夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

エヌ氏&キャスター

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「ああ、退屈だ。なにか、でかいことでも起こらないものかな……」

ここは、あるしゃれたホテルの一室。
エヌ氏は、その部屋のベッドに寝転がっている。
なぜここにいるのかといえば、それはエヌ氏本人にもわからない。
ただ気がつけば、いつのまにかここにいたのだ。

最初の内は大いに戸惑ったが、まとまった金もあり、周りが自分に疑いの目を向けるようなこともない。
それに気付いたエヌ氏は、悠々自適な生活を楽しむことにした。
とはいえ、大きなプールがあるくらいで、ほかにはあまり見どころもない地方都市である。
数日間こそ楽しむことはできたものの、今ではこうしてやる事もなくなってしまい、テレビを見ながら、そんなことを呟いているのだった。

その時、ノックの音がした。
「おや、誰だろうか」
約束などはしていないし、騒ぎが起きているような気配もない。
エヌ氏は頭をひねりながら、ドアをあけた。

「おむかえでごんす」
「わっ、なんだ、おまえは……」
「おむかえでごんす」

ドアの外にいたのは、丸っこくて小柄な身体をした、妙な生き物だった。
エヌ氏が何度もまばたきをして目をこすっていると、そいつは当たり前のように歩いていって、どこかへ行ってしまった。
「わけがわからん。あまりにひまだったものだから、幻覚でもみたのだろうか」
一度ため息をついてから、エヌ氏はドアを閉めた。
なんだか疲れてしまったような気がしたエヌ氏は、部屋に戻ってすぐにテレビと電灯を消して、ベッドに入った。
しかし、なぜか、なかなか眠りにつけなかった。
なにかが起こりそうな予感がして、いくら待っても眠気が訪れてこないのだ。
「こんなことは、はじめてだ。さっきのやつといい、もしかすると……」
ふと、ひらめいた事があった。
これは、一種の予知能力ではないだろうか。そういえば、何となく感覚が研ぎすまされているような気も……。
大きなニュースでもあるかもしれないと、再びテレビの電源を入れたエヌ氏はふたたび仰天する事になった。

「や、これはいったい、どうしたことだ」
画面に映されたのは、これまた妙な生き物だった。
ヒョウタンのような頭に、ブタのような鼻がついている。
体はつぎはぎだらけで、あちこちにバンソウコウが貼られている。
どのチャンネルも、その生き物が大写しになっているのだ。
「いよいよおかしいぞ。さっきまでは故障などしていなかったし……」

「ハ、ハ、ハ……」
大きな笑い声が、エヌ氏の背後から響いた。
びっくりしたエヌ氏が振り向くとそこには、無国籍的な印象を受ける、スマートな体型のハンサムな青年が立っていた。
「だれだ、おまえは。いったい、いつ、どこから……」
「にぶいやつだなあ! おれはおまえのサーヴァントさ」
「なんだって……」
何かを言おうとしたエヌ氏の手の甲に、するどい痛みが走った。
視線を向けると、そこには妙な模様がいつのまにか刻まれていた。
「なんだ、これは。これも、おまえのしわざか」
「そうともいえるな」
「ううむ、普通の人間にこんなことができるとも思えん。すると、宇宙人、それとも悪魔……」
「悪魔! こりゃあケッサクだ。まあ、願いを叶えるという点では、似ているかもしれんぜ」
「願いだと……」

青年は、いろいろと説明をしてくれた。
ときおり、エヌ氏にはちんぷんかんぷんな単語を交えることもあったが、何とか現在の事情を飲み込む事ができた。

「すごいことも、あるものだ。どんな願いでも叶うとは」
「もちろん、代償は必要だ。人間と英霊のタマシイという……」
「困ったな。魅力的ではあるが、さすがに人殺しとなると……」
「どのみち、生き残れるのは一組だけなんだぜ。なんなら、全員を生き返らせるというのを願いにして、この話をなかったことにしてもいいんだ」
「うむ、まあ、自分の命を最優先するのは、当然だな。とりあえずは、それを念頭におくとしよう、しかし……」

ふと、気になったことがあった。
「……きみのほうも、願いがあったからここに現れたわけだろう。それを簡単に手放すような事を言ってしまっても、大丈夫なのかね」
「なんだい、一度安心したらばかになれなれしくなっちゃって。とはいえ、チーム・ワークは大切だからなあ」
にやりと笑った青年が、少しもったいぶるような素振りをして、口を開いた。

「……実は、この聖杯はどこかがおかしいのさ。だから、本来なら出てくるはずのない、願いなんてものがないおれが召喚されたんだ。
 ま、とりあえず、当分のあいだはキャスターのサーヴァントって役を演じるよ」
「よく分からんが、わたしを裏切ったりするつもりはないということでいいんだな」
「今のところはね」
「おいおい」
「アハハ……男ってのは、ちょっとばかしミステリアスなところがあった方が、魅力があるものさ。
 そうだ、そっちの事情はどうなんだい。自分から進んで参加したって感じじゃないが」
「うん……」
エヌ氏は、腕を組んで考え込んだ。

「それが、まったくもってわからないのだ」
「ふうむ」
青年はまじめそうな表情を作ったが、憂いとか深刻さのような感じはあまりなかった。
「この聖杯は、どうも、曖昧な部分が多いみたいだからな。そういうこともあるのかもしれない」
「そういうものかな」
「とりあえず、休んだらどうだい。眠ってしまえば、案外あっさりと思い出すってこともありそうだぜ」
「そうするかな。なんだか、どっと疲れてしまった」
「見張りなんかはこっちがやるから、安心して眠りな」
「任せるよ……」

電灯が消えて、辺りは真っ暗になる。
暗がりの中で、青年はなにごとかを呟いていた。

「どうものんきで、はっきりしないやつだな。そんなだからおれが呼ばれたのかもしれないが……。
 いや、もしかすると、本当にただの夢だってことも、あるのかもな。
 こいつの目が覚めたらさっぱりここで起こった出来事は忘れてしまって、いつもの生活に戻っているのかも。そして、おれも消える……。
 そうでなかったら、まあ、こいつと一緒に戦うことになるのだろうな。
 ふたつにひとつか。さて、どっちになるか……」


【クラス】
キャスター

【真名】
ロック@手塚治虫作品

【ステータス】
筋力D 耐久D 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具C

【属性】
中立・中康

【クラススキル】
陣地作成:-
通常の陣地作成スキルは保有していない。
キャスターが存在する場所が即ち彼が役柄を演じる舞台である。

道具作成:D
拳銃程度なら融通できる。

【保有スキル】
変化:D
姿を変える能力。
このランクでは外見の大部分を変化させる事は出来ず、変装上手(女装含む)程度に留まっている。
その真価は後述の宝具によって発揮される。

【宝具】
『輝ける星の名優(スター・システム)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:自身

ロック・ホーム、間久部緑郎、その他数々の人物は外見と名前を共有し、様々な世界に存在している。
時には主役、時には悪役、記者、科学者、マフィア、エトセトラエトセトラ。
それらの人物は決して同一人ではあり得ないが、いつしか『ロック』という何者でもないキャラクターが確立されるに至った。

キャスターはいずれかの『ロック』を演じる事で、その能力や性格、使用した道具を再現する事ができる。
ただし、極端に知名度が低かったり存在を無かった事にされたりしたものに関しては完全に再現することはできない。六本指とか。

【weapon】
ムチ、銃など。

【人物背景】
手塚治虫の描くマンガ作品に度々登場するキャラクター。
初出は1949年の『少年探偵ロック・ホーム』。
初期では少年のキャラクターであったが、中期以降は主に成長した青年の姿で活躍している。
手塚が劇画の影響を受け作風を変容させると共に善役のみならず悪役キャラクターにも起用されることが多くなり、手塚作品の名脇役として人気を博す。

今回召喚されたのは固有の背景を持たない『ロック』という存在である。
外見・性格的には青年期の悪そうなロックに近いが、宝具によって変化し得る。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。
今のところは『聖杯戦争に召喚されたサーヴァント』として、それらしく振る舞うつもりでいる。


【マスター】
エヌ氏@星新一作品

【マスターとしての願い】
不明。

【能力・技能】
不明。

【人物背景】
星新一の描くショートショートに度々登場するキャラクター。
『エヌ氏』というのは単なる記号のようなものであり、固有名ではない。
男性で、年齢はさまざま。
作品によって普通の会社勤めだったり泥棒だったり宇宙飛行士だったり未来人だったり発明家の博士だったりするが、多分同一人物ではない。
似たような存在に『エフ氏』や『アール博士』などがあるが、最も知名度が高いのはエヌ氏だと思われる。
マスターとして参加したのがどのエヌ氏であるかは不明。

【方針】
特に決めていないが、とりあえず死にたくはない。

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