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ゆうじスネイク

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ゆうじスネイク ◆LxH6hCs9JU



「――吉田さんが死んだ」

 あえて、声に出して確認する。
 声にせずとも理解している事実を、わざわざ言葉に直す。
 腹の内で消化するには些か難儀だったその結果を、もう一人の自分に吐露することで。

吉田一美は“紅世”に関わった。これはその末路と言えよう」
「“紅世の徒”が……吉田さんを喰らったっていうのか?」
「そうではない。そうではないとしても、吉田一美がこの地に『いた』因果は、“紅世”が齎した災厄とも取れる」
「……僕の、せいなのか」

 少年は問う。
 半身は答えぬ。

「もとより、彼女とおまえとでは歩む道が違ったのだろう。選ぶよりも先に選択肢が一つ消えたというだけのこと」
「それでも、僕は彼女に死んでほしくなんてなかった。仮に、『もう答えが決まっていた』としても――だ」
「ならばこの地で選ぶのもよいではないか。己の意思で道を選択し、そして――成れ」

 少年は黙る。
 半身もまた黙る。

 鏡の向こう側に存在するもう一つの存在。
 関わりを持ったあのとき、打ち込まれた楔が今日ここで成る。
 なくしてしまった心臓、その代替物としてある『零時迷子』、所有、管理する少年。

「まだ、そのときじゃない」

 目の前には、ひたすらに黒い水面が広がっていた。
 少年はまだ、そこに浸りきることを拒否し、
 半身は、残念そうに半身を眺めていた。


 歩め。
 拒むな。
 踏み出せ。
 受け入れよ。


 囁きかけてくる、声。


「 余と 共に―― 大命の、王道 を 」


 ◇ ◇ ◇


 以上が、坂井悠二と何者かの会話。

 以降が、坂井悠二と何者かの遭遇。


 ◇ ◇ ◇


 現在地、『C-4』。
 目的地を警察署と定めた坂井悠二が辿り得る道筋は、大きく分けても三通りあった。

 一つは堀の外側を東に回り、半周して警察署を目指すコース。
 これは百貨店を拠点に構えていると考えられる“狩人”との遭遇の危険性が高く、進路としては最悪。
 迷う要素はないが、地図を眺めるに三通りの中でも一番遠回りな道になるだろうと取れ、まずこれを却下。

 続いて二つ目、地図中央に位置する城の敷地内を突っ切り、警察署を目指すコース。
 遠くから見るに、土塀だらけの迷路のような区画とも思えたが、幹線道路が敷いてあるようなので車での通行も可能ではあるだろう。
 迷う要素もあるにはあるが、大通りを通ればその心配は薄い。反面、進路が限定されるので襲撃の可能性も高くはあった。

 最後の三つ目、堀の外側を西回りに迂回するコース。
 そこはちょうど山と市街地の境目にもなっており、道路らしい道路も敷かれていないので安全には進める。
 すぐ近くには天守閣が建っているため、それを目印に歩けば方位磁石にも頼らず警察署に辿り着けてしまうだろう。

 どこを通ったとしても、大差はないように思える。
 警察署までの最短距離、他の参加者との遭遇の可能性、敵からの襲撃の危険性、諸々を考慮し、熟考する。

 すでに放送は終わっていた。
 放送が終わってから、すでに結構な時間が流れていた。
 今になって、悠二は進路を選択する。

「……西、かな」

 夜もとうに終わっていた。
 日が昇った空を眺めやり、さらにその奥に聳え立つ『黒い壁』も逃さず目視する。
 あれが、この世界と元の世界の繋がりを遮断する因果の境界線。
 夜の闇にも似た、だからこそ朝になるまで気づくことができなかった、悠二たちを閉じ込めるための檻である。

 ――“人類最悪”。

 放送によって再びの声を聞こうとも、その正体は判然とせず、黒い壁の謎も明かされはしなかった。
 あれが“封絶”の高位種と仮定するなら、“人類最悪”は“紅世”最高の天才と謳われた“螺旋の風琴”をも越える自在師か、
 または彼の後ろに立つ存在がそうなのか。そもそも“紅世”縁の者であるという根拠すら、希薄だった。
 人類と言うからには人間であるのかもしれないが、しかしあの仮面の下に素顔が隠れているとも限らない。
 正体不明の狐面。一回目の放送が経過しようと、“人類最悪”に関する情報がたいして増えたわけではなかった。

 なんであれ、ぼやぼやしている暇はもうないのだ。
 もはや悠二には、異変解決のために奔走する道しか残されていない。
 そういう意味での選択は、すでに完了していたのだろう。

 だから彼は、道を選び取った。
 その選択とて、遅すぎたというのに――。

(あれは……?)

 襲撃の可能性に気を配りつつ、なるべく堀に近づかぬよう進んでいくと、悠二はそこである人物に行き当たった。
 そこ、とはつまり、道端。一車線ほどの道幅しかない、人目にもつきにくそうな道ではあったが、自然とそれは目に留まった。
 むしろ見逃せというほうが難しい。人と相対することを避けて進んでいた悠二とは違い、その人物は堂々たる構えで、

 ボリッ、と。

 朝食を取っていた。


 ◇ ◇ ◇


 不味くはないが美味くもない。しいて言うなら質素なお味。
 それが俺の支給物資、見るからに保存食料丸出しなカンパンの缶詰様に下した評価だ。
 そりゃあちらさん方としてはわざわざ俺たちに豪勢なメシを振舞う必要もないわけで、サバイバルの食料として持たせるならこういうものが相応しいだろうよ。
 そもそも滞在期間は最大でも三日なわけだからな。気張れば飲まず食わずでも生きていける。いや、さすがに水は必要だろうか。

 零時きっかりに始まったこの椅子取りゲームは六時間が経過し、第一回放送という一大イベントを超えてようやくの朝を迎えた。
 普段ならトーストに目玉焼きといった一般家庭さながらのブレックファーストに興じるところ、俺は虚しくカンパンを齧っている。
 なにも料理ができないってわけじゃない。俺にだって玉子焼きくらい作れる。見た目と味は保障しないが。
 食材だってそのへんのお宅を訪問すりゃなにかしら冷蔵庫に眠っているだろうし、家主が不在なんだから窃盗の罪に問われることもない。
 とはいえ手間。そして面倒くさい。というかそれほど腹が減っているわけでもない。カンパン一缶でも十分足りるってもんだ。

 そのカンパンが今、ちょうど空になった。
 ヤロウ、なにが青年男性一日分の食料だ。食い尽くすのに三十分とかからなかったぞ。
 エネルギーとしては青年男性一日分のそれを摂取できたのかも知れないが、口にはぱさぱさとした食感だけが残っていてどうにも切ない。
 突撃!隣の晩ごはんよろしくやっぱりお宅訪問にでも繰り出そうか、などと考えていると、俺の目の前にそれは突然やって来た。

「…………」

 ――古泉と国木田を足して二で割ったような顔が、珍妙そうに俺を眺めていた。

 断っておくが、間違ってもそこに谷口や俺の成分は入ってない。入り込めないと言ってしまったほうが適切だろう。
 良くて中性的な、悪くて無個性とも言える、総合して普通という印象の拭えない同年代男子(推定)がそこに立っていた。

 俺を見つけてまず、どんな言葉をかけるべきかと悩んでいるのだろう。
 このまま見なかったことにするか、という葛藤すら渦巻いているやもしれん。
 俺だったらスルーだろうな。君子危うきに近寄らず、つまり変な人には近づかぬが吉という教えだ。

 この場合の変な人、というのはずばり俺である。
 夜も明けて間もないこの時間、俺は人通り皆無の道端で、堂々あぐらをかきながらカンパンを頬張っていたんだからな。
 そら声もかけづらいというものだろう。わかるぞ少年、おまえの判断は正しい。だが俺は助け舟なんか出してやらない。
 なにか話があるってんなら、そっちから喋りかけてみろ。

「……あの、なに、やってるの?」

 第一声まで普通だった。


 ◇ ◇ ◇


「朝メシ」

 恐れ知らずにも往来のど真ん中で食事を取っていた少年は、悠二の問いに対してそう答えた。
 そのあっけらかんとした表情はどこか挑発的で、こちらの接触をあまり好ましく思っていないのか、忌々しいと目で訴えてくる。

(この状況下、どこから誰に狙われるかもわからないっていうのに)

 少年の行動に悠二はただただ呆れ、なにも言えなくなってしまった。
 それでも名前くらいは聞き出しておくべきだろう、とこれを尋ねると、

「ジョン・スミス」

 平然とそう返された。
 ブレザータイプの学生服を着衣とするこの少年は、容貌のほどから見ても悠二と同年代と見て間違いない。
 顔つきは誰がどう見ても日本人。欧米版山田太郎の名前に相応しいとまでは言わないが、没個性タイプ。
 ジョン・スミスという名簿には載っていなかった名前も、抹消された十名の内の一人というよりは偽名の可能性が高い。
 悠二はこれを虚言だと断定し指摘すると、

「いきなり話しかけてきた見ず知らずの他人に、なんでわざわざ本名を名乗らにゃならん」

 至極もっともな返答をされてしまう。
 悠二は多少むっとしたものの、感情を表にあらわしたりはしなかった。

「名前を聞くんなら自分から名乗るのが筋ってもんだろうが」

 これもそのとおり。
 悠二は内心は渋々と、表面ではもちろん秘して、少年に自身の名を告げる。

「坂井悠二ね。名前まで普通ときた」

 これにはさすがにカチンときた。
 悠二は堪えきれず、なにか言ってやろうと口を開きかけたところで、

「俺はキョン

 少年が己の名を告げた。

「一応言っておくが、もちろんあだ名だぞ。どういうわけか知らんが名簿にゃそう載ってたんだ。名乗る名前があるとすりゃそれだろうよ」


 ◇ ◇ ◇


 以上が、坂井悠二とキョンの初邂逅。

 以降は、坂井悠二とキョンの前哨戦。


 ◇ ◇ ◇


 どうにも緊張感に欠ける出会いだった。
 六割がたは俺の態度に問題があったのだろうが、坂井も坂井で対応の仕方が常識人のそれだしな。
 まったくもって普通すぎる。久しぶりじゃないか? 俺の身近にこんな『普通』の二文字が似合う人間が現れたのは。
 宇宙人も未来人も超能力者も関係ない、善良な一般市民様を俺はこよなく愛す。普通は親しみの称号であると言えよう。

 ちなみに、互いの名を教え合ってすぐ「おまえは涼宮ハルヒの関係者か?」と尋ねてみたところ返答は返ってこず、
 代わりに浮かんできた神妙な顔つき一つでこいつが嘘をついていないということは理解できた。
 うむ、機関の一員でも情報統合思念体のヒューマノイド・インターフェイスでもない、実にスタンダードな人間だ。

「で、なんで道端でカンパンなんて食べてたのさ?」
「腹が減ったから。朝メシの時間だから。おまえだってこのくらいの時間にはメシを食うだろう?」
「まさか、今がどういう状況かわからないってわけじゃないだろう?」
「ああ、よーくわかってるよ。道端で一人安穏とメシ食ってるなんて、とんだ気狂いだってこともな」

 はい、これ自分のこと。
 だがまあ、そこにはちゃんと意味も備わっていたわけさ。
 他人には到底理解できない、深いようで本当はどうしようもなく浅い、馬鹿な意味がな。

「ここでこうしてりゃあ、俺を見つけた誰かがなにかしらしてくるだろうと思ってよ」

 俺の意図がまるで理解できないのか、坂井は首を傾げている。

「要するに運試しだったのさ。運が良けりゃ素敵なお姉さま方に優しく声をかけられるだろうし、悪けりゃ適当な高台から鳩撃ちにされて終わりだ」

 ちらり、とここからでもその全貌が眺められる天守閣を見た。
 あそこなんて絶好の狙撃ポイントだろう。生き残りの方法としては、城に陣取るってのも良策と思う。

「他人と接触の機会を得るために、わざわざ隙を作ったっていうのか?」
「そういうこと。馬鹿げてると思うか?」
「馬鹿げてるよ」
「だろうな」

 感性まで普通だな、こいつ。

「……なにか、ショックなことでもあったんじゃないか?」

 それでいて妙に鋭い。
 あの自称超能力者の古泉でさえ、テレパシーは専門外と言い切ってやがったのに。
 このなんの変哲もない少年Aみたいな坂井少年がどうして俺の胸の内を読めるのか。それはただ単に俺がわかりやすいだけだった。

 いつまでも遠回しに語っているのもあれだな、かったるい。
 ここできっぱりすっぱり断言しちまおうか。

「ショックなことね。該当するものがあるとすりゃ、知り合いの名前がさっきの放送で三人ほど呼ばれたってくらいか」

 俺は自分でも認めてしまうくらいに、自暴自棄になっていた。
 なんかもう、どうでもいいや。深く考えるのはやめやめ。
 ここから先は運の向くほうに歩いていこうじゃないか。
 そんな風に。

 俺の話を受けて、坂井は途端に押し黙る。
 それはそれは、どうもこのたびはご愁傷様です、と言わんばかりの表情だ。
 はっ、よしてくれ。今の俺はたとえ朝比奈さんに膝枕つきで慰められたって立ち直れる気がしない。

「ちなみに訊いておくが坂井、メリッサ・マオって人とアリソン……ええと、アリソンさんって人と面識があったりはしないか?」

 ……ちくしょう。
 あれだけのことがあったってのに、俺は結局アリソンさんのフルネームすら覚えてないじゃないか。

「東のほうから来たんだよな? じゃあ途中で女の人の死体が転がっちゃいなかったか? 金髪の、綺麗な人だったんだ」

 俺の質問に対して、坂井は黙って首を振る。
 こいつにしたって、あの放送でそれなりの精神的被害を被ったかもしれないのだ。
 わかっちゃいる。わかっちゃいるが、俺はお構いなしに自分の不幸話ばかりを語ってしまう。

「じゃあ……長門有希。こいつの名前はどうだ?」

 坂井はこれにも首を振った。
 期待なんざ最初からしていなかったが、こいつが長門のことを知っていようが知っていまいが、なにも変わるまい。
 そう、変わらないんだ。今回ばかりは繰り返しもやり直しも適用されない。聡いことに、俺はそれに気づいちまってる。

「この三人が死んだから……ってわけじゃないんだがな。長門。そう長門だ。こいつが死んだのが一番マズイ。
 どうにかできる人物がいたとすれば、それはハルヒじゃなく長門だったんだ。なのにあいつは、もういない」

 こんな最悪な状況から脱出できる方法があるとすれば、その鍵を握るのは間違いなく長門有希であったはずだ。
 その長門が、なんの間違いか早々にリタイアしちまった。はっきり言って由々しき事態である。

 ああ、そうさ。俺は心のどこかであいつに頼りきっていた。
 ハルヒ絡みでトラブルが起きたときも、大抵は長門がなんとかしてくれたからな。

 しかしどういうわけなんだ長門。どうしておまえが死ぬ。誰かに殺されたんだとしたら、再生したりはできなかったわけか?
 ドラえもんに頼りすぎたのび太くんへのお仕置きなのかね。あの狐野郎、四次元ポケットだけ渡しやがってどうしろってんだ。
 この鞄の中が野比家の押入れに繋がっているってんならある意味救いだが、そんな灯台下暗しなオチは御免被る。

「まあ、言っちまうとだな」

 鏡があれば見てみたい。
 それが今の俺の心境だ。
 大層酷い顔なんだろう。
 嫌気が差してくるねぇ。

「もう、夢も希望もないって感じなんだわ」


 ◇ ◇ ◇


 酷い顔だった。

 表皮の色は青く、その内側は葛藤と落胆に満ちていて、瞳は完全に輝きを失ってしまっている。
 運試しだったという言葉も、おそらくは本当なのだろう。
 仮に悠二が殺人を肯定していたとして、彼を標的と定めたならば――大人しく殺されていたに違いない。

 死を受け止めてもいいと思えるほどの、失意。
 アリソン、メリッサ・マオ、そして長門有希という三人の死が、キョンの肩に重くのしかかっているのが見えた。
 落ち込む姿は見ていられない。存在感も希薄で、その胸に宿る“存在の炎”も、印象はどこか儚い。
 まるで消滅寸前のトーチにも似た危うさが、悠二の心に揺さ振りをかけた。

「ときに坂井。おまえ、宇宙人の存在を信じるか?」

 上辺だけを取り繕った見え見えの空元気で、キョンはそんなことを訊いてくる。

「いるんだよ、宇宙人。さっき言った長門がそうだ。正確には情報統合思念体っつーものらしいんだが。
 いや、長門はその情報統合思念体に作られたヒューマノイド・インターフェイスだったか?
 まあ言っちまえば宇宙人みたいなもんだよ。姿形はちゃんとした人間だけどな。間違ってもE.T.とか思い浮かべるなよ?」

 知り合いが宇宙人という、俄かには信じがたい話を咀嚼するように聞いていく。

「要するにそれだけ人間離れしたヤツだったってことなんだが……長門なら、この最悪な状況もどうにかできたはずなんだ。
 それがたったの六時間でリタイアしちまった。頼みの綱がたった六時間だ。もうだめ。もう万策尽きた。そんな感じでよ」

 宇宙人である長門有希ならば、この状況を打開することができた――これも信じがたい。
 たとえばあの“黒い壁”を壊すにしても、“人類最悪”の一派を倒すにしても、できたというならなぜ生きている内にやらなかったのか。
 条件が揃わなかった、条件が揃う前に他の参加者に殺されてしまった、そんな想像が頭に浮かんでくるが、どれも無意味。
 長門有希がどういった存在であろうと、キョンの言葉の信憑性がどうであろうと、すべてもう終わったことなのだ。

 大事なのはそれらを受容し――諦めるか、それともまだ抗うかの、選択。

「ちなみに、名簿に載ってた古泉ってヤツがいたろう? あいつは超能力者だ。かなり限定的なもんだがな。
 あいつは長門ほど万能ではないし、ただでさえハルヒを神格化して持ち上げているようなヤツだ。
 事態解決のために積極的に動くことはあっても、結局はハルヒを中心に考えているだろうことが目に浮かぶ。
 未来人の朝比奈さんなんてもってのほかだ。あの人は存在自体は天使だが、こういったトラブルへの対処能力は著しく低い。
 朝比奈さん(大)が未来から助けに来てくれるってんならわからないでもないがな。そういうご都合展開はないだろうぜ」

 宇宙人の次は超能力者、そして未来人ときた。
 悠二にはもはや、キョンがなにを言いたいのかがさっぱりわからない。
 いや、あるいはこの言動の一から十までが皆、諦めの一環とも取れるのだろうか。

「ハルヒ――いや、あいつの力に頼るなんざそれこそ本末転倒だな。あいつの願望がいい方向に転んだ試しがねえ。
 そもそも、古泉の言うとおりハルヒが神様だってんなら、こんな馬鹿げたゲームは早々にぶっ壊してくれてるだろうぜ。
 いくらハルヒでも、こんなイベントを望んだりはしないだろうからな。長門が死んだともなりゃなおさらだ。
 ああ、そうだよ。長門が死んだんだぞ? じゃあ今頃ハルヒはどうしてる? あのSOS団団長様は、
 団員が死んじまっていったい全体どうなさるおつもりだ? 現実否定して殻に閉じこもるのが妥当な線か?
 だがこの世界はなにも揺らいじゃいねぇぞ。閉鎖空間だってできてないし、《神人》だってまだ暴れちゃいない」

 もはや悠二に話を聞かせるつもりはないのか、キョンの口ぶりはどんどん饒舌になっていった。
 発言の内容は、変わらずの後ろ向き。必死になにかと戦っているような葛藤も、見えはしたが。
 それでもキョンは依然、下を向いたまま、悠二とは目を合わせずに、喋り続けるのだった。

「そのハルヒにしたって――――あっ」

 かと思えば、急に止まった。
 口を半開きにして、地面に向けていた視線をつーっと、悠二のほうに移してくる。
 戸惑いと訝りの気持ちを半々に、キョンの動向を注意深く観察していると、

「あ……アッ――――!!」

 今度は唐突に叫びだした。
 あぐらの体勢からほとんどカエルのような勢いで飛び上がり、悠二の両肩に掴みかかる。

「そうだよ、忘れてた! まだ可能性は失っちゃいない、どうにかできるヤツがもう一人いたじゃねーか!
 だがあいつに頼るってのもどうなんだ? そもそも頼りにできるようなヤツでもないだろう?
 いや、むしろこいつは賭けだ。どのみち俺一人だけでできることなんてないんだからな、ちくしょう!」

 キョンは完全に、悠二からの返答は求めていないようだった。
 ただ独り言をぶつけるためだけの案山子。今の悠二に役割があるとすればそれだ。
 どうリアクションを返せばいいのか、むしろなにも返さないほうがいいのか、悠二は考え、

「おい坂井。ここで会ったのもなにかの縁だ、ちょっと俺の人探しに付き合ってくれないか?」

 答えを出す前にキョンからの誘いがかかった。

「人探しって、いったい誰を?」

 悠二が尋ね、キョンは一瞬、固く口を閉ざした。
 傍目にも言いづらそうな雰囲気を破り、なんとか声には出してみるが、

「……朝倉涼子。さっき言った長門の、お仲間みたいなもんさ。ああ、たぶん」

 それは不安に塗れた、非常に弱々しい発言だった。


 ◇ ◇ ◇


 朝倉涼子。
 我らが北高一年五組のクラス委員長で、先生からの評判もたいへんよろしい優等生さんだ。
 常日頃女子生徒のチェックに余念のない谷口からはAAランクプラスと太鼓判を押されるほどの美少女でもある。
 そんな彼女も急遽父親の都合でカナダにお引越しされたのだが、どういうわけかこのゲームに参加していらっしゃった。

 まあ引越し云々は長門の情報改変の結果なんだがな。
 朝倉の正体。それは長門と同じく情報統合思念体に造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースであり、
 ハルヒの観測役としては長門と意を違える急進派なるものに属していたため、俺に対し殺人未遂という名の強行を働いた、
 要は俺にとっての油断ならない人物なのである。一度は殺されかけたんだからな、そりゃ警戒もするってもんさ。

 長門によって消滅させられたはずの朝倉がどうしてここにいるのか、という疑問については深く考えない。
 あいつはそもそもが長門のバックアップみたいな存在だったようだし、
 なにかしらの手順を踏んで復活されたと考えても不思議ではないように思える。
 人間とは違う……そう言っちまえれば楽なんだろうが、だとしたら長門が死んだってのは――だめだ。
 俺なんかが考えたところで、納得できる解は巡ってこないだろう。時間の無駄だ。

 で、朝倉涼子。
 こいつは長門との直接対決で負け、その存在を消滅させてしまったわけだが、スペックは長門級と見て問題ないだろう。
 長門でどうにかできることならば、朝倉でもどうにかできるはず。そんな単純な思考に、俺は至った。
 至ったうえで考えついたのが、朝倉に協力を求めるという、他力本願丸出しな弱々しい目論みだった。

 しかしこれは仕様がないことと言えよう。なんせ俺は宇宙人でも未来人でも超能力者でもなく、ただの一般人なんだからな。
 この状況をどうにかできる人間がいるとしたら、それは間違いなく非一般人。俺以外の誰かだ。
 そして長門亡き今、それに最も近いのは朝倉涼子。彼女を置いて他にないと断言してしまえる。

 問題なのは朝倉がこの状況をどう認識し、どういった目的で動いているかってことだ。
 前述のとおり、あいつは過去に俺を殺そうとした。ハルヒが起こすという情報フレアとやらを観測するためだったか。
 ではこの状況下でも朝倉の行動方針は変わらないのだろうか。ハルヒのリアクション目当てに、俺を殺そうとしているのか?
 はっきり言ってわからない。朝倉に関する判断材料を俺はそんなに持ち合わせちゃいないからな。
 ただ頼れるだけの力は持っているはず、俺がわかるのはそれくらいだ。

 頼っていいのか? 頼れるようなヤツなのか?
 どうにも煮え切らない。しかし可能性がゼロとも言えない。遭遇自体がデッドエンドフラグかもしれないってのに。

「探してみる価値はあるんじゃないかな」

 俺の話を聞いて、坂井はそう言った。

「正直な話、僕には判断つかないけれど……攻め手の一つとして考えるなら、十分に有りだと思う。
 仮に敵対は免れない相手だとしても、そのときは逃げるなり撃退するなりすればいいわけだし」

 軽く言ってくれる。おまえは朝倉のキラースマイルを見たことがないからそんな風に言えるのだ。
 あいつと対等に渡り合えるヤツなんざ、それこそ長門くらいなものだろう。
 ショットガンを持ったマオさんやあのシズって野郎でさえ、朝倉の前じゃ足下にも及ばん。

「……うん。朝倉涼子、ね。キョン、って呼んでもいいかな? 僕も君の人探しに協力する。その代わり、君も僕の人探しに協力してくれないか?」

 俺の頼みをあっさりと了承してくれた坂井少年は、ギブ&テイクの精神に則りそんな交換条件を出してきた。

「おまえはおまえで、誰を探してるっていうんだ?」
「探しているのは――いや。今『探すべき』なのは、二人。一人はシャナっていう名前の女の子。もう一人は」

 淡々と告げていく坂井の言葉を、俺はこれまた淡々と頭に入れていったわけだが、

「“人類最悪”」

 この瞬間にはさすがに、「は?」と珍妙な表情を浮かべてしまったに違いない。


 ◇ ◇ ◇


「僕は遅すぎたんだ」

 言う。
 今さら、としか形容できない事実を、ただ言葉で確認するかのように。
 停滞、諦観、自暴自棄、他力本願――その果ての一つを味わい、経て、坂井悠二は道を選び取った。

「僕は当初、ここから南に建つ警察署を目指していた。そこから、僕の持っている携帯に電話がかかってきたから。
 犯行予告みたいなものだったんだけどさ。参加者の中にはこの催しを明確に『殺し合い』と捉え、動き出している人間がいる」

 悠二はそれを止めるために、だからこそ警察署への道をひた走っていたのだ。
 途中、マネキン型の“燐子”や“狩人”フリアグネ縁の人物と捉える“少佐”との邂逅を経て、危難への認識はより強固なものとなった。

「まずは目先から――って、そんな風に考えていた。これ自体がもう既に、遅すぎた。
 僕は早々に道を選び取るべきだったんだ。悩んでいる内に……選択肢の一つは消えてしまった」

 悠二の意味深長な語りを、キョンは黙って聞いていた。
 先ほどとは逆の構図が展開され、悠二は構わず続ける。

「……吉田さんは、もういない。その上でシャナまで失うなんて、僕には耐えられない。『この戦いは、いつか』――いや」

 悠二は思い、口にする。

「今はただ、この状況から脱出するためだけに行動しようと思う。そのために必要なのが、“人類最悪”の発見なんだ」

 毅然としてはいるものの不明瞭なその物言いに、キョンは肩を竦めて言う。

「“人類最悪”を見つける、なんてご大層なことを言うが、あの狐のお面野郎がどこにいるのかなんてわかるのか?」
「確証もない、現段階では勘程度の推測だけど……“人類最悪”はたぶん、僕たちと同じこの会場の中にいる」

 それはキョンからしてみれば、推測の域にも達しない荒唐無稽な戯言と取れただろう。
 しかし悠二には、予感がある。両儀式との邂逅を果たす以前から感じていたそれは、言うなれば『モヤモヤ』。

 この会場全域に浸透する、違和感とも言い表せる異質な空気……御崎市のそれとは明らかに違うものの、正体。
 はじめは単なる環境の違い、田舎と都会の空気の差のようなもの、そんな風に考えていた。
 しかし『吉田一美が死亡し、改めて危難への意識を高めた今』、振り返ってこれを考えてみれば――辿る答えは違ってくる。

 誰が教えたのか。
 誰が感じ取らせたのか。
 誰がそう訴え導いているのか。

 悠二はわからない、が。
 坂井悠二の、“ミステス”としての異常に長けた感知能力が、そう告げている。

 この会場全域に、“紅世の王”にも似た強大な“存在の力”の気配を感じる――と。

(だとすれば、あの“人類最悪”という存在はあるいは……“依代”に過ぎないのかもしれない)

 すべてを“紅世”の常識で語ることは愚。それは心得ている。
 だからといってこの感覚が全否定しうるだけの曖昧なものとも、到底思えない。
 心臓のない胸元、『零時迷子』を宿す存在の遥か奥底からは――確かに。

 悠二に向けて、声が響いてきている。

「この状況を破壊するっていうんなら、行動は早い段階から起こしておくべきだったんだ。
 まずは知り合いとの合流を優先――なんて、そんな前置きを踏んでいる場合じゃない。
 あの名簿にしたって、それ自体が思考を誘導させるための罠とも言えるかもしれない」

 悠二の言葉に、キョンが割って入る。

「おいおい。聡いこと言ってるが、俺やおまえになにかできるっていうのか?
 自慢じゃないが俺は一般人の代表みたいなヤツだと自認しているし、特殊なのは周りの環境だけだ。
 本来ならこんなところにお呼ばれされる筋合いもない。他力本願上等、面倒な役割なんて願い下げだぞ」

 彼は本当に、自認するとおりの一般人なのだろう。
 宇宙人や未来人、超能力者の話が真実だとしても、彼自体は極めて普遍的な存在だ。
 悠二にはそれが見て取れる。こんな異変にも、もちろん“紅世”にも、関わるべきではない少年。
 それが悠二のキョンに対しての認識。無理やりこちら側に引き込もうという気には、なれない。

「構わないよ。っていうか、先に人探しに協力してくれって頼んできたのはキョンだろ?
 ただ一緒に、さっき挙げた三人……シャナと朝倉涼子っていう子、“人類最悪”を探してくれればいい」

 これもまた因果の交差路の途上と、そう言えるのだろうか。
 なんにしても今はもう、『警察署に向かう』、『知り合いを探す』、『殺し合いを止める』、そんなことに時間を費やしている段階ではない。

 たとえ、坂井悠二とキョンの考えにわずかな差異があったとしても――

「あと、一つ断っておくけれど」
「なんだ?」

 ――途端、悠二の手に、銀色の炎が点る。
 キョンの目にはそれが、手品かなにかと映ったことだろう。
 悠二はそれをおもむろに、キョンの眼前へと近づけた。

「おわっ!?」

 触れるか触れないか――というほどの距離で、銀色の炎は掻き消える。
 それは悠二が消したわけでも、ましてやキョンが防いだわけでもない。
 キョンの首にかけられていたお守り――おそらく彼はその程度にしか認識していない――の効果だった。

「宇宙人でも未来人でも超能力者でもない……けど、僕はたぶん、君の感覚で言うところの『異世界人』だと思うから」


 ◇ ◇ ◇


 自身を形作る“存在の力”を統御し、力を拳に集め炎として具現化させる。
 これは“紅世の徒”やフレイムヘイズ、そういった“存在の力”の扱い方を知っている者が得意とする、炎弾なる一芸らしい。
 閉鎖空間における超能力少年古泉一樹か、はたまた未来からやって来た戦うウェイトレス朝比奈ミクルとどっこいどっこいか。
 つまりこの坂井少年は俺と同じ一般人なんかでは到底あらず。

 ついに異世界人が現れやがった!

 ってことらしい。
 そういや放送で人類最悪が言ってたな。魔法やら忍法やら異世界やら。はぁ、なるほどね。
 いや、なにがなるほどなものか。結局はこいつも長門や古泉や朝比奈さんの側ってことじゃないか。
 それに比べたらまだマオさんやアリソンさんのほうが普通だったってことなのかもしれん。

 ……マオさんはたぶん、シズに殺されたんだろうな。支給品枠の陸はどうなったのかわからんが。
 たった六時間程度の付き合いとはいえ、だ。知り合った人間が殺された。目の前で息を引き取った。
 どちらも初めての経験だ。それなりに思うところはあったが、いつまでも引き摺ってはいられない。

 自分の力で空を飛んでみて、か。アリソンさんには悪いが、たぶんそんな機会は一生訪れないだろう。
 リリアとトラヴァスって人に伝えて欲しいと言っていた遺言にしても、まったく覚えちゃいない。
 だいたいこの発音の通りに、と簡単に言ってくれるが、英会話も満足にできない俺に、
 一度聞いた程度の言葉をそっくりそのままリピートできたりするもんか。

 ああ、本当に。俺があの人たちの死に関わっちまったのはいったいどういう因果だったんだろうな。
 なにも残せちゃいない。なにも報われちゃいない。考えれば考えるほど、申し訳なくなってくる。

 ……ただまあ、今はそうやってうじうじと悩んでいる段階でもないのだろう。この妙に聡い少年、坂井に言わせれば。

「こいつはおまえが持ってろ。“存在の力”の使い方なんざ俺にはわからんからな」
「いいの? 緊急時にも機能はするから、お守りくらいにはなると思うけど」
「俺は普通でいたいんだよ」

 朝メシを取ろうとした際デイパックの中から掘り出したその紐付きの指輪を、専門家らしい坂井に譲渡する。
 この指輪は『アズュール』という火除けの指輪らしく、つけているだけで炎から身を守ってくれるアイテムなんだそうだ。
 しかしそれには“存在の力”という人間の生命エネルギー的なものを消費するらしく、
 またその扱い方を心得ていない限りは満足な効果も発揮されない、となんだか怖い説明を受けて俺はそれを手放すことに決めた。

「さて」
「うん」

 その“存在の力”やら“紅世の徒”やらフレイムヘイズやら、いろいろ聞いておかねばならんことも多そうだ。
 どうにも専門用語ばかりで倦厭してしまいそうだが、文句も言ってられないんだろう。なんせ異世界のことらしいからな。

「行くか」

 とりあえずは、立ち上がって人探しだろう。
 最優先は朝倉とシャナ、そして本当にいるのかどうかも疑わしい“人類最悪”。
 古泉や朝比奈さん、ハルヒは悪いが後回しだ。それくらい割り切る必要がある――と坂井は言う。

 さて、北か、南か、西か、東か?
 進行ルートは坂井に委ねよう。俺はそう思った。


 ◇ ◇ ◇


 以上が、坂井悠二とキョンの結託。

 以降が、坂井悠二とキョンの今後。

 直後が、坂井悠二と“■”の問答。


 ◇ ◇ ◇


「新たな命の可能性、一つ一つを苦しみ齎し、またその子らが次の子らを産み育て、
 世界は連綿と続き広がってゆく。フレイムヘイズは、その世界の正常な営みを守る者」

「そしておまえはいつか、その営みを守る者として、シャナと共に歩むと、そう決める『はずだった』」

「それは選択肢の一つとして。もう片方の選択肢を……僕は失ってしまった」

「ならばもう決めた、ということか? 否、二つあった選択肢が一つになっただけのこと……そのときはまだ」

「そう、まだなんだ。でも、たぶん、僕はシャナと会ったそのときに……選ぶ。その、残された選択肢を」

「では、選んだその果ては――なんだ? おまえは、『この戦いを、いつか』、そう――」

「だからそれは、まだなんだ。シャナと会うにしても、“人類最悪”を先に見つけるにしても、それはまだ」

「――成るはそのとき、か。しかしおまえは、既に一歩を踏み出した。自らの望みに向けて、己の意思で」

「そうだ。だからたぶん、それは時間の問題なんだろう。一つ目の扉は、吉田さんが死んでしまった時点でもう潜っている。
 炎弾をああも容易く練れたのも、この会場全域に広がっている『それ』の気配を感じ取れたのも、そういうことなんだろう」

「余が大命はまだ、幕を上げてはおらん。ならばそのときを待望し、そしてこの場は選択を望もう。もうすぐだ……」

「そう、もうすぐ。選ぶのはもうすぐ。決めてはいる。だからもう、後は選ぶだけ――」


 選択肢は残り一つ。
 なにを選びなにを望むかはもう決めた。
 銀色の向こう側の半身は囁きをやめぬ存在としてそこに在る。



【C-2/北東部/一日目・朝】


【坂井悠二@灼眼のシャナ】
[状態]:健康
[装備]:メケスト@灼眼のシャナ、アズュール@灼眼のシャナ
[道具]:デイパック、支給品一式、湊啓太の携帯電話@空の境界(バッテリー残量100%)、不明支給品0~1個
[思考・状況]
基本:シャナ、朝倉涼子、“人類最悪”を探す。目先の危難よりも状況打破のために活動する。
1:改めて進路を検討。
2:“少佐”の真意について考える。
3:シャナと再会したら――。
[備考]
※清秋祭~クリスマスの間の何処かからの登場です(11巻~14巻の間)。
※会場全域に“紅世の王”にも似た強大な“存在の力”の気配を感じています。


【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:両足に擦過傷、中程度の疲労
[装備]:発条包帯@とある魔術の禁書目録
[道具]:デイパック×2、支給品一式×2(食料一食分消費)、カノン(6/6)@キノの旅、かなめのハリセン@フルメタル・パニック! 、カノン予備弾×24
[思考・状況]
基本:坂井悠二と共に行動。朝倉涼子を探しここから脱出するための協力を求める。
1:“紅世”やらなんやらに関して悠二からもっと詳しく聞く。理解できるかどうかはともかく。
2:そう容易くはいかないだろうから朝倉からの協力を得るための策も考えておく。
3:涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、古泉一樹を探す。


【アズュール@灼眼のシャナ】
“狩人”フリアグネのコレクションの一つ。指輪型の宝具。
熱量を伴った物理的な意味での炎を消去する「火除けの結界」を球状に展開し、所持者を炎から守る。
結界は“存在の力”を込めることで発動するが、所持者の拒絶する意思に反応して自動的に発動することもある。


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