SS
赤と黒 ◆gCP4pMI0TA
死霊皇帝の根城付近の森、その森の奥にその村はあった。
その村は戦う力の無い者の為に作られた村ではあるが、それは建て前で
実のところはゴミ捨て場となんら変わらない
本来ならば、死体の山が出来ていても不思議ではないが、ある男の気紛れのお陰で村人は生活することが出来ていた
朝焼けと共に男は村にやってくると、護衛として置いた番と村人らに笑顔で挨拶し、日課を始めた。
だが、丸一日かけて行う日課はその日に限って、たった二時間を終わることになった。
来客である。身なりは紳士ではあるが、その眼孔は血に飢えた獣を連想させるほど殺気に溢れている
彼の名は獄炎のバルトール、六武神の内の1人だ。
村から少し離れた所にある湖の畔にて、バルトールと男は腰を下ろし、葉巻をふかしている
「よく続くな」
初めに口を開いたのはバルトールからだった。
「初めは貴様が、また似合わないことをやり始めたと思ってたが」
「まぁな…」
男は静かにそう答えるとそのまま、続けた
「嬉しくってな…」
「嬉しい…?」
疑問に眉を歪ませるバルトールを尻目に男は続ける
「死に物狂いで戦ってきて勝ち取れなかったものを手にしたよ」
「…?」
「信頼……」
男は静かにバルトールに話す。
「何気ないことに力を貸す俺を、あいつらはただ信じてくれる…
感じるんだ…老い傷ついた手から俺への全幅の信頼…その手応え…」
「……」
「力では手に入れられない…どういうわけか力じゃ手にできなかったな」
「…なるほど………下らんな」
煙を吐き出しながら、バルトールは男の言う「信頼」を軽く否定した
確かに、魔族としては当然の解答に違いない。それほど、男は変わり者であるのが再認識できた。
「ところで疾風の…あの女に連絡はつくか…?」
その時、男の表情は一変した。
「え……みつかったのか?」
「無論だ…まず『器』がぴったり、境遇も好都合…人間にしておくには惜しい資質もありそうだ
ほとんど、あの女の意向にぴったりさ」
「……ふーん…
信頼するにたる男ってわけだ…」
「……そうとも言えんがな。利を与えている限りは充分使える」
「ためしていいかい…?」
「何を…?」
「あの女に会わせる前に、俺も確認しておきたいんだ
そいつが本当に信頼できるかどうか…?」
徐々に悪人顔が露わになる『疾風』の名を持つ男は続ける
「これはなにも、その男が裏切るとか…そんなことをいっているんじゃない…!
さっきの怪我人達を霊に出すとわかりがいいさ…
あいつらは間違いなく俺を信頼してくれているんだが…
その信頼の根っこを支えているのは、俺の心とか善意とかじゃなく『力』…自分らを十分に守れるってことだろ…
つまりは、能力だ…!
どんな奴が手助けしても、どうしようもない屑ならば彼らにとってこんなに心細いことはない
俺はその男の能力を計りたいんだ
わかるだろ?獄炎の…!」
「フンッ能力か…」
「今、ちょうどうってつけの『仕事』があるんだ
その人間の腹ん中、器量、全部計れる最高の『仕事』俺が口をききゃあ仕事には加われる
頼むよ獄炎の…!
その男
計 ら せ て く れ ……!」
これは【二次創作】TRPG系萌えスレッド【好みキャラ】に投下されたものを転載したものです。
第四章と同時期にあったと思われる裏話。疾風のアルベルの初出作品です。
◆gCP4pMI0TA さん、ありがとうございました!
小ネタ
ギャグファンタジーTRPG2425より
たったひとつの真実見抜く、見た目はイソギンチャク、頭脳は美少女。その名は名神官アズリア!
テイル「おかしいな……最近NPCが減ってる気がするんだけど?」
ガチャピン「俺は最近殺しはやってないぞ」
タケル「NPCが減ったんなら、俺の新しい仲間を連れて来てやっても良いぜ」
蛾「……」
フラポリー「もっちゃもっちゃ」
イソギンチャク「NPC失踪!事件ですね!(ポクポクポク…チーン!)謎は全て解けました。みなさん集まってください」
(集まる一同)
イソギンチャク「NPC失踪事件の犯人は……フライングポリープ、貴方です!理由は勘です!」
フラポリー「もっちゃもっちゃ」
テイル「フラポリーちゃん、さっきから何食べてるの?」
ガチャピン「口の周りに脳味噌ついてるぞ、ハハハ」
PLの人「そういえば、いつのまにかPCも一人減ってますね。彼女はいったいどこへ消えたのでしょう?」
フラポリーの看板『たいへんおいしゅうございました』
(警察的な場所)
フラポリーの看板『わたしがやりました、おかわり(かつ丼をペロリと平らげながら)』
取調官「これがNPC失踪事件の顛末か。なんとも人を食った話だ……」
勝手に転載させていただきましたがこの場を借りてお礼を言わせていただきます。
筆者の方、ありがとうございました!
最終更新:2010年12月27日 01:12