【上田明也の綺想曲9~あそぼう~】
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ピチャリ……
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ピチャリ……
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュゴシュ
ゴシュゴシュ
ゴシュ
ゴシュ
金属と砥石がこすれ合う音が真夜中の台所に響く。
一心に刃物を研ぐ男の背中に電灯から薄ぼんやり落ちる影はどうしてか悪魔のように黒い。
ある人が見ればきっとこれを美しいと表現するだろう。
ある人が見ればこれをきっと麗しいと表現するだろう。
まるで真夏の陽光を一身に浴びたかのように白く輝く刃はその実、晩秋の霜より冷たい。
一心に刃物を研ぐ男の背中に電灯から薄ぼんやり落ちる影はどうしてか悪魔のように黒い。
ある人が見ればきっとこれを美しいと表現するだろう。
ある人が見ればこれをきっと麗しいと表現するだろう。
まるで真夏の陽光を一身に浴びたかのように白く輝く刃はその実、晩秋の霜より冷たい。
刃物を研ぐ男の後ろを一人の少女が通る。
「マスター、何やっているんですか?」
「刃物研いでいる。」
「刃物?村正か何かですか?」
「あれは研がなくても何故かいっつも最良の状態で鞘に収まっているよ。」
「都市伝説だからですかね?」
「多分いつも最良の状態で都市伝説として固定されているんだろうな。」
「成る程……。」
「解ったらさっさとベッドに戻れ。刃物を研ぐのは幼女を愛でるよりも楽しい。」
「……本当にどうしようもないですね。解りました。」
「ああ、ゆっくりお休み。都市伝説との戦いは忙しいからね。」
「マスター、何やっているんですか?」
「刃物研いでいる。」
「刃物?村正か何かですか?」
「あれは研がなくても何故かいっつも最良の状態で鞘に収まっているよ。」
「都市伝説だからですかね?」
「多分いつも最良の状態で都市伝説として固定されているんだろうな。」
「成る程……。」
「解ったらさっさとベッドに戻れ。刃物を研ぐのは幼女を愛でるよりも楽しい。」
「……本当にどうしようもないですね。解りました。」
「ああ、ゆっくりお休み。都市伝説との戦いは忙しいからね。」
そう言ってメルを寝室に帰すと上田明也はまた刃物を研ぎ始める。
上田明也にとって刃物は幼女以上に心を落ち着かせる物だった。
彼は刃物が好きだ。
生物無生物どんな対象であれそれにツ―――と刃先が沈み込んでいく瞬間、
彼は刺した対象、刃物の制作者、そして彼自身の三者が一つになったような奇妙な一体感を得られるのだ。
それは人間には本来感じ取ることが不可能な感覚だ。
だから彼は刃物を選んだ。
彼は刃物が好きだ。
刃が対象を二つに裂くその瞬間、彼自身ができたての切断面を観測する人間になる。
それは彼にとってコウノトリやキャベツ畑を信じている無垢な少女に色々と教える快楽に似ている。
そんなこと実際にやれば子供を傷つける最低の行為だ。
それを彼は知っている。
だから手軽に同じ快楽を得られる刃物の方を選ぶ。
彼は刃物が好きだ。
使い込んで研げば研ぐほど鋭く切れ味を増していく。
それはまるで幼い女の子を完璧な幼女に育て上げるような喜びを彼に与える。
勿論、彼だってそんなこと本当に出来ないのは知っている。
だから手軽に同じ快楽を得られる刃物を選んだ。
彼は刃物が好きだ。
生物無生物どんな対象であれそれにツ―――と刃先が沈み込んでいく瞬間、
彼は刺した対象、刃物の制作者、そして彼自身の三者が一つになったような奇妙な一体感を得られるのだ。
それは人間には本来感じ取ることが不可能な感覚だ。
だから彼は刃物を選んだ。
彼は刃物が好きだ。
刃が対象を二つに裂くその瞬間、彼自身ができたての切断面を観測する人間になる。
それは彼にとってコウノトリやキャベツ畑を信じている無垢な少女に色々と教える快楽に似ている。
そんなこと実際にやれば子供を傷つける最低の行為だ。
それを彼は知っている。
だから手軽に同じ快楽を得られる刃物の方を選ぶ。
彼は刃物が好きだ。
使い込んで研げば研ぐほど鋭く切れ味を増していく。
それはまるで幼い女の子を完璧な幼女に育て上げるような喜びを彼に与える。
勿論、彼だってそんなこと本当に出来ないのは知っている。
だから手軽に同じ快楽を得られる刃物を選んだ。
ひとしきり刃物を研ぎ終わると上田明也はそれらを自分の臙脂色のコートの中にしまう。
何時でもそれが使えるようにだ。
寝室をのぞき込むとメルは寝息を立てて眠っていた。
上田明也はゆっくりと彼女に近づくと彼女の頬をつつく。
「む、むきゅうう………!」
可愛らしく呻いてメルが寝返りを打つ。
「やっぱり可愛いなあ、このロリ。」
そう呟くと上田はメルの二の腕をプニプニと揉み始めた。
肌にはツヤとハリが有るだけでなく吸い付くような弾力がある。
骨は細い。
子供なのだから当然だ。
「うへへへへ……。」
二の腕を揉まれると気持ちよさそうに笑うメル。
だらしなく口まで開けている。
「やっぱり二の腕が気持ちいいのか?だらしない顔しやがって。
この(ピー)な(ピー)め!
ほら、おねだりでもしてみたらどうだ!」
ちょっとテンションが上がってニコニコしながらそんな事を呟く上田。
「Zzz………。」
しかしメルはおねだりではなくおねんねしていた。
「俺は何をやっているんだろう……。」
見た目だけとはいえ子供のメル相手に本当に何をやっているのかという後悔の念が急にわき上がった。
思い切り落ち込んでからメルの布団の中の香りを思い切り嗅ぎ、落ち込む自分を誤魔化す。
それからしばらくすると臙脂色のコートを着て上田は夜の町に繰り出した。
「変態過ぎるだろ俺………、常識的に考えろよ。」
彼も落ち込むときがあるのだ。
何時でもそれが使えるようにだ。
寝室をのぞき込むとメルは寝息を立てて眠っていた。
上田明也はゆっくりと彼女に近づくと彼女の頬をつつく。
「む、むきゅうう………!」
可愛らしく呻いてメルが寝返りを打つ。
「やっぱり可愛いなあ、このロリ。」
そう呟くと上田はメルの二の腕をプニプニと揉み始めた。
肌にはツヤとハリが有るだけでなく吸い付くような弾力がある。
骨は細い。
子供なのだから当然だ。
「うへへへへ……。」
二の腕を揉まれると気持ちよさそうに笑うメル。
だらしなく口まで開けている。
「やっぱり二の腕が気持ちいいのか?だらしない顔しやがって。
この(ピー)な(ピー)め!
ほら、おねだりでもしてみたらどうだ!」
ちょっとテンションが上がってニコニコしながらそんな事を呟く上田。
「Zzz………。」
しかしメルはおねだりではなくおねんねしていた。
「俺は何をやっているんだろう……。」
見た目だけとはいえ子供のメル相手に本当に何をやっているのかという後悔の念が急にわき上がった。
思い切り落ち込んでからメルの布団の中の香りを思い切り嗅ぎ、落ち込む自分を誤魔化す。
それからしばらくすると臙脂色のコートを着て上田は夜の町に繰り出した。
「変態過ぎるだろ俺………、常識的に考えろよ。」
彼も落ち込むときがあるのだ。
ビルが建ち並ぶ町のど真ん中で上田明也は天を仰いだ。
「月の見えない夜、か。」
その夜は雲が出ていて月が隠れていた。
真っ暗だった。
空を仰ぎながら上田明也は詰まらなさそうに呟く。
彼は嫌なことがあると誰にも言わずに散歩に出ることが良くあった。
そして、そんな時、彼はよくトラブルに巻き込まれた。
「月の見えない夜、か。」
その夜は雲が出ていて月が隠れていた。
真っ暗だった。
空を仰ぎながら上田明也は詰まらなさそうに呟く。
彼は嫌なことがあると誰にも言わずに散歩に出ることが良くあった。
そして、そんな時、彼はよくトラブルに巻き込まれた。
「キャアアアア!!!」
今日もそうだった。
路地裏から響く女性の悲鳴、それに息を荒くした若い男の呼吸音、そして殺気。
都市伝説と契約したことで感覚が鋭敏になっている上田明也は何が起きているか理解した。
しかし彼はそんな物に興味は示さなかった。
「うっせぇな……。」
誰かがどんなに必死でも彼には精々そんなもの。
悲鳴はすぐに止んだ。
しかし妙だ、悲鳴はすぐに止んだがさっきから犯人の男の物らしき殺気ばかりは続いている。
しかもそれは間違いなく上田に向けられているのだ。
まるで彼を挑発しているかのように、殺気は犯行現場から離れて彼を追いかける。
パチィン!
パチィン!
上田が無視し続けていると今度は手を叩くような音が聞こえる。
「こちら鬼さん、手の鳴る方へ……、てか。
――――――馬鹿にするのも大概にしろ。」
挑発的な男だ。
そう思った上田明也は先程の暗い気持ちも忘れて戦闘的な気分になる。
今日もそうだった。
路地裏から響く女性の悲鳴、それに息を荒くした若い男の呼吸音、そして殺気。
都市伝説と契約したことで感覚が鋭敏になっている上田明也は何が起きているか理解した。
しかし彼はそんな物に興味は示さなかった。
「うっせぇな……。」
誰かがどんなに必死でも彼には精々そんなもの。
悲鳴はすぐに止んだ。
しかし妙だ、悲鳴はすぐに止んだがさっきから犯人の男の物らしき殺気ばかりは続いている。
しかもそれは間違いなく上田に向けられているのだ。
まるで彼を挑発しているかのように、殺気は犯行現場から離れて彼を追いかける。
パチィン!
パチィン!
上田が無視し続けていると今度は手を叩くような音が聞こえる。
「こちら鬼さん、手の鳴る方へ……、てか。
――――――馬鹿にするのも大概にしろ。」
挑発的な男だ。
そう思った上田明也は先程の暗い気持ちも忘れて戦闘的な気分になる。
「誰だよ?善良な市民に喧嘩売っていると警察呼ぶぞ?」
むしろしょぼく見える脅し文句を彼は虚空に向かって吐きつける。
しかし答える人間は居ない。
上田明也は呆れたように首を振ると携帯を取りだした。
むしろしょぼく見える脅し文句を彼は虚空に向かって吐きつける。
しかし答える人間は居ない。
上田明也は呆れたように首を振ると携帯を取りだした。
「あー、すいません警察ですか?」
仕方がないので警察に通報を始める。
ガサッガサッ!
上田の背後で紙袋を丸めるような物音がする。
「はい、実はなんでもないんです。」
そう言ってすぐに電話を切る上田。
これでは完全に悪戯電話だ。
「おい、あんた何やってるんだよ!折角会えたのにこれじゃあ意味ないじゃないか!」
なんだ、恐ろしい変態殺人鬼か。
上田明也はそう思って後ろを振り返る。
上田明也は口をポカーンと開いてしまった。
仕方がないので警察に通報を始める。
ガサッガサッ!
上田の背後で紙袋を丸めるような物音がする。
「はい、実はなんでもないんです。」
そう言ってすぐに電話を切る上田。
これでは完全に悪戯電話だ。
「おい、あんた何やってるんだよ!折角会えたのにこれじゃあ意味ないじゃないか!」
なんだ、恐ろしい変態殺人鬼か。
上田明也はそう思って後ろを振り返る。
上田明也は口をポカーンと開いてしまった。
「折角会ったんだ。」
そう、そこには紙袋に左右不対称な目を書いて頭に被っている黒服の男が立っていた。
「遊ぼう、ハーメルンの笛吹き。」
男は上田に向けて手を伸ばした。
「――――――――――――おぞましい変態殺人鬼か!」
手持ちの拳銃で男を撃つ上田。
二、三発撃たれてよろける青年。
それを確認すると上田はいっきに近づいて先程研いだばかりの鉈を青年の肩に叩きつけた。
グシャア!
派手な音を立てて青年の肩から血が吹き出る。
青年は後ろにのけぞりながらも上田の目を真っ直ぐ見て
「あそぼうよ」
と言いながら倒れ込んだ。
手持ちの拳銃で男を撃つ上田。
二、三発撃たれてよろける青年。
それを確認すると上田はいっきに近づいて先程研いだばかりの鉈を青年の肩に叩きつけた。
グシャア!
派手な音を立てて青年の肩から血が吹き出る。
青年は後ろにのけぞりながらも上田の目を真っ直ぐ見て
「あそぼうよ」
と言いながら倒れ込んだ。
「なんなんだこいつ?」
怪訝な顔をしながら男の服で鉈から血を拭き取る上田。
「僕と遊ぶとね。」
先程と同じ声が響く。
「新手の都市伝説か……。」
うんざりしながら上田が後ろを振り返ると先程殺した男と同じ顔をした男が立っていた。
怪訝な顔をしながら男の服で鉈から血を拭き取る上田。
「僕と遊ぶとね。」
先程と同じ声が響く。
「新手の都市伝説か……。」
うんざりしながら上田が後ろを振り返ると先程殺した男と同じ顔をした男が立っていた。
「――――――みんな死んじゃうんだよ。」
後ろに引き下がりながら青年に向けて上田は銃弾を叩き込む。
その青年も簡単に死んだ。
その青年も簡単に死んだ。
「くそ、これはなんの都市伝説だ!?」
これだけの数は相手にしていられない。
その場から逃げ出す上田明也。
そしてあそぼうと言ってついてくる男達の群。
これだけの数は相手にしていられない。
その場から逃げ出す上田明也。
そしてあそぼうと言ってついてくる男達の群。
「あそぼ――――――!」
頭骨を砕き
「あそブフゥ!」
肋骨を両断し
「あそぼ……。」
大腿骨を撃ち貫いても男達の群は止まることを知らない。
頭骨を砕き
「あそブフゥ!」
肋骨を両断し
「あそぼ……。」
大腿骨を撃ち貫いても男達の群は止まることを知らない。
「畜生……。これが数の暴力か?」
吹き出した返り血が彼の顔にべっとりとまとわりついては零れ落ちる。
しかし上田にはそれを拭く暇すらない。
鼠は先程からずっと呼んでいるが冬の為に動きが遅く、上田を守るにはとても足りない。
鼠の大群がここに来るまでに上田の方がやられてしまいそうだ。
しかし上田にはそれを拭く暇すらない。
鼠は先程からずっと呼んでいるが冬の為に動きが遅く、上田を守るにはとても足りない。
鼠の大群がここに来るまでに上田の方がやられてしまいそうだ。
「あそぼう」
「あそぼう」
「あそぼう」
「あそぼう」
上田の背後から声が響く。
「あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう」
「あそぼう」
「あそぼう」
「あそぼう」
上田の背後から声が響く。
「あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
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あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
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あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
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あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう
あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう」
いつの間にか上田は十字路で先程の青年とまったく同じ紙袋を被った男達に囲まれていた。
何本も何本も刃物を振るって応戦するがそれでも男達は近づいてくる。
とっくに銃弾は撃ち尽くし、ひたすら刃物で戦うしかなかったのだ。
「蜻蛉切!」
上田が村正蜻蛉切を抜き放つ。
すると突然、男達の動きが止まる。
それを奇妙に思いつつ蜻蛉切で目の前の男達を箸で挟まれた豆腐のように解体した。
何本も何本も刃物を振るって応戦するがそれでも男達は近づいてくる。
とっくに銃弾は撃ち尽くし、ひたすら刃物で戦うしかなかったのだ。
「蜻蛉切!」
上田が村正蜻蛉切を抜き放つ。
すると突然、男達の動きが止まる。
それを奇妙に思いつつ蜻蛉切で目の前の男達を箸で挟まれた豆腐のように解体した。
戦いの中で彼の疲労はピークに達していた。
ピークに達してこそ居るがなぜだか身体だけは動き続ける。
まるで鬼のような表情で上田明也は目の前の青年を肉片に変え続けた。
ピークに達してこそ居るがなぜだか身体だけは動き続ける。
まるで鬼のような表情で上田明也は目の前の青年を肉片に変え続けた。
刺して
切って
薙いで
抉って
切って
薙いで
抉って
何時の頃からだろうか?
上田明也の身体に変化が起きていた。
なんというか動きに無駄がなくなっている。
最小限の動きで敵を斬りつけ、最小限の動きで伸びる手足から身を躱す。
あと5cm近かったら捕まっていた、あと5cm遠かったら仕留め損ねていた。
そのギリギリのところをつく絶妙な動きで戦っている。
普段の蜻蛉切使用時とは明らかに異なる反応速度だ。
蜻蛉切の逸話には持ち主が戦場で傷を受けないという物がある。
今まで上田は何度もそれに助けられているが今回はそれとは何か異質の不気味さがあった。
上田明也の身体に変化が起きていた。
なんというか動きに無駄がなくなっている。
最小限の動きで敵を斬りつけ、最小限の動きで伸びる手足から身を躱す。
あと5cm近かったら捕まっていた、あと5cm遠かったら仕留め損ねていた。
そのギリギリのところをつく絶妙な動きで戦っている。
普段の蜻蛉切使用時とは明らかに異なる反応速度だ。
蜻蛉切の逸話には持ち主が戦場で傷を受けないという物がある。
今まで上田は何度もそれに助けられているが今回はそれとは何か異質の不気味さがあった。
彼の羽化の瞬間は突然だった。
「くく……ふふ、ふふふふ!ははははは!あっはっはっはっはっは!」
疲労の余り声も出なくなっていた筈の上田が高笑いを始める。
気でもおかしくなったのだろうか?
しかしその瞳はいつも以上に強く真っ直ぐに見開かれていた。
紙袋の青年達は異常に気付き上田の周りからゆっくりと離れ始める。
気でもおかしくなったのだろうか?
しかしその瞳はいつも以上に強く真っ直ぐに見開かれていた。
紙袋の青年達は異常に気付き上田の周りからゆっくりと離れ始める。
「面白い、面白いから遊んでやろう。
村正だけじゃ足りないかぁ?
そうだな、斬り殺してやる刺し殺してやる縊り殺してやる殴り殺してやる喰い殺してやる。
どんな形が良い?人間の尊厳たる自由意志だけは尊重してやるよ。
どのみちお前らは藁のように死ぬのだから。」
臙脂色のコートを脱ぎ捨てると中から大量の刃物が現れる。
それらの全てが上田明也自身の手で丁寧に丹念に研ぎ澄まされた刃物達。
それらの全てが上田明也自らの手で異常な愛情をそそぎ込まれた刃物達。
それらはまるで意志を持っているかのように上田明也の周りを浮遊する。
「例えば、このスローイングナイフ!」
浮遊するナイフの中から一つを手に取り投げつける。
それはまるでプロの野球選手が投げるストレートのように人の群に突き刺さり貫通してコンクリートの壁でやっと止まる。
「う、うわああああああ!!!!なんなんだお前はァ!?」
「あんなのハーメルンの笛吹きじゃないぞ!」
「逃げろ!ここは撤退だ!」
先程まであそぼうと言って上田に群がっていた袋を被った男達は必死で逃げ始めた。
村正だけじゃ足りないかぁ?
そうだな、斬り殺してやる刺し殺してやる縊り殺してやる殴り殺してやる喰い殺してやる。
どんな形が良い?人間の尊厳たる自由意志だけは尊重してやるよ。
どのみちお前らは藁のように死ぬのだから。」
臙脂色のコートを脱ぎ捨てると中から大量の刃物が現れる。
それらの全てが上田明也自身の手で丁寧に丹念に研ぎ澄まされた刃物達。
それらの全てが上田明也自らの手で異常な愛情をそそぎ込まれた刃物達。
それらはまるで意志を持っているかのように上田明也の周りを浮遊する。
「例えば、このスローイングナイフ!」
浮遊するナイフの中から一つを手に取り投げつける。
それはまるでプロの野球選手が投げるストレートのように人の群に突き刺さり貫通してコンクリートの壁でやっと止まる。
「う、うわああああああ!!!!なんなんだお前はァ!?」
「あんなのハーメルンの笛吹きじゃないぞ!」
「逃げろ!ここは撤退だ!」
先程まであそぼうと言って上田に群がっていた袋を被った男達は必死で逃げ始めた。
「下らないことを言うね、神様だよ。」
周囲を飛んでいる刃物の中から適当な物を選ぶと上田は走り出した。
恐怖で逃げ惑う人々の群を後ろから悉殺するのだ!自分一人で!
そう思うと上田明也の心は不思議なほど昂ぶっていた。
月のない夜なのに彼の目は獣のように爛々と煌めき、彼の周りを飛び交う刃物は星のような白金色に瞬いていた。
恐怖で逃げ惑う人々の群を後ろから悉殺するのだ!自分一人で!
そう思うと上田明也の心は不思議なほど昂ぶっていた。
月のない夜なのに彼の目は獣のように爛々と煌めき、彼の周りを飛び交う刃物は星のような白金色に瞬いていた。
上田が二本のナイフを無造作に振り下ろすと黒服の身体がパックリと三枚に卸される。
断面からは鮮やかな血と暖かい内蔵が零れて潰れる。
しかし返り血が吹き出すその直前に上田は消えている。
「神様から逃げられると思うなよ?」
ゆらりゆらりと動き回りながら血走った目で黒服を殺し回る様はまるで幽鬼のようだ。
断面からは鮮やかな血と暖かい内蔵が零れて潰れる。
しかし返り血が吹き出すその直前に上田は消えている。
「神様から逃げられると思うなよ?」
ゆらりゆらりと動き回りながら血走った目で黒服を殺し回る様はまるで幽鬼のようだ。
――――――チチチチ!
――――――――――――チチチチチチチッ!
――――――――――――チチチチチチチッ!
雪のせいで遅れたネズミ達が今になって到着する。
町中の鼠が集まって黒服を閉じ込められるだけのバリケードを作り上げていた。
「うわああああああああああああああ!!!」
町中の鼠が集まって黒服を閉じ込められるだけのバリケードを作り上げていた。
「うわああああああああああああああ!!!」
サクッ
サクッ
サクッ
サクッ
サクッ
サクッ
サクッ
狂気と狂喜と歓喜と怪奇に支配された真っ赤な影が雪を踏みしめて黒服に向けてゆっくりと歩いてきた。
「なぁ、あはははははは!」
その声は既に上田明也のそれではない。
「“俺”と遊ぼうぜぇ?」
首をダランと曲げて先程捨てた血に染まったコートを再び着ながら一歩ずつ黒服に近づく。
「来るな!来るな!来るな!」
BANG!
ガキン!
半狂乱で一人になった黒服――――――恐らく本体が銃を取り出して上田に向けて撃つ。
しかしそれは上田の周りをくるくると回る刃物によって簡単に弾かれてしまった。
「ハハハハハハハハハハハハ!脆い!脆いぞ!」
上田明也は村正を右手に持ち直すと真っ直ぐ振り下ろした。
次の瞬間、紙袋を被った黒服の青年の視界は真っ暗になった。
最後に見た上田明也は化け物以外の何者でもなかった。
「うふふ………。」
化け物は低い声で何時までも笑っていた。
「なぁ、あはははははは!」
その声は既に上田明也のそれではない。
「“俺”と遊ぼうぜぇ?」
首をダランと曲げて先程捨てた血に染まったコートを再び着ながら一歩ずつ黒服に近づく。
「来るな!来るな!来るな!」
BANG!
ガキン!
半狂乱で一人になった黒服――――――恐らく本体が銃を取り出して上田に向けて撃つ。
しかしそれは上田の周りをくるくると回る刃物によって簡単に弾かれてしまった。
「ハハハハハハハハハハハハ!脆い!脆いぞ!」
上田明也は村正を右手に持ち直すと真っ直ぐ振り下ろした。
次の瞬間、紙袋を被った黒服の青年の視界は真っ暗になった。
最後に見た上田明也は化け物以外の何者でもなかった。
「うふふ………。」
化け物は低い声で何時までも笑っていた。
翌日
上田明也はメルの寝ているベッドによりかかったまま突っ伏していた。
「………夢?」
それにしては生々しい夢だ。
起き抜けのはっきりしない頭を総動員させて上田明也は昨日のことを思い出す。
「それにしてもやけに生々しかった。」
どうやらメルの腕をぷにぷにしたところで寝てしまっていたらしい。
彼はそう思っていた。
「………夢?」
それにしては生々しい夢だ。
起き抜けのはっきりしない頭を総動員させて上田明也は昨日のことを思い出す。
「それにしてもやけに生々しかった。」
どうやらメルの腕をぷにぷにしたところで寝てしまっていたらしい。
彼はそう思っていた。
「マスターどこで寝ているんですか?」
ベッドで寝ているメルが上田の頭をぽふぽふと叩く。
「いや、お前の匂い嗅いでたらそのまま寝ていたみたいだ。」
「変態ですね。」
「失礼な、ド変態だ。
幼女って甘い、というか乳臭い良い香りがするんだぞ。」
「一遍死ねば良い。マスターからは知らない都市伝説の匂いがしますよ。」
「うーん……、死ぬような夢なら見たけどな。
都市伝説を使う黒服の男達に追い回されて囲まれるんだよ。
そこから急に意識が無くなってさ…………。」
ベッドで寝ているメルが上田の頭をぽふぽふと叩く。
「いや、お前の匂い嗅いでたらそのまま寝ていたみたいだ。」
「変態ですね。」
「失礼な、ド変態だ。
幼女って甘い、というか乳臭い良い香りがするんだぞ。」
「一遍死ねば良い。マスターからは知らない都市伝説の匂いがしますよ。」
「うーん……、死ぬような夢なら見たけどな。
都市伝説を使う黒服の男達に追い回されて囲まれるんだよ。
そこから急に意識が無くなってさ…………。」
上田が自分の銃から弾が無くなっていることに気付いて首をかしげるのは数時間後のことである。
【上田明也の綺想曲9~あそぼう~ fin】
【上田明也の綺想曲9~あそぼう~ fin】