連載 - 我が願いに踊れ贄共・救世主候補-14 - 「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

「うっうっ………ローズは汚されてしまったかしら……」

　えぐえぐえぐ　三角座りして泣いている少女
　道化師のような装束を着て、帽子を目深に被った彼女……ローゼマリーは、レジーヌによって色々な目にあわされ、傷心状態のようである
　なお、どこまでやられたのかは、読者諸君のご想像にお任せする

「悪魔らしくないセリフだな」
「ローズは性的な悪魔じゃないかしら！悪魔だからって全員性が乱れているとは限らないかしらーっ！！」

　きーっ！と日天の言葉に抗議するローゼマリー
　一応、日天達に保護と言うか確保された形である
　…「組織」側にとっても、「教会」側の人間と言う事で、情報源になりうるのだ
　まぁ、「十三使徒」クラスではなく、あくまでも子飼いレベルなので情報源としては危ういが…

(…メルセデスの名を口にしたんだよな)

　「十三使徒」の一人にして、レクイエムと数回交戦している男
　その男の部下らしいから、ある程度は情報を持っているだろう

「…知っている事、話してもらおうか？」

　日天が、そう尋ねると
　ぷい、とローゼマリーはそっぽを向く

「酷い目に合わされたから、話したくないかしら」
「てけりり、てけりり……なるほど、ならば、体に聞いて」
「いやぁああああああああっ！？メルセデス様、助けてかしらーーーっ！？」

　うにゅるうにゅる
　再び、触手的な何かを伸ばしだしたレジーヌの姿に、悲鳴を上げるローゼマリー
　やめろ、とそれを止めて、日天は改めてローゼマリーに告げる

「お前は、氷の悪魔に追いかけられていたな……あれは、メルセデスが使役している存在だろう？」

　ぴくり
　その言葉に、ローゼマリーの体が、小さくはねた

「…見捨てられたんじゃないか？メルセデスに」
「そ、そんな事はないかしらっ！！」

　日天の言葉に、ローゼマリーは意地になったように反論する
　そんなはずはない
　そんなはずがないのだ、と
　自分に、言い聞かせているかのように

「メルセデス様は、行き場のなかったローズに居場所をくれたかしら！」
「だが、お前以外にもメルセデスの部下になった者はたくさんいただろう？お前は、その一人にすぎない」
「違うかしら！ローズはメルセデス様の部下の中でも特別かしら！」
「ほぅ、どのように特別だったのか、私はお前に問いかけてみる」

　レジーヌの、その言葉に
　ローゼマリーは、ない胸を張って答える

「ローゼマリーは、メルセデス様から特別な命令を受けていたかしら！それに応じて、ニバスの能力を使っていくつもスイッチを仕掛けておいたかしら！このスイッチが発動すれば、「教会」の一部連中は人生お先真っ暗かしら！！」
「なるほど」

　………
　…………
　……………

　あ、と
　ローゼマリーが、はっとしたような表情を浮かべる

「ゆ、誘導尋問なんて卑怯かしらーーーっ！？」
「……多分、捨てられた原因、それじゃないか？」
「す、捨てられてなんてないかしら！氷の悪魔に追いかけられていたのも何かの間違いかしらっ！！」

　やや呆れたように言ってきた日天に、ローゼマリーは慌てて反論する者の
　その声は、ちょっぴり涙声になっていた

　…そして
　さて、手に入れたこの情報が、何を示しているのか
　それを日天達が推理しようとした、その時

　学校町の、北区の方向に
　漆黒の、巨大なドームが出現したのが、見えた

to be … ?