
ヤンデレ弟の姿は崩れ落ちるマンションの瓦礫の中に消え去った。
上田明也は前もって取り壊し予定だったマンションを村正で崩れやすいように切り裂いていたのである。
そしてあとは少量の爆薬を用いてマンションを使った岩雪崩を起こしたのだ。
それから彼が崩落したマンションの中から出てくるのは数十分後のことである。
ヤンデレ弟の姿は崩れ落ちるマンションの瓦礫の中に消え去った。
上田明也は前もって取り壊し予定だったマンションを村正で崩れやすいように切り裂いていたのである。
そしてあとは少量の爆薬を用いてマンションを使った岩雪崩を起こしたのだ。
それから彼が崩落したマンションの中から出てくるのは数十分後のことである。
東区を抜けた上田明也は西区へ向かった。
子供達を無事、クリスマス会の会場に送り届けたメルも一緒である。
「マスター、大丈夫だったんですか?」
「大丈夫大丈夫、あれくらいじゃあいつも死なないしさ。」
「殺しちゃったらことですよぉ?」
「うん、まあ組織に迷惑かけるのが目的だし、良いよ。」
「まったくもう……。」
「会場はどうなっている?」
「全員夢だとでも思い込んで楽しんでいますよ、橙さんも混ざってみんなでビンゴ大会やったりとか……。」
「ならば良いんだ……。」
学校町の中央部に戻るとあちこちで黒服が歩き回っていた。
隠れたりネズミで陽動したりしながら中央区を歩き回る。
「なにを……、やっているんだ?」
上田明也の前に立っていたのは何やら悟った雰囲気の男と髪を肩口までに伸ばした高校生位の少女だった。
問いかけてきたのは男の方だ。
雰囲気から予想すると恐らく男の方が都市伝説だ、と上田明也は直感していた。
「見れば解る。」
サンタ服を揺らめかせながら上田明也は笑う。
メルは呆れたように首を振る。
「――――――悪いことをしているんだ。」
子供達を無事、クリスマス会の会場に送り届けたメルも一緒である。
「マスター、大丈夫だったんですか?」
「大丈夫大丈夫、あれくらいじゃあいつも死なないしさ。」
「殺しちゃったらことですよぉ?」
「うん、まあ組織に迷惑かけるのが目的だし、良いよ。」
「まったくもう……。」
「会場はどうなっている?」
「全員夢だとでも思い込んで楽しんでいますよ、橙さんも混ざってみんなでビンゴ大会やったりとか……。」
「ならば良いんだ……。」
学校町の中央部に戻るとあちこちで黒服が歩き回っていた。
隠れたりネズミで陽動したりしながら中央区を歩き回る。
「なにを……、やっているんだ?」
上田明也の前に立っていたのは何やら悟った雰囲気の男と髪を肩口までに伸ばした高校生位の少女だった。
問いかけてきたのは男の方だ。
雰囲気から予想すると恐らく男の方が都市伝説だ、と上田明也は直感していた。
「見れば解る。」
サンタ服を揺らめかせながら上田明也は笑う。
メルは呆れたように首を振る。
「――――――悪いことをしているんだ。」
「話には聞いていたけどなんて奴だ……。Tさん。」
少女は男に合図を送る。
「……じゃあ、悪事を止める力が手に入ると幸せだな。」
淡い光がTさんと呼ばれた男の身体から沸いてくる。
「やるのかい?」
「破ぁ!!」
掌から真っ直ぐに放たれる光の束。
すかさずメルが上田の前に立つと肉体強化でそれを受け止める。
その間に上田はTさんとやらの契約者の身体の支配権を奪おうとし始めた。
少女は男に合図を送る。
「……じゃあ、悪事を止める力が手に入ると幸せだな。」
淡い光がTさんと呼ばれた男の身体から沸いてくる。
「やるのかい?」
「破ぁ!!」
掌から真っ直ぐに放たれる光の束。
すかさずメルが上田の前に立つと肉体強化でそれを受け止める。
その間に上田はTさんとやらの契約者の身体の支配権を奪おうとし始めた。
「契約者と一緒に出てきたのは惜しかったな、そいつだけ隠しておけば少しは楽だったぜ?」
「身体が……動かない!?」
メルと一進一退の攻防を繰り広げているTさんはこちらの様子に気づいて何かを呟く。
上田明也には聞こえていなかったが彼は確かにこういった。
「契約者が操られないと幸せだな。」
上田は急にTさんの契約者の身体が操れなくなったことに気づく。
「――――――これは!?」
「よし、ありがとうTさん!」
動揺する上田とメル。
Tさんの契約者はすばやく上田から距離を取る。
「腕力が増すと、幸せだな。」
「キャウッ!」
一撃でメルが遠くまで殴り飛ばされる。
上田明也にとってこれは非常にまずい状況だった。
「さて、残りは一人か……。」
Tさんは鋭く上田明也を睨む。
「身体が……動かない!?」
メルと一進一退の攻防を繰り広げているTさんはこちらの様子に気づいて何かを呟く。
上田明也には聞こえていなかったが彼は確かにこういった。
「契約者が操られないと幸せだな。」
上田は急にTさんの契約者の身体が操れなくなったことに気づく。
「――――――これは!?」
「よし、ありがとうTさん!」
動揺する上田とメル。
Tさんの契約者はすばやく上田から距離を取る。
「腕力が増すと、幸せだな。」
「キャウッ!」
一撃でメルが遠くまで殴り飛ばされる。
上田明也にとってこれは非常にまずい状況だった。
「さて、残りは一人か……。」
Tさんは鋭く上田明也を睨む。
「残りは一人、ね……どうだか?たとえばこんなのなんてどうだろう?」
Tさんがメルの相手をしていた間に上田はどこからともなく子供を一人連れてきていた。
上田明也は只の拳銃を少年の脳天に突きつけている。
Tさんがメルの相手をしていた間に上田はどこからともなく子供を一人連れてきていた。
上田明也は只の拳銃を少年の脳天に突きつけている。
「た……助けて下さい!」
Tさん達にとって見覚えのないその少年は震えながら助けを請うている。
「今、この俺を倒そうとするとこの少年は間違いなく只で済まないと思うがどうだろうか?」
Tさんの能力はあくまで対都市伝説の能力。
只の人間である上田明也に対しては光弾を放てたり壁を出せたりすごい身体能力を発揮できる男でしかない。
当然ながらそれでもかなりの脅威なのだがそれでもまだマシ、というべきか。
更に言えば上田が今やっていることは厳密に言うと悪事ではない。
そこもTさんの能力が微妙に鈍っていてメル相手に手間取った原因なのだ。
「人質か……!卑怯な!」
Tさんが呻く。
「安心しろ、俺も無関係な人を殺すような真似はしないぜ。
だから動かないでくれよ……!」
上田の眼は笑っていない。
Tさん達にとって見覚えのないその少年は震えながら助けを請うている。
「今、この俺を倒そうとするとこの少年は間違いなく只で済まないと思うがどうだろうか?」
Tさんの能力はあくまで対都市伝説の能力。
只の人間である上田明也に対しては光弾を放てたり壁を出せたりすごい身体能力を発揮できる男でしかない。
当然ながらそれでもかなりの脅威なのだがそれでもまだマシ、というべきか。
更に言えば上田が今やっていることは厳密に言うと悪事ではない。
そこもTさんの能力が微妙に鈍っていてメル相手に手間取った原因なのだ。
「人質か……!卑怯な!」
Tさんが呻く。
「安心しろ、俺も無関係な人を殺すような真似はしないぜ。
だから動かないでくれよ……!」
上田の眼は笑っていない。
彼はじわりじわりとTさんから距離を取る。
充分距離が離れたのを見計らって上田は少年の頭で手元を隠しながらTさんに向けて銃弾を放った。
勿論、少年ごと撃ち抜くつもりで。
飛び散る少年の脳漿。
驚いたTさんは反応が遅れて銃弾の防御に手間取ってしまう。
カァッ!
辺りに光がまき散らされる。
どうやら照明弾のようだ。
「――――――――――ハーメルンの笛吹きッッ!」
「済まないね、さらばだ!」
足下で煙玉のような物を投げつけて逃げ出す上田明也。
しかし視界が閉ざされていく中でTさんは一つ不自然なことに気がつく。
撃たれたはずの少年が上田明也と一緒に逃げていくのだ。
「すまないね、Tさん。ハーメルンの笛吹きの本体は軍団なんだ。」
「しまった、あれもハーメルンの笛吹きだったのか……?」
上田明也に逃げられてからTさんは呟いた。
充分距離が離れたのを見計らって上田は少年の頭で手元を隠しながらTさんに向けて銃弾を放った。
勿論、少年ごと撃ち抜くつもりで。
飛び散る少年の脳漿。
驚いたTさんは反応が遅れて銃弾の防御に手間取ってしまう。
カァッ!
辺りに光がまき散らされる。
どうやら照明弾のようだ。
「――――――――――ハーメルンの笛吹きッッ!」
「済まないね、さらばだ!」
足下で煙玉のような物を投げつけて逃げ出す上田明也。
しかし視界が閉ざされていく中でTさんは一つ不自然なことに気がつく。
撃たれたはずの少年が上田明也と一緒に逃げていくのだ。
「すまないね、Tさん。ハーメルンの笛吹きの本体は軍団なんだ。」
「しまった、あれもハーメルンの笛吹きだったのか……?」
上田明也に逃げられてからTさんは呟いた。
数十分後。
「マスター、私の頭撃ち抜くなんて酷すぎるんじゃないですか?」
「だって、一番確実だったんだもん!」
「可愛く言っても騙されませんよ!」
Tさんからなんとか逃げ出した上田明也。
東区や西区を回り、とりあえず沢山の子供達が集められたので彼は最後に南区に向かった。
「ウー!お兄さんなにしてるの?」
「おう、うー☆うー少年じゃねえか!ひさしぶりだな!」
「うー、ステーキのお兄ちゃんが怒っていたよ。」
「ああ、やっぱり……。今、俺達は子供を誘拐してクリスマスパーティーに招いてたんだよね。」
「それは招くって言わない、うー!」
「まあまあ固いことを言うな、お菓子にビンゴ大会に……面白いことを沢山やっているぞ!
ウー☆ウー少年も来るか?」
人が良さそうな笑みを浮かべる上田明也。
多分、こっちの方が地、……であってほしい。
「ウー、不吉な感じはしないから行こうかな?」
「よし、じゃあついてこい!」
上田明也はコアラショタまで連れてクリスマスのパーティー会場まで向かったのであった。
「マスター、私の頭撃ち抜くなんて酷すぎるんじゃないですか?」
「だって、一番確実だったんだもん!」
「可愛く言っても騙されませんよ!」
Tさんからなんとか逃げ出した上田明也。
東区や西区を回り、とりあえず沢山の子供達が集められたので彼は最後に南区に向かった。
「ウー!お兄さんなにしてるの?」
「おう、うー☆うー少年じゃねえか!ひさしぶりだな!」
「うー、ステーキのお兄ちゃんが怒っていたよ。」
「ああ、やっぱり……。今、俺達は子供を誘拐してクリスマスパーティーに招いてたんだよね。」
「それは招くって言わない、うー!」
「まあまあ固いことを言うな、お菓子にビンゴ大会に……面白いことを沢山やっているぞ!
ウー☆ウー少年も来るか?」
人が良さそうな笑みを浮かべる上田明也。
多分、こっちの方が地、……であってほしい。
「ウー、不吉な感じはしないから行こうかな?」
「よし、じゃあついてこい!」
上田明也はコアラショタまで連れてクリスマスのパーティー会場まで向かったのであった。
一方、その頃。
「あの子は何処へ行ったのかしら……?」
コアラショタを探し回る一人の女性?の姿が町には有った。
「あの子は何処へ行ったのかしら……?」
コアラショタを探し回る一人の女性?の姿が町には有った。
とある異空間にて。
そこでは貴人サンジェルマンが集められた子供達にクリスマスパーティーの料理を振る舞っていた。
「それでは皆さん!メッルィーーーーークリッスマァッス!!」
ポン!
ポンポン!
鳴り響くクラッカー。
どこからともなく流れてくる軽快なクリスマスソング。
この男は余程パーティーに気合いを入れていたのだろう。
そんな中で楽しく笑う子供達の中に自然と紛れ込んでパーティーを楽しんでいる子供が一人。
ラプラスの悪魔の契約者だ。
彼女は国のとある機関に実験体として掴まえられていた為に人並みの生活を送れなかったのだ。
そんな彼女も今は一人の子供でいられた。今は遊○王カードで他の子供と遊んでいる。
ちなみに会場に来た子供達にはレアカード絶賛進呈中である
「血の代償発動!レッドガジェット、グリーンガジェット!イエ(ry。
古代の機械巨人召喚!リミッター解除!これで1ターンキルだ!!」
なんか代償ガジェットで子供の遊びとは思えないマネをしているが気にしないでおこう。
個人的には代償ガジェットはわりとやすく揃う強デッキだと思うのでオススメである。
とにかく、橙が普通の子供としてみんなと遊んでいる。
その事実にサンジェルマンは喜んでいた。
橙なら千年眼よろしく相手の手札を見られるんじゃないか?とかは気にしないことにした。
そこでは貴人サンジェルマンが集められた子供達にクリスマスパーティーの料理を振る舞っていた。
「それでは皆さん!メッルィーーーーークリッスマァッス!!」
ポン!
ポンポン!
鳴り響くクラッカー。
どこからともなく流れてくる軽快なクリスマスソング。
この男は余程パーティーに気合いを入れていたのだろう。
そんな中で楽しく笑う子供達の中に自然と紛れ込んでパーティーを楽しんでいる子供が一人。
ラプラスの悪魔の契約者だ。
彼女は国のとある機関に実験体として掴まえられていた為に人並みの生活を送れなかったのだ。
そんな彼女も今は一人の子供でいられた。今は遊○王カードで他の子供と遊んでいる。
ちなみに会場に来た子供達にはレアカード絶賛進呈中である
「血の代償発動!レッドガジェット、グリーンガジェット!イエ(ry。
古代の機械巨人召喚!リミッター解除!これで1ターンキルだ!!」
なんか代償ガジェットで子供の遊びとは思えないマネをしているが気にしないでおこう。
個人的には代償ガジェットはわりとやすく揃う強デッキだと思うのでオススメである。
とにかく、橙が普通の子供としてみんなと遊んでいる。
その事実にサンジェルマンは喜んでいた。
橙なら千年眼よろしく相手の手札を見られるんじゃないか?とかは気にしないことにした。
「次の番号は……10番!」
「よっしゃリーチ!」
「わたしも!」
「ぼくも!」
歓声が響く。
なんといってもこのビンゴの優勝賞品はw○iである。
子供達も必死にならないわけがない。
急に扉が開いて男と沢山の子供達が現れる。
「最後の子供軍団ご案内!楽しんでいってくれよ!
ウー☆ウー少年!お前の欲しいwiiも頑張って手に入れるんだぞ。」
「ウー、ビンゴなら僕の能力で大丈夫。」
「一回だけにしておけよ、他の子が悲しがるからさ。」
「解った!」
上田が会場に子供達を引き連れてきた。
――――――聖夜は騒がしくふけていくのである。
「よっしゃリーチ!」
「わたしも!」
「ぼくも!」
歓声が響く。
なんといってもこのビンゴの優勝賞品はw○iである。
子供達も必死にならないわけがない。
急に扉が開いて男と沢山の子供達が現れる。
「最後の子供軍団ご案内!楽しんでいってくれよ!
ウー☆ウー少年!お前の欲しいwiiも頑張って手に入れるんだぞ。」
「ウー、ビンゴなら僕の能力で大丈夫。」
「一回だけにしておけよ、他の子が悲しがるからさ。」
「解った!」
上田が会場に子供達を引き連れてきた。
――――――聖夜は騒がしくふけていくのである。
数十分後。
とあるビルの屋上。
ここから飛び降りることでサンジェルマンの用意した異空間に入ることが出来るのだ。
上田明也はそこから町を一望していた。
「あー……気分が良い。」
今頃組織やらなんやらは血眼で自分を探しているに違いない。
しかしここには結界が張られているので都市伝説能力経由では見つけられないのだ。
天性の幸運か直感で辿り着くしかない。
「ふ、ふふ………。」
自分はしてやったのだ。
様々な組織を出し抜いて自分主催のクリスマスパーティーに子供達を参加させてやったのだ!
あとは朝になったらそれぞれの家に子供を帰すだけである。
上田明也はそう思っていた。
「はは、ははは!あははははは!くくくく、ハーッハッハッハッハッッハ!!」
彼の嫌いな組織や様々な大人達に大迷惑をかけて子供は楽しませる。
彼の計画は完全に成功していたと思っていたのだ、少なくとも彼自身は。
とあるビルの屋上。
ここから飛び降りることでサンジェルマンの用意した異空間に入ることが出来るのだ。
上田明也はそこから町を一望していた。
「あー……気分が良い。」
今頃組織やらなんやらは血眼で自分を探しているに違いない。
しかしここには結界が張られているので都市伝説能力経由では見つけられないのだ。
天性の幸運か直感で辿り着くしかない。
「ふ、ふふ………。」
自分はしてやったのだ。
様々な組織を出し抜いて自分主催のクリスマスパーティーに子供達を参加させてやったのだ!
あとは朝になったらそれぞれの家に子供を帰すだけである。
上田明也はそう思っていた。
「はは、ははは!あははははは!くくくく、ハーッハッハッハッハッッハ!!」
彼の嫌いな組織や様々な大人達に大迷惑をかけて子供は楽しませる。
彼の計画は完全に成功していたと思っていたのだ、少なくとも彼自身は。
ガチャリ
背中に当たる冷たい銃口。
どうやらショットガンらしい。
背中に当たる冷たい銃口。
どうやらショットガンらしい。
「家の息子をどこにやったの?」
「やはり貴様か、ハーメルンの笛吹き。
始めて会った時から妾はお主が嫌いだったのじゃ。」
上田明也の後ろには美女が二人、立っていた。
花のように美しい女性達だがその瞳は氷のように冷たい。
「やはり貴様か、ハーメルンの笛吹き。
始めて会った時から妾はお主が嫌いだったのじゃ。」
上田明也の後ろには美女が二人、立っていた。
花のように美しい女性達だがその瞳は氷のように冷たい。
「これはこれはウー☆ウー少年のお母様、ご機嫌麗しゅう。
それに将門公のご息女までいらして下さるとは……。」
「返答しないならば貴方がこのビルから飛び降りることになるわ。」
「………俺はね、よい子の皆を犠牲にするほど腐っちゃ居ないよ。
少なくともあんたの息子に危害は加えていない。」
「じゃあ今どこにいるの?」
「ハッ、そいつぁ言えないね。」
それに将門公のご息女までいらして下さるとは……。」
「返答しないならば貴方がこのビルから飛び降りることになるわ。」
「………俺はね、よい子の皆を犠牲にするほど腐っちゃ居ないよ。
少なくともあんたの息子に危害は加えていない。」
「じゃあ今どこにいるの?」
「ハッ、そいつぁ言えないね。」
そう言った途端、上田は服の袖からナイフを出す。
ビュン!ガキン!
ナイフを使った上田の攻撃をコアラパパはショットガンで受け止める。
そこでコアラパパは気づく。
何故滝夜叉は動かない?
彼女なら呪いの力で上田を停止させられるはずだ。
「ちっ!わらわらと沸きおって!」
「マスターの所にはいかせません!」
答えは単純で、メルが数の力で時間稼ぎをしていたのだ。
その上、沢山のハーメルンの笛吹き同士で身体能力を強化し合っている為にかなり厄介だ。
「……何故あの男に呪いが効かぬのじゃ!」
先程から彼女は上田には何度か呪いを掛けているらしいがそのどれもが上手く働いていない。
しかしコアラパパに比べると上田明也の身体能力は高くないために戦いそのものは徐々に上田明也が押されていた。
だがそれでも気になる事態だ。
ふと、滝夜叉の目に上田明也の腰にある物がとまった。
「――――――村正か!!」
どうやら呪いの力は村正に打ち消されている様子なのだ。
「気づいたが遅いぜ、あんたの契約者はこれでお終いだ!」
上田明也が村正を抜きはなった。
しかし、それよりも一瞬速くコアラパパの鉄拳が上田の頬にクリーンヒットする。
倒れ込んだ上田にショットガンを向けるコアラパパ。
ビュン!ガキン!
ナイフを使った上田の攻撃をコアラパパはショットガンで受け止める。
そこでコアラパパは気づく。
何故滝夜叉は動かない?
彼女なら呪いの力で上田を停止させられるはずだ。
「ちっ!わらわらと沸きおって!」
「マスターの所にはいかせません!」
答えは単純で、メルが数の力で時間稼ぎをしていたのだ。
その上、沢山のハーメルンの笛吹き同士で身体能力を強化し合っている為にかなり厄介だ。
「……何故あの男に呪いが効かぬのじゃ!」
先程から彼女は上田には何度か呪いを掛けているらしいがそのどれもが上手く働いていない。
しかしコアラパパに比べると上田明也の身体能力は高くないために戦いそのものは徐々に上田明也が押されていた。
だがそれでも気になる事態だ。
ふと、滝夜叉の目に上田明也の腰にある物がとまった。
「――――――村正か!!」
どうやら呪いの力は村正に打ち消されている様子なのだ。
「気づいたが遅いぜ、あんたの契約者はこれでお終いだ!」
上田明也が村正を抜きはなった。
しかし、それよりも一瞬速くコアラパパの鉄拳が上田の頬にクリーンヒットする。
倒れ込んだ上田にショットガンを向けるコアラパパ。
メル達は上田を助ける為に動こうとするがその隙を突いて滝夜叉の呪いで全員動きを止められた。
「動かないで、ハーメルンの笛吹き。
動いたら貴方の契約者も容赦しないわよ?
もう一度訊くわ、ハーメルンの笛吹きの契約者、私の息子は何処?」
「……仕方ない。貴方の息子は今……。」
上田明也が観念してコアラショタの居場所を離そうとしたときだった。
「ウー!パパー!」
コアラショタが階段から駆けてきたのだ。
我が子を抱きしめるコアラパパ。
「何処に行ってたの?」
「ハーメルンのお兄ちゃんにクリスマスパーティーに招待してもらってたよ!
wi○もビンゴの景品で当たったんだ!」
「…………え?」
「ちっ……、ばれちまった。」
「どういうことなのじゃ、ハーメルンの笛吹きの契約者!」
「動かないで、ハーメルンの笛吹き。
動いたら貴方の契約者も容赦しないわよ?
もう一度訊くわ、ハーメルンの笛吹きの契約者、私の息子は何処?」
「……仕方ない。貴方の息子は今……。」
上田明也が観念してコアラショタの居場所を離そうとしたときだった。
「ウー!パパー!」
コアラショタが階段から駆けてきたのだ。
我が子を抱きしめるコアラパパ。
「何処に行ってたの?」
「ハーメルンのお兄ちゃんにクリスマスパーティーに招待してもらってたよ!
wi○もビンゴの景品で当たったんだ!」
「…………え?」
「ちっ……、ばれちまった。」
「どういうことなのじゃ、ハーメルンの笛吹きの契約者!」
ばつが悪そうに口を開く上田明也。
「だからぁ……、只のクリスマスパーティーだよ。
沢山の人に迷惑かけながら楽しもうかと思ったのさ。
ほら、最近俺達全然悪い事していないから。
あと、その子がついてきたのは偶然だからな。
まったく意図していなかったしその子が悪いわけでもない。」
さりげなく、コアラショタが怒られないように上田は予防線を張っていた。
「………そんな馬鹿みたいな理由で?」
「ああ!明日の朝までには子供達も返すしね。」
それにしてもこの上田、良い笑顔である。
満面の笑みだ。
「やっぱり此処で殺した方が良いのではないじゃろうか……。」
滝夜叉が呟く。
まったくその通りである。
「だからぁ……、只のクリスマスパーティーだよ。
沢山の人に迷惑かけながら楽しもうかと思ったのさ。
ほら、最近俺達全然悪い事していないから。
あと、その子がついてきたのは偶然だからな。
まったく意図していなかったしその子が悪いわけでもない。」
さりげなく、コアラショタが怒られないように上田は予防線を張っていた。
「………そんな馬鹿みたいな理由で?」
「ああ!明日の朝までには子供達も返すしね。」
それにしてもこの上田、良い笑顔である。
満面の笑みだ。
「やっぱり此処で殺した方が良いのではないじゃろうか……。」
滝夜叉が呟く。
まったくその通りである。
「ああ、悪い。だがそれはお断りだ。」
戯けた口調で上田は断言する。
「――――――――――――村正!」
戯けた口調で上田は断言する。
「――――――――――――村正!」
ガラガラガラガラガラ!
上田が叫んだ次の瞬間、倒れ込んでいた床を切断して上田は真っ逆さまに下の階に落ちていった。
「メリークリスマース!」
大声で叫ぶ上田の声だけが何時までも反響していた。
メルもいつの間にか居なくなっている。
コアラパパは完全に彼らを見失った。
「なんて奴らなのかしら……。」
コアラパパは呟いた。
上田が叫んだ次の瞬間、倒れ込んでいた床を切断して上田は真っ逆さまに下の階に落ちていった。
「メリークリスマース!」
大声で叫ぶ上田の声だけが何時までも反響していた。
メルもいつの間にか居なくなっている。
コアラパパは完全に彼らを見失った。
「なんて奴らなのかしら……。」
コアラパパは呟いた。
勿論、この事件は翌日大変な騒動になって黒服Dが胃痛に追われるのだが……。
それはまた別の話である。
【上田明也の聖夜礼賛~クリスマス・キャロルをもう一度~ fin】
それはまた別の話である。
【上田明也の聖夜礼賛~クリスマス・キャロルをもう一度~ fin】