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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 狂科学者と復讐者-11

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 無数のブラックマンバが牙をむき、辰也に襲い掛かる
 ブランクマンバは、元々大型の固体でも4.2mにも達する、世界で二番目に長くなる毒蛇
 その全身が巨大化し、全長は10mも超えようかという巨体は、その口をあけただけで、辰也のような人間など一口でぺろりと飲み込んでしまいそうな程になっていた
 しかも、このブランクマンバ…平均的な蛇よりも、そのスピードは速い
 その身に宿す毒の強さも深刻であり、通常でも噛まれた場合、一時間以内に死に至る
 H-No.2の能力…禁断の生物兵器の力は、その毒の力すらも底上げしている
 恐らく、まともにその毒を食らえば…ほんの数分で、死亡するだろう

 数匹のブラックマンバの突進を、辰也はそれらを跳びこえる事で避けた
 自分よりもはるかに大きなその巨体の頭上を、軽々と飛び越える
 ……実験によって投与された薬によって手に入れた力
 嫌悪した事もあるが…復讐に有効活用できるならば、遠慮なく使わせてもらうだけだ

 飛び越えた先、堂々とそこに立つH-No.2を睨みつける
 一気に接近して、その喉笛をナイフで引き裂こうとして
 ……しかし、間に別のブラックマンバが入り込み、拒まれる
 ナイフは、そのブラックマンバの片目を切り裂き、激しい苦痛を与えた
 一瞬、辰也が体勢を崩しかけた隙に…背後に近づいてきていたブラックマンバの牙が、辰也の頬を掠った
 その身に、春風 愛華を殺しかけた毒がわずかに入り込む
 ………だが、辰也の身には、何もおきない
 ただ、それ以上深く噛み付かれる事を避けるように、一度距離をとる

 その様子に、H-No.2は小さく舌打ちした
 その身に、様々な実験を施された辰也
 …毒に対する耐性実験も、行っている
 その過程で、H-No.2は、己の毒蛇達の毒も、辰也に試したのだ
 その結果…辰也の体には、H-No.2が操る、ありとあらゆる毒蛇の毒に対する耐性が身についていた
 毒では、辰也を殺す事も…その動きを止める事すら、できない
 ならば

「押しつぶしなさいっ!!」

 ブラックマンバ達が、巨体をくねらせる
 10mを超える巨体が、辰也の体を捕らえようと、無数に群がってくる
 辰也はそれらを、全てギリギリで避け、蛇同士がその体を絡ませてしまう事を狙っているかのように動く

 …そうして
 H-No.2には、接近すら、できないままだ

「どうしました?私を殺すのでしょう?ほら、殺してみなさいっ!!」
「…そっちこそ、俺を死なない程度に殺すんじゃなかったのか?」

 互いに、決定的な一撃を繰り出せずにいる状況
 …辰也は、「13階段」を使いたくとも、彼の能力を把握しているH-No.2は、決して階段に近づこうとしない
 飛び道具を持たない彼は、彼女に接近する事でしか、致命傷を与えられない
 H-No,2のブラックマンバの毒は、辰也には通用しない
 ならば、その巨体で辰也の体を押しつぶすしかないのだが…身体能力を強化させられている辰也は、ブラックマンバのスピードにすら、反応可能になっている
 互いに……互いの隙をうかがいながらの、戦い

 ならば
 自分が有利だ、とH-No.2は考える
 ブラックマンバを召喚し、操っているだけで…H-No.2は、この場から一歩も動いていない
 それに対し、辰也はブラックマンバ達の攻撃を避け続けている
 どちらの体力が先に尽きるかなど、明白だ
 …ならば、躍らせておけばいいのだ
 H-No.2はそう考え、まっすぐに辰也を睨む

 ……辰也の中では、かすかに焦りが生まれ始める
 この後、すぐにでもH-No.1を続けて殺しに行きたいのだ
 ここで、余計な体力など使いたくない……!

 その焦りが、一瞬の隙を生む
 辰也の足に、ブラックマンバの尻尾が…しゅるり、絡みつき

「っ!」
「---捕った!!」

 ぐらり、辰也が今度は大きく、体勢を崩し
 ……その体に、ブラックマンバの巨体が、絡みついた

「っぐ……」
「…押しつぶしなさい、殺さない程度に」

 みしり
 …骨が、きしむ音がする
 辰也に絡みついたブラックマンバはどこか楽しげに、いっそ可愛らしさすら感じさせるつぶらな瞳で辰也を見つめていた

 ………ここで、敗れるなど
 あってはならない
 自分達は、この連中に復讐しなければならない
 この連中を、殺さなければならない
 返り討ちにあっている暇などない…!!

 H-No.1を相手にするまで使うまいと思っていたが…仕方ない
 辰也は、「それ」を使う決意をする

 ……宏也には、使うなと言われている力だ
 まだ、制御できぬ可能性が高い、と言われている
 事実…自分は以前に、この力を暴走させ、「13階段」に飲み込まれかけた

 だが、今なら
 あの時よりは、扱いこなせるはずだ…!

 ブラックマンバに締め上げられながら…辰也は自分が降りてきた階段の、「13段目」に視線をやった
 その様子を見たH-No.2は、彼をあざ笑う

「どうしました?私が階段に近づかない限り…あなたが「13階段」の能力を使っても、何の意味もありませんよ?」

 相手を血の池地獄に引きずり込む能力ならば、その通りだろう
 だが、今から自分が使う力は、それではない

 すぅ、と息を吸い込み…………叫ぶ


「------這い出ろ、13階段!!!」


 辰也のその叫びに、答えるように
 …ずるり
 階段の13段目から…無数の手が、姿をあらわす
 そして、それらは、いつもならば腕しか姿をあらわさないはずが…

 ずるり、と
 その、腕だけではなく
 …いつも、血の池に沈んでいる、亡者達
 その「全身」が…姿を、現した

「…な!?ど、どう言う事です!?」

 予想外の事態に、後ずさるH-No.2
 …彼女は、知らない
 辰也の「13階段」に、このような現象を引き起こす能力があるなど、報告ですら聞いた事がない…!!

 後ずさった、彼女の腕を

「っ痛!?」

 何かが、かすって
 ざっくりと、その腕に切り傷を作った

「…か、鎌鼬…?」

 ふわふわと、浮かぶ、骨だけの生き物
 …恐らく、肉と毛皮をつけたなら、それは鎌鼬
 飛び回るそれは、階段から這い出てきた、動く小さな人骨の周囲を護るように飛ぶ
 …10代前半の少女と思われる、人骨

 ……さぁ、と
 H-No.2は、青ざめていく

「…まさか…H-No.79…?」

 かつて、戦闘訓練にて、辰也に破れ、「13階段」に飲み込まれた実験体の少女
 彼女は、鎌鼬と契約していた
 自分を攻撃してきたのは、間違いなく彼女だ…!

 どこからか聞こえてくるトランペットの音
 H-No.95、トランペット小僧の契約者だ
 通り悪魔や、チュバカブラの姿も見える
 H-No.80とH-No.88
 どれもこれも……辰也との戦闘訓練で辰也に破れ、「13階段」に飲み込まれた犠牲者達……!
 H-No.2は気づく
 今、辰也が使っている能力の、正体に

「まさか……まさか、H-No.96、貴様………「13階段」で飲み込んだ契約者の力を、引き出しているのかっ!?」
「……契約者だけじゃねぇよ」

 けたけたと、響く笑い声
 気づけば、H-No.2の足元に…一寸程の老女が、大量に姿を現している

「----っひ!?」

 13段目から姿をあらわしていく亡者達
 その中に……血塗れたH-No.3の姿を、見て
 H-No.2は、本格的に恐怖する

 契約者だけじゃない
 都市伝説そのものを飲み込んでも……その力を、引き出せるのか!?

 現れた亡者達が、それが操る都市伝説が…ブラックマンバ達を葬っていく
 辰也も、いつのまにかその束縛から解放されていた

 ブラックマンバを失った、H-No.2に
 …亡者達が、群がっていく

「や、やめ……っ!!」
「……こいつらも、お前が憎いってよ………これは、俺「達」の復讐だ。お前を殺すのは……こいつらに、譲る」
「っひ、ひぃ……っ!?」

 逃げようにも、逃げ場などない


 完全に、包囲されてしまっているのだから


 一斉に、H-No.2に襲い掛かる亡者達
 絶叫が、この決闘場に響き渡る
 肉を、骨を切り裂く音が、食いちぎる音が、響き渡る
 辰也一人分ではない
 実験の犠牲者達の恨みが、憎しみが……H-No.2に、集団で襲い掛かった

 …これらの、恨みを、憎しみを
 辰也は、ずっと背負ってきたのだ
 自分が契約している「13階段」の異空間内、血の池地獄の情報を、辰也は受け取る事ができる
 その血の池にたまりにたまりこんだ憎悪を……知りたくなくとも、情報として受け取り続けてきた
 それが、今、晴らされる


 …………数分後
 そこには、H-No.2の姿は、なかった
 その身は痕跡すら残さず…肉片も、何もかも残す事なく
 この世から消滅してしまった
 辛うじて、大量の血痕だけが、彼女が存在していた証拠としてそこに残る


「………っふぅ」

 小さく、ため息をつく辰也
 ぐらり
 意識が、引きずられる

「-----っ」

 亡者達が…階段に、13段目に、戻らない

 じっと、じっと……辰也を、見つめてきている

「……戻れ」

 ぼそり
 小さく、辰也は呟く

「戻れ………ッ戻れ、戻れ、戻れ!!!」

 その呟きは、すぐに叫びに変わる
 こうでもしなければ……「13階段」に引きずられ、飲み込まれる
 都市伝説に飲み込まれるかどうか
 辰也は今、その瀬戸際にいるのだ

「戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れっ!!!てめぇらに飲み込まれている暇なんざねぇ!!まだ一人残ってんだよ!!!一番最悪の、一番の復讐相手が、まだ残っていやがるんだ!!…………まだ、死ぬ訳にはいかねぇんだよ!!!」

 魂の叫び
 自分達の復讐は、まだ終わってはいないのだ

 ……辰也の、叫びに
 亡者達が、ゆっくりと、階段に向かっていく
 一人、また一人と、13段目から、血の池地獄へと帰っていって

 ……決闘場には、辰也一人だけが、残された


「…くそ………まだ、完全に使いこなせてる訳じゃあ、ねぇか…」

 ぐらぐらと、意識がかすむ
 それを、辛うじてとどまらせる辰也
 予想外に、体力を消耗してしまった

 ……少し、休もう
 そうして、この先にいるであろう、H-No.1を……


「なるほど、そのような事もできるのか……………面白い」
「…………!」


 全身の血の気が、引いていく
 ずきり、背中の火傷が、痛む

「お前から、こちらに来たか。H-No.96」
「……H-No.1……!」

 決闘場の奥の扉から……H-No.1が、姿をあらわした
 辰也は急いで体勢を立て直し、H-No.1を睨みつける



 万全の体勢ではない?
 ……そんな事、知った事か
 目前に復讐相手が現れたならば……自分はそれから、逃げる訳にはいかないのだ



to be … ?



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