英雄志願 ◆JI0DYaB8oI
「オレァ誰ともしらねぇ奴にあーしろこーしろって命令されるのは好きじゃねぇ。
そのうえ殺し合いだぁ? まっぴら御免だ。……と、最初は思ったぜ」
C-3の塔の入り口で、ランドセルをあさりながらイシドロは独り言を言う。
「だが考えが変わった。あのへちゃむくれのガキとジェダとかいう奴の交渉やら、いきなり魔法使ってぶっ殺された
ねーちゃんやら見て思ったぜ。逆らうよりも、言うとおりにした方がいいってな。考えてみりゃこれは戦だ。
男が成り上がるためのチャンス!」
そのうえ殺し合いだぁ? まっぴら御免だ。……と、最初は思ったぜ」
C-3の塔の入り口で、ランドセルをあさりながらイシドロは独り言を言う。
「だが考えが変わった。あのへちゃむくれのガキとジェダとかいう奴の交渉やら、いきなり魔法使ってぶっ殺された
ねーちゃんやら見て思ったぜ。逆らうよりも、言うとおりにした方がいいってな。考えてみりゃこれは戦だ。
男が成り上がるためのチャンス!」
塔の最上階に飛ばされた彼は、塔を降りながらジェダに説明されたことについて考えていた。
その結論が、これは戦だということ。
戦なら人を殺しても問題ない。むしろ殺さない方が悪。
そして戦では、例え人を殺してでも生き残れば英雄と呼ばれるようになる。
イシドロはこれまでにも殺し合いに巻き込まれたことはたくさんあった。
今度もそれと同じこと。向かってくる奴らを片っ端から返り討ちにすればいいだけだ。
彼はこの『殺し合い』について、そういう結論に達した。
「まぁ、向かってこねぇ奴もいるだろうが…そういうお人よしは、放っておいても死ぬだろうしな」
その結論が、これは戦だということ。
戦なら人を殺しても問題ない。むしろ殺さない方が悪。
そして戦では、例え人を殺してでも生き残れば英雄と呼ばれるようになる。
イシドロはこれまでにも殺し合いに巻き込まれたことはたくさんあった。
今度もそれと同じこと。向かってくる奴らを片っ端から返り討ちにすればいいだけだ。
彼はこの『殺し合い』について、そういう結論に達した。
「まぁ、向かってこねぇ奴もいるだろうが…そういうお人よしは、放っておいても死ぬだろうしな」
ひとり呟きながら、食料やら水やらを取り出して味を確かめる。
毒は入っていないようだと判断すると、イシドロは上着の端を解いて紐を作る。
そしてランドセルを奪われた時の保険にと、食料の一部を縛って上着の内側に吊るした。
(本当は水も縛りつけておきたかったが、ペットボトルは重いので諦めた)
毒は入っていないようだと判断すると、イシドロは上着の端を解いて紐を作る。
そしてランドセルを奪われた時の保険にと、食料の一部を縛って上着の内側に吊るした。
(本当は水も縛りつけておきたかったが、ペットボトルは重いので諦めた)
「殺し合いか…あのお堅いファルねーちゃんやらに知れたらどうなるか分かったモンじゃねぇが…幸いここにはいねぇ!
小うるせぇシールケの奴もいねぇ! パックはいれば便利だったが…まぁ、いねぇモンは仕方ねぇ」
そこまで呟いた所で、ランドセルをあさる手を止める。
改めて、自分は一人ぼっちだと実感したからだ。
「独りか、ちょっと不安かも……いや! 俺だって昔は一人で生きてきたんだ! ここ最近は馴れ合いに浸っちまって、
昔の荒んだ心を忘れてたが…これが本来のオレだ!」
イシドロは強く自分に言い聞かせる。
優勝して大物になって帰るんだ、と。
だが、ガッツたちとの旅で実感していたことだが、自分はお世辞にも強いとは言えない。
石投げは得意だが、背は低いし力もあまりないから、大きな武器は持てない。
広間にいた魔法使いのようなのが他にもいるとすれば、真っ向から戦うのは難しいだろう。
「だから、最初は相手を油断させることも考えねーとな。利用するだけしておいて、あとは…だ。」
油断させるのはどうにかなる(と彼は思っている)として、殺すためには武器がいる。
イシドロは再びランドセルに手を突っ込み、中身を探り始めた。
小うるせぇシールケの奴もいねぇ! パックはいれば便利だったが…まぁ、いねぇモンは仕方ねぇ」
そこまで呟いた所で、ランドセルをあさる手を止める。
改めて、自分は一人ぼっちだと実感したからだ。
「独りか、ちょっと不安かも……いや! 俺だって昔は一人で生きてきたんだ! ここ最近は馴れ合いに浸っちまって、
昔の荒んだ心を忘れてたが…これが本来のオレだ!」
イシドロは強く自分に言い聞かせる。
優勝して大物になって帰るんだ、と。
だが、ガッツたちとの旅で実感していたことだが、自分はお世辞にも強いとは言えない。
石投げは得意だが、背は低いし力もあまりないから、大きな武器は持てない。
広間にいた魔法使いのようなのが他にもいるとすれば、真っ向から戦うのは難しいだろう。
「だから、最初は相手を油断させることも考えねーとな。利用するだけしておいて、あとは…だ。」
油断させるのはどうにかなる(と彼は思っている)として、殺すためには武器がいる。
イシドロは再びランドセルに手を突っ込み、中身を探り始めた。
「……お、こりゃなんだ? 『手榴弾』? えーと、ピンを抜き、投げると爆発します、か。ガッツの炸裂弾みたいなもんか?
とにかく当たりだなこれは」
手榴弾は全部で4個セットになっていた。
すぐ使えるように1個だけポケットに入れておき、残りは取り出しやすいようにランドセルの上の方に入れておく。
とにかく当たりだなこれは」
手榴弾は全部で4個セットになっていた。
すぐ使えるように1個だけポケットに入れておき、残りは取り出しやすいようにランドセルの上の方に入れておく。
「それから…なんだこの人形は?」
出てきたのは黒い服と帽子をつけた小さな人形。それと小銭入れだ。
説明書きによると『ころばし屋』という道具で、小銭入れに入っている10円玉という硬貨を入れて名前を言えば、
その相手を3回まで転ばせてくれるらしい(キャンセルする時は100円玉を入れるようだ)。
「ふーん…上手く使えば役立ちそうだな。しでもホントに信用できるのか、これ?」
イシドロは疑わしそうに人形を見る。
「よし、自分で試してみるか」
出てきたのは黒い服と帽子をつけた小さな人形。それと小銭入れだ。
説明書きによると『ころばし屋』という道具で、小銭入れに入っている10円玉という硬貨を入れて名前を言えば、
その相手を3回まで転ばせてくれるらしい(キャンセルする時は100円玉を入れるようだ)。
「ふーん…上手く使えば役立ちそうだな。しでもホントに信用できるのか、これ?」
イシドロは疑わしそうに人形を見る。
「よし、自分で試してみるか」
――しばらくして
イシドロは鼻血を流しながら、『ころばし屋』の効果を実感していた。
『ころばし屋』はどんなに逃げても確実に追いかけ、手に持った武器でこちらを転ばせてくるのだった。
「イテテ…スゲェ、コイツは本物だ」
この使える道具は絶対に手ばなすまいと、『ころばし屋』と小銭入れを大事に懐にしまった。
イシドロは鼻血を流しながら、『ころばし屋』の効果を実感していた。
『ころばし屋』はどんなに逃げても確実に追いかけ、手に持った武器でこちらを転ばせてくるのだった。
「イテテ…スゲェ、コイツは本物だ」
この使える道具は絶対に手ばなすまいと、『ころばし屋』と小銭入れを大事に懐にしまった。
「さて、どうするかな。この手榴弾は当たりだが、できれば手頃な大きさの剣が欲しいよなぁ」
そう言いながらイシドロは、石つぶてとして使うべく、手頃な石を拾い集めてポケットに入れていく。
心の中で何度も「優勝してやるぞ」と自分に言い聞かせながら。
そう言いながらイシドロは、石つぶてとして使うべく、手頃な石を拾い集めてポケットに入れていく。
心の中で何度も「優勝してやるぞ」と自分に言い聞かせながら。
彼が本当にそれを望んでいるのかは、彼自身にも分からなかったが。
【C-3/塔の入り口/1日目/午前】
【イシドロ@ベルセルク】
[状態]:鼻血
[装備]:手榴弾×1 石つぶて×5
ころばし屋@ドラえもん 小銭入れ(残り10円玉×6、100円玉×3)
[道具]:基本支給品 手榴弾×3
[思考]
第一行動方針:武器探し(できれば手頃な剣が欲しい)
第二行動方針:誰かに会ったらまずは様子を見て、利用できるようなら利用する
第三行動方針:そして隙を見て殺す…かもしれない
基本行動方針:優勝して大物になる(と、自分に言い聞かせている)
[備考]:食料の半分を上着の裏に吊るしています。
【イシドロ@ベルセルク】
[状態]:鼻血
[装備]:手榴弾×1 石つぶて×5
ころばし屋@ドラえもん 小銭入れ(残り10円玉×6、100円玉×3)
[道具]:基本支給品 手榴弾×3
[思考]
第一行動方針:武器探し(できれば手頃な剣が欲しい)
第二行動方針:誰かに会ったらまずは様子を見て、利用できるようなら利用する
第三行動方針:そして隙を見て殺す…かもしれない
基本行動方針:優勝して大物になる(と、自分に言い聞かせている)
[備考]:食料の半分を上着の裏に吊るしています。
アイテム解説
【手榴弾@現実】
ピンを抜くと一定時間で爆発し、破片が飛び散ってダメージを与える。
至近距離で爆発すれば致命傷は避けられないが、ある程度距離を置けば殺傷力は低下する。
【手榴弾@現実】
ピンを抜くと一定時間で爆発し、破片が飛び散ってダメージを与える。
至近距離で爆発すれば致命傷は避けられないが、ある程度距離を置けば殺傷力は低下する。
【ころばし屋@ドラえもん】
背中の穴に10円入れて相手の名前を言うと、対象をどこまでも追いかけて3回転ばせてくれる。
キャンセルには100円必要。
ご丁寧にも日本円が入った小銭入れとセットになっている。
制限として、使用者から見える位置にいる相手しか指名できない。
一度指名してしまえば、視界の外に出ても追いかけてくれる。
背中の穴に10円入れて相手の名前を言うと、対象をどこまでも追いかけて3回転ばせてくれる。
キャンセルには100円必要。
ご丁寧にも日本円が入った小銭入れとセットになっている。
制限として、使用者から見える位置にいる相手しか指名できない。
一度指名してしまえば、視界の外に出ても追いかけてくれる。
【石つぶて@地面】
イシドロがその辺で拾った、子供の手に収まるくらいのサイズの石。
つぶて投げを得意とするイシドロには非常に有効な武器になる。
補充が比較的簡単なうえ、大人にもダメージを与えられる優れもの。
目や股間に当てれば潰すこともできる。
イシドロがその辺で拾った、子供の手に収まるくらいのサイズの石。
つぶて投げを得意とするイシドロには非常に有効な武器になる。
補充が比較的簡単なうえ、大人にもダメージを与えられる優れもの。
目や股間に当てれば潰すこともできる。
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