――あの人と出会った時の事は今でも鮮明に覚えている。
――あの人を喪った時の悲しみを今でも忘れる事はできない。
――あの人にまた会いたいと今でもずっと願っている。
――あの人を喪った時の悲しみを今でも忘れる事はできない。
――あの人にまた会いたいと今でもずっと願っている。
華やかな光を放つスタジオに、シャッター音が響く。
ファンシーな空間の中心には、可憐な美少女が一人。
にっこりと微笑む少女を彩るのは淡い桃色の洋服と、両の腕に絡み付く真紅のリボン。
しばらくして撮影が終わると、少女のもとにスーツを着た男性がやってきた。
ファンシーな空間の中心には、可憐な美少女が一人。
にっこりと微笑む少女を彩るのは淡い桃色の洋服と、両の腕に絡み付く真紅のリボン。
しばらくして撮影が終わると、少女のもとにスーツを着た男性がやってきた。
「撮影お疲れさまです。佐久間さん」
「はい、お疲れさまです。プロデューサーさん」
「はい、お疲れさまです。プロデューサーさん」
プロデューサーと呼ばれた男にかけられた労いの言葉に対し、佐久間さんと呼ばれた少女、佐久間まゆは先程と変わらぬ笑顔を浮かべた。
「これで本日の仕事は終わりです。ご苦労様でした」
「はい、それじゃあまゆはこれで帰りますねぇ。明日は何時からでしたっけ」
「はい、それじゃあまゆはこれで帰りますねぇ。明日は何時からでしたっけ」
明日の予定など、他愛のない会話をしながら、プロデューサーとまゆはスタジオの通路を歩いていく。
仏頂面で強面の男に連れ添うように歩く可憐な少女。
時折、まゆの会話に対し、困った時の癖なのか首筋に手をあてる男に対しても、まゆは今までと変わらない笑みを浮かべていた。
仏頂面で強面の男に連れ添うように歩く可憐な少女。
時折、まゆの会話に対し、困った時の癖なのか首筋に手をあてる男に対しても、まゆは今までと変わらない笑みを浮かべていた。
「それじゃあ、まゆは直帰しますねぇ」
「はい、それでは明日、事務所でお待ちしています」
「はい、それでは明日、事務所でお待ちしています」
軽い会釈を交わしながら、まゆとプロデューサーはそれぞれ別の方向へと歩いていく。
去り際、プロデューサーの耳に微かにまゆが誰かと話している声が聞こえた。
去り際、プロデューサーの耳に微かにまゆが誰かと話している声が聞こえた。
「?」
疑問に思って振り替えると、まゆと並ぶようにしてどこか今時の学生服を連想させる黒い洋服を着た少女が、まゆと話をしながら歩いているところだった。
まゆの友人だろうか、いつからそこにいたのか、あの頭部に浮かぶ輪っかは流行りのファッションなのか。
様々な事が浮かぶが、そこでプロデューサーの思考は停止する。
NPCである彼にとって、それ以上踏み込む事は許可されていなかった。
能面の様な表情を浮かべ、プロデューサーは踵を返して後の仕事を片付ける為に事務所へと足を進めた。
まゆの友人だろうか、いつからそこにいたのか、あの頭部に浮かぶ輪っかは流行りのファッションなのか。
様々な事が浮かぶが、そこでプロデューサーの思考は停止する。
NPCである彼にとって、それ以上踏み込む事は許可されていなかった。
能面の様な表情を浮かべ、プロデューサーは踵を返して後の仕事を片付ける為に事務所へと足を進めた。
「お目当てのプロデューサーさんは見つかった?」
黒服の少女がまゆへと語りかける。
泣き黒子が特徴的な、おっとりとした印象の少女だった。
泣き黒子が特徴的な、おっとりとした印象の少女だった。
「やっぱり、いませんでした」
少女の問いに、まゆは残念そうな表情で答える。
先程まで話をしていた人物は、本来まゆのプロデュースを担当していた人物ではなかった。
この舞台において『佐久間まゆのプロデューサー』という役割を振り当てられたのが、あのNPCだったというべきだろうか。
まゆは試しにプロデューサーに、本来のプロデューサーの名前を訪ねてみたが、この事務所に、そのような人物はいないという返答が返ってきた。
微かに本来のプロデューサーがいることに期待をしていたのかもしもれない。
その表情には少なからず落胆の色があった。
先程まで話をしていた人物は、本来まゆのプロデュースを担当していた人物ではなかった。
この舞台において『佐久間まゆのプロデューサー』という役割を振り当てられたのが、あのNPCだったというべきだろうか。
まゆは試しにプロデューサーに、本来のプロデューサーの名前を訪ねてみたが、この事務所に、そのような人物はいないという返答が返ってきた。
微かに本来のプロデューサーがいることに期待をしていたのかもしもれない。
その表情には少なからず落胆の色があった。
「もしかしたら、聖杯がそのプロデューサーさんと会ったらまゆちゃんの夢が叶っちゃうと思ったのかもしれないわね~」
「ふふっ、それはありませんよぉ」
「ふふっ、それはありませんよぉ」
クスクスと茶化すように笑う少女に対して、まゆもつられる様に笑みを浮かべ、少女へと顔を向ける。
ハイライトを失った双眸が、少女を捉えていた。
ハイライトを失った双眸が、少女を捉えていた。
「偽物のプロデューサーさんなんかに、まゆが心を動かされる訳ないじゃないですか、ランサーさん」
仕事場で浮かべ続けていた作り物の笑顔とは違う、どこか凄みを感じる笑みがランサーと呼ばれた少女に向けられる。
常人であれば気圧されてしまうかもしれないが、ランサーはそれをどこ吹く風といった調子で平然と受け止めている。
常人であれば気圧されてしまうかもしれないが、ランサーはそれをどこ吹く風といった調子で平然と受け止めている。
「言いましたよねぇ、まゆは、まゆのプロデューサーさんを取り戻したいんですって。
だから、作り物のプロデューサーさんがここにいたってまゆの夢は叶わないんです。
まゆが大切なのはあの日あの場所でまゆと出会ってくれたプロデューサーさんなんですから」
だから、作り物のプロデューサーさんがここにいたってまゆの夢は叶わないんです。
まゆが大切なのはあの日あの場所でまゆと出会ってくれたプロデューサーさんなんですから」
◆
読者モデル・佐久間まゆがアイドル・佐久間まゆへと変わった理由。
それは一人の男性との出合いだった。
『目と目が合う、瞬間、好きだと気付いた』という歌詞があったが、まゆにとってはまさしくその通りの出合いだった。
社長を説き伏せ、移籍する事になったアイドル事務所。
ようやく、想い人と一緒になれると舞い上がっていたまゆに待っていたのは、まゆと想いを同じくする、無数のライバル達だった。
だが、それは必ずしも彼女にとって悪影響を与えた訳ではなかった。
事務所にいる少女達もまゆに負けず劣らず、男性の事を想っていた。
彼女達との関係を言い表すならば、仲間であり好敵手という形容がピッタリだっただろう。
誰が彼を射止めたとしても恨みっこなし。
ただただ、彼に振り向いてもらえるように、時に衝突し、時に協力しながらお互いを磨き合う日々だった。
そんな日が唐突に終わりを告げた。
それは一人の男性との出合いだった。
『目と目が合う、瞬間、好きだと気付いた』という歌詞があったが、まゆにとってはまさしくその通りの出合いだった。
社長を説き伏せ、移籍する事になったアイドル事務所。
ようやく、想い人と一緒になれると舞い上がっていたまゆに待っていたのは、まゆと想いを同じくする、無数のライバル達だった。
だが、それは必ずしも彼女にとって悪影響を与えた訳ではなかった。
事務所にいる少女達もまゆに負けず劣らず、男性の事を想っていた。
彼女達との関係を言い表すならば、仲間であり好敵手という形容がピッタリだっただろう。
誰が彼を射止めたとしても恨みっこなし。
ただただ、彼に振り向いてもらえるように、時に衝突し、時に協力しながらお互いを磨き合う日々だった。
そんな日が唐突に終わりを告げた。
男性が、彼女達のプロデューサーが亡くなった。
まゆの世界は、一瞬にして色合いを失ってしまった。
それから先の事を、まゆはあまりよくは覚えていない。
『プロデューサーの夢を叶える』と死を乗り越え夢へと進んだアイドル達がいた。
『プロデューサーがいたからこそ、アイドルを続けられた』とアイドルの世界から離れた女性達がいた。
まゆはそのどちらにもなれず、ただただ思っていた。
『もう1度、プロデューサーに会いたい』と
『プロデューサーを生き返らせたい』と
まゆの世界は、一瞬にして色合いを失ってしまった。
それから先の事を、まゆはあまりよくは覚えていない。
『プロデューサーの夢を叶える』と死を乗り越え夢へと進んだアイドル達がいた。
『プロデューサーがいたからこそ、アイドルを続けられた』とアイドルの世界から離れた女性達がいた。
まゆはそのどちらにもなれず、ただただ思っていた。
『もう1度、プロデューサーに会いたい』と
『プロデューサーを生き返らせたい』と
気付けばまゆは、冬木市に作られた架空の女子寮の中にいた。
そしてその部屋の中にいたのが、黒い洋服に身を包み、武骨な薙刀を携えた少女、ランサーのサーヴァントだった。
何事かと混乱する彼女を落ち着かせる様に、ランサーはまゆが聖杯戦争という願いを叶えるための争いに招かれたこと、そしてそのルールを伝える。
ランサーの説明と、脳内に流れ込んでくる聖杯戦争の情報で、まゆは大まかな事態を理解する。
そして思った。思ってしまった。
『ここで優勝すれば、プロデューサーを取り戻せる』と。
そしてその部屋の中にいたのが、黒い洋服に身を包み、武骨な薙刀を携えた少女、ランサーのサーヴァントだった。
何事かと混乱する彼女を落ち着かせる様に、ランサーはまゆが聖杯戦争という願いを叶えるための争いに招かれたこと、そしてそのルールを伝える。
ランサーの説明と、脳内に流れ込んでくる聖杯戦争の情報で、まゆは大まかな事態を理解する。
そして思った。思ってしまった。
『ここで優勝すれば、プロデューサーを取り戻せる』と。
「ねえ、マスター。一つだけ質問をさせてもらってもいいかしら~?」
混乱していたまゆが落ち着くのを静観していたのだろう。
問いかけをしても問題はないと判断したランサーが口を開いた。
あるいはまゆが、彼女の想いに対して後ろ暗い希望を見出だしてしまったのが表情や態度に出てしまっていたのを読み取ったのかもしれない。
問いかけをしても問題はないと判断したランサーが口を開いた。
あるいはまゆが、彼女の想いに対して後ろ暗い希望を見出だしてしまったのが表情や態度に出てしまっていたのを読み取ったのかもしれない。
「……なんでしょうか」
「そんなに身構えなくても大丈夫よ~。
私はね軽巡洋艦、んーと、軍艦って言った方がわかりやすいかしら。
そんな船から生まれた存在だから、どんな命令にだって従うのは吝かじゃないわ~」
「そんなに身構えなくても大丈夫よ~。
私はね軽巡洋艦、んーと、軍艦って言った方がわかりやすいかしら。
そんな船から生まれた存在だから、どんな命令にだって従うのは吝かじゃないわ~」
にっこりと微笑みながらランサーは続ける。
「でもね、その命令で被る責任は貴方にくるの」
ランサーの笑顔が消える。
鋭い、射抜くような、試すような視線が、まゆを捉えていた。
鋭い、射抜くような、試すような視線が、まゆを捉えていた。
「これは戦争だもの、マスターが優勝して夢を叶えるためなら、他の参加者を殺さなくちゃ駄目なの。
私はマスターからの命令があればお爺ちゃんお祖母ちゃんから小さな子供。
どんな相手だって殺してしまえるわ。
でもね、それはマスターが殺すことになるの。
殺したのは私だけど、殺すのはマスターの意思。
それをふまえて聞かせてちょうだい。
マスター、あなたは他人を蹴落として<<コロシテ>>まで夢を叶える必要があるのか。
この方法で夢を叶えて、貴女は幸せになれるのか」
私はマスターからの命令があればお爺ちゃんお祖母ちゃんから小さな子供。
どんな相手だって殺してしまえるわ。
でもね、それはマスターが殺すことになるの。
殺したのは私だけど、殺すのはマスターの意思。
それをふまえて聞かせてちょうだい。
マスター、あなたは他人を蹴落として<<コロシテ>>まで夢を叶える必要があるのか。
この方法で夢を叶えて、貴女は幸せになれるのか」
ゾクリと底冷えのするような重圧がまゆを襲う。
自身を貫く視線にゴクリ、とまゆの喉が自然と鳴った。
それでも、その言葉程度で、その重圧程度で、恋に全てを投じた乙女が止まるかと言われれば、それは否であろう。
自身を貫く視線にゴクリ、とまゆの喉が自然と鳴った。
それでも、その言葉程度で、その重圧程度で、恋に全てを投じた乙女が止まるかと言われれば、それは否であろう。
「まゆは、亡くなったプロデューサーさんを助けたいんです」
ポツリ、とまゆの口から言葉が漏れる。
感情が、想いが、そこからまるで僅かに決壊したダムの様に漏れ出す。
感情が、想いが、そこからまるで僅かに決壊したダムの様に漏れ出す。
「プロデューサーさんがいなくなって、前に進んだ子がいます。
道を諦めた人もいます。
まゆはそのどっちでもない」
道を諦めた人もいます。
まゆはそのどっちでもない」
トップアイドルになったとしても、その輝きを見てほしい人間がいなければ意味がない。
プロデューサーがいなくなった事を受け入れ、別の道を歩めるほど大人でもない。
プロデューサーがいなくなった事を受け入れ、別の道を歩めるほど大人でもない。
「まゆにとってはプロデューサーさんこそが全てだったんです。
どこか私の知らないところで死んでしまったプロデューサーさんを、
お別れも言えなかったのに受け入れるなんて、まゆにはできないし、したくもありません」
どこか私の知らないところで死んでしまったプロデューサーさんを、
お別れも言えなかったのに受け入れるなんて、まゆにはできないし、したくもありません」
だからこそ、確定した運命に反逆する。
「『幸せになれるか』なんてわかりません。
でもプロデューサーさんのいない世界ではまゆは幸せになれません」
でもプロデューサーさんのいない世界ではまゆは幸せになれません」
自身にも言い聞かせるように、まゆは断言する。
ランサーを見据えるその瞳には確固たる意思が宿っていた。
ランサーを見据えるその瞳には確固たる意思が宿っていた。
「そう、随分と大事な人みたいね。
でも、プロデューサーさんって人は、貴女がそんな事をして喜ぶ人なのかしら~?」
「……喜ばないと思います。
きっと、まゆがそんな事をしたって知ったら、優しいプロデューサーさんはとっても傷つきます。
そして怒って、悲しむと思います」
でも、プロデューサーさんって人は、貴女がそんな事をして喜ぶ人なのかしら~?」
「……喜ばないと思います。
きっと、まゆがそんな事をしたって知ったら、優しいプロデューサーさんはとっても傷つきます。
そして怒って、悲しむと思います」
ランサーの問いに、まゆの表情が俯き曇る。
だが、それも一瞬。
だが、それも一瞬。
「でも、死んだままなら、そんな悲しまれる事や怒られる事だってできないんです。
それなら、まゆは生き返ったプロデューサーに怒られた方がいいです」
それなら、まゆは生き返ったプロデューサーに怒られた方がいいです」
その言葉と共にまゆは悲しげに、にっこりと微笑む。
今にも壊れてしまいそうな笑顔の裏に、ランサーは壊れ様のない想いを読み取った。
今にも壊れてしまいそうな笑顔の裏に、ランサーは壊れ様のない想いを読み取った。
「もう、しょうがないな~」
どうあっても、眼前の年端も行かない少女は揺らがない。
それを認め、軽く頭を掻きながら諦めたように溜め息を吐いてランサーが口を開いた。
それを認め、軽く頭を掻きながら諦めたように溜め息を吐いてランサーが口を開いた。
「貴女みたいな女の子がこんな事をするなんて止めたかったけど、
そこまで言われちゃうと、私からは何も言えなくなっちゃうわ~」
そこまで言われちゃうと、私からは何も言えなくなっちゃうわ~」
ランサーがまゆに向かって右手を差し出す。
それは共に戦い、まゆの槍と、盾となることを了承した証。
その意思をランサーの浮かべた柔らかな笑みと挙動から読み取ったまゆは、応えるように右手を差し出した。
それは共に戦い、まゆの槍と、盾となることを了承した証。
その意思をランサーの浮かべた柔らかな笑みと挙動から読み取ったまゆは、応えるように右手を差し出した。
「天龍型2番艦、龍田よ~。私の名前がバレると困っちゃうから、ランサーって呼んでちょうだい、マスター」
「まゆは佐久間まゆっていいます。マスターよりもまゆって呼んでください、ランサーさん」
「まゆは佐久間まゆっていいます。マスターよりもまゆって呼んでください、ランサーさん」
握手を交わす2人を夜の月明かりが照らしていた。
◆
「ごめんなさいね~、ちょっとからかってみただけよ。
まゆちゃんの想いがそれくらいで揺らぐなんて私も思ってないもの」
まゆちゃんの想いがそれくらいで揺らぐなんて私も思ってないもの」
舞台は現在へと戻る。
ハイライトを失った瞳で微笑みかけるまゆに対して、悪戯っぽく口元に指をあてながらランサーが謝罪をする。
ハイライトを失った瞳で微笑みかけるまゆに対して、悪戯っぽく口元に指をあてながらランサーが謝罪をする。
「もう、そういう冗談、まゆは嫌いですよぉ」
むすっと頬を膨らませ、そっぽを向くまゆをランサーは優しげに見つめる。
ランサーがこの魔力もなく、戦争というものすらも知らない少女に手を貸そうとした理由。
出会った時の問いかけから、まゆがどうあっても考えを変えないとわかった事、確かにそれもある。
だが、もう一つ。まゆとランサーに共通した想いがあった。
出会った時の問いかけから、まゆがどうあっても考えを変えないとわかった事、確かにそれもある。
だが、もう一つ。まゆとランサーに共通した想いがあった。
ランサーの正体、それは第二次世界大戦時に日本の軽巡洋艦として戦い続けた龍田の魂を受け継ぐ、艦娘と呼ばれる存在。
彼女には一隻の姉がいた。
時には共に戦い、活躍もした彼女達。
無鉄砲で向う見ずだが、型式の遅れなど気にも留めずに奮戦する姉がランサーの誇りであった。
そんな姉は彼女の知らぬ遠い海で眠る事となった。
姉妹の死に目に会えなかった事、駆けつける事ができなかった事。
艦娘となり姉と再会できた後も、それがランサーの悔いとして、心のどこかに残っていた。
『自分の知らない所で死んでしまった大切な人を助けたい』
まゆのその願いを聞いた時、ランサーは自身が何故彼女に呼び出されたのかを理解した。
同じ願いを持つ者同士引き合ったのだろう。
自身の叶えられなかった願いを他者の願いと同一化する行為はおこがましいのかもしれない。
それでも、ランサーは思う。
『かつて経験した過ちを繰り返さない事』こそが艦娘の存在意義の一つであるのならば、自分と同じ願いを抱えるものに、救済の手を差し伸べたいと。
彼女には一隻の姉がいた。
時には共に戦い、活躍もした彼女達。
無鉄砲で向う見ずだが、型式の遅れなど気にも留めずに奮戦する姉がランサーの誇りであった。
そんな姉は彼女の知らぬ遠い海で眠る事となった。
姉妹の死に目に会えなかった事、駆けつける事ができなかった事。
艦娘となり姉と再会できた後も、それがランサーの悔いとして、心のどこかに残っていた。
『自分の知らない所で死んでしまった大切な人を助けたい』
まゆのその願いを聞いた時、ランサーは自身が何故彼女に呼び出されたのかを理解した。
同じ願いを持つ者同士引き合ったのだろう。
自身の叶えられなかった願いを他者の願いと同一化する行為はおこがましいのかもしれない。
それでも、ランサーは思う。
『かつて経験した過ちを繰り返さない事』こそが艦娘の存在意義の一つであるのならば、自分と同じ願いを抱えるものに、救済の手を差し伸べたいと。
妄執と言わればそれまでなのかもしれない。
然れども、誰かを真剣に思う気持ちを否定させなどしない。
然れども、誰かを真剣に思う気持ちを否定させなどしない。
直に日が暮れる。
少女2人の道先を照らす光は心許ない。
それでもなお、2人は前に進んで行く。
進む以外に道を見出す事は、今はまだできないのだから。
少女2人の道先を照らす光は心許ない。
それでもなお、2人は前に進んで行く。
進む以外に道を見出す事は、今はまだできないのだから。
【クラス】
ランサー
ランサー
【真名】
龍田@艦隊これくしょん
龍田@艦隊これくしょん
【属性】
秩序・中庸
秩序・中庸
【パラメータ】
筋力C+ 耐久D 敏捷C+ 魔力D 幸運D 宝具C
筋力C+ 耐久D 敏捷C+ 魔力D 幸運D 宝具C
【クラス別スキル】
耐魔力: E
魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を多少軽減する。
耐魔力: E
魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を多少軽減する。
【保有スキル】
水上戦闘:A
水上にて戦闘を行なえるスキル。
Aランクともなれば、水上を滑るように移動でき、敏捷のランク及び非近接攻撃の回避成功率が上昇する。
ランサーは元々が軍艦であるため、水上での戦闘を得意とする。
水上戦闘:A
水上にて戦闘を行なえるスキル。
Aランクともなれば、水上を滑るように移動でき、敏捷のランク及び非近接攻撃の回避成功率が上昇する。
ランサーは元々が軍艦であるため、水上での戦闘を得意とする。
対潜弱点:A
潜水・潜地中の相手との戦闘時、幸運のランクが低下する。
Aともなるとほぼ最低値になり、ちょっとの事故が死につながる。
龍田は潜水艦との不幸な逸話に事欠かない。また、その最後は潜水艦による雷撃であった。
潜水・潜地中の相手との戦闘時、幸運のランクが低下する。
Aともなるとほぼ最低値になり、ちょっとの事故が死につながる。
龍田は潜水艦との不幸な逸話に事欠かない。また、その最後は潜水艦による雷撃であった。
料理発祥:C
竜田揚げをマスター、あるいはランサーが経口摂取した場合、微量ながら魔力が回復する。
ただし、竜田揚げから真名を解明されるリスクが発生する。
龍田によって竜田揚げが考案されたという逸話が、竜田揚げそのものがランサーを構成する一材料として昇華されたもの。
自身を構成する存在をランサー、あるいは魔力パスの繋がった存在が取り込む事により、魔力として返還、蓄積する。
竜田揚げをマスター、あるいはランサーが経口摂取した場合、微量ながら魔力が回復する。
ただし、竜田揚げから真名を解明されるリスクが発生する。
龍田によって竜田揚げが考案されたという逸話が、竜田揚げそのものがランサーを構成する一材料として昇華されたもの。
自身を構成する存在をランサー、あるいは魔力パスの繋がった存在が取り込む事により、魔力として返還、蓄積する。
矢避けの加護:C
『彼方に散りし天の龍』が発動している間のみ付与されるスキル。
飛び道具に対する防御。
狙撃手を視界に収めている限り、潜水・潜地以外の投擲及び射撃武器を肉眼で捉え、対処できる。
ただし、超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。
天龍との合同任務中に、敵戦闘機27機からの空襲を受けても無傷で切り抜けた逸話が昇華したスキル。
『彼方に散りし天の龍』が発動している間のみ付与されるスキル。
飛び道具に対する防御。
狙撃手を視界に収めている限り、潜水・潜地以外の投擲及び射撃武器を肉眼で捉え、対処できる。
ただし、超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。
天龍との合同任務中に、敵戦闘機27機からの空襲を受けても無傷で切り抜けた逸話が昇華したスキル。
【宝具】
彼方に散りし天の龍(第十八戦隊出撃ス)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
第十八戦隊として共に戦っていた姉妹艦、天龍を具現化し、共に戦闘を行う。この間、スキルに矢よけの加護が追加され、筋と敏の能力が倍加される。
この天龍はランサーが共に戦っていた天龍を具現化した概念存在であり、座にいる英霊、天龍を直接召喚する訳ではない。
故に仮に戦闘にて天龍が破壊された場合も半日ほどのインターバルをおいた後に再召喚できる。
尚、天龍のステータスは龍田と同一かつ筋力と敏捷の倍加が適用され、艤装として無銘の刀剣に加えて14cm単装砲と7.7mm機銃を装備している。
また、その代わりに水上戦闘以外の保有スキルは全て存在しない
彼方に散りし天の龍(第十八戦隊出撃ス)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
第十八戦隊として共に戦っていた姉妹艦、天龍を具現化し、共に戦闘を行う。この間、スキルに矢よけの加護が追加され、筋と敏の能力が倍加される。
この天龍はランサーが共に戦っていた天龍を具現化した概念存在であり、座にいる英霊、天龍を直接召喚する訳ではない。
故に仮に戦闘にて天龍が破壊された場合も半日ほどのインターバルをおいた後に再召喚できる。
尚、天龍のステータスは龍田と同一かつ筋力と敏捷の倍加が適用され、艤装として無銘の刀剣に加えて14cm単装砲と7.7mm機銃を装備している。
また、その代わりに水上戦闘以外の保有スキルは全て存在しない
率いられし駆逐者の群(第十一水雷戦隊旗艦 軽巡龍田)
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:20~80 最大捕捉:9
ランサーの合図により何もない空間から砲撃の一斉射を行う。また、水上での戦闘時には魚雷による雷撃も追加される。
新造駆逐艦隊の急速練成艦隊の旗艦を務めた逸話から、ランサー旗下の駆逐艦の砲台と魚雷を一時的に呼び出し、斉射を行なう。
この宝具は雷・電・響・新月・玉波・早霜・秋霜・霜月・島風の同位存在が同一の聖杯戦争に参戦している場合、その数だけダメージと最大捕捉数、攻撃回数が減少する。
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:20~80 最大捕捉:9
ランサーの合図により何もない空間から砲撃の一斉射を行う。また、水上での戦闘時には魚雷による雷撃も追加される。
新造駆逐艦隊の急速練成艦隊の旗艦を務めた逸話から、ランサー旗下の駆逐艦の砲台と魚雷を一時的に呼び出し、斉射を行なう。
この宝具は雷・電・響・新月・玉波・早霜・秋霜・霜月・島風の同位存在が同一の聖杯戦争に参戦している場合、その数だけダメージと最大捕捉数、攻撃回数が減少する。
【weapon】
艤装
本来であれば単装砲と機銃も搭載されているが、今回はランサーのクラスとして呼び出された為、薙刀以外の攻撃用装備はオミットされている。
艤装
本来であれば単装砲と機銃も搭載されているが、今回はランサーのクラスとして呼び出された為、薙刀以外の攻撃用装備はオミットされている。
【人物背景】
第二次世界大戦の軽巡洋艦、龍田の魂と記憶を受け継いだ艦娘。
おっとりとした口調に甘いボイスで、辛辣な台詞を吐く。
公式曰くヤンデレとの事で、その言葉通り物騒な発言が多い。
天龍の事はなにかと気にかけ話題に出すほど姉妹思い。
潜水艦と衝突したり嵐に遭遇したりと不幸な事件に見舞われることが多い。
また、味方と衝突事故を起こした事や最後は潜水艦に沈められたことから潜水艦が苦手
第二次世界大戦の軽巡洋艦、龍田の魂と記憶を受け継いだ艦娘。
おっとりとした口調に甘いボイスで、辛辣な台詞を吐く。
公式曰くヤンデレとの事で、その言葉通り物騒な発言が多い。
天龍の事はなにかと気にかけ話題に出すほど姉妹思い。
潜水艦と衝突したり嵐に遭遇したりと不幸な事件に見舞われることが多い。
また、味方と衝突事故を起こした事や最後は潜水艦に沈められたことから潜水艦が苦手
【サーヴァントとしての願い】
天龍が沈んだ戦闘への介入。
ただし、艦娘となってから天龍と再会はできたので、この願いよりもマスターの願いを優先させたい。
天龍が沈んだ戦闘への介入。
ただし、艦娘となってから天龍と再会はできたので、この願いよりもマスターの願いを優先させたい。
【マスター】
佐久間まゆ@アイドルマスター シンデレラガールズ
佐久間まゆ@アイドルマスター シンデレラガールズ
【マスターとしての願い】
死んだプロデューサーを助ける
死んだプロデューサーを助ける
【weapon】
アイドルの武器とは歌唱力とビジュアルとダンスである
アイドルの武器とは歌唱力とビジュアルとダンスである
【能力・技能】
家事一般・事務所への潜入や、人知れず他人の車にGPSを設置できる
家事一般・事務所への潜入や、人知れず他人の車にGPSを設置できる
【人物背景】
読者モデルだったが、プロデューサーに人目惚れし、プロデューサーの事務所に所属するまでにいたったアイドル。
ちょっと、いや、かなりのヤンデレ気質があるが、面倒見がよく気配りもしっかりできるので、プロデューサーが絡まなければ素直子と評判。
事務所の移籍などおっとりした見た目に反してかなりの行動力をもっている。
彼女の愛は情熱的で重く激しい。もし、その愛情を向けられた相手がいなくなったら?
そんなIfストーリーからの参戦
読者モデルだったが、プロデューサーに人目惚れし、プロデューサーの事務所に所属するまでにいたったアイドル。
ちょっと、いや、かなりのヤンデレ気質があるが、面倒見がよく気配りもしっかりできるので、プロデューサーが絡まなければ素直子と評判。
事務所の移籍などおっとりした見た目に反してかなりの行動力をもっている。
彼女の愛は情熱的で重く激しい。もし、その愛情を向けられた相手がいなくなったら?
そんなIfストーリーからの参戦
【方針】
ひとまずはアイドルをしながら魔力補充。霊地の確保及び可能な限り竜田揚げの摂取。
戦闘自体についてだが、通常攻撃に関しては魔力の消費も激しく無い分、宝具、特に発動後は常時展開される『彼方に散りし天の龍』は消耗が激しい。
十全に行動する為には魔力の充実が必要不可欠である、が魂喰いを行なう事は『必要以上にプロデューサーを悲しませる』と判断し、現状考えてはいない
ひとまずはアイドルをしながら魔力補充。霊地の確保及び可能な限り竜田揚げの摂取。
戦闘自体についてだが、通常攻撃に関しては魔力の消費も激しく無い分、宝具、特に発動後は常時展開される『彼方に散りし天の龍』は消耗が激しい。
十全に行動する為には魔力の充実が必要不可欠である、が魂喰いを行なう事は『必要以上にプロデューサーを悲しませる』と判断し、現状考えてはいない