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連載 - ハーメルンの笛吹き-96

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匿名ユーザー

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【上田明也の探偵倶楽部after.act5~格闘家~】

「一週間飲まず食わずの飢餓から救ってくれた礼だしな。あんたを、俺の弟子にしてもいい」
「弟子、ねぇ…」
「あっはっはっはっは!!まぁ、胡散臭そうな顔すんなよ。これでも、俺ぁ、二人しか弟子を取った事ないんだぜ?」

いきだおれていた格闘家を助けたら、技を教えて貰うイベントが発生した。
……見た目は20代から30代くらいに見えるが、見た目通りの年齢でもない
自分の父親と同じくらいではあるんじゃないだろうか?

「…さぁて、笛吹さんは、俺の三番目の弟子になってくれるかな?真正面から力づくでぶち破るのと、背後からの奇襲。お好みはどっち?」
「サワムラ―かエビワラーかってところかな、それならどっちもだ!」
「え?」
「どっちも!」
「成る程、そう来たか……。」
「ついでに只であんたの弟子とやらは探すぜ。
 ここまで来たら乗りかかった船だ。
 だから二つともこの俺に教えてくれ!」
「…………ふふ。」
「なんだ?強欲だなんて言わないでくれよ?」
「いや、あんたの身体、今まで本格的に鍛えたことがないと見える。
 だが決して弱いとは見えない、むしろ外面に現れる以上の強さを秘めているタイプ。
 静かな強さって奴かな?そういうタイプだ。
 ならば尚のこと不自然だよなあ、身体鍛えないでどうやって強くなった?
 恐らく相当無理した筈だよ、歪だ。
 そんな身体で二つの技を覚えきれるかな?」
「うぐっ、……だが、でも、やれる。
 俺はやる。」

樹は興味深そうに俺の眼を覗き込む。




「なんでさ?」
「確かに俺は身体能力に依存しないタイプのプレイヤーだけど……
 でもどうしても素手で向き合わないと駄目な奴が居てね。
 プライベートなところでの話さ。」
「男の戦いって奴か。」
「おう!」
「解った、じゃあ教えよう。」

太陽は遙か西に沈み、遠くから月がひょっこりと顔を出す夕暮れ。

「それじゃあ……」
「キャアアアアアアアアアア!」

樹が何か言おうとした瞬間、路地裏から絹を裂くような悲鳴が走る。
俺はすかさずその方向に駆けだした。
少し年配の女性が切り裂きジャックらしき都市伝説に襲われている。
俺は赤い部屋の能力で+ドライバー……のように見える刃物を大量に召喚し、それを切り裂きジャックに投げつけた。
切り裂きジャックはその女性に注意が向いている。
そいつの死角からドライバーが大量に突き刺さった。
糸が切れた人形のように切り裂きジャックはその場に倒れ込む。

「――――――――赤くなれ。」

また大量のドライバーを召喚して、倒れた切り裂きジャックに追い打ちを仕掛ける。
骨も、肉も、心臓も、肝臓も、脾臓も、肺も、全身をくまなくドライバーで貫いた。
そしてその全てのドライバーが切り裂きジャックに突き刺さってから細かく振動を始め、
切り裂きジャックを内側から粉砕液化させていく。
切り裂きジャックが起き上がることは二度と無かった。



女性の安全を確認してから俺たちはまた歩き始める。

「…………ふむ。」
「ん?」
「やっぱ不意打ちの方が向いてるんじゃないか?」
「いやあ、嫌いなのよね。不意打ち。モチベーションが上がらない。」
「モチベーション、ねえ。」
「俺の親父がやりたいことをする時に人間は最強になれると言っていてな。」
「親父?」
「ああ、あいつは剣術家だったんだけど才能無いから教えて貰えなかった。」
「学校町の剣術家……なぁ。」
「あれ、もしかして知り合い?
 なんかあいつもあちこちで恨まれてるけどあんたもそう言う口ってことは……なさそうだな。
 あんた強いし。」
「解らないな、名前はなんて言うんだ?」
「上田明久だよ。ちなみに今の俺は探偵として偽名使って働いてるからこのことは秘密な。」

何の気無しに俺はその名前を口にした。
【上田明也の探偵倶楽部after.act5~格闘家~fin】

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