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とある神について
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とある神について ◆olM0sKt.GA
え?
その後、ですか?
ああ、僕が紫木一姫さんから辛くも逃げおおせた、それ以降のことですね。
分かりました、お話しましょう。
その後、ですか?
ああ、僕が紫木一姫さんから辛くも逃げおおせた、それ以降のことですね。
分かりました、お話しましょう。
まさに九死に一生を得た僕は、命からがら学校を抜け出すと北側の市街地に身を潜ませました。
ええ、それはもう這々の体という言葉そのままで。いやぁ、今思い出してもお恥ずかしい。誰かに見られていたらと思うと顔から火がでそうな気さえします。
ええ、それはもう這々の体という言葉そのままで。いやぁ、今思い出してもお恥ずかしい。誰かに見られていたらと思うと顔から火がでそうな気さえします。
・・・・・・おや、それは心外ですね。これでも、人並みに死への恐怖は持っているつもりなのですが。
ましてや、今我々がいるのは紛うことなき異常事態、ですからね。
なぜ、北か。というのは、言うまでもないでしょう。
紫木さんのような特異な存在とまたしても鉢合わせするのは僕としては遠慮したいところですし、「彼」を捜すにせよ図書館に向かうにせよ、方角的には北側が適しています。
四方が丸々無人の市街地というのも好都合でしたねぇ。住む者の途絶えた家、というのは、静かにさえしていれば身を隠すにはうってつけです。
肉体的な休息を取りながら、さて何を優先したものかと思案していたのですよ。
ましてや、今我々がいるのは紛うことなき異常事態、ですからね。
なぜ、北か。というのは、言うまでもないでしょう。
紫木さんのような特異な存在とまたしても鉢合わせするのは僕としては遠慮したいところですし、「彼」を捜すにせよ図書館に向かうにせよ、方角的には北側が適しています。
四方が丸々無人の市街地というのも好都合でしたねぇ。住む者の途絶えた家、というのは、静かにさえしていれば身を隠すにはうってつけです。
肉体的な休息を取りながら、さて何を優先したものかと思案していたのですよ。
そんな折りに、あの放送です。
邪魔の入らない環境で聞けたのは運がよかったと言うべきでしょう。心境ですか?
いやぁ、口では色々言いましたが、やはりあのよう形で仲間の死の可能性を突きつけられるのは堪えますねぇ。本当ですって。
涼宮さん・・・・・・ええ、もちろん。ご存命であることを心から喜んでいますよ。
SOS団団員として、団長の無事を喜ばないわけがありませんからね。
邪魔の入らない環境で聞けたのは運がよかったと言うべきでしょう。心境ですか?
いやぁ、口では色々言いましたが、やはりあのよう形で仲間の死の可能性を突きつけられるのは堪えますねぇ。本当ですって。
涼宮さん・・・・・・ええ、もちろん。ご存命であることを心から喜んでいますよ。
SOS団団員として、団長の無事を喜ばないわけがありませんからね。
放送について他に感想を述べるとしたら、胡散臭い程に親切、と言ったところでしょうか。
確かに、おかげで色々腑に落ちたところはあります。玖渚機関なる存在に対しての齟齬もこれで説明できますし、僕が超能力を僅かとはいえ使えたのは、そのように調整を施されていたからのようです。
もっとも、「何故」「どうやって」という点に関しては、一切の説明がありませんでしたが。
考えてみれば、これは親切とも言い難いかもしれませんねぇ。凡人たる我々の身では、一を聞いて十を知るなどと都合よくはいきません。
いきなり、突拍子もない事実を差し出されても混乱が増すばかりですからね。是非とも解説役にご登場願いたいものです。
いつもなら、それは僕の役目なのですが。
確かに、おかげで色々腑に落ちたところはあります。玖渚機関なる存在に対しての齟齬もこれで説明できますし、僕が超能力を僅かとはいえ使えたのは、そのように調整を施されていたからのようです。
もっとも、「何故」「どうやって」という点に関しては、一切の説明がありませんでしたが。
考えてみれば、これは親切とも言い難いかもしれませんねぇ。凡人たる我々の身では、一を聞いて十を知るなどと都合よくはいきません。
いきなり、突拍子もない事実を差し出されても混乱が増すばかりですからね。是非とも解説役にご登場願いたいものです。
いつもなら、それは僕の役目なのですが。
しかし困りましたねぇ。あまりの衝撃に無意識に判断を保留してしまっていた、「長門さんの死」という情報が、これでほぼ確定されてしまったことになります。
ですが・・・・・・これは由々しき事態です。
ですが・・・・・・これは由々しき事態です。
考えてもみてください。長門さんの死は確かに驚愕に値する事実ですが、先ほどの水質の例もあります。
何らかの手段、それが可能であるとしてですよ、何らかの手段を用いてTFEI端末であるところの彼女の機能に制限が加えられ、結果としてそれが敗北に繋がった可能性は否定できません。
また、この場には朝倉涼子がいます。一度消え去ったはずの彼女が何故また我々の前に現れたのかは不明ですが、長門さんと同一存在である彼女ならば、条件次第で勝利することも可能でしょう。
何らかの手段、それが可能であるとしてですよ、何らかの手段を用いてTFEI端末であるところの彼女の機能に制限が加えられ、結果としてそれが敗北に繋がった可能性は否定できません。
また、この場には朝倉涼子がいます。一度消え去ったはずの彼女が何故また我々の前に現れたのかは不明ですが、長門さんと同一存在である彼女ならば、条件次第で勝利することも可能でしょう。
・・・・・・と、我々はこのように「長門有希以上の存在」を仮定することによって、ようやく彼女の死を受け入れることができます。そいつは長門有希よりも強かった、それならば仕方ない、とね。
ですが・・・・・・そう、我々は既に答えを得てしまっています。誰が彼女を殺したか、という、本来なら迷宮入りしてもおかしくない程難解な命題に対する答えを、ね。
ですが・・・・・・そう、我々は既に答えを得てしまっています。誰が彼女を殺したか、という、本来なら迷宮入りしてもおかしくない程難解な命題に対する答えを、ね。
その通り、紫木一姫さんです。
彼女は自ら長門さんを殺したと言いました。そこに嘘が交じっている気配はありません。それが原因で、あわや僕は命を落とすところでしたしね。
重要なのはここです。「僕は命を落とさなかった」言い換えればこれはつまり、彼女はその程度の存在であった、ということです。
もちろん、彼女の技術は驚異的です。精神面においても常軌を逸していると言ってしまっていいでしょう。僕が今もこうして生きていられるのは幸運によるものでしかなく、間違いなく二度目はないでしょう。
ですが、やはり僕が逃げられる程度の相手に、長門さんがすんなり殺されてしまったというのは、素直に頷ける話ではありません。
不可視の糸どころか、本当に物理的に見ることが不可能なレーザー光線でさえ、彼女はものともしないのですよ。
これは・・・・・・どういうことでしょう?
何が、これは死因が何であるかと言った狭い範囲の話ではありません。一体、どのような「要因」が彼女を真実死に至らしめたのか。
彼女は自ら長門さんを殺したと言いました。そこに嘘が交じっている気配はありません。それが原因で、あわや僕は命を落とすところでしたしね。
重要なのはここです。「僕は命を落とさなかった」言い換えればこれはつまり、彼女はその程度の存在であった、ということです。
もちろん、彼女の技術は驚異的です。精神面においても常軌を逸していると言ってしまっていいでしょう。僕が今もこうして生きていられるのは幸運によるものでしかなく、間違いなく二度目はないでしょう。
ですが、やはり僕が逃げられる程度の相手に、長門さんがすんなり殺されてしまったというのは、素直に頷ける話ではありません。
不可視の糸どころか、本当に物理的に見ることが不可能なレーザー光線でさえ、彼女はものともしないのですよ。
これは・・・・・・どういうことでしょう?
何が、これは死因が何であるかと言った狭い範囲の話ではありません。一体、どのような「要因」が彼女を真実死に至らしめたのか。
おや、何やらもの言いたげですね。僕は、自分の思うところを素直にお伝えしているだけなのですが。
えらく長門さんを買っていると?それはもう、ああ、ならば何故彼女を頼らなかったのかと、あなたはそう言いたいわけですね。
えらく長門さんを買っていると?それはもう、ああ、ならば何故彼女を頼らなかったのかと、あなたはそう言いたいわけですね。
長門有希という希望にすがるのではなく、涼宮ハルヒを絶望に至らしめる道を選んだのは、一体何故なのかと。
僕なりに必死で考えた結果なんですよ?
確かに、絶対確実とは言えませんし手間も労力もかかりますが、それでもみんなで帰還できるなら、とね。
信じられないと?無理もないかも知れないですね。もっとも、何を言われようと私としてはこれが真実ですとしか申し上げられないのですが。
長門さんに頼み込んで、事態を速やかに解決してもらう。それが可能であればどれだけよいかと思いましたよ。
ですが、それは僕の役割ではなかった。僕では役者が不足しています。可能だとしたら、それをするのはやはり「彼」の仕事でしょうね。
複雑なんですよ。
僕たちSOS団も。我々機関も。おそらくは情報統合思念体も、ね。
僕なりに必死で考えた結果なんですよ?
確かに、絶対確実とは言えませんし手間も労力もかかりますが、それでもみんなで帰還できるなら、とね。
信じられないと?無理もないかも知れないですね。もっとも、何を言われようと私としてはこれが真実ですとしか申し上げられないのですが。
長門さんに頼み込んで、事態を速やかに解決してもらう。それが可能であればどれだけよいかと思いましたよ。
ですが、それは僕の役割ではなかった。僕では役者が不足しています。可能だとしたら、それをするのはやはり「彼」の仕事でしょうね。
複雑なんですよ。
僕たちSOS団も。我々機関も。おそらくは情報統合思念体も、ね。
ですがそれも危うくなってきました。長門さんの死を知らされてもこの世界は一向に変わろうとしません。彼女が聴き逃した可能性も、イベントの重要性を考えれば低いでしょうね。
やはり「彼」でなくては駄目なのかと、そう考えることもできますが、さて、悠長に次の機会を待っていればよいものか、少々不安になってきました。
不安とは脳が送る危険信号です。気のせいであることも多いですが、往々にして真実が含まれるのもまた事実です。
やはり「彼」でなくては駄目なのかと、そう考えることもできますが、さて、悠長に次の機会を待っていればよいものか、少々不安になってきました。
不安とは脳が送る危険信号です。気のせいであることも多いですが、往々にして真実が含まれるのもまた事実です。
さて、ここで一つの仮説を検討してみましょう。
すなわち、彼女の能力がこの世界に影響を与え得ないとしたら、というものです。
高須君には既に可能性を示唆しましたね。その場合「次善の策」を取るとお伝えしました、例のやつです。
もっとも、挑発の意味も大きかった部分はあるのですが。
加えて言えば、一姫さんとの出会いと先ほどの放送……これらを併せてもなお「涼宮ハルヒを優勝させる」というプランに現実味を感じられる程、僕は自分を過大評価できないのですよ。
困ったものです。
すなわち、彼女の能力がこの世界に影響を与え得ないとしたら、というものです。
高須君には既に可能性を示唆しましたね。その場合「次善の策」を取るとお伝えしました、例のやつです。
もっとも、挑発の意味も大きかった部分はあるのですが。
加えて言えば、一姫さんとの出会いと先ほどの放送……これらを併せてもなお「涼宮ハルヒを優勝させる」というプランに現実味を感じられる程、僕は自分を過大評価できないのですよ。
困ったものです。
涼宮さんがこの世界に対して無力だと、確証が得られたわけではありません。単に涼宮さんがまだ本心から世界の変革を願っていないだけかも知れない。
あるいは「濃度調整」の結果、それが可能でない状態に追いやられているのかも知れない。我々が全能と考える彼女の能力に、どうやって細工を加えたかは知る由もありませんが。
杞憂かも知れませんが、長門さんが死を迎えた今、再度考慮しておくだけの価値はあるでしょう。
涼宮ハルヒは果たして、この世界に影響を及ぼし得るのか・・・・・・について。
こう考えてみてください。ある砂場があったとします。そこは涼宮さんにとってお気に入りの場所で、毎日のように訪れては、望みのものを作り、そして壊している。
慣れ親しんだ砂場の砂は彼女にとって操るのに何ら苦労するものではありません。彼女はその四角く区切られた世界の中で、まさに神の如き存在として君臨しています。
あるいは「濃度調整」の結果、それが可能でない状態に追いやられているのかも知れない。我々が全能と考える彼女の能力に、どうやって細工を加えたかは知る由もありませんが。
杞憂かも知れませんが、長門さんが死を迎えた今、再度考慮しておくだけの価値はあるでしょう。
涼宮ハルヒは果たして、この世界に影響を及ぼし得るのか・・・・・・について。
こう考えてみてください。ある砂場があったとします。そこは涼宮さんにとってお気に入りの場所で、毎日のように訪れては、望みのものを作り、そして壊している。
慣れ親しんだ砂場の砂は彼女にとって操るのに何ら苦労するものではありません。彼女はその四角く区切られた世界の中で、まさに神の如き存在として君臨しています。
ところが、ここで新たな事実が判明しました。砂場は他にも複数存在していたのです。それぞれの砂場には涼宮さんと同じく主が存在していて、更に困ったことに、各々の場所では全く質の異なる砂が用いられていたのです。
ええ、仰る通り。この話の中で「砂場」は放送で言われていた『物語』に、「砂の質」は『文法』に、それぞれ相当します。
石英か磁鉄か雲母か、あるいは砂と言いながら粘度を使っているところもあるかも知れません。原料はどうあれ、どれか一つにしか親しんでこなかった者が、突然全く質の違う場所に連れてこられたとき、一体どれほどの能力を発揮できるものなのでしょうね?
あるいは、放送にならって物語に比すならこうも言えるでしょう。
一つの『物語』の原作者に過ぎない涼宮さんが、見もしらぬ他の『物語』の原作者にどこまで口出しできるのか、とね。
石英か磁鉄か雲母か、あるいは砂と言いながら粘度を使っているところもあるかも知れません。原料はどうあれ、どれか一つにしか親しんでこなかった者が、突然全く質の違う場所に連れてこられたとき、一体どれほどの能力を発揮できるものなのでしょうね?
あるいは、放送にならって物語に比すならこうも言えるでしょう。
一つの『物語』の原作者に過ぎない涼宮さんが、見もしらぬ他の『物語』の原作者にどこまで口出しできるのか、とね。
これらの推察はここが「涼宮ハルヒの世界ではない」ことを前提にした、論拠のあやふやなものでしかありません。
ですが事実だとしたら・・・・・・「涼宮ハルヒが力を使えない」ことが、「涼宮ハルヒに並び立つ存在」を示唆しているとしたら。
涼宮さんの意思の及ばない世界で死亡した我々は、仮に涼宮さんが無事帰還することができたとしても、元のままの我々として復活することは果たして可能なのでしょうか。
あまり考えたくない……というのが本音ですね。
ですが事実だとしたら・・・・・・「涼宮ハルヒが力を使えない」ことが、「涼宮ハルヒに並び立つ存在」を示唆しているとしたら。
涼宮さんの意思の及ばない世界で死亡した我々は、仮に涼宮さんが無事帰還することができたとしても、元のままの我々として復活することは果たして可能なのでしょうか。
あまり考えたくない……というのが本音ですね。
考えがまとまりました。ひとまず、僕は図書館を目指しましょう。
というか、もうそちらに向けて歩いているのですが。
やはり、長門さんが明らかに格下の相手に、何もなしに殺害されたとは考えにくいでしょう。少なくとも、現場を見ておくだけの価値はあります。
というか、もうそちらに向けて歩いているのですが。
やはり、長門さんが明らかに格下の相手に、何もなしに殺害されたとは考えにくいでしょう。少なくとも、現場を見ておくだけの価値はあります。
もっとも、これも淡い希望という奴なのかも知れません。
もし、この世界が本当に涼宮ハルヒの庇護下にないのだとしたら、彼女の願望に従って存在を許されている情報統合思念体にも、何らかの悪影響が出たというのは、想像に難くないでしょう。
もし、この世界が本当に涼宮ハルヒの庇護下にないのだとしたら、彼女の願望に従って存在を許されている情報統合思念体にも、何らかの悪影響が出たというのは、想像に難くないでしょう。
観測の結果、長門有希が純粋に敗北を喫しただけだと証明されてしまったら。
そのとき、僕は一体どうしましょうかね。
これまで通りか、あるいは別の道か。
そのとき、僕は一体どうしましょうかね。
これまで通りか、あるいは別の道か。
あなたなら、どうしますか?
【D-2/市街地南部/一日目・朝】
【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:デイパック×2、不明支給品1~3
[思考]:
1.図書館に行って長門の死亡状況を確認する。
2.ハルヒに対するプランについての疑念
[備考]
カマドウマ空間の時のように能力は使えますが、威力が大分抑えられているようです。
ハルヒへのプランは以下の三つ。
1.彼女を絶望に追い込み能力の発動を促す
2.不可能であればハルヒを優勝させる
3.ハルヒが死亡した場合自らが優勝を目指す
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:デイパック×2、不明支給品1~3
[思考]:
1.図書館に行って長門の死亡状況を確認する。
2.ハルヒに対するプランについての疑念
[備考]
カマドウマ空間の時のように能力は使えますが、威力が大分抑えられているようです。
ハルヒへのプランは以下の三つ。
1.彼女を絶望に追い込み能力の発動を促す
2.不可能であればハルヒを優勝させる
3.ハルヒが死亡した場合自らが優勝を目指す
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