【上田明也の探偵倶楽部】
キィ……
キィ………
キィ………
ずいぶん古い安楽椅子が軋んで揺れて音を立てる。
黒いコートを着た男が暖炉の前でパイプをふかしている。
黒いコートを着た男が暖炉の前でパイプをふかしている。
「どうも皆さんこんにちわ。
私立探偵の笛吹丁、元人間です。
人間であった頃の名前は上田明也。
今はもうその名前で呼ぶ人間など居ません。
てか中の人の事情で綺想曲シリーズのラストでやろうと思っていた私のトラウマ関係無しになりました。
まあずばっと言うと『都合悪いので無しでお願いします、先生』ってことです。
やはり悪人じゃない俺なんて需要ないんですよね。
そこら辺を作者は解ってないというかなんというか……。
あ、今俺探偵やっているんですよ。
安楽椅子探偵。
調査は都市伝説に全部任せています。
ほら、こういう仕事していれば殺人鬼の活動もしやすくなるでしょう?
失せ物探し、素行調査や浮気調査、家出人調査、ストーカー対策、所在調査なんかでも良いし……
とりあえず何でもできます。
さて、今日の依頼人が来る時間だ。それでは皆様ノチホド。」
私立探偵の笛吹丁、元人間です。
人間であった頃の名前は上田明也。
今はもうその名前で呼ぶ人間など居ません。
てか中の人の事情で綺想曲シリーズのラストでやろうと思っていた私のトラウマ関係無しになりました。
まあずばっと言うと『都合悪いので無しでお願いします、先生』ってことです。
やはり悪人じゃない俺なんて需要ないんですよね。
そこら辺を作者は解ってないというかなんというか……。
あ、今俺探偵やっているんですよ。
安楽椅子探偵。
調査は都市伝説に全部任せています。
ほら、こういう仕事していれば殺人鬼の活動もしやすくなるでしょう?
失せ物探し、素行調査や浮気調査、家出人調査、ストーカー対策、所在調査なんかでも良いし……
とりあえず何でもできます。
さて、今日の依頼人が来る時間だ。それでは皆様ノチホド。」
【上田明也の探偵倶楽部1~笛吹探偵事務所、創設~】
上田明也は椅子から立ち上がりビルの一室、探偵事務所の窓の外の風景を眺める。
彼の眼下には学校町の繁華街が広がっていた。
正月が終わってからしばらく後のこと、上田明也は探偵事務所を開いていたのだ。
少し待っているとノックの音が響いた。
どうやらハーメルンの笛吹きが彼への依頼人を連れてきたらしい。
彼の眼下には学校町の繁華街が広がっていた。
正月が終わってからしばらく後のこと、上田明也は探偵事務所を開いていたのだ。
少し待っているとノックの音が響いた。
どうやらハーメルンの笛吹きが彼への依頼人を連れてきたらしい。
「マス……、所長。
お客様です。」
メルの声がドア越しに響く。
「通してくれ。」
お客様です。」
メルの声がドア越しに響く。
「通してくれ。」
ガチャリ
上田明也の座っている所長室に一人の男が入ってくる。
気弱そうな雰囲気で少々頭髪がうすら寂しくなっている。
気弱そうな雰囲気で少々頭髪がうすら寂しくなっている。
「こんにちわ、桂様ですね?
笛吹探偵事務所所長の笛吹丁です。
法律相談から浮気調査まで何でもしていますけど、今回のご依頼を念のためもう一度お聞かせ下さい。」
立て板に水を流すように喋る。
しかし単に喋るだけでなく相手に喋る機会を与えながら話す。
人間という物は警戒心が強い。
見ず知らずの相手に積極的に話そうとは思わない物だ。
そこで上田明也、この探偵はまず自分から話す。
能弁に雄弁に語る。
自分から話して、その後相手に話をさせる。
相手が話さざるを得ない状況
相手が話すべき状況
相手が話したい状況
これらをゆっくりと作り上げるのだ。
笛吹探偵事務所所長の笛吹丁です。
法律相談から浮気調査まで何でもしていますけど、今回のご依頼を念のためもう一度お聞かせ下さい。」
立て板に水を流すように喋る。
しかし単に喋るだけでなく相手に喋る機会を与えながら話す。
人間という物は警戒心が強い。
見ず知らずの相手に積極的に話そうとは思わない物だ。
そこで上田明也、この探偵はまず自分から話す。
能弁に雄弁に語る。
自分から話して、その後相手に話をさせる。
相手が話さざるを得ない状況
相手が話すべき状況
相手が話したい状況
これらをゆっくりと作り上げるのだ。
ちなみに笛吹丁とは上田明也が探偵をやるときの偽名である。
これ名義の運転免許証とか銀行口座とかも彼は用意していた。
ちなみに名前の由来は笛吹ヒノト→笛吹きの人、という洒落である。
「あ、はい……。
今回は妻の浮気の証拠を見つけて欲しいんです。
私は妻の家に婿として入ったんですがその、まあ……。」
「解ります、色々とやりづらいことがおありになるんでしょうねえ?」
「そうなんですよ……。
私に自由なんて有りません、妻は若い男を連れ込んで知らない振りだし……。
女房の父がやっている会社に勤めている物ですから強くも言えなくて……。
だから証拠を集めてなんとか離婚できればと……。」
「苦労なさってますね、解りました。お引き受けしましょう!
任せて下さい、当探偵事務所は困っている方々の味方です!」
「ありがとうございます。それで料金の方なのですが……。」
「お電話の通り20万円でお願いします。
調査費用に前金として5万円頂きます。」
これ名義の運転免許証とか銀行口座とかも彼は用意していた。
ちなみに名前の由来は笛吹ヒノト→笛吹きの人、という洒落である。
「あ、はい……。
今回は妻の浮気の証拠を見つけて欲しいんです。
私は妻の家に婿として入ったんですがその、まあ……。」
「解ります、色々とやりづらいことがおありになるんでしょうねえ?」
「そうなんですよ……。
私に自由なんて有りません、妻は若い男を連れ込んで知らない振りだし……。
女房の父がやっている会社に勤めている物ですから強くも言えなくて……。
だから証拠を集めてなんとか離婚できればと……。」
「苦労なさってますね、解りました。お引き受けしましょう!
任せて下さい、当探偵事務所は困っている方々の味方です!」
「ありがとうございます。それで料金の方なのですが……。」
「お電話の通り20万円でお願いします。
調査費用に前金として5万円頂きます。」
「はい、5万円ですね。解りました……。」
桂は鞄から財布を取り出す。
そこで上田明也はすかさず声をかけた。
「この事務所の経理が渋い奴でしてねえ、調査費は前金で出して貰っておけって五月蠅いのですよ。
自分で持ち出すと怒るんですよ、赤字になるって。
あいつは困った奴ですよね、ははは。
俺の私生活にまで口出して来ちゃったり。」
「ああ、解ります解ります!
私も大変なんですよ……。」
桂は鞄から財布を取り出す。
そこで上田明也はすかさず声をかけた。
「この事務所の経理が渋い奴でしてねえ、調査費は前金で出して貰っておけって五月蠅いのですよ。
自分で持ち出すと怒るんですよ、赤字になるって。
あいつは困った奴ですよね、ははは。
俺の私生活にまで口出して来ちゃったり。」
「ああ、解ります解ります!
私も大変なんですよ……。」
会話は人間関係の基本だ。
上田は人間関係において雑談をすることを大事にするタイプらしく、この手の話を引き出したがる。
「やはり月のお小遣いとかも……?」
「そうなんですよ!昼飯代しかくれませんよ!
しかも幾ら使ったかも細かくチェックされて……。
これが今の所持金の全てですよ。
さっさとあいつとは離婚して、出来たお金で自分の商売をやりたいです……。」
「解りました、桂さんの為にも一肌脱がせて頂きます。」
上田は商売用の人の良い笑顔を作り上げる。
上田と桂は立ち上がるとお互いに固く握手した。
上田は人間関係において雑談をすることを大事にするタイプらしく、この手の話を引き出したがる。
「やはり月のお小遣いとかも……?」
「そうなんですよ!昼飯代しかくれませんよ!
しかも幾ら使ったかも細かくチェックされて……。
これが今の所持金の全てですよ。
さっさとあいつとは離婚して、出来たお金で自分の商売をやりたいです……。」
「解りました、桂さんの為にも一肌脱がせて頂きます。」
上田は商売用の人の良い笑顔を作り上げる。
上田と桂は立ち上がるとお互いに固く握手した。
さて、それから数日後。
上田明也、探偵“笛吹丁”は対象の女性『桂冴子』の調査に勤しんでいた。
カメラ搭載の鼠や沢山の本体を持ったメルを使った尾行のおかげで上田明也本人はまったく顔を出さずに彼女の情報を集めることが出来ていた。
調査の概要はこうだ。
朝、旦那と子供を送り出すと家事をこなし、日によっては午後から愛人に会っている。
中学生の子供が帰って来るまでには家に戻っているようだ。
旦那には昼飯代をケチっているのに自分はホテルのレストランで友人と昼食を取ることが多いらしい。
カメラ搭載の鼠や沢山の本体を持ったメルを使った尾行のおかげで上田明也本人はまったく顔を出さずに彼女の情報を集めることが出来ていた。
調査の概要はこうだ。
朝、旦那と子供を送り出すと家事をこなし、日によっては午後から愛人に会っている。
中学生の子供が帰って来るまでには家に戻っているようだ。
旦那には昼飯代をケチっているのに自分はホテルのレストランで友人と昼食を取ることが多いらしい。
「ハーメルンの笛吹きの能力の価値は戦闘以外に有るよなあ……。
あとはこれを渡すだけだぜ?」
完璧にまとめられた調査書を見ながら上田明也は驚いていた。
まさかここまで上手く行くとは彼自身思っていなかったようだ。
この結果が出るまで探偵らしいことを彼“自身”は何一つしていないのだ。
「なんていうか、私も殆ど働きませんでしたよ?」
「お前は尾行をしていただろうが。」
「尾行っていうか私の本体を大量に出していただけですから……。
尾行っていうか待ち伏せ×100みたいな……。」
「ひどいな、仕事しろよ俺。」
「探偵をしない探偵ですね。」
「まったくだよ。そういや今何時だったっけ?
仕事の成功祝いにどこか食べに行こうか?」
あとはこれを渡すだけだぜ?」
完璧にまとめられた調査書を見ながら上田明也は驚いていた。
まさかここまで上手く行くとは彼自身思っていなかったようだ。
この結果が出るまで探偵らしいことを彼“自身”は何一つしていないのだ。
「なんていうか、私も殆ど働きませんでしたよ?」
「お前は尾行をしていただろうが。」
「尾行っていうか私の本体を大量に出していただけですから……。
尾行っていうか待ち伏せ×100みたいな……。」
「ひどいな、仕事しろよ俺。」
「探偵をしない探偵ですね。」
「まったくだよ。そういや今何時だったっけ?
仕事の成功祝いにどこか食べに行こうか?」
そう言って上田明也が時計を眺めると丁度十二時だった。
メルの目が輝く。
メルの目が輝く。
「私中華料理食べたいです!」
「よぉし、じゃあ行こうか。」
「よぉし、じゃあ行こうか。」
上田明也が車の鍵をポケットから取り出した時だった。
ピリリリリリ
ピリリリリリリリリ
ピリリリリリリリリ
急に事務所の電話が鳴りだした。
すかさず上田がそれに応対する。
すかさず上田がそれに応対する。
「はい、笛吹探偵事務所です。
はい、桂さんじゃないですかどうしたんです?
ええ、解りました。
もう調査結果なら出てきていますよ。
ええ、証拠になります。写真に盗聴もしてましたから。
解りました。
場所は……、西区の廃工場群ですね?
お金用意してきて下さいよ?
それでは……。」
「どうしたんですかマスター?」
「え、桂さんが調査結果を届けてくれないかだって。
飯はその後にしようぜ。」
「えー、解りました……。」
はい、桂さんじゃないですかどうしたんです?
ええ、解りました。
もう調査結果なら出てきていますよ。
ええ、証拠になります。写真に盗聴もしてましたから。
解りました。
場所は……、西区の廃工場群ですね?
お金用意してきて下さいよ?
それでは……。」
「どうしたんですかマスター?」
「え、桂さんが調査結果を届けてくれないかだって。
飯はその後にしようぜ。」
「えー、解りました……。」
不満そうなメルを車に乗せると上田は西区に車で向かったのであった。
西区の廃工場群に辿り着くとそこには桂が待っていた。
上田はとりあえず廃工場の中に入って写真の入った紙袋などを彼に渡した。
「女房が私のことを疑い始めた物ですから早く連絡したんですが……。
これでなんとかなりそうです。
本当にありがとうございます!」
ぺこぺことお辞儀をする桂。
「いえいえ、それで報酬の方は……。」
「はい、こちらです。」
桂は上田に封筒を差し出す。
彼が数えると前金を除いた報酬がきっちり入っていた。
上田はとりあえず廃工場の中に入って写真の入った紙袋などを彼に渡した。
「女房が私のことを疑い始めた物ですから早く連絡したんですが……。
これでなんとかなりそうです。
本当にありがとうございます!」
ぺこぺことお辞儀をする桂。
「いえいえ、それで報酬の方は……。」
「はい、こちらです。」
桂は上田に封筒を差し出す。
彼が数えると前金を除いた報酬がきっちり入っていた。
「今後ともごひいきにして頂けるとありがたいです。」
上田は頭を下げる。
「こちらこそよろしくお願いします!」
それを見た桂も深く頭を下げる、腰の低い人物だ。
仕事の成功に満足して上田が帰ろうとしたその時だった。
上田は頭を下げる。
「こちらこそよろしくお願いします!」
それを見た桂も深く頭を下げる、腰の低い人物だ。
仕事の成功に満足して上田が帰ろうとしたその時だった。
ドスンドスンドスン!
上田の頭上に三連続で鉄骨が降り注いできた。
ハーメルンの笛吹きと契約していた為、感知能力に優れていた彼は間一髪の所でそれを回避する。
「なんだいきなり!?」
「畜生!外しちまったか!てめえが探偵だな?」
工場の上から声がする。
「な、なんだ!?妻の手の者か!?」
桂は脅えて腰を抜かしてしまった。
「所長、都市伝説です!」
メルが上田に警告をする。
「人を襲う廃工場の都市伝説ってか?やられたな……。
桂さん、俺から離れないで下さいよ?」
またも飛んでくる鉄骨。
ガキィン!
それを蜻蛉切りで叩き切るとメルに指令を出す。
「さっさとさっきの男を叩きに行ってこい!」
「了解しました!」
メルが工場の外へ走り出す。
上田の頭上に三連続で鉄骨が降り注いできた。
ハーメルンの笛吹きと契約していた為、感知能力に優れていた彼は間一髪の所でそれを回避する。
「なんだいきなり!?」
「畜生!外しちまったか!てめえが探偵だな?」
工場の上から声がする。
「な、なんだ!?妻の手の者か!?」
桂は脅えて腰を抜かしてしまった。
「所長、都市伝説です!」
メルが上田に警告をする。
「人を襲う廃工場の都市伝説ってか?やられたな……。
桂さん、俺から離れないで下さいよ?」
またも飛んでくる鉄骨。
ガキィン!
それを蜻蛉切りで叩き切るとメルに指令を出す。
「さっさとさっきの男を叩きに行ってこい!」
「了解しました!」
メルが工場の外へ走り出す。
「え?え?」
桂は都市伝説というものを見たことがないらしくてかなり戸惑っている。
ガキィン!
「今日ここに来ることを誰かに言いましたか?」
鉄骨やブルドーザーを食い止めながらわざとよそ見して桂への攻撃を通してみる。
「うわぁあ!!」
彼がかすり傷を負ったところから考えるとどうやら彼が契約者ではないらしい。
「いや、言っては居ないが……。もしかしたらつけられていた?
ていうか笛吹さん、あれはなんなんですか?」
腕のかすり傷をおさえながら桂は上田に問いかける。
「ざっくばらんに言うと超能力者ですね。」
「はぁ?超能力者なんて居るわけ無いじゃないですか!
そのうえさっきの女の子、助手の方ですか?危ないんじゃないですか?」
ガキィン!
ガキィン!
鉄骨の性質上、移動する際にはどうしても大きな音が出る。
また、巨大な物である為かあまり複雑には動かせないらしい。
ハーメルンの笛吹きの能力を得て聴力があがっている上田にはその軌道を簡単に見切ることができる。
桂の目の前で鉄骨を破壊しながら上田は解説を続ける。
桂は都市伝説というものを見たことがないらしくてかなり戸惑っている。
ガキィン!
「今日ここに来ることを誰かに言いましたか?」
鉄骨やブルドーザーを食い止めながらわざとよそ見して桂への攻撃を通してみる。
「うわぁあ!!」
彼がかすり傷を負ったところから考えるとどうやら彼が契約者ではないらしい。
「いや、言っては居ないが……。もしかしたらつけられていた?
ていうか笛吹さん、あれはなんなんですか?」
腕のかすり傷をおさえながら桂は上田に問いかける。
「ざっくばらんに言うと超能力者ですね。」
「はぁ?超能力者なんて居るわけ無いじゃないですか!
そのうえさっきの女の子、助手の方ですか?危ないんじゃないですか?」
ガキィン!
ガキィン!
鉄骨の性質上、移動する際にはどうしても大きな音が出る。
また、巨大な物である為かあまり複雑には動かせないらしい。
ハーメルンの笛吹きの能力を得て聴力があがっている上田にはその軌道を簡単に見切ることができる。
桂の目の前で鉄骨を破壊しながら上田は解説を続ける。
「超能力があり得ないなんて言いますけどね、それを言ったら貴方の目の前で鉄骨をただの小刀で切り裂いている男だってあり得ないでしょうが。
都市伝説ってあるじゃないですか?
まああれが現実に有るような物だと考えて下さい。
それとあの女の子も立派な超能力者、みたいな物ですから安心して下さい。」
「は、はぁ……。」
すこし強い調子で上田が言うと桂は大人しくなってしまった。
都市伝説ってあるじゃないですか?
まああれが現実に有るような物だと考えて下さい。
それとあの女の子も立派な超能力者、みたいな物ですから安心して下さい。」
「は、はぁ……。」
すこし強い調子で上田が言うと桂は大人しくなってしまった。
しばらく上田が待っているとドスン、という大きな音が鳴って鉄骨の襲撃もやんだ。
どうやらメルが廃工場の契約者を捕まえたらしい。
勢い余って殺していないことを上田は願っていた。
彼は彼で廃工場の契約者に聞きたいことがあるらしい。
どうやらメルが廃工場の契約者を捕まえたらしい。
勢い余って殺していないことを上田は願っていた。
彼は彼で廃工場の契約者に聞きたいことがあるらしい。
「静かになったみたいですね、行きますよ桂さん。」
「は、はい……。」
「は、はい……。」
上田は気絶した廃工場の契約者をしばりつけて車のトランクに放り込むと桂を家まで届けた。
探偵事務所に辿り着くとまだ気絶している廃工場の契約者をたたき起こす。
「う、うう………。ここはどこ!?」
キョロキョロと辺りを見回す廃工場の契約者。
「よう、起きたか。洗いざらい喋って貰うぞ。」
「げげ、探偵!私はお金であの男の妻に雇われただけなんだ!」
「ほうほう、そうか……。ところでさっき身体を調べさせて貰ったんだが……。
お前、女だろう?」
上田は廃工場の契約者の胸をつついてみる。
「ひぃっ!!や、やめろお!!」
「安心したまえ、俺の都市伝説はもう買い出しに行っている。
俺とお前の二人きりだ。」
「それが駄目なんだろうが!この前の電子レンジの契約者と言い今回と言い……
ちょっと暴れていただけなのにぃ~……。」
「安心しろ、俺はロリコンだ。
残念ながらお前は幼女とはちょっと違うからな。」
「うわぁ、寄るな変態!」
「ところでさっき電子レンジとか言っていたな?
その話ゆっくり聞かせて貰おうか。
先に名乗っておくけど俺はハーメルンの笛吹き、巷を騒がす殺人鬼でもある。
さっさと話せば簡単に楽にしてやれるから安心しろよ☆
昼は探偵、夜は殺人鬼、してまたその正体はロリコン野郎。
お前みたいな人を襲う都市伝説は容赦しないぜ?」
はっきりと名乗った、まあつまりはそういうことなのだろう。
「え、……誰か助けて~!!」
“そういうこと”に気付いて悲鳴をあげる廃工場の契約者。
「お前は廃工場が無いと只の人間だからなあ!ゆっくりお話ししようぜ!!
ハァーッハッハッハッハッハ!」
いかにも悪そうな高笑いが事務所に響く。
とりあえず、上田明也の始めての探偵業務は思わぬ形でおまけを生み出しながら成功したのであった。
【上田明也の探偵倶楽部1~笛吹探偵事務所、創設~ fin】
探偵事務所に辿り着くとまだ気絶している廃工場の契約者をたたき起こす。
「う、うう………。ここはどこ!?」
キョロキョロと辺りを見回す廃工場の契約者。
「よう、起きたか。洗いざらい喋って貰うぞ。」
「げげ、探偵!私はお金であの男の妻に雇われただけなんだ!」
「ほうほう、そうか……。ところでさっき身体を調べさせて貰ったんだが……。
お前、女だろう?」
上田は廃工場の契約者の胸をつついてみる。
「ひぃっ!!や、やめろお!!」
「安心したまえ、俺の都市伝説はもう買い出しに行っている。
俺とお前の二人きりだ。」
「それが駄目なんだろうが!この前の電子レンジの契約者と言い今回と言い……
ちょっと暴れていただけなのにぃ~……。」
「安心しろ、俺はロリコンだ。
残念ながらお前は幼女とはちょっと違うからな。」
「うわぁ、寄るな変態!」
「ところでさっき電子レンジとか言っていたな?
その話ゆっくり聞かせて貰おうか。
先に名乗っておくけど俺はハーメルンの笛吹き、巷を騒がす殺人鬼でもある。
さっさと話せば簡単に楽にしてやれるから安心しろよ☆
昼は探偵、夜は殺人鬼、してまたその正体はロリコン野郎。
お前みたいな人を襲う都市伝説は容赦しないぜ?」
はっきりと名乗った、まあつまりはそういうことなのだろう。
「え、……誰か助けて~!!」
“そういうこと”に気付いて悲鳴をあげる廃工場の契約者。
「お前は廃工場が無いと只の人間だからなあ!ゆっくりお話ししようぜ!!
ハァーッハッハッハッハッハ!」
いかにも悪そうな高笑いが事務所に響く。
とりあえず、上田明也の始めての探偵業務は思わぬ形でおまけを生み出しながら成功したのであった。
【上田明也の探偵倶楽部1~笛吹探偵事務所、創設~ fin】
場面は最初の暖炉の有る部屋に戻る。
「どうも、上田明也です。今回のお話は楽しんで頂けましたか?
廃工場の契約者の彼女ですが聞きたいだけ情報聞いた後さっさと始末させてもらいました。
もしかしたら生きているかもしれないので作者の方々は瀕死のところを保護するなりなんなり好きにして下さい。
あの電子レンジの二人組の消息も聞き出せましたしなかなか楽しい思いが出来ました。
それよりも楽しいッスね探偵業務。世の為人の為になるのはとても心地がよい。
もし学校町でお困りの際は親切丁寧秘密厳守がモットーの笛吹探偵事務所にご一報下さい。
相談次第では料金もリーズナブルにできると思いますよ?
働くのは鼠ですから、ははは。」
笑いながら立ち上がると上田はウイスキーの瓶をどこからともなく持って来る。
「それでは初仕事が終わったので一人で祝杯でも挙げたいと思います。
さようなら、さようなら。」
上田明也はそう言うと事務所の奥に消えていった。
「どうも、上田明也です。今回のお話は楽しんで頂けましたか?
廃工場の契約者の彼女ですが聞きたいだけ情報聞いた後さっさと始末させてもらいました。
もしかしたら生きているかもしれないので作者の方々は瀕死のところを保護するなりなんなり好きにして下さい。
あの電子レンジの二人組の消息も聞き出せましたしなかなか楽しい思いが出来ました。
それよりも楽しいッスね探偵業務。世の為人の為になるのはとても心地がよい。
もし学校町でお困りの際は親切丁寧秘密厳守がモットーの笛吹探偵事務所にご一報下さい。
相談次第では料金もリーズナブルにできると思いますよ?
働くのは鼠ですから、ははは。」
笑いながら立ち上がると上田はウイスキーの瓶をどこからともなく持って来る。
「それでは初仕事が終わったので一人で祝杯でも挙げたいと思います。
さようなら、さようなら。」
上田明也はそう言うと事務所の奥に消えていった。
【上田明也の探偵倶楽部 fin】