【上田明也の協奏曲27~コガネイロウインド、もしくはやる気のない黒服の人にマジ土下座~】
「先ほどお姉さんと言ったが近づいて見てみると俺より年下っぽい外見だった。
雰囲気はお姉さんぽかったんだ。
なんかもうおねえちゃ~ん!って甘えたくなるくらいお姉ちゃんだったんだ。
せめてもの言い訳を皆さんには許して欲しい。」
「何を言っているんですか№6?」
「ああ、すまん。ちょいと独り言。」
「ええと、こちらがY-№0の葉さんです。」
雰囲気はお姉さんぽかったんだ。
なんかもうおねえちゃ~ん!って甘えたくなるくらいお姉ちゃんだったんだ。
せめてもの言い訳を皆さんには許して欲しい。」
「何を言っているんですか№6?」
「ああ、すまん。ちょいと独り言。」
「ええと、こちらがY-№0の葉さんです。」
サンジェルマンの言うところの仲の良い組織の人間。
Y-№0
見た目としては女子高生くらい。
街で携帯弄っていてもおかしくないかも。
Y-№0
見た目としては女子高生くらい。
街で携帯弄っていてもおかしくないかも。
「お初にお目にかかります、F-№6です。」
「よろしく~。F-№6ねえ……、サンジェルマンも面白いものを……。」
「葉様、この人……!」
「ああ、良いの良いの、こいつは危険じゃないよ。」
「そうなんですか……?」
「少なくともそこの錬金術師よりは安全だ。
とりあえず二人ともさっさと部屋入ってー。」
「よろしく~。F-№6ねえ……、サンジェルマンも面白いものを……。」
「葉様、この人……!」
「ああ、良いの良いの、こいつは危険じゃないよ。」
「そうなんですか……?」
「少なくともそこの錬金術師よりは安全だ。
とりあえず二人ともさっさと部屋入ってー。」
自然な流れでトリプルテールの少女共々部屋に引っ張りこまれてしまう俺。
なんかやっぱりお姉さんな気がする。
なんかやっぱりお姉さんな気がする。
「まあ彼の正体はどうでも良いじゃないですか。
今大事なのは、彼が貴方の模擬戦の相手と言うことですよ。
Y-№13、F-№6、貴方たちには私たちの昼飯をかけて戦って貰います。」
「え、私が葉さんから聞いていたのは模擬戦だって……。」
「俺もだ、お互い怪我しないようにルールを決めて戦うだけと聞いていたぞ。
葉さんとお前の昼飯の件についてはまったく聞いてない。」
「ああ、それはついさっき決めただけです。
今回の勝負とはまったく関係ないので気にしないでください。
じゃあそろそろ時空間移動おっぱじめちゃうんでそこら辺の物に適当に捕まっててくださいねー。」
「え、ちょ、待…………!」
今大事なのは、彼が貴方の模擬戦の相手と言うことですよ。
Y-№13、F-№6、貴方たちには私たちの昼飯をかけて戦って貰います。」
「え、私が葉さんから聞いていたのは模擬戦だって……。」
「俺もだ、お互い怪我しないようにルールを決めて戦うだけと聞いていたぞ。
葉さんとお前の昼飯の件についてはまったく聞いてない。」
「ああ、それはついさっき決めただけです。
今回の勝負とはまったく関係ないので気にしないでください。
じゃあそろそろ時空間移動おっぱじめちゃうんでそこら辺の物に適当に捕まっててくださいねー。」
「え、ちょ、待…………!」
ガタァン!
「キャン!」
大きな音と振動。
危うく舌をかむところだった。
危うく舌をかむところだった。
「舌噛んだ~……。」
一人本当に舌を噛んでいた。
「三尾、大丈夫?まったく、お前の移動はいつも荒いなー。」
「少し距離が遠かった物ですから……すいませんね、とりあえずドア開けてみてください。」
「少し距離が遠かった物ですから……すいませんね、とりあえずドア開けてみてください。」
葉……さん、が部屋のドアを開ける。
「うおわあああああああああ!?」
「どうしたんですか葉様……?
ええええええええええええええええええ!?」
「サンジェルマン、お前まさか転移先ミスったんじゃねえだろうな……。」
「どうしたんですか葉様……?
ええええええええええええええええええ!?」
「サンジェルマン、お前まさか転移先ミスったんじゃねえだろうな……。」
葉さんと三尾の少女の悲鳴を聞いた俺は二人を押しのけてドアの向こう側を覗いた。
「なんじゃ、こりゃあ…………。」
金色。
金ぴか。
金襴緞子。
錦繍スペクトル。
草も空気も川も川面も空も太陽も海も山も雲も木々もそれを彩る木の葉さえ
犬も猫も馬も牛も人も魚などは水から跳ねたその瞬間ほとばしる水滴ごと
諸々物々一切合切全て余さず漏らさず生かさず殺さずねがいましては全て併せてつるっとまるっとエブリウェア
全体的に徹底的に根底的に究極的に絶望的に最終的に
とにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにもかくにも
世界のありとあらゆる黄金を其処に集めて国を作ったのか
古の愚かな王と同じ呪いを受けた人間をそこに投げ捨てたのか
それともその両方かのように、全てが金色。
純金で輝く世界。
金ぴか。
金襴緞子。
錦繍スペクトル。
草も空気も川も川面も空も太陽も海も山も雲も木々もそれを彩る木の葉さえ
犬も猫も馬も牛も人も魚などは水から跳ねたその瞬間ほとばしる水滴ごと
諸々物々一切合切全て余さず漏らさず生かさず殺さずねがいましては全て併せてつるっとまるっとエブリウェア
全体的に徹底的に根底的に究極的に絶望的に最終的に
とにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにかくとにもかくにも
世界のありとあらゆる黄金を其処に集めて国を作ったのか
古の愚かな王と同じ呪いを受けた人間をそこに投げ捨てたのか
それともその両方かのように、全てが金色。
純金で輝く世界。
眼が痛い。
「いいや、此処で良いんですよ。此処が私の研究所(アトリエ)です。」
そう言うと、サンジェルマンは静かに胸元で十字を切った。
「お前、……こんなの組織のデータにないぞ?
いや秘密の研究所くらい有っても良いんだけどこんなみょうちくりんな……。」
「良いじゃないですか、秘密なんだからデザインをまともにする必要はありません。」
「これ全部お前の能力か?」
「報告義務は無いって事で許してください。
二人とも、突っ立ってないで早く着いてきてください。
勝負にちょうど良い場所がありますから。」
いや秘密の研究所くらい有っても良いんだけどこんなみょうちくりんな……。」
「良いじゃないですか、秘密なんだからデザインをまともにする必要はありません。」
「これ全部お前の能力か?」
「報告義務は無いって事で許してください。
二人とも、突っ立ってないで早く着いてきてください。
勝負にちょうど良い場所がありますから。」
サンジェルマンはそう言うと只立ち尽くすばかりだった俺と三尾に手招きをする。
俺たちが彼に従ってしばらく歩いていくと、そこには純金の森林があった。
木の種類は大半が針葉樹、触れば痛いでは済まないだろう。
俺たちが彼に従ってしばらく歩いていくと、そこには純金の森林があった。
木の種類は大半が針葉樹、触れば痛いでは済まないだろう。
「ここです。
お二人には此処で模擬戦を行って貰いたいと思います。
ルールは私と葉さんで話し合った結果、次のようになりました。
勝利条件は、お互いの頭に付けられた風船を割り、なおかつ相手の都市伝説の名前を当てることです。
多重契約をしている場合、使う都市伝説は一つまでにしてください。
審判は私と葉さんが行うので私たちの両方に都市伝説の名前を伝える時は、私たち二人に名前を伝えてくださいね。
敗北条件は、相手の身体に攻撃をあてることです。
怪我の程度によらず、ですから注意してください。
ただし故意に攻撃に当たりに行った場合は……
まあお互い自殺願望も勝って得することもないんで多分無いと思いますけどね。
ちなみに自分の身体に向かっている避けられる攻撃を避けなかった場合は、
……死んでも勝ちたいならどうぞ。
即死じゃない限り治しますけど自分から当たりに行って無事であるとは思えません。」
お二人には此処で模擬戦を行って貰いたいと思います。
ルールは私と葉さんで話し合った結果、次のようになりました。
勝利条件は、お互いの頭に付けられた風船を割り、なおかつ相手の都市伝説の名前を当てることです。
多重契約をしている場合、使う都市伝説は一つまでにしてください。
審判は私と葉さんが行うので私たちの両方に都市伝説の名前を伝える時は、私たち二人に名前を伝えてくださいね。
敗北条件は、相手の身体に攻撃をあてることです。
怪我の程度によらず、ですから注意してください。
ただし故意に攻撃に当たりに行った場合は……
まあお互い自殺願望も勝って得することもないんで多分無いと思いますけどね。
ちなみに自分の身体に向かっている避けられる攻撃を避けなかった場合は、
……死んでも勝ちたいならどうぞ。
即死じゃない限り治しますけど自分から当たりに行って無事であるとは思えません。」
さらっと怖い事言わないで欲しい物だ。
「そういえば思い出したんだけどさ。」
「どうしたんですかウ……、№6?」
「サンジェルマン、ウって何だウって。其処にいるのは№6じゃないのか?」
「呼び慣れてないんだから仕方ないじゃないですか。」
「お前、自分で呼び慣れてないって認めるなよ!」
「あーもう面倒だなあ、もう組織の中じゃないから良いだろう?はっきり言っちゃえ。」
「えー、じゃあ名前言っちゃっていいですか笛吹さん?」
「もう言っているんじゃねえか!」
「なんだってー、№6の正体はハーメルンの笛吹きとして組織と敵対する笛吹丁だったのかー。」
「くっくっく、バレちまっちゃしょうがないな。
中々良い感しているじゃないか姉ちゃんよぉ。」
「伊達に№0は張ってないさー。」
「ふっ、棒読みだが良い返事だ。DANDAN心惹かれ始めて来たよ。」
「ま、私はとっくに笛吹さんのまぶしい笑顔に心惹かれてマスケド。」
「あ゛ッー!?急に手を握るな!」
「あ、二人ともそういう仲なのね。別に愛には色々な形が有ると思うから私はまったく気にしないよ。」
「ちがああああああああああああああああああああう!」
「貴方たちは一体何漫才してるですか。」
「そういえば三尾ちゃんって眼がクリッとしてて可愛いよね。」
「そして笛吹きは何言っているのですか。」
「おいおい、家の三尾はそう簡単に渡せないぜ?」
「安心してください、笛吹さんは現在浮気発覚→都市伝説に見捨てられ
という愉快極まりない状況になっているので本当に女性に手を出すほど元気はありません。」
「そういう事言うなよ!」
「どうしたんですかウ……、№6?」
「サンジェルマン、ウって何だウって。其処にいるのは№6じゃないのか?」
「呼び慣れてないんだから仕方ないじゃないですか。」
「お前、自分で呼び慣れてないって認めるなよ!」
「あーもう面倒だなあ、もう組織の中じゃないから良いだろう?はっきり言っちゃえ。」
「えー、じゃあ名前言っちゃっていいですか笛吹さん?」
「もう言っているんじゃねえか!」
「なんだってー、№6の正体はハーメルンの笛吹きとして組織と敵対する笛吹丁だったのかー。」
「くっくっく、バレちまっちゃしょうがないな。
中々良い感しているじゃないか姉ちゃんよぉ。」
「伊達に№0は張ってないさー。」
「ふっ、棒読みだが良い返事だ。DANDAN心惹かれ始めて来たよ。」
「ま、私はとっくに笛吹さんのまぶしい笑顔に心惹かれてマスケド。」
「あ゛ッー!?急に手を握るな!」
「あ、二人ともそういう仲なのね。別に愛には色々な形が有ると思うから私はまったく気にしないよ。」
「ちがああああああああああああああああああああう!」
「貴方たちは一体何漫才してるですか。」
「そういえば三尾ちゃんって眼がクリッとしてて可愛いよね。」
「そして笛吹きは何言っているのですか。」
「おいおい、家の三尾はそう簡単に渡せないぜ?」
「安心してください、笛吹さんは現在浮気発覚→都市伝説に見捨てられ
という愉快極まりない状況になっているので本当に女性に手を出すほど元気はありません。」
「そういう事言うなよ!」
困った。
そもそも話そうと思っていたことがまったく話せない。
そもそも話そうと思っていたことがまったく話せない。
「そういえば葉さん、家の三尾は渡さないということでしたが……。
俺がもしこの勝負で勝ったら!食事に誘うくらいは認めてくれても、いいや!
メールアドレスの交換くらいは許してもらっても良いでしょう!」
「おいおい、私が言った傍からメアド交換希望?不屈ってレベルじゃないですよ?
なにそれ、自殺志願?」
「面白そうだ、が。そこらへんはやはり個人の問題だからなあ……。」
「勿論俺が負けた場合はこの、
『ハッピー・ピエロ、夏のゴージャスデザートバイキング無料券』を二人に差し上げましょう!
ちなみに探偵としての仕事で報酬として貰ったので家にはあと何枚か余っているぜ!」
「なにぃ、……乗った!」
「葉様、私を無視して決めないでください。」
「安心しろ、三尾。私だって部下をこんな変態にさらさら渡す気はない。」
「会って五分で変態呼ばわり!?」
「F-№関連な時点でもう…………ね。」
「私は変態ではありません!男も女もいけるだけです!」
「ハイ、それアウトオオオオオオ!」
「突っ込みが追いつきません……。」
「そこでだ、良く聞け笛吹。三尾の代わりに私が賭の商品になろう!
しかし私が賭けるのはメアドではない!
―――――――――――――――私の履いているパンツだ。」
「「な、なんだってー!!」」
「駄目です葉様!なんていうか色々アウトです!」
「良いだろう、部下の為に身を張るその精神、惚れたぜ!
こっちの№0とは大違いだ!
賭の内容はそれでいこう!」
俺がもしこの勝負で勝ったら!食事に誘うくらいは認めてくれても、いいや!
メールアドレスの交換くらいは許してもらっても良いでしょう!」
「おいおい、私が言った傍からメアド交換希望?不屈ってレベルじゃないですよ?
なにそれ、自殺志願?」
「面白そうだ、が。そこらへんはやはり個人の問題だからなあ……。」
「勿論俺が負けた場合はこの、
『ハッピー・ピエロ、夏のゴージャスデザートバイキング無料券』を二人に差し上げましょう!
ちなみに探偵としての仕事で報酬として貰ったので家にはあと何枚か余っているぜ!」
「なにぃ、……乗った!」
「葉様、私を無視して決めないでください。」
「安心しろ、三尾。私だって部下をこんな変態にさらさら渡す気はない。」
「会って五分で変態呼ばわり!?」
「F-№関連な時点でもう…………ね。」
「私は変態ではありません!男も女もいけるだけです!」
「ハイ、それアウトオオオオオオ!」
「突っ込みが追いつきません……。」
「そこでだ、良く聞け笛吹。三尾の代わりに私が賭の商品になろう!
しかし私が賭けるのはメアドではない!
―――――――――――――――私の履いているパンツだ。」
「「な、なんだってー!!」」
「駄目です葉様!なんていうか色々アウトです!」
「良いだろう、部下の為に身を張るその精神、惚れたぜ!
こっちの№0とは大違いだ!
賭の内容はそれでいこう!」
話がどんどんおかしい方向にそれている。
が、この際構うことはあるまい。
可愛い女の子のパンツを貰えるならばそれはそれで有りという物だ。
が、この際構うことはあるまい。
可愛い女の子のパンツを貰えるならばそれはそれで有りという物だ。
「それでは勝負は時間無制限一本勝負。
二人とも初期位置に立ってください。」
「うぃーっす。」
「はーい。」
二人とも初期位置に立ってください。」
「うぃーっす。」
「はーい。」
俺と三尾は木を挟んで10m程離れて互いの都市伝説を準備する。
「勝利条件は相手の都市伝説の名前を当てること、
そして相手の頭の上の風船を割ることです。
都市伝説の名前は私たち二人に伝えてくださいね。」
「三尾頑張れ―、さもないと私が変態の毒牙にかかるぞー。」
「毒は毒でも一度溺れたら離れられない麻薬だぜ?」
「馬鹿な事言ってないで始めますよ。」
そして相手の頭の上の風船を割ることです。
都市伝説の名前は私たち二人に伝えてくださいね。」
「三尾頑張れ―、さもないと私が変態の毒牙にかかるぞー。」
「毒は毒でも一度溺れたら離れられない麻薬だぜ?」
「馬鹿な事言ってないで始めますよ。」
「用意、」
サンジェルマンが高く手を振り上げる。
「始め!」
合図の声が森の木々の間に響き渡る。
次の瞬間、三尾の姿が消えた。
次の瞬間、三尾の姿が消えた。
戦闘の前に俺が今契約している都市伝説の名前を先に明かしておきたい。
その名前とは『ロッズ』あるいは『スカイフィッシュ』である。
300km/hを越える高速で世界中を飛び回る未確認生命体だ。
知能はかなり高いのだがこいつらと人間の言語で会話は出来ない。
言語を操る能力が高いと自負している俺としては、
たとえ犬であれ魚であれ植物であれ知能の高い動物と会話できないというのは我慢できない。
これでもサンジェルマンの飼っているイルカとは会話できたのだ。
その名前とは『ロッズ』あるいは『スカイフィッシュ』である。
300km/hを越える高速で世界中を飛び回る未確認生命体だ。
知能はかなり高いのだがこいつらと人間の言語で会話は出来ない。
言語を操る能力が高いと自負している俺としては、
たとえ犬であれ魚であれ植物であれ知能の高い動物と会話できないというのは我慢できない。
これでもサンジェルマンの飼っているイルカとは会話できたのだ。
と言う訳で
俺はこいつらを操作する時に数字を使ってみることにした。
どんな生き物でもある程度の知能があれば数字を理解することは可能だ。
この実験はそこそこ成功し、
数式を通じてであれば日本語を使ってもそこそこロッズを操ることが出来るようになったのだ。
その上、契約から日にちが経つごとに単なる行動命令なら考えるだけで伝わるようにさえなった。
今では数字を使うことで複雑な命令を集団に出す練習をしているところだった。
どんな生き物でもある程度の知能があれば数字を理解することは可能だ。
この実験はそこそこ成功し、
数式を通じてであれば日本語を使ってもそこそこロッズを操ることが出来るようになったのだ。
その上、契約から日にちが経つごとに単なる行動命令なら考えるだけで伝わるようにさえなった。
今では数字を使うことで複雑な命令を集団に出す練習をしているところだった。
さて、話は現在に戻る。
タン!
タンッタンッ!
タンッタンッ!
金属に何かがぶつかる大きな音。
一瞬だけ木々の隙間から見える小さな影。
三尾の少女はその身体能力を生かしてモモンガのように木の間を飛び回っているらしい。
彼女の都市伝説は身体能力をあげる系統の物だと見て間違いないだろう。
俺の現在使っている都市伝説の性質上あまり近づけるのは良くない。
一瞬だけ木々の隙間から見える小さな影。
三尾の少女はその身体能力を生かしてモモンガのように木の間を飛び回っているらしい。
彼女の都市伝説は身体能力をあげる系統の物だと見て間違いないだろう。
俺の現在使っている都市伝説の性質上あまり近づけるのは良くない。
「α、β、γ、δ、座標軸俺でX^2+Y^2=3^2の円陣展開、間隔はπ/4
接近した物は全て迎撃せよ。」
接近した物は全て迎撃せよ。」
俺は自らの都市伝説に命令を下すと、消えてしまった三尾を探す。
その刹那
その刹那
パチィン!
俺の背後から何かが破裂する音が響く。
どうやら俺の都市伝説の内の一体がやられたらしい。
どうやら俺の都市伝説の内の一体がやられたらしい。
「其処か!
-10<y<-2の赤い物にΣは突撃しろ!」
-10<y<-2の赤い物にΣは突撃しろ!」
―――――――――ッパァン!
真後ろで大気がはぜる。
質量は少ないが時速300㎞/hを超える速度で物体が大量に移動したのだ。
その移動の時も乱気流を生み出しただろうが、
それが移動した後も滅茶苦茶な空気の波を生み出すに決まっている。
質量は少ないが時速300㎞/hを超える速度で物体が大量に移動したのだ。
その移動の時も乱気流を生み出しただろうが、
それが移動した後も滅茶苦茶な空気の波を生み出すに決まっている。
「っと、危ないですね。」
案の定風に煽られて三尾が木から落ちてきた。
しかし、それにしては着地が上手い。
どういうことだ?
しかし、それにしては着地が上手い。
どういうことだ?
すぐに体勢を立て直した三尾は真っ直ぐに突っ込んでくる。
自動で防御設定にしていたロッズ達が彼女の前に立ちふさがって高速運動する見えない流体の壁を作り出した。
自動で防御設定にしていたロッズ達が彼女の前に立ちふさがって高速運動する見えない流体の壁を作り出した。
三尾が腕を振る。
――――――ひぅん
――――――――ひぅん
――――――――ひぅん
次の瞬間、ロッズが真っ二つになった。
「何なんですか?透明で見えないけれどもこの辺りに確かに何か居る……。」
「ふっ、俺は鎌鼬の使い手なのさ。」
「それは嘘ですね。」
「ふっ、俺は鎌鼬の使い手なのさ。」
「それは嘘ですね。」
――――――ひぅん
――――――――ひぅん
――――――――ひぅん
まただ、またくる。
風船の近辺にロッズを大量に配置させ、もう一度見えない刃の壁にする。
風船の近辺にロッズを大量に配置させ、もう一度見えない刃の壁にする。
「ほう、何故断定できるんだ?」
「貴方のそれは、風の流れを邪魔しているじゃないですか。」
「貴方のそれは、風の流れを邪魔しているじゃないですか。」
ふむ、中々詩的な表現をする少女だ。
きゅんとした。
もう一度、ロッズを使って乱気流を発生させる。
今度は彼女の真後ろで気流を発生させてみよう。
きゅんとした。
もう一度、ロッズを使って乱気流を発生させる。
今度は彼女の真後ろで気流を発生させてみよう。
「……爆ぜろ。」
バァン!
……と爆発する筈だった空気が爆発しない。
俺が一瞬動揺した隙に、彼女は一気に距離を詰めてきた。
まずは頭部を狙った手刀。
俺には身体能力がない。
少し余裕を持って回避する為に大きく真後ろに飛んだ。
だが
……と爆発する筈だった空気が爆発しない。
俺が一瞬動揺した隙に、彼女は一気に距離を詰めてきた。
まずは頭部を狙った手刀。
俺には身体能力がない。
少し余裕を持って回避する為に大きく真後ろに飛んだ。
だが
バン!
俺の風船は見事に弾けてしまった。
まあ良い、近づいたついでに相手の風船も割ってしまおう。
俺は少し前に踏み込むと足にロッズを貼り付けて蹴りを繰り出す。
足が折れそうになる痛みを堪えながらもすばやく二撃目三撃目。
器用にも三尾はジャンプしたり、バック宙しながら俺の攻撃を躱す。
一度飛んで、空中に足場が有るかのように真横に移動したり、
足を使わないで真後ろに飛び退いたり。
ノーモーションでの急な移動。
空中における機動力。
間合いの外からの攻撃。
解った、が念のため確認を行うとしよう。
まあ良い、近づいたついでに相手の風船も割ってしまおう。
俺は少し前に踏み込むと足にロッズを貼り付けて蹴りを繰り出す。
足が折れそうになる痛みを堪えながらもすばやく二撃目三撃目。
器用にも三尾はジャンプしたり、バック宙しながら俺の攻撃を躱す。
一度飛んで、空中に足場が有るかのように真横に移動したり、
足を使わないで真後ろに飛び退いたり。
ノーモーションでの急な移動。
空中における機動力。
間合いの外からの攻撃。
解った、が念のため確認を行うとしよう。
「お前の都市伝説は解ったぜ。」
「――――――――え!?」
「鎌鼬、じゃないかな。」
「なんで解ったんですか?」
「え、それで良かったの?」
「…………騙したんですね!」
「騙したんじゃない、お前がポロッと言ったんだ!
葉さん、サンジェルマン、こいつの都市伝説って鎌鼬だろ?」
「当たりですね。」
「当たりだよ。」
「そんなああああああ!」
「――――――――え!?」
「鎌鼬、じゃないかな。」
「なんで解ったんですか?」
「え、それで良かったの?」
「…………騙したんですね!」
「騙したんじゃない、お前がポロッと言ったんだ!
葉さん、サンジェルマン、こいつの都市伝説って鎌鼬だろ?」
「当たりですね。」
「当たりだよ。」
「そんなああああああ!」
済まない三尾の少女よ。
俺は嘘つきなんだ。
俺は嘘つきなんだ。
「さーて、俺はその風船を破壊するだけで勝利か。
君の上司のパンツは頂きだぜ?
何色かなあ、黒だとお兄さんすっごく嬉しいぜ!」
「くっ、こんな変態に負ける訳には……!」
君の上司のパンツは頂きだぜ?
何色かなあ、黒だとお兄さんすっごく嬉しいぜ!」
「くっ、こんな変態に負ける訳には……!」
ロッズを大量に呼び出し、守備を捨てて攻撃に走る。
このゲーム、じつは先に風船を割らせてでも都市伝説の正体に気をつけた方が有利なのだ。
相手に怪我をさせてはならない模擬戦である以上、身体に攻撃は出来ない。
ターゲットである風船さえ割れてしまえば実質無敵状態。
ならばその間に都市伝説の正体を見定め、
その後攻撃できない相手を一気に倒してしまった方が楽という物だ。
このゲーム、じつは先に風船を割らせてでも都市伝説の正体に気をつけた方が有利なのだ。
相手に怪我をさせてはならない模擬戦である以上、身体に攻撃は出来ない。
ターゲットである風船さえ割れてしまえば実質無敵状態。
ならばその間に都市伝説の正体を見定め、
その後攻撃できない相手を一気に倒してしまった方が楽という物だ。
「ここで審判団協議の結果、ルール変更でーす。」
「へ?」
「風船を先に割った方は、割られた方に攻撃を仕掛けても反則にならなくなりました。
まあ殺したら反則だけどそこらへんは加減解るし大丈夫ですよね!」
「ちょっと待てええええ!?」
「ほらー、一方的に攻撃するだけだとなんか絵的に面白くないでしょ?」
「そうそう。」
「そうそうじゃねえサンジェルマン!
話が違うぞ!
そのルールを聞いていたから俺はこの作戦で戦ってたのに!」
「うるさいですねー、あまり審判団に文句付けてると……掘りますよ?」
「きゃー、男同士の禁断の世界ー。」
「葉さんもにやにや笑ってないでそこのホモ止めて!」
「がんばれよー、私は君を応援しているー。」
「へ?」
「風船を先に割った方は、割られた方に攻撃を仕掛けても反則にならなくなりました。
まあ殺したら反則だけどそこらへんは加減解るし大丈夫ですよね!」
「ちょっと待てええええ!?」
「ほらー、一方的に攻撃するだけだとなんか絵的に面白くないでしょ?」
「そうそう。」
「そうそうじゃねえサンジェルマン!
話が違うぞ!
そのルールを聞いていたから俺はこの作戦で戦ってたのに!」
「うるさいですねー、あまり審判団に文句付けてると……掘りますよ?」
「きゃー、男同士の禁断の世界ー。」
「葉さんもにやにや笑ってないでそこのホモ止めて!」
「がんばれよー、私は君を応援しているー。」
解った、こいつらと話しても無駄だ。
俺はさっさと三尾の風船を割るしかないようだ。
俺はさっさと三尾の風船を割るしかないようだ。
「――――――――射殺せ!」
高速で飛翔する矢のような音を立ててロッズが三尾の風船を狙う。
三尾は頭についた風船のひもをたぐりながら絶妙に風船の位置を移動させて躱している。
気流を読んで見えないはずのロッズの動きを捉えているらしい。
三尾は頭についた風船のひもをたぐりながら絶妙に風船の位置を移動させて躱している。
気流を読んで見えないはずのロッズの動きを捉えているらしい。
一、二体攻撃させた程度では躱されてしまうらしい。
だったら、数で攻める。
だったら、数で攻める。
「α、β、χ、δ、ε、φ、γ、η、ι…………!」
う゛ぅうぅうううぅぅぅぅぅん
う゛ぅぅうぅぅぅぅうううぅうぅん
う゛うぅうぅうぅううぅううぅうぅぅん
う゛ぅぅうぅぅぅぅうううぅうぅん
う゛うぅうぅうぅううぅううぅうぅぅん
幾つもの物体が空気を振るわせる音がする。
「1、2、3、4、5、6、7……、数えるのも面倒だ。
一体何処まで増やす気ですか。
そのうえこれ、“群体型”の都市伝説じゃない。
一つ一つ“個別の都市伝説”の気配がする。
貴方は一体幾つの都市伝説と契約してるんですか?」
「…………忘れた。」
一体何処まで増やす気ですか。
そのうえこれ、“群体型”の都市伝説じゃない。
一つ一つ“個別の都市伝説”の気配がする。
貴方は一体幾つの都市伝説と契約してるんですか?」
「…………忘れた。」
これが群体型じゃないことに気付いたか、勘の良い少女だ。
胸が躍る。
胸が躍る。
「――――――υ、ω、ξ、ψ、ζ、全部隊招集。
最高密度最高速度円陣展開座標軸修正。
あの赤い風船を座標軸として座標軸に向けて集中攻撃。
攻撃行動はx^2+y^2+z^2<0.01に限定。
それと最優先命令、生命反応の有る物は攻撃禁止。」
「くっ、日本語で話してください!」
「Excusez-moiってか。ちなみに意味はマジですいませんでした。
フランス語だよ。」
「しったこっちゃないです!」
「ですよねえ……、今だ射出!」
最高密度最高速度円陣展開座標軸修正。
あの赤い風船を座標軸として座標軸に向けて集中攻撃。
攻撃行動はx^2+y^2+z^2<0.01に限定。
それと最優先命令、生命反応の有る物は攻撃禁止。」
「くっ、日本語で話してください!」
「Excusez-moiってか。ちなみに意味はマジですいませんでした。
フランス語だよ。」
「しったこっちゃないです!」
「ですよねえ……、今だ射出!」
黄金で出来た木が裂ける。
荒れ狂う風が小枝を折って当たりに撒き散らす。
荒れ狂う風が小枝を折って当たりに撒き散らす。
「うわ、ずるっ!」
褒め言葉である。
空間が歪む。
本来透明なロッズがあまりに集まりすぎてしまった為に光が屈折しているのだ。
それと同時に彼女を中心に風の渦が出来る。
鎌鼬を使った竜巻か?
彼女としてもあれが恐らく模擬戦で出せる全力。
彼女を中心にして巻き起こる突風に俺は簡単に吹き飛ばされてしまった。
空間が歪む。
本来透明なロッズがあまりに集まりすぎてしまった為に光が屈折しているのだ。
それと同時に彼女を中心に風の渦が出来る。
鎌鼬を使った竜巻か?
彼女としてもあれが恐らく模擬戦で出せる全力。
彼女を中心にして巻き起こる突風に俺は簡単に吹き飛ばされてしまった。
「いってぇなあ……。」
黄金にたたきつけられたのだ。
痛くない訳がない。
それでも頑張って立ち上がる、よし、俺偉い。
少し自分を賞賛したい気分である。
しかし立っていたのは俺だけではない。
三尾の少女も、風船を守りきって其処に立っていたのだ。
痛くない訳がない。
それでも頑張って立ち上がる、よし、俺偉い。
少し自分を賞賛したい気分である。
しかし立っていたのは俺だけではない。
三尾の少女も、風船を守りきって其処に立っていたのだ。
「はぁ、はぁ、……貴方の都市伝説はもう残ってませんよね?」
「うん、まあ時間が経てば復活するけど……今ので一度に出せる数は限界だ。」
「あと、貴方の都市伝説も解りました。」
「うん、まあ時間が経てば復活するけど……今ので一度に出せる数は限界だ。」
「あと、貴方の都市伝説も解りました。」
三尾の少女がサンジェルマンと葉に叫ぼうとしたその瞬間。
隙だらけになったこの刹那。
隙だらけになったこの刹那。
パァン!
黄金の木立の中に乾いた音が谺した。
「FN-ファイブセブン、新型弾SS90(後に改良型のSS190)を用いるFN社の自動拳銃。
同社のP90をメインとした場合のサイドアームとして開発されたため、弾丸の共用が可能となっている。
使用弾薬のSS190は、ライフル弾を小型にしたようなボトルネック形状をしており、
弾頭は従来の拳銃弾のようなドングリ形ではなく鋭利な円錐形をしている。
そのため弾丸の初速が速く(秒速650メートル)、クラス3のボディアーマーを撃ち抜く貫通力を持つ。
弾が調達しづらいことを除けば命中精度、威力、速射性、共に素晴らしい銃器だ。
P-90をオタク銃アニメ銃漫画銃と馬鹿にしている馬鹿共を並べてこれでぶち抜いてやりたいよ。
あれはそもそもPDWと呼ばれる新しい発想を元にした銃器であって、
その過程における技術者の様々な創意工夫が詰まっているんだ。
それも知らずに散々馬鹿にしやがってマジ死ね畜生腹立つなあ!
ちなみにイギリス陸軍ではP-90が正式採用されたらしい。
銃器も新しい時代に入ったのかもね、たーのしみー。
最近ではMP7がとあるジャンプ漫画で使用されたんだけど、今度から使うとパクリじゃねえかとか笑われるのかな?
あれやる前から俺使ってたんだけどマジ腹立つわぁ。
あのMP7はH&K社のサブマシンガンで培った技術を利用して手堅い造りな所が高評価だよね。
マクロスのバルキリーで言えばYF-21とVF-19みたいな感じで対比できるかも。
さて、そんなことはどうでも良い。
すごくどうでも良いんだ。
三尾、君の風船は一体全体どうなっちゃっているかな?」
同社のP90をメインとした場合のサイドアームとして開発されたため、弾丸の共用が可能となっている。
使用弾薬のSS190は、ライフル弾を小型にしたようなボトルネック形状をしており、
弾頭は従来の拳銃弾のようなドングリ形ではなく鋭利な円錐形をしている。
そのため弾丸の初速が速く(秒速650メートル)、クラス3のボディアーマーを撃ち抜く貫通力を持つ。
弾が調達しづらいことを除けば命中精度、威力、速射性、共に素晴らしい銃器だ。
P-90をオタク銃アニメ銃漫画銃と馬鹿にしている馬鹿共を並べてこれでぶち抜いてやりたいよ。
あれはそもそもPDWと呼ばれる新しい発想を元にした銃器であって、
その過程における技術者の様々な創意工夫が詰まっているんだ。
それも知らずに散々馬鹿にしやがってマジ死ね畜生腹立つなあ!
ちなみにイギリス陸軍ではP-90が正式採用されたらしい。
銃器も新しい時代に入ったのかもね、たーのしみー。
最近ではMP7がとあるジャンプ漫画で使用されたんだけど、今度から使うとパクリじゃねえかとか笑われるのかな?
あれやる前から俺使ってたんだけどマジ腹立つわぁ。
あのMP7はH&K社のサブマシンガンで培った技術を利用して手堅い造りな所が高評価だよね。
マクロスのバルキリーで言えばYF-21とVF-19みたいな感じで対比できるかも。
さて、そんなことはどうでも良い。
すごくどうでも良いんだ。
三尾、君の風船は一体全体どうなっちゃっているかな?」
聞くまでもない。
三尾と呼ばれた鎌鼬の契約者の風船は、俺が拳銃で破壊していた。
三尾と呼ばれた鎌鼬の契約者の風船は、俺が拳銃で破壊していた。
「……“都市伝説を二つ使っちゃ駄目”とは言われたが、
“都市伝説以外使っちゃ駄目”とは言われてないもんなあ!
あと、いくら名前を叫んでもこの銃声の中じゃあ審判には聞こえなかった筈だ。
違うかお二人さん?」
「まあ……」
「銃声で聞こえなかったよね。」
「そんなあああああああああああああああああああ!?」
“都市伝説以外使っちゃ駄目”とは言われてないもんなあ!
あと、いくら名前を叫んでもこの銃声の中じゃあ審判には聞こえなかった筈だ。
違うかお二人さん?」
「まあ……」
「銃声で聞こえなかったよね。」
「そんなあああああああああああああああああああ!?」
「勝者、笛吹さん。」
「そうだね、ずるい気はするが完全に笛吹の勝ちだ。」
「うう、ごめんなさい葉様……。」
「なに、構うことはないよ。」
「そうだね、ずるい気はするが完全に笛吹の勝ちだ。」
「うう、ごめんなさい葉様……。」
「なに、構うことはないよ。」
やったね!女子高生のパンツ、GETだぜ!
「ふふふ……、それでは例の物を渡して貰おうか……!」
「駄目です葉様!」
「駄目です葉様!」
何故だろう。
まるで俺が悪役みたいな気がしてきたぞ。
まるで俺が悪役みたいな気がしてきたぞ。
「あぁ……、その件なんだが笛吹、少し謝らなければならないことがある。」
「俺はどんな種類のパンツでも漏れなく楽しめる変態だから安心してくれ。」
「いや、そうじゃなくてだな。私、今日はパンツ履いてきてないんだよ。
だからお前に賭けている物を渡せなくてだなあ……。
だって賭けていたのは“私の履いているパンツ”だからなあ。
これじゃあ賭けどころじゃないよなあ?」
「なん……、だと?」
「嘘だと思うんなら確かめても良いけど?」
「おいおい……。
ふふ、あははは…………ははははははは!」
「俺はどんな種類のパンツでも漏れなく楽しめる変態だから安心してくれ。」
「いや、そうじゃなくてだな。私、今日はパンツ履いてきてないんだよ。
だからお前に賭けている物を渡せなくてだなあ……。
だって賭けていたのは“私の履いているパンツ”だからなあ。
これじゃあ賭けどころじゃないよなあ?」
「なん……、だと?」
「嘘だと思うんなら確かめても良いけど?」
「おいおい……。
ふふ、あははは…………ははははははは!」
成る程ね。
確かめようがない。
確かめる訳にはいかない、それは俺の美学に反する。
確かめようがない。
確かめる訳にはいかない、それは俺の美学に反する。
「無粋なんて言ってくれるなよ?」
「いいや、…………履いてないパンツで俺を釣るとはね!
無粋なんてもんじゃない、粋だよ!
その心意気に感動した、この食べ放題チケットはあげるよ。
元々そのつもりで持って来たんだ。
縁が合ったらまた会おうぜ。」
「ははっ、そうか。
でも私はあんたみたいな食えない奴はお断りだよ。」
「くっくっく、そりゃあ残念。」
「いやー面白い物が見られました。
葉さん、そして三尾さん、おつきあい頂きありがとうございました。
一旦貴方の部屋に戻ってから、我々はもう帰ろうと思います。」
「ゆっくりしていけよ、茶漬けくらいなら出すぞ?」
「私は食える奴の方がお断りです。」
「そいつぁ残念。」
「普通食えない物を食おうとした方が浪漫有るじゃないですか。
まあつまり女性よりも男性の方が……ってことなんですけど。」
「いいや、…………履いてないパンツで俺を釣るとはね!
無粋なんてもんじゃない、粋だよ!
その心意気に感動した、この食べ放題チケットはあげるよ。
元々そのつもりで持って来たんだ。
縁が合ったらまた会おうぜ。」
「ははっ、そうか。
でも私はあんたみたいな食えない奴はお断りだよ。」
「くっくっく、そりゃあ残念。」
「いやー面白い物が見られました。
葉さん、そして三尾さん、おつきあい頂きありがとうございました。
一旦貴方の部屋に戻ってから、我々はもう帰ろうと思います。」
「ゆっくりしていけよ、茶漬けくらいなら出すぞ?」
「私は食える奴の方がお断りです。」
「そいつぁ残念。」
「普通食えない物を食おうとした方が浪漫有るじゃないですか。
まあつまり女性よりも男性の方が……ってことなんですけど。」
サンジェルマンが俺の方をじっと見る。
三尾に助けを求めてみたが見て見ぬふりされた。
俺の模擬戦はこうしてさんざんな結果で終わったのである。
【上田明也の協奏曲27~コガネイロウインド、もしくはやる気のない黒服の人にマジ土下座~fin】
三尾に助けを求めてみたが見て見ぬふりされた。
俺の模擬戦はこうしてさんざんな結果で終わったのである。
【上田明也の協奏曲27~コガネイロウインド、もしくはやる気のない黒服の人にマジ土下座~fin】