…痛い
背中の火傷の痕が痛む
まるで、何かを訴えるように
背中の火傷の痕が痛む
まるで、何かを訴えるように
その痛みを無視して、辰也はハンニバルを睨みつけた
最後に残った、復讐相手
この世でもっとも憎い相手
最後に残った、復讐相手
この世でもっとも憎い相手
この男を、殺せば
自分達の復讐は、終わるのだ
自分達の復讐は、終わるのだ
「こちらに戻ってくる気になったかね。H-No.96」
「…黙れ」
「…黙れ」
短く答え…ナイフを持ち、身体能力を限界ギリギリまで引き出す
次の瞬間、辰也はハンニバルの背後に回りこんでいた
次の瞬間、辰也はハンニバルの背後に回りこんでいた
飛び散る血飛沫
辰也のナイフがハンニバルの喉元を引き裂き、真新しい血の池を作っていく
辰也のナイフがハンニバルの喉元を引き裂き、真新しい血の池を作っていく
「それは…俺の名前じゃねぇ!」
通常ならば、致命傷となる一撃
しかし
しかし
「ふむ……動きのきれが悪いな。体力を消耗しているせいか」
「-----っ!」
「-----っ!」
ぱっくりと切り裂かれた喉で、しかし、平然とそういうハンニバル
その傷も、見る見るうちに再生していってしまう
お返しとばかりに振られた剣の一撃を、辰也はギリギリのところで避けた
ぱさり、髪が数本、切っ先をかすって宙を舞う
その傷も、見る見るうちに再生していってしまう
お返しとばかりに振られた剣の一撃を、辰也はギリギリのところで避けた
ぱさり、髪が数本、切っ先をかすって宙を舞う
やはり、簡単には死んでくれない相手だ
…だが
死なないのならば、死ぬまで殺すまで
…だが
死なないのならば、死ぬまで殺すまで
ハンニバルの剣閃をぎりぎりのところで避け、ナイフで受け流しながら、辰也はハンニバルに接近していく
そして、二度、三度
何度も何度も、切り付ける
辰也を研究材料として確保する為だろう、ハンニバルの攻撃は、あくまでも辰也の動きを止めるための、足や腕を狙った攻撃
それに対し、辰也の攻撃は…全てが、急所狙い、一撃必殺
通常の人間ならば、その一撃で命を落とすような攻撃
それを、ためらい無く、何度も何度も、ハンニバルに放つ
そして、ハンニバルは…その攻撃を、避けようともしない
まるで、「無駄な足掻きをするな」とでも言うように…自分の不死性を、アピールするかのように
何度も切り付けられ、血を流しながら、それを即座に再生していく
そして、二度、三度
何度も何度も、切り付ける
辰也を研究材料として確保する為だろう、ハンニバルの攻撃は、あくまでも辰也の動きを止めるための、足や腕を狙った攻撃
それに対し、辰也の攻撃は…全てが、急所狙い、一撃必殺
通常の人間ならば、その一撃で命を落とすような攻撃
それを、ためらい無く、何度も何度も、ハンニバルに放つ
そして、ハンニバルは…その攻撃を、避けようともしない
まるで、「無駄な足掻きをするな」とでも言うように…自分の不死性を、アピールするかのように
何度も切り付けられ、血を流しながら、それを即座に再生していく
「…やはり、スピードが遅い。動きのキレが悪い。そんな状態で、私を殺せるとでも思っているのかね?」
「……あぁ、殺してやるよっ!!」
「……あぁ、殺してやるよっ!!」
呆れているようなハンニバルの言葉
だが、辰也は引かない
引く訳にはいかない
だが、辰也は引かない
引く訳にはいかない
……こいつは、ここで、俺が殺す!!!
「ふむ。頭に血が上りやすい事がお前の欠点だな。H-No.96」
「それは、俺の名前じゃねぇっ!!」
「それは、俺の名前じゃねぇっ!!」
眼帯に護られていない目に、ナイフを突き刺す
脳にまで達しようというそのダメージすら、ハンニバルはものともしない
即座に振るわれた剣が、辰也の鼻先をかする
脳にまで達しようというそのダメージすら、ハンニバルはものともしない
即座に振るわれた剣が、辰也の鼻先をかする
「名前、か……広瀬 辰也、だったか?H-No.360が、お前に与えた名前だったな」
…ハンニバルの、攻撃が
どんどん、スピードを増していく
辰也の体力が削られていっている点を考えても…それでも、早すぎる
だが、そうだとしても、辰也もそのスピードに反応する
反応できるだけの動体視力が、身体能力が……かつて投与された薬の影響で、辰也には身についているのだ
どんどん、スピードを増していく
辰也の体力が削られていっている点を考えても…それでも、早すぎる
だが、そうだとしても、辰也もそのスピードに反応する
反応できるだけの動体視力が、身体能力が……かつて投与された薬の影響で、辰也には身についているのだ
「お前は、その名前があの男の…H-No.360が、人間であった頃の名前だと、知っているのか?」
まるで、暴風のように振るわれる剣閃
床が、壁が、天井が
剣だけではなく、振るわれる衝撃波によって削られていく
床が、壁が、天井が
剣だけではなく、振るわれる衝撃波によって削られていく
「それくらい……わかってるよ!!」
暴風のような刃の嵐を、紙一重で避け続ける
しかし…辰也の体には、少しずつ、小さな傷が増え始める
ハンニバルの攻撃を避ける為、動き続けている辰也
それに対し…辰也の攻撃を避けようともしないハンニバルは、その場から一歩も動いていない
ただでさえ、H-No.2との戦いで消耗していた体力が、さらに削り取られていって
それが、辰也の動きをどんどんと鈍らせていく
しかし…辰也の体には、少しずつ、小さな傷が増え始める
ハンニバルの攻撃を避ける為、動き続けている辰也
それに対し…辰也の攻撃を避けようともしないハンニバルは、その場から一歩も動いていない
ただでさえ、H-No.2との戦いで消耗していた体力が、さらに削り取られていって
それが、辰也の動きをどんどんと鈍らせていく
それでも、ハンニバルを鋭く睨みつけ、辰也はこの戦いを、一歩も退こうとはしない
なんとしてでも、ハンニバルをここで殺す
その考えに……ハンニバルへの憎悪と殺意に、とらわれてしまっている
なんとしてでも、ハンニバルをここで殺す
その考えに……ハンニバルへの憎悪と殺意に、とらわれてしまっている
「だが……今の俺には、その名前しか、ねぇ。てめぇらに名前を奪われた俺には……この名前しかないんだよっ!!」
辰也のナイフが、ハンニバルの心臓に突き刺さった
深く突き刺さったそれは、簡単には引き抜く事ができず…辰也は新たなナイフを取り出し、ハンニバルから距離をとった
…そうだ、いっそ、突き刺したままでいいのかもしれない
相手がそのままでいるとは思えないが、少なくとも、ナイフを抜こうとする動きの分、隙ができる
深く突き刺さったそれは、簡単には引き抜く事ができず…辰也は新たなナイフを取り出し、ハンニバルから距離をとった
…そうだ、いっそ、突き刺したままでいいのかもしれない
相手がそのままでいるとは思えないが、少なくとも、ナイフを抜こうとする動きの分、隙ができる
今度は、また目を狙おう
今度は、眼帯の下の目を
あの、ハンニバルが言うところの「最強の目」を封じれば、こちらも有利になる
今度は、眼帯の下の目を
あの、ハンニバルが言うところの「最強の目」を封じれば、こちらも有利になる
「…名前を?我らは、お前から名前を奪ったつもりなどないのだがね」
「……俺だって……人間から、生まれたんだ。両親がいたんだ……そいつらが、俺につけた名前が、あるはずなんだよっ!!」
「……俺だって……人間から、生まれたんだ。両親がいたんだ……そいつらが、俺につけた名前が、あるはずなんだよっ!!」
恐らくは、死んでいるであろう自分の両親
だが、それが生きていたならば
そうすれば、「組織」などに回収される事もなく……普通の生活を、送れていたはずだった
両親が…恐らくは、都市伝説絡みの事件で、命を落とした
それが原因で、自分は「組織」に引き取られたのだろう
だが、それさえなければ、普通に名前をもって、普通に、ごく普通の生活を送れていたはず……!!
だが、それが生きていたならば
そうすれば、「組織」などに回収される事もなく……普通の生活を、送れていたはずだった
両親が…恐らくは、都市伝説絡みの事件で、命を落とした
それが原因で、自分は「組織」に引き取られたのだろう
だが、それさえなければ、普通に名前をもって、普通に、ごく普通の生活を送れていたはず……!!
そんな想いを抱えながら、辰也はハンニバルに接近していく
ハンニバルの眼帯を、その「最強の目」にくくりつけようと…
ハンニバルの眼帯を、その「最強の目」にくくりつけようと…
「…いいや、お前の名前は、H-No.96だ」
----まだ、言うかっ!!
怒りが、辰也に力を与える
疲労によって落ちていたスピードが、戻ってくる
限界の、ギリギリのスピード
それによって、ハンニバルの目の前まで、一瞬で接近した
握られたナイフが、突き出され………
疲労によって落ちていたスピードが、戻ってくる
限界の、ギリギリのスピード
それによって、ハンニバルの目の前まで、一瞬で接近した
握られたナイフが、突き出され………
「何故なら、その名前は、父親である私が、お前につけた名前なのだから」
「-------え?」
思考が
その言葉の意味を理解する事を…………拒んだ
理解を放棄した思考が…辰也に、致命的な隙を作り出してしまって
その言葉の意味を理解する事を…………拒んだ
理解を放棄した思考が…辰也に、致命的な隙を作り出してしまって
----っざく、と
ハンニバルの剣が……辰也の体を、貫いた
to be … ?