ラノロワ・オルタレイション @ ウィキ

オルタナティブ

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オルタナティブ ◆UcWYhusQhw



「さてと……どうしようかな」

薄暗いホテルのロビーに篝火を掲げながら僕は黙々と作業をしていた。
そして壁に貼っていたルーンの書かれているカードの最後の一枚を回収した時、思わずそう呟く。
僕――ステイル=マグヌスは先刻、殺し合いを肯定する立場に鞍替えをした。
最もあるべき場所に戻っただけかもしれないね。
彼女の為に生き、彼女の為に戦い、彼女の為に死のう。
ただ、それだけの事。

結果的に言うと僕には『彼』のような生き方は無理という事だ。
まあいいさ。
元々似合わないし。
毒され過ぎただけかもね。

僕は僕の生き方をするだけだ。

彼女の為のヒーローであるべき者は今は彼だ。
僕じゃない。僕はその役目から降りた。
でも、僕の感情は変わらない、変わる訳が無い。

「でも……いいさ」

でも、それでいい。
ヒーローが彼でも、僕は彼女の為に生きる。
例え、それが血塗れた道でも僕は進むさ。
彼が光で僕が闇でいい。
それでいいさ。

ふうと溜息を着くついでに煙草に火をつける。
ああ、いいね。ニコチンは実にいい。
少しぐだぐだしていた思考や鬱憤を綺麗に吹き飛ばしてくれる。
お陰でいい加減頭を切り替えない事を思い出させてくれたよ。

「さて……」

まず、色々再確認しないといけない事がいくつかある。
今後の指針を決めるのに重要なものをね。
方針が鞍替えした事によって随分変わるしね。
僕はロビーのソファーに身を埋めながら考えに没頭していく。

まずはどうやって狩っていくのが効率がいいかだ。
その為には自身が出来る事を考えなければならない。
あの狂犬みたいにむやみやたらに行動したらガス欠が起きるのが目に見えているからね。

さて、自分で言うのなんだけど動き回るというのは正直苦手だ。
体力が無いというと情けなく思うが、これも得た力の代償故なんだけど……まあ仕方ない。
それ故に僕の得意分野は要所防衛などといった篭城や防衛戦だ。
そして、僕の切り札、魔女狩りの王は元々下準備にかかる。
残念ながらとっさに出せるものではない。

だから出来れば何処かに留まるというのが理想といえば理想なんだけど……

「ゆっくり獲物が来るまで待つというのも……ね」

殺し合いに乗った現状、そうも行かないだろう。
例えば、ここに留まったって人が来るとは限らない。
だから僕は此処から離れることを選択したんだけど。
それに、自分から動かないと意味が無い。
これは時間制限がある……だからのんびりしてる暇は無いんだ。

となると……何処かで人を待つという訳にも行かないだろうね。
動き回るとなると僕の戦う手段になるのは主に炎剣だ。
炎剣だけでも充分と言いたい所だけど……あのような殺人鬼相手には何処まで通用するかが不明だ。
僕自身の弱点としては僕自身が弱いという事でもある。
そこをつかれるというなら……まあ、きついか。
とはいえ、遅れを取るつもりなんてさらさら無い。
まあ、纏めると僕の運動能力を着くような奴はちょっと遠慮したい感じだ。

「…………『魔女狩りの王』どうしようかな?」

そして『魔女狩りの王』
僕の切り札だけど……これはルーンさえ貼っておけば自立行動は可能だ。
一度保険であの上条当麻のマンションにも張っていた時があるように。
僕が使役する訳じゃないから何処までこの島で通用するかわからないけど……力を持たないような奴ぐらいは狩れるだろう。

なら、何処か人が集まるような場所……例えばこのホテルとか、島の中心であるホール。
怪我を治療するかもしれない人が集まりそうな病院や診療所。
そういった所……つまり何か参加者が拠点になりそうな場所に設置しておくのも手かもしれない。
地図にわざわざ書かれてる場所……それがいいだろうね。

デメリットとしては僕が魔女狩りの王を持ち歩いていけなくなるという事。
そして、不安としてあるのが果たしてこの島で『魔女狩りの王』が自立行動できるかどうか……という点だ。
一度試してみる必要があるかもしれない。

その不安点さえ抜かせばメリットの方が勝るだろう。
僕はこの切り札に自信を持っているし。
持ち歩けなくても、場所さえ覚えておけば回収にいけるしね。

……それを踏まえると足が必要かもだ。
車などといった足が。
元々動き回るのは得意じゃないし。
体力もあるほうではないから出来る事なら島中駆けずりまわるなんてことは勘弁したい。
それを考えると体力温存の為に足を手に入れる事を視野に入れたほうがいいかな。

さて

「……とりあえずはこんなものか」

とりあえずの思考はこんなものかな。
具体的には足の確保と拠点を押さえ魔女狩りの王を設置する事を優先すべきかな。
なら、その為に何処に向かおうか。
北か、南か、西か、はたまた東か。
幸い今は中央だ、何処でもいける。
さて………………どうしよう…………


「……なんだ? 今の音」

その時だった。
僕の耳に大きな音が響いたのは。
……これは爆発音かな?
少し遠い所から響いた音だ、これは。
こっちにすぐ危害ある訳では無さそうだけど確認するに越した事は無いか。
となると……そうだね。このホテルの屋上から確認してみるとしようか。

僕は歩き出して目指すのはエレベーター。
……階段で行く訳が無いよ?
無駄に体力を消費したくもないし。

それに何よりも……面倒で無駄だ。

根性入れてのぼるなんて僕らしくもない。
精精そういうのはあの馬鹿にお似合いさ。

「ふん……」

僕はそんな思い出したくもない事を思い出して忌々しく鼻を鳴らしたのだった。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





「いい景色というか一望できるね……これは」

屋上に辿り着いた僕はまず辺りを一望する。
それなりに高いホテルなようで結構周りの景色は見える事が出来た。
その時すかさず見えたのは北の方角から空に立ち上る一筋の煙。

直ぐにかき消されたけどそれを確認する事ができた。

「誰かが騒ぎを起こしたのかな? 火事とは思えないし……爆弾でも使ったか」

誰かが爆発物を使ったのかな? それとも魔術かな?
それは兎も角、すぐ近く橋を渡った先の所で戦闘か何かあったのが明白だろうね。
まだ、そこに誰か残っているだろうか?
僕はそう思い凝視するも判る訳が無かった。
生憎、特別目がいいというわけでもない。

しかし、それなら其処の現場に向かうのもありだね。
その現場で何が起きたか少し確認したいし。
炎の魔術を行使したというのなら僕なら何かわかるかもしれない。
もし其処に誰か残っているなら情報を聞き出すことができる。
勿論その後、殺すけど。
まあ、戦闘を起こした者ならそれに骨がある奴かもしれない。
ちょっと戦う事も覚悟した方がいいかな。
それでも向かう価値はあるだろうね
さて……どうしようかな?

「……ん?」

そう思った矢先、その現場から一台の無骨の車が走っていったのを見つける。
現場から見ると南東の方角に走っているのを確認できた。
ふむ……何かあそこで起きた騒動に関わっているかな。
騒動を起こした首謀者か、それとも逃げてきた者か。

……どちらにせよ、あのバギーがいった方向に向かうのは有りかもしれない。
何か知っている可能性は大きいし。
それに、一応確認する事が出来た参加者だ。
殺さないといけないならその方向に向かえば追いつく事は無理かもしれないけどそいつが休憩とかすれば遭遇できると思う。
向かうのもいいね。

「……だけど」

どちらにせよ、あれほどの爆音を出すものを持っている者だ。
強者である事は間違いない。
そいつとの遭遇を避けるのも有りだ。
それならば今まで僕が言った事が無い西か南に向かうのがいいかな。
西には警察署、図書館、それと神社など目立ったランドマークがある。
南は中央を抜けるからホールによる事も可能だ。
後目立つランドマークは診療所、温泉かな?

「……さて、どうしようか」

今、僕に与えられている選択肢は四つ。
現場を確認してそのまま北に。
バギー追って東に。
拠点めぐりの西に。
中央を通って南に。

どれも、美味しい選択肢に見えるけど。

さて……どうしようかな?


まあどちらにせよ……


「ただ……狩って殺すだけだよ」


獲物を狩り、人を殺す事にはかわりないんだけどね。


【C-4/ホテル 屋上/1日目・昼】



【ステイル=マグヌス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康
[装備]:ルーンを刻んだ紙を多数、筆記具少々、煙草
[道具]:デイパック、支給品一式、ブラッドチップ(少し減少)@空の境界 、拡声器
[思考・状況]
基本:インデックスを生かすために行動する。
0:爆音が聞こえた現場に向かいその後北を目指すか、バギーを追って東に向かうか、ランドマークを巡る西にするか、中央を抜けて南に行くか選ぶ。
1:インデックス、上条当麻、御坂美琴、白井黒子以外の人間を皆殺しにする(危険人物優先)。
2:インデックスの害となるようなら、御坂美琴と白井黒子も殺す。
3:生存者をインデックス、上条当麻、御坂美琴、白井黒子、自分の五人のみにし、『幻想殺し』を試す。
4:万が一インデックスの名前が呼ばれたら優勝狙いに切り替える。
5:足(車、自転車など)が欲しい。
6:何処かの拠点(地図に載ってるランドマーク)に『魔女狩りの王』を設置する?




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