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死者・蘇生(使者・粗製)

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死者・蘇生(使者・粗製) ◆02i16H59NY



【0】


 おちおち寝てもいられねェ。


【1】


「……ねえ、いー。あんた、自殺する人間の気持ちって分かる?」

 分からないな。
 まずぼくは他人の気持ちというものが分からない。
 次にぼくは自殺というものをやったことがない。
 だからぼくには、自殺してしまった人間の気持ちなんて二重に分からない。
 辛い目や悲しい目や恥ずかしい目に会って、いっそ死にたい、と思ってしまうまでは想像できるけどね。
 でも、思うのと実行するのとは別問題さ。
 頭に血が昇ってカッとして、思わず殺してやる!と口走ってしまったことくらい、誰にでもあるだろう?
 でもほとんどの人は実行しない。思っても言っても最後までやり遂げやしない。みんな程々にマンモーニ。
 それと同じさ。

「あんた、それで何かカッコいいことでも言ってるつもりなの?
 ……まあいいわ。あたしも、分からない。正直言って、分からないわ」

 分からない、か。
 でもハルヒちゃん、君の言う《分からない》とぼくの言う《分からない》との間には大きな差があるんだよ。
 ぼくには《分からない》ということが《分かっている》。絶対に理解も共感もできない、ということを理解している。
 そして、そのことに何の感情も感傷も抱いていない。
 ほんとうに、なんとも思っていないんだ。
 でもきみの《分からない》は、本当に《分からない》。何故自分が理解できないのかを、理解できていない。
 そして、そのことに苛立ちと自責の念を感じている。
 ほんとうは、そんな自分を恥じている。
 無知の知、ただし無恥。
 無知の無知、ただし厚顔無恥ではない真人間。
 さて、どっちの方がマシなんだろうね――なんてことを言っても戯言にしかならないので、ぼくはあえてこれを言わない。
 いや、代わりに口から出てくるのも、やっぱり戯言なんだけども。

「《あれは、本当に自殺だったのかな?》って……いー、あんた何言い出すつもりよ」

 言葉通りの意味さ。
 ただ死ぬだけなら、なにもあんなタイミングで、あんな方法でなくてもいいだろう、ってこと。
 ぼくが2人に追いつくまで待って、見せ付けるように腹を斬って、死体の確認すら拒むように堀に落ちて――
 ぼくみたいなひねくれ者からすれば、思わず裏の意図を探りたくなってしまう状況だ。
 準備の時間は十分にあった。
 ぼくらは朧ちゃんの荷物も十分に確認していない。
 ぼくらは朧ちゃんの持っているスキルも十分に把握していない。
 ひょっとしたら。
 大掛かりなマジックショーでたまにやる、《人体貫通マジック》。
 サーベルを助手の女の子のお腹に刺して、背中側から切っ先が出て、でも、女の子はニコニコ笑っているっていう、あれ。
 朧ちゃんの未確認の持ち物と未確認のスキルを組み合わせたら、似たようなことをやれたのかもしれない。
 そして、水に落ちたと思わせて別のところに脱出する、《脱出マジック》を組み合わせれば、あんな現象を再現することも――

「……やめて」

 ……まあ、ぼくも、朧ちゃんが実は稀代の手品師でした! なんて本気で言ってるわけじゃないけどね。
 どうみてもあの子はそういうタイプじゃないや。
 人を見る目のないぼくにも分かる、ケバい化粧と過激な衣装で舞台に立ってる朧ちゃんの姿なんて想像もつかない。
 ただ、でも、そういうことじゃなくてね。
 大事なのは、解釈のしようはいくらでもあって、トリックが介在する余地もいくらでもあるってことさ。
 つまりは、観察して解釈を加える、ぼくらの心の持ちよう次第ってこと。
 例えば――この悪趣味な催し自体が、大掛かりなドッキリ企画、って可能性だってある。

「……黙って」

 ぼくらは長門有希ちゃんの死を、直接確認していない。
 ぼくらは朧ちゃんの大事な弦之介さまの死も確認していない。
 名前の呼ばれた他の8人についても同様。
 ただ、《名前が呼ばれた》、それだけで《死んだ》と思ってしまっている。
 なぜ? それは、ぼくらの手元に人を殺せるだけの武器が渡っていて、実際に争っている人を見て聞いているからだ。
 そこからの類推で、これは本当の殺し合いなんだ、って判断している。
 だけど、違う解釈をすることだってできる。
 ホールで騒いでいた声だって、一種の演出、サクラによる演技だったのかもしれない。
 そこから逃げてきた、と主張した朧ちゃんも、そういう役回りを演じていただけなのかもしれない。
 全部終わった後、《死んだ》と思われていた人が勢ぞろいで出てきて、「ドッキリでした!」と笑いながら出てくることも――

「……黙りなさいって言ってるの!! 蹴っ飛ばすわよ!」

 おおっと。

「そりゃ、あたしだって信じたくはないわよ! 何もかも嘘であって欲しいわよ!
 朧ちゃんだって、あんな汚い水の中に落っこちてそれっきり、でいいなんて思ってないわよ!
 できればあそこから這い上がってきて欲しいとも思うわよ!
 だけど……だけど、無理じゃない……。もし、落ちてなかったとしてもさ……」

 …………。

「そりゃ、あんたのいた場所からじゃ、よく見えなかったのかもしれないけど。
 刺して、横に引いて、それで――あれが手品やトリックだったなら、あたしは裸で逆立ちして校庭10周してやってもいいわ」

 そりゃなんだかどこかで聞いたような保障の仕方だね。
 きみくらいの美少女がそういうマニアックなシチュエーションを演じる光景、健康な男子としては興味がないわけではないけど。
 でも、それじゃハルヒちゃん。
 きみは、朧ちゃんが死んだ、有希ちゃんもどこか遠くで死んだ――それでいい、って言うのかい?
 そんな《現実》で、構わないと?

「……なんでそういう話になるのよ」

 そういう話になるんだよ。
 これが平和で平凡で退屈で起伏のない、いわゆる《普通の日常》に挿入された《ありきたりな悲劇》であれば、
泣いたり悲しんだり落ち込んだり塞ぎ込んだり自暴自棄になったりする時間はたっぷりあったんだろうけど。
 今は、その時間も惜しい。
 そんな時間すら、ぼくらには許されていない。
 だからぼくらは、早々に決めなくてはならない――目の前の現実をどう認識するのか、どう解釈するのか、ってね。

「そう言うあんたは……どうなのよ。
 いー、あんたは……そんな《現実》とやらを、どう思ってるのよ」

 ぼくかい?
 素直に言ったらハルヒちゃんに怒られそうだけど――もう怒ってる? ごもっとも。
 そうだね、正直なところ、

   どうでもいい、かな。

 ぼくにとっては身近な人が死ぬなんて程度のこと、経験しすぎて当たり前すぎて何も感じない。
 ましてや朧ちゃんのように、知り合ったばかりで「身近」なんて呼ぶことも憚られるレベルならなおさらだ。
 そんなわけでハルヒちゃん、質問に対して質問で返すのは、この場合、無意味であるどころか有害だよ。
 ぼくみたいな欠陥製品の認識する《現実》を聞いてみたところで、参考になるどころか混乱するだけだ。
 他人がどう思うかじゃない、《きみが》どう思うのかが大事なんだ。

「……出ていって」

 ……はい?

「出ていけって言ってるのよ! あんたの戯言には、もううんざり!
 さっきあたしは、はっきりと黙れ、って言ったわよね!? 団長命令を守れないってなら、出て行きなさい!
 ううん、もう、いーなんてクビよ、クビ! 《運転手》なんてどうでもいい! どっか行っちゃいなさいよ!」

 うーん。
 戯言遣いに戯言を言うなって、そりゃ死ねと言われてるようなものなんだけども。
 そうだね、ぼくはこんなところで死にたくはないし、きみに死刑にされたくもないから、今は退散することにするよ。

「…………」

 何か言いたそうな目だけど……何も言わないのかい?
 ……そうか。ここで黙っちゃうのか。

 じゃあ、ハルヒちゃん。
 縁が合ったら、また。


【2】


 ぼくは狐さんのような別れの言葉と共に、納屋(の、ような建物。放送直後に3人で篭っていたあそこだ)から、静かに出た。
 その中に、ハルヒちゃん1人を残して。
 辺りは静かに静まり返っている。どうやらホールの方で起こっていた騒ぎは一段落したようだった。

 あのあと――朧ちゃんが(ハルヒちゃんには衝撃的な、ぼくとしては予想もできた)公開自殺を遂げた後。
 別にぼくたちには、わざわざ元の暗い建物に戻る理由はなかったのだけど……
 理由は、外側から来た。

   つまり、木々や塀の向こう、そう遠くない所で、争っているような音が聞こえてきちゃったわけだ。

 きっとそれは、朧ちゃんが軽くやりあった連中がまたぞろ次の騒ぎを起こした、ってことだったんだろうけど。
 これはちょっと、嬉しくない事態だった。
 あの時のハルヒちゃんは非常に繊細でデリケートな扱いを求められる状態で。
 静かに経緯を見守りたいところだったのに、こんなにも早く次のトラブルに巻き込まれてはたまらない。
 ハルヒちゃんのリアクションや反応に、不純物が混じって欲しくはない。
 そんなわけで、ぼくはハルヒちゃんを半ば引っ張るようにしてあの納屋、この辺りでは数少ない隠れ家に連れ戻したのだった。
 半ば呆然としたままだった彼女は、果たしてあの騒ぎに気付いていただろうか、いなかっただろうか。

 でもって、さっきの会話だ。
 後ろ手に引き戸を閉め、ぼくは足音を立てないよう、そっとその場を離れる。

「ふう……」

 うん、思わず溜息も漏れるってものだ。
 トドメを刺すにせよ、救いを齎すにせよ、あんなに長々と喋り倒すつもりはなかったんだけど。
 一度、状況がリセットされちゃったからね。
 そのことも逆手にとってみたものの……うん、しかしこれは、望み薄と言わざるを得ないかな。

 古泉一樹くん。
 きみの計略は、《涼宮ハルヒを絶望させて》、《全てをなかったことにする》という計略は――望みがないよ。

 可能性がない。
 見込みがない。
 希望がない。
 勝算がない。

 断言してしまおう。
 涼宮ハルヒが、古泉くんの言う《神》であろうと、ただの少女であろうと、そこは関係ない。
 彼女の《力》が本物だとか偽物だとか、この状況下で働くとか働かないとか、そういう問題じゃ、ない。
 狐さんの言っていた、海水魚と淡水魚の例えも、この場合はさほど重要なことじゃない。
 彼の計画は根本的なところで間違っている。決定的なところで行き詰っている。

   涼宮ハルヒは、《絶望》したところで《現実》を否定するような少女では、ない。

 あの子が朧ちゃんの死に対して取った態度に、全てが表れている。
 いやそれ以前に、有希ちゃんの死に対しても同じような反応をしていたじゃないか。
 信じたくないのに、信じてしまっている。
 認めたくないのに、認めてしまっている。
 挙句、手品とかトリックとか嘘とか、そういった可能性を示唆してあげたら、怒り出した。
 決して直接口にしたりはしないだろうけれど、そういうことを考えること自体、彼女は不誠実だと思っているに違いない。

 まったく。
 なんて、真っ直ぐで。
 なんて、誠実で。
 なんて、強いんだ。
 ぼくのような欠陥製品とは、大違いだ。

 いったい古泉くんは何を見ていたのだろう。
 すぐ傍にいながら、彼女の何を見ていたのだろう。
 ……いや、木と森の例えを出すまでもなく、近ければこそ見落としてしまうものもあるのだけど。
 あるいは古泉くんのあの予測は、本当は予測でなく恐れだったのかもしれないな。
 《涼宮ハルヒが絶望して現実を否定したら、現実の方が揺らいでしまう》――。
 そう信じているなら、それは《こんな事態》でも無い限り、基本的に避けるべき出来事だ。
 おそらく彼は普段、そういう破局を避けるために、日々、奔走していて……
 そしてだからこそ、こういう場においては、その破局のシナリオに望みを託してしまった。
 ハルヒちゃんの性格や人格まで考えることなく、つい、縋ってしまった。
 たぶん、そんなとこなのだろう。
 そういえば、力の暴走、みたいなこともあるって言ってたしね。

「――まあ、最初に会ったのがぼくだった時点で、古泉くんの策は《終わってしまっている》んだけどね」

 小さく呟きながら、ぼくはぶらぶらと歩く。
 ホールの方から聞こえていたあの騒ぎは、とりあえずは一段落したらしい。
 今すぐ現地に直行しても、さて、無惨な死体とご対面。あるいは、一仕事終えた殺人者とこんにちわ。
 なんてこともありうるので、もうちょっと様子を窺いたいところだけど。
 それでももう少し近づいた方がいいかな、などと考えつつ、ぼくは考察を続ける。

 そう。
 古泉一樹。
 彼もまた、ついていない。
 59人いる「自分以外の参加者」の中で、最初に出会ったのがよりにもよってこのぼくだった、という彼の不幸。
 《無為式》。
 あの策師の少女がそう呼んだ、ぼくの体質。
 ぼくの周りでは全てが狂う。
 策も計算も、何をやってもうまくいかない。思い通りに行かない。何かがズレてしまう。
 そんなぼくに向かって滔々と自分の策を語り思惑を語り、あまつさえ、その策にぼくを巻き込もうだなんて――
 それじゃあ、どんなに優れた策だろうと、上手くいくはずがない。
 古泉くん。
 きみの目的は破綻していた。
 きみの意図は破断していた。
 想いも望みも願いも祈りも、まとめてすべて最初っから、破散していたんだぜ。
 《涼宮ハルヒを絶望させる》。《そうすることによって彼女に現実を否定させ、全てをなかったことにする》。
 きみの策の根幹であるこの2つが、そもそもにして繋がらない。
 前提が間違っている以上、きみの企みはどこにも辿りつけない。
 まあ――今頃になってその程度のことに気付くあたり、このぼくもまた、本調子ではなかったということなんだろうけど。

「さて、それで、これからどうするかな」

 ぼくは堀の縁に歩み寄りながら、首を傾げる。
 朧ちゃんが沈んで消えた、城の堀。
 朧ちゃんが自害して果てた場所からは、少し西側にずれたところ。
 でもここに来たのは感傷に浸るためじゃなくって、ちょうどこの辺からなら、城から南東に伸びる橋を見渡せるからだ。
 向こうから見えづらい木陰から、様子を窺えるからだ。
 ホールのあたりで騒ぎが起こったとして、それが一段落したとして、そこから道なりに進むルートは西北西と南東の2本。
 特に堀を渡る橋の上は、簡単に見通せる。
 古泉くんの策が使い物にならない以上、ハルヒちゃんとこれ以上一緒にいる意味もないんだろうけど……
 そうであればこそ、ここから先は慎重に動きたかった。

 ――いた。
 なんて、タイミングがいい。ぼくは向こうから見えないよう身を隠しながら様子を窺う。
 金髪の男と、黒髪の少女だった。少女の方は何やら修道女のような服を着ている。
 あの金髪は地毛なのか、それとも染めているのか。あの黒い服は、どこかの学校の制服なのか。
 いまいち判断がつきかねるけど、けど、2人とも、必死に逃げていることだけは確かなようだった。
 ときおりチラチラと背後を気にしながら、こちらに注意を払う余裕もなく、小走りに駆けている。
 敗走。敗れて走る。負けて敗れて走って逃げる。
 さっきの騒ぎ、何がどうなったのかは分からないけど――彼らに割り振られた配役だけは、はっきりと分かってしまった。
 となると、勝者の側は反対側に進んだのか。それとも、これから彼らを追いかけて登場するのか。

「ここからじゃ、よく見えないな」

 堀の縁に沿って、そろり、と移動する。
 より2人の様子が観察できるよう、来るかもしれない追っ手の姿がよく見えるよう、接近する。

 ――そして、ぼくは見つけてしまった。
 逃げる2人組とはまったく関係のないものを、想像もしていなかったものを、そこに見た。
 金髪と黒髪のカップルのことも、ホールの方で起きた騒ぎのことも、きれいさっぱり、吹き飛んだ。

「……え?」

   なんだ、《これ》は?

   なんで、《これ》が、《ここ》にある?

   なにが、起きた?


【3】


 納屋の引き戸を開けようとしたら、向こうから引き開けられた。
 もちろん、その扉を開けたのは、中に居残っていた人物。つまり涼宮ハルヒ。
 まったくなんてタイミング。
 お陰でぼくは心の準備も整わないまま、ハルヒちゃんと至近距離で顔を突き合わせることになった。

「……やあ」
「……何しに戻ってきたのよ」

 ぼくが小さく手を挙げて見せると、ハルヒちゃんはすぐに例のまんじゅうを握りつぶしたような渋面を浮かべた。
 よく見ればその目の下は泣き腫らしたように真っ赤になっていて、きっと実際、ついさっきまで泣いていたんだろう。
 でもそれを指摘しても面白いことにはなりそうになかったので、ぼくはただ小さく肩をすくめてみせるに留める。

「何しに、って言われても困るんだけどね。
 とりあえずひとつは、忘れ物を届けに、かな」

 そう言って、ぼくは片手に抱えていた《お土産》、その1つを持ち上げてみせる。
 クロスボウ。ぼくがハルヒちゃんと出会った時に、彼女から向けられた凶器。
 朧ちゃんのハラキリのドタバタで放り出していったものを、ご丁寧にもぼくが拾ってきてあげたというわけだ。
 ああ、なんて優しい戯言遣い。
 だけどハルヒちゃんは自分の落し物ではなく、別のものに目を留めて、呟いた。

「……その刀。それに、その鞄は――どうしたのよ」
「たぶん朧ちゃんのだろうね。ボウガンを拾うついでによくよく覗き込んでみたら、デイパックだけ途中に引っかかってた。
 けっこうこれでも、取るの大変だったんだぜ? 落ちてた木の枝をつかって、腕と身体をめいいっぱい伸ばしてさ。
 ただ、どうも水しぶきをいっぱい浴びちゃったようだ。拾った時にはびちょ濡れだったよ」

 ぼくは抱えたデイパックを持ち上げて、なんでもないことのように解説した。
 全員共通の四次元ポケット。
 肩に引っ掛けているぼく自身のものに加えて、もう1つ。
 これまた共通支給のタオルを使って一通り拭いてはおいたのだけども、布地が湿っているのはごまかしきれない。

「朧ちゃんにはもう必要のないものだけども、まだ生きているぼくらにとっては助けになる。
 水も食料も予備の小道具も、あるだけあるに越したことはない。
 ま、形見分けみたいなもんさ。こういうの、ハルヒちゃんは気にする方かな?」
「それはいいけど……その、刀って」

 ハルヒちゃんの語尾が、微かに震える。
 ああそうか。かなり至近距離で向き合ったんだもんな。細かい装飾までしっかり覚えてる可能性があるのか。
 なかなかどうして、よく見ている。
 なかなかどうして、よく覚えている。
 彼女はこう見えて頭は悪くない。性格に難はあるけど、かなりキレる方だ。
 それに加えて、あんな状況下でも見るべきものは見ている、クレバーさも兼ね備えているわけか。
 戯言遣いとしては実にやりにくい相手だね。

「うん、朧ちゃんが持ってた刀と、同型のものだ。デイパックの中を漁ってみたら、入ってたよ。
 やっぱりあの子、持ち物については誤魔化してたんだな。
 同じ刀を2本支給――あるいは、2本で1セットという扱いで支給だったのかな。まあ、ありえない話でもない。
 江戸時代にもなると芸術品のように扱われる日本刀だけど、戦国時代の頃には使い捨ての量産品で実用品だからね。
 刀っていうのは、人を何人か斬ると血と脂で使い物にならなくなってしまう。でも、その程度で使えなくなったら、生き残れない。
 だから戦国時代には、みな2本3本と予備の刀を抱えながら戦ってたそうだよ。
 ぼくも刀の目利きはできないけれど、どうやら実用性重視の品物のようだし……予備くらいあっても、おかしくないかな」
「……詳しいんだ」
「うちのアパートに、腕のいい剣術家のお姉さんが住んでいてね。門前の小僧ってやつさ」

 いや、みいこさんは別にこういう薀蓄を喜んで垂れるような人じゃないんだけどね。まあそこは方便って奴で。

「自らこの扉を開けたハルヒちゃんが、これから何をするつもりなのかは知らないけれど――
 何をするにしても、手ぶらじゃいられないだろうと思ってね」
「頼んでないわよ」
「もうぼくはSOS団の《運転手》じゃないんだろう? なら、団長命令なんて待たないさ。
 やりたいから勝手にやっただけ。別にお礼の言葉も求めてはいないよ。
 ただ――もし《要らない》っていうなら、そう言って欲しいかな。その場合、勿体無いからぼくが貰っていくことにするけど」
「…………」

 ぼくの言葉に、ハルヒちゃんは黙り込む。
 何かを考え込むように、少しだけ視線を下げて黙り込む。
 やがて、クロスボウとデイパックと刀、という大荷物を抱えた腕が少し辛くなってきたころ、彼女は口を開いた。

「……クロスボウはいらない。いー、あんたが欲しいっていうならあげるわ。朧ちゃんの荷物もね」
「おっ?」
「その代わり、ってわけじゃないけど――その刀、頂戴」

 そう来たか。
 ぼくは一旦抱えた荷物を地面に置くと、日本刀だけをハルヒちゃんに手渡してあげた。
 ハルヒちゃんも、彼女にしては神妙な表情で受け取った。

「……意外と重いんだ。それに――冷たい。あの子もよくこんなの振り回してたわね」
「所詮は鉄の塊だからね。それでハルヒちゃんは、その刀で何をするつもりなのかな?」

 クロスボウと日本刀を交換した格好のハルヒちゃんだけども、刀も石弓も、殺傷力の高さに変わりはない。
 素人には扱いづらいことも、手加減がしづらいことも変わりはない。
 ぼくがそう思って見ていると、ハルヒちゃんはニヤリと不敵な、そう、何度も見せてきたあの不敵な笑みを浮かべて、

「決まっているじゃない」

 手の中でクルリと、日本刀を半回転させて、

「《こっち側》で、ぶっ叩くのよ!」

 刃の側でなく、峰の側を前に向けて、言い切った。

「朧ちゃんのように、変に思い詰めちゃってる子も!
 有希や、弦之介って人を殺したような奴らも!
 ぶっ叩いて、ひっ倒して、一から根性叩きなおしてやるのよ!」

 峰打ち、か。
 なるほど、この賢明な子が、ぼくが気付いた程度のことに到達できないわけがない。
 《クロスボウでなくバットか何かを持っていたら、彼女はもっとやりやすかっただろう》――それと、同じ発想。
 実際には峰打ちでも人は死ぬし、本来想定されてない方向からの衝撃を受けるから、けっこう簡単に折れたりするんだけど。
 そんな日本刀のトリビア、知らなくても無理はないし、知っていて無視しても大した問題じゃない。
 分かりやすく振り回せて、分かりやすく感情を表現できる《武器》。
 空振っても当たっても致命的な結果にならない《武器》。
 ハルヒちゃんの吼えっぷりは痛々しいほどに露骨なほどに空元気の空宣言だったけれど、それも《武器》があればこそ、か。

「……何か言いたそうな顔ね、いー。あんたも1発2発、殴られたいのかしら?」
「遠慮しておくよ。真剣白刃取りの心得はちょっと持ち合わせていないんでね。どっちかが大怪我することになりそうだ」

 骨折なら慣れてるけれど、どうやら今は、あの行きつけの病院に直行できる状況じゃないようだし――
 そういや、本名不明の10人、2人は明かされて残り8人。
 その中に、まさかいないだろうな。あの看護婦。
 どうもまだ分かってない参加者の中に、こっちが予想もしてないような知り合いが混じってる気がしてならない。
 ぼくは嫌な予感だけはよく当たるからね。

「まあいいわ。ならいー、さっさとサイドカーを出しなさい。すぐに出発するわよ!」
「あれ? 運転手って、もうクビになったんじゃなかったかな?」
「……いちいち細かいことばかり気にするやつね。でもいいわ。
 あたしは度量が広いから、1回くらいクビになるような真似やっても、許してやるのよ。あんたとは違うの、分かる?」
「はいはい……まったく、首を切ったり繋げたり、慌しいったらありゃしない」

 すっかり元の調子を取り戻してる。
 もちろんそれはぼくの視線を意識して、という側面も大きいんだろうけど。
 ま、ここはいつまでも落ち込んでいられるよりはマシ、と割り切っておこう。

 しかし……《首を切ったり繋げたり》、か。
 鴉の濡れ羽島での一件では、あたかも切った首を繋いだかのように見える事件に遭遇したけど。
 でも、ハルヒちゃんなら実際にできちゃうかもしれないんだよな。
 涼宮ハルヒ。
 SOS団団長。
 自称神ならぬ他称《神》。
 古泉くんの仮説を全て頭から信じているわけではないけれど――
 彼女なら、《それくらいのこと》やってのけても、まあ、不思議ではないかもしれない。
 なぜって――


【4】


 堀の縁。
 城から外へ敗走する2人を見た地点から、すこしだけ東側。
 少し開けた空間に――《それ》は、あった。
 あるはずのない《それ》が、厳然として、《そこ》にあった。
 ぼくは1人、呆然と立ち尽くす。
 その時点では、もう身を隠そう、という発想すら浮かばなかった。ただ、呆然としてしまっていた。唖然としてしまっていた。

「《これ》は……なんだ?」

 理解できない。
 ぼくも過去、いろいろと不可解な状況に直面してきた。
 別にぼくの望んだことではなかったけれども、咄嗟に理解できない状況、というものに、人よりも慣れている部分があった。
 だけど――《これ》は、そのどれとも違う。
 世界が歪んでいるような印象。
 世界が曲がっているような気配。
 世界が間違えてしまったような光景。

   堀の傍、ぼくの立っている地面のその延長上に、ずぶ濡れの朧ちゃんの死体が転がっていた。

 別れたときと同じように、荷物を背負ったままで。
 堀に落ちたときと同じように、身体に刀を刺したままで。
 もちろん生きてはいない。もちろん息なんてしてない。もちろん鼓動なんてない。
 まったく生気のない、完膚なきまでの《死体》として、そこに転がっている。

「誰か物好きな奴が、わざわざ水に入って引っ張り挙げたのかな――」

 そんなわけはない。呟いてしまったぼく自身がそんなこと信じられない。
 朧ちゃんの着物と同様、たっぷりと水を吸い込んだデイパックは、明らかに手をつけられていない。
 あの後、第三者がやってきて、何らかの方法で彼女の身体を引き上げたとして、荷物に手をつけないなんてありうるだろうか。
 いや、そんなことよりも何よりも。
 堀から彼女の死体まで、なめくじが這ったように水の跡が残されている。
 覗きこんでみれば、堀の外壁。石垣を組まれた壁にも、濡れた跡が残っている。
 生えていた苔やら何やらにも、部分的に剥がれた形跡がある。
 いや、それだけなら、引っ張って引き摺って運ばれたのだ、と考えてもいいのだけど。
 ……物言わぬ死体に近づいて、その手元を覗き込んでみる。
 まさかとは思ったが、その爪の間に、泥や苔らしきヘドロが詰まっていた。あの綺麗だった朧ちゃんの手に、だ。
 着物の前面も泥やら何やらで汚れているし、これはもう、《朧ちゃん自身が堀の中から這い上がってきた》と考えるしかない。
 中には登る時に引っ掛けたのか、1枚2枚、剥がれかけている爪さえある。
 これが生きた人間なら激痛にのたうち回っていたことだろう。爪剥がしは単純ながらも、拷問の初歩の初歩だ。
 けれど、朧ちゃんの表情は、最後に見たあの瞬間のまま――うっすらと笑みを浮かべた状態のまま。
 薄く開かれた瞼の中の瞳は、虚無に濁っていた。
 生者にはあり得ない、死者独特の眼の色だった。

「……そうだよな。とっくに死んでるんだもんな。いまさら、痛みなんか感じないよな」

 ちがうだろ。
 感心すべきはそこじゃないだろ。
 考えるべきはそこじゃないだろ。
 何が起きた。
 何が発生した。
 何が現象した。
 決まっている。

   《堀の中に落ちた朧ちゃんの死体が、ゾンビのように、死んだまま動き出して堀を這い登って、また動かなくなった》。

 はっ。
 言葉にしてみると戯言遣いですら耳を疑うような戯言。
 冗談にもなっていない冗談。
 こんな極論、普段なら想定することすら不可能だったはずだ。
 自慢じゃあないけれど、ぼくはそう想像力豊かな方じゃない。
 それでいつも痛い目に会ってきた。それでいつも後手に回ってきた。
 なら、なんでぼくは今回に限って、そんな突飛な《真相》を思いついた? 何が手掛かりになった?
 そう、あの台詞だ。
 ハルヒちゃんの叫んだ、あの台詞だ。

「《できればあそこから這い上がってきて欲しいとも思うわよ》、か……」

 そんなの無理じゃないか、とも言ってたっていうのに。
 なにが無理だ。
 なにが裸で校庭10周だ。

   涼宮ハルヒの《力》――古泉くん曰く、《彼女の望む通りに世界を作りかえる力》。

 これか?
 それが真相なのか?
 こんなものが、真相なのか?
 死人をゾンビとして動かす。少しだけ動かして終わり。
 それが――ハルヒちゃんの望み、だって!?
 まさか。
 それはない。
 そんな悪趣味な願い、あの前しか見えてない暴走機関車のような子が抱くものか。
 古泉くんの仮説で行けば、ここで彼女が望むのは《朧ちゃんの蘇生》であるはずだ。《朧ちゃんの復活》であるはずだ。
 彼女の死をなかったことにしたい、それこそが、涼宮ハルヒの願望であるはずだ。
 それが、死人にフリークライミングを強要する程度で終わっちゃっているのは、彼女の《力》とやらの限界か、それとも――

 ――ああ、そうか。
 それについては、ぼくが既に答えを出しているじゃないか。
 とっくに、辿り着いてるじゃないか。

   涼宮ハルヒは、《絶望》したところで《現実》を否定するような少女ではない、って。

 そういうことを考えること自体を、不誠実とでも思ってしまうのか。
 それとも、意外とマトモな常識が、彼女の想像力を縛ってしまうのか。
 ともあれ。

 彼女は諦めてしまった。
 彼女は認めてしまった。
 彼女は妥協してしまった。
 死体が這い上がる程度なら、あるかもしれない。
 水に落ちた死体が、実は落ちなかったことになるくらいなら、あってもいいかもしれない。
 けれど、ハラキリして死んで果てた人間が生き返るはずがない――と。
 語尾こそ濁していたものの、彼女は確かに死を認めてしまっていた。
 間近で目撃してしまった事実を否定するほど、涼宮ハルヒは厚顔ではない。そういうことらしい。
 発想の限界。
 着想の限界。
 夢想にだって限界はある。
 単に彼女は、朧ちゃんが蘇って黄泉返って戻ってくる姿を、《夢にも思うことができなかった》だけ。
 そう考えた方が、しっくりくる。

「ということは……この朧ちゃんゾンビは、《神》の《使者》か」

 粗製の使者。
 《神》の力を示す、死者蘇生の奇跡。
 復活と言ってもゾンビ程度で留まってるあたり、たぶん唯一絶対の創造神じゃなく、八百万の神の中の1人程度だろうけど。
 それでも、ここにある朧ちゃんの死体は、彼女の《力》の表れ、ということなのか――?
 まったく戯言だ。いや、この場合は傑作とでも言っておこうか?

「とりあえず――荷物と刀だけ貰っていくかな」

 いつまでも呆けてはいられない。
 ぼくらに与えられた時間には限りがある。
 仮に《これ》がぼくの想像もつかない方法で成されたトリックだったとしても、起きたことは起きたことだ。
 《これ》が奇跡だろうと偶然だろうとドッキリ企画だろうと、《彼女の望みは叶うことがある》。
 ただし、《彼女の想像力の及ぶ範囲に限って》。
 それだけ分かれば、十分だ。

 泥人形のように動かない朧ちゃんからデイパックを取り上げ、刺さったままだった刀を抜く。
 冷たい。重い。濁った水に落ちたせいか、なんか臭い。
 死体に触れるのは初めてじゃなかったけれども、やっぱり気分のいいもんじゃない。
 デイパックは防水もしっかりしていたようで、表面は湿っていたけど中身は無事。
 タオルを引っ張り出して、デイパックや刀を一通り拭いておく。
 使えるものは使わないと。要はそんな貧乏性。

「使えるものは、使わないと――それが《神》だろうとなんだろうと、ね」

 悪いね、古泉くん。
 きみの信仰するきみの大事な神様、きみの策略とは違う形で、使わせてもらうことにするよ。


【5】


 ――と格好をつけてみたところで、じゃあその涼宮ハルヒをどう利用するかなんて妙案、そうすぐに思いつくもんじゃない。
 大体、彼女の望みが叶うその条件もまだ分からない。
 多分に彼女の気まぐれも混じってきてしまうんだろうけど。
 少なくとも敵対はしたくないね。うん、本気で恨まれたくはない。
 SOS団の団長の権限をもってすれば首を切るのも繋げるのも思いのままなんだろうけど、生憎と、人の生死は動かせない。
 うっかり本当に首を飛ばされたら、もう生き返れない。死体の修復サービスくらいはオマケでついてくるかもしれないけど。
 《首切り死体、ただし跡も残さず接着済み》――うん、巫女子ちゃん、それただの死因不明死体だから。

 てなわけで、ぼくはそのまま、一度は見切ることも考えたハルヒちゃんの所に戻ることにして。
 あっさりと元の鞘に納まって、SOS団とやらの仮団員、団長の運転手としてハンドルを握っているわけだ。
 サイドカーにはハルヒちゃん。
 例の、朧ちゃんを刺し殺したあの刀を抱くようにして、腕組みをしている。いつも通りの仏頂面だ。
 だいぶ持ち直したもんだね。内心までは分からないけどさ。



 サイドカーを出すのはいいとして、さて、何をするんだい――?
 走り出す直前、ぼくがそう尋ねると、彼女はさも下らないことを聞かれたかのように顔をしかめた。

「あんた、放送で何聞いてたのよ。
 いいこと、いー。あの《人類最悪》とかいう奴は、確かにこう言ってたのよ。徒党を組んでる奴らがいる、って。
 それもあの言い方じゃ、1組や2組じゃないでしょうね」

 よく覚えてるものだ。普通、その後の衝撃のニュースで、全部吹き飛んでしまってもおかしくないのに。
 それだけハルヒちゃんの地は優秀ってことで、そして、相手が優秀なほど戯言ってやつは切れ味が増すわけで。
 でもここで混ぜっ返すのは得策じゃない。ぼくは喋り続けるハルヒちゃんの演説に耳を傾ける。

「考えてみたら、SOS団の優秀な団員が放っておかれるわけがないのよ。
 あの可愛いみくるちゃんに惹かれない男子はいないだろうし、古泉くんだってそつなく人の輪に溶け込んでるはずだわ!
 一番心配なのはキョンね。愚痴っぽいし、無気力だし、あいつちゃんと友達作れてるかしら」
「それはいいけど」

 ……どうにも黙って聞いていると、ついつい、その古泉くんの作っている《人の輪》に触れたくなってしまう。
 きっと彼、まだ頑張ってるんだろうなあ。無駄なのに。
 なので前言撤回、方向転換だ。ぼくは片手を上げて話を遮って、口を挟む。

「徒党を組んでる奴らがいることも、君のお友達がどこかのグループに潜り込んでるだろうってこともわかったよ。
 それで? これからサイドカーで、あてもなくその集団を探しに行くっていうのかい?」
「あてならあるわ! この地図よ!」

 ぼくの問いに、ハルヒちゃんは。
 いつの間に出したのだろう、例の地図を例の日本刀(の、峰のほう)でバシバシ叩きながら力説した。

「徒党を組んでるなら、次に必要になるのは当然、《拠点》よ!
 待ち合わせの場所! 休憩する場所! じっくりものを考えるための場所!
 きっと、ここに書かれたどこかに、集まっている人たちがいるはずよ!」



 ……と、いささか論理としては穴の多い気もするハルヒちゃんの宣言に従って、ぼくはサイドカーを走らせているわけだ。
 もともと大した方針があったわけじゃない。せっかくの彼女のやる気に、水を差す理由もない。
 とりあえずの目的地は、手近なところで映画館。
 そこから東に回るか、西に回るか……その辺は、行ってみてから臨機応変ってことで。

「映画館って言うくらいだから、何か上映してるかな。ホラー映画でもやっててくれりゃいいんだけど」
「なによ、いー。あんたそんなのが趣味なわけ?」
「いや、趣味ってわけじゃないけど、たまたま今はそんな気分でね」

 できれば、B級感丸出しの安っぽい演出の、ゾンビものなんかをリクエストしたいところだ。
 うん、もちろんこれは、戯言だけどね。



【E-4/道路上/一日目・午前】

【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康。サイドカーの側車に搭乗
[装備]:弦之介の忍者刀@甲賀忍法帖
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考・状況]
 基本:この世界よりの生還。
 0:とりあえずは映画館!
 1:放送で示唆された「徒党を組んでる連中」との接触・合流。
 2:そのために、地図に載っている施設を回ってみる


いーちゃん@戯言シリーズ】
[状態]:健康。サイドカー運転中
[装備]:森の人(10/10発)@キノの旅、バタフライナイフ@現実、クロスボウ@現実、トレイズのサイドカー@リリアとトレイズ
[道具]:デイパック×2、基本支給品×2、22LR弾x20発、クロスボウの矢x20本
[思考・状況]
 基本:玖渚友の生存を最優先。いざとなれば……?
 0:とりあえずは映画館。
 1:当面はハルヒの行動指針に付き合う。
 2:涼宮ハルヒの観察を続行。古泉の計画にこれ以上付き合う気はないが、別の使い方ができるかもしれない?
 3:一段落したら、世界の端を確認しに行く? もう今更どうでもいい?


※朧の死体はD-4の堀に一旦沈みましたが、その後、D-4の城側の岸に「這い上がって」きたようです。
 今も濡れてはいますが、堀の傍に横たわっています。
 もちろん、完膚なきまでに死体です。少なくとも、もう動く気配はありません。
 荷物一式と胸に刺さっていた 弦之介の忍者刀@甲賀忍法帖 は、いーちゃんが持ち去りました。



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