atwiki-logo
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このウィキの更新情報RSS
    • このウィキ新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡(不具合、障害など)
ページ検索 メニュー
ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
ページ検索 メニュー
  • 新規作成
  • 編集する
  • 登録/ログイン
  • 管理メニュー
管理メニュー
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • このウィキの全ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ一覧(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このwikiの更新情報RSS
    • このwikiの新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡する(不具合、障害など)
  • atwiki
  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 変わらぬ微笑み

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

変わらぬ微笑み

最終更新:2010年10月19日 23:09

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集

変わらぬ微笑み ◆3k3x1UI5IA


「へっへっへ……どーやらコッチには気付いていねーみてーだな」

森の藪の中、少年は三流の小悪党丸出しの笑いを浮かべた。
最初に転送された塔から降りて、森の中を彷徨うこと小一時間。
誰にも見つからないよう、そして誰の姿も見落とさないよう、細心の注意を払った甲斐があったというものだ。
イシドロは藪の中から慎重に、その2人の姿を窺い見る。

鬱蒼と繁る森の中、数本の倒木によって出来たちょっとした空き地――
そこに、その『女の子』と『男の子』は居た。少なくとも、イシドロは初見でそう認識した。

『女の子』の方は、かなり小柄で幼いようだ。短い金髪に緑のリボンをつけ、マントを身に纏って。
倒れた木の幹に腰掛け、何かを手の平に載せてブツブツと呟いている。
『男の子』の方は……こっちは「小柄」なんていうレベルではない。その姿はまるで小人か妖精だ。
蒼い服に蒼いズボン、そして青いシルクハット。可愛らしい服装だが、全く実戦向きではない。
何か丸いモノを持って、ああでもない、こうでもないと腕を振っている。何かの練習だろうか?
この2人、首輪のついた参加者同士であるにも関わらず、戦ったり互いを警戒したりする様子は無い。
既に休戦だか同盟だかの約束がついていて、今はそれぞれの支給品を確認している所、と見ていいだろう。

とにかく、これはチャンスだった。
2人は油断している。組んでいる、ということは、素直に『ゲーム』に乗る気もないのだろう。
そして何より、イシドロの存在にまだ気付いていない。
今なら襲いかかっても良し。出て行って言いくるめて同行して、利用してやっても良し……

「……って、どうすっかな。ああもう、どうすりゃいいんだよ!」

イシドロは苛立たしげに自分の頭を掻く。
これがどうしようもない状態、選択肢の無い切迫した状況だったなら、ここまで迷わなかっただろう。
ガッツたちとの旅の最中も、多くの場合、選択の余地など無かった。いつもギリギリだった。
けれど、今は完全にイシドロが行動を「選べる」立場。だからこそ、迷う。

誰かが襲い掛かってきたら、容赦なく返り討ちにするつもりだった。もしくは上手く逃げ出すつもりだった。
誰かと真正面から出くわして、でも会話が成立するようなら口先三寸で言いくるめるつもりだった。
相手が強そうなら、取り入って油断させてから不意を打つつもりだった。
でも今目の前に居るのは、見るからに弱そうな、幼い少女と小人の2人。イシドロに気付いてすらいない。

襲い掛かって、手っ取り早く倒して、「優勝」に確実に近づくか。
出て行って、会話を試みて、騙して仲間にして「利用」するか。
それとも、放っておいても誰かに殺されると判断して、この場は見逃すのか。彼は悩む。

「ああ畜生ッ! 向こうから襲ってきてくれりゃ、こんなに悩まなくて済むのによぉ!」

藪の中、イシドロが頭を抱え声も無く叫んだ、その瞬間だった。
蒼い服の小人の手から放たれた円盤が、大きく旋回してイシドロの潜む藪に飛びこんできたのは――!

          *       *        *

……少し、時間を遡る。

互いの自己紹介を終えたタバサと蒼星石は、しばらく腰を落ち着け、持ち物の使い方を研究することにした。
歩き回るアテもないし、それに戦いの経験を持つ2人は案外現実を知っている。
自分たちから戦う気が無くても、戦いに乗った人に襲われるかもしれない。
支給品を、完全でなくてもいいから使いこなせるようになること。それが当面の課題だった。

「……大体、わかった。でも、私にもその『ミッドチルダ式』って魔法、使いこなせるのかな?」
『 I'll assist you. Don't worry,sir. (私が手助けします。心配なさらずに)』
「ありがと、バルディッシュ」

タバサは手の平の上に乗せた金色の宝石に微笑みかける。
かなりの時間をかけて情報交換をして、この『バルディッシュ・アサルト』の機能も把握できた。
蒼星石と同じ姿の『バリアジャケット』は、維持するだけでも『MP』を消費するというので、今は元に戻してある。
最初に見たバルディッシュの『アサルトフォーム』以外の姿についても、詳しい説明を受けている。
あとは、実戦で試してみるだけだろう。もっとも、そんな必要、無いに越したことは無いのだが。

「うーん……だいぶコントロール良くなってきたけれど、まだまだかなぁ」

そんなタバサのすぐ近くでは、男装のローゼンメイデン・蒼星石が戦輪を片手に首を捻っていた。
タバサがバルディッシュの研究をしている間、斜めに傾いだ倒木を的に戦輪の練習をしていたのだ。
数十分に及ぶ練習の成果か、藪を掻き分け外れた戦輪を探しに行くようなことも減ってきたが……
それでもまだまだ、百発百中には程遠い。
倒木そのものには突き刺さるようになってきたが、狙った場所にはなかなか当たらないのだ。
これが人間相手なら、「身体のどこかに当たるかもしれないが、どこに当たるかは自分でも分からない」状態。
なんとかモノになりそうなタバサと違って、不安が残る。

「元々ボクは、中・遠距離での戦闘ってあんまり得意じゃないんだ。姉妹の中でも、比較的、ね。
 『庭師の鋏』でなくても、接近戦用の武器ならもうちょっと上手く使えたと思うんだけど」
「じゃあ蒼星石、交換する?」
「いや、そういうつもりで言ったんじゃない。『その子』はタバサの方が上手く使えそうだ。
 ただ、タバサのお兄さんを探すついでに、何かボクにも使えるものを見つけておかないとね」

戦輪を指先で回しながら、蒼星石はタバサに答える。
タバサの兄、レックスを探す――それは、2人の当面の、そして現時点では唯一の目標。
蒼星石は考える。

(ボクの『力』は、こんな状況・こんな場所でも使えるんだろうか……?
 夢の扉を開くことができれば、きっと『タバサの夢』と『お兄さんの夢』は繋がってるはずなんだ……!)

蒼星石とその双子の姉妹である翠星石には、人間の夢の世界に入る能力が与えられている。
そして、家族のように非常に親密な人同士の夢は、相互に繋がっている。
蒼星石が能力を使えるのなら、タバサの夢を通り、どこに居るかも知れない『お兄さん』に接触できる。
首尾よく『お兄さん』の夢の世界に辿り着ければ、話くらいはできるはず。
そして会話が成立すれば、現実世界で合流するのも簡単だろう。

(まあ――それもこれも、安全な隠れ家を確保して、夜になってから、だね)

眠る時間が来るよりも早く、運良く彼に遭遇できる可能性もあるわけだし。
蒼星石は、溜息をつくとクスリと笑った。彼女はそのまま、指先で回していた戦輪を投擲する。
今は戦輪の練習中。タバサの方の準備が良いようなら、そろそろここから動きだしてもいいかもしれない……

――ちなみに、良い子のみんなは決して真似してはいけない。
本物の銃や刃物を使った練習をしている時に、別の考え事をするなんてもってのほかだ。
集中していないと、どこに飛んでいくか分かったものではないからだ。
そして蒼星石が投げた戦輪は、回転しながら大きなカーブを描き、的を大きく外れて、藪の中へと――!

          *       *        *

「――ってホントに襲ってくるのかよ!?」

イシドロは悲鳴を上げた。
空中で大きなカーブを描き、彼の潜む藪を狙ったかのように飛び込んで来たもの。
それは良く見れば見覚えのある武器。好戦的な異民族・クシャーンが好んで使う、円盤状の刃物だ。
イシドロの脳裏に、クシャーンたちに襲われた時の恐怖が蘇る。
表情が理解できない黒い顔。通じない言葉。怪しげな異教。不気味な形状の武器の数々。
間一髪、頬を掠めて飛んでいった戦輪に、イシドロの恐怖は一気に沸騰する。

こっちの存在に素知らぬ顔をしながら、しっかりと不意を突いてきた恐るべき敵――
イシドロの目には、蒼い服を着た小人はそう映った。
頬に熱を感じる。戦輪が刻んだ浅い傷から、思い出したように血が滲む。

このままでは殺される。けれど、クシャーンたちを紙屑のように蹴散らしたガッツは、ここには居ない。
あの「小人」が人外の存在なら、何かしら恐ろしい能力も持っていることだろう。
ならばどうする? 尻尾巻いて逃げるのか?

「決まってる……殺られる前に、殺るしかねぇッ!」

それはとっくに決めていた覚悟だ。イシドロは隠れていた場所、動きにくい藪の中から飛び出す。
飛び出すと同時に、手の中に握り込んでいた石を蒼い服の小人目掛けて投げつける!

「相手も『男』だってぇなら、遠慮もいらねぇしなッ!」


          *       *        *

それは――タバサと蒼星石の側にとっても、全くの不意打ちだった。

「蒼星石、また外したの?」
「うるさいなぁ。ボクだって、外したくて外したわけじゃ――」
「――相手も『男』だってぇなら、遠慮もいらねぇしなッ!」
「「!?」」

のんびりと蒼星石の失投をからかったタバサ、怒ってみせた蒼星石。
そこに飛び出してきた1人の少年に、2人は咄嗟に反応しきれない。
かわす間もなく、また「ボクは女の子だよッ!」と怒る間もなく、少年の投げた石は蒼星石の頭を直撃して――
蒼い帽子が、宙に舞う。
人形の身体が、グラリと崩れる。
当たり所が悪かったのか、そのまま動かない。
襲撃者の顔に笑みが浮かび、そして、タバサは……。

「まず1匹ッ! もういっちょ……!」
「不意打ち!? ……バルディッシュ、『そうび:バリアジャケット』!」

タバサはしかし、冷静だった。驚きながらも、冷静だった。
素早く手の中の宝石に命令を下して……次の瞬間、雷光が走る。

『 Yes,sir. Drive ignition. Barrier jacket; "Gardener form"!! 』

雷が走り、魔法文字の刻まれた金色の帯が踊り、少女のマントが、服が下着が虚空に消え失せる。
空中に出現した黒鉄の部品と黄色い宝玉が組み合わさり、斧のような黒い杖の形になる。
そして、タバサがその杖を手にした途端――彼女の裸身に、蒼い布地が巻きついていく。
少年は手にした2発目の石を投げることも忘れ、少女の『変身』を呆然と見つめる。
そして、ズボンが具現化し上着が具現化し、最後の仕上げに帽子がフワリと舞い降り、そこにあった姿は……

「って、さっきのチビとペアルックかよ!?
 それに何が出てくるかと思ったら……その格好、なんか前より弱っちくなってねーか?」
「う、うるさいッ!」
「とにかく――てめーもくたばりやがれッ!」

思わずツッコミを入れてしまったイシドロだが、すぐに頭を切り替える。
もう、既に1人やってしまったのだ。今さら引き返せはしない。イシドロの手から鋭い音を立てて石が飛ぶ。
この距離、この体勢では回避は不可能――なはずだったが。

『 Defenser. 』

タバサが何かをするより早く、杖が光り、電子的な声が響き。うっすらと輝く魔力の防壁が出現する。
杖を握る少女の手首を狙った石つぶては、その防壁に完全に防がれ、空中で弾かれてしまう。
かなりの攻撃魔法にも耐える魔法のバリアだ。威力が制限されているとはいえ、投石程度では破れない。


「ありがと、バルディッシュ。助かった」
『 You're welcome. (どういたしまして)』
「次はコッチの番だよ……『りりょくのつえ』!」
『 Yes,sir. Load cartridge. "Haken form"!! 』

少女は大きく杖を振りかぶる。
彼女の知る「魔力を攻撃力に変換する魔法の杖」の名前を叫ぶ。
直後、杖の一部が動き、煙を吹き、そして光の刃が飛び出して――その形は、まるで巨大な鎌のようで。
魔力で形成された凶悪な刃を振りかざし、タバサは少年に襲い掛かる。

「うおォッ! 危ねッ!」

咄嗟に飛びのいたイシドロの眼前を死の刃が通り抜ける。掠めた前髪がチリチリと焦げる。
少年の身体を捉え損ねた刃は、勢いのままに振り抜かれて――少年の背後にあった大木を、一刀両断。
ゆっくりと倒れ始めた大木を横目に、イシドロは戦慄する。
この少女の動き、素人じゃない。そして、一切の容赦なく、イシドロの命を取りに来ている。

「てっ、てめぇこのガキッ! 何しやがる! そんなの当たったら死ぬじゃねーかッ!」
「黙れ、モンスター! そっちから襲ってきておいて!」
「も、モン……!?」

誰が怪物だ、と言い返そうとして、イシドロは息を飲む。
少女の瞳。怒りも憎しみもない、ただ単純に、目の前を遮る障害物を排除する、という意志だけが宿った瞳。
なまじ憎悪をぶつけられるよりも遥かに怖い。そして――勝てる気がしない。
このままでは、殺される。
殺さなければ、こっちが殺される。
それは――最初っから覚悟していたはずのこと。イシドロはギリ、と奥歯を噛み締める。

「ええい、知らねぇぞもうッ!」

イシドロは恐怖を振り払うように叫ぶ。ポケットの中の「とっておきの一発」を手に取る。
支給武器・手榴弾。貴重で、そして「本当に」相手を殺しかねないために、無意識のうちに躊躇っていた武器。
彼は舌打ちと共にピンを抜き、投擲すると共に巻き添えを避けようと大きく飛びのいて、そして――

 爆発。









『 ―― Defenser plus. 』
「……どっちがバケモノだよ、おいッ!」
「イオラくらいには、効いたよ。でももう――やらせない!」

爆風の中から、死神の鎌のような杖を構えた少女が飛び出してくる。
強化版の魔力障壁とバリアジャケットに守られて、煤に汚れながらも少女は杖を振り抜く。
巻き添えを避けようと地面に転がり、体勢の崩れていたイシドロには、避けきれない。
咄嗟に身を守ろうとかざした左腕が、冗談のように何の抵抗もなく、スッパリと斬り落とされる。
悲鳴すら上げられないイシドロの眼前で、少女は再び杖を振り上げ、トドメを刺さんと――

「……た……タバサ……」
「!? 蒼星石!?」

掠れる声。タバサの動きが、一瞬止まる。
この千載一遇のチャンスを見逃すイシドロではなかった。
彼は素早く懐に右手を突っ込むと、そこに収めておいた「最後の切り札」を手に取る。
小銭入れが地面に落ち、硬貨が散らばるが拾っている余裕はない。
茶色いコインを「それ」に突っ込み、今まさに聞いたばかりの、おそらくは名前であろう単語を叫ぶ。

「タバサ! 依頼したからな、標的の名前は『タバサ』だぞ!」

バキュン! バキュン! バキュン!
森の中に、緊迫感のない銃声が響く。
蒼星石よりなお小さな人形『ころばし屋』は、イシドロの依頼に忠実に、タバサを3回転倒させて――
タバサがようやく立ち上がった時、そこにイシドロの姿は無かった。
ただゴロリと無造作に、少年の左手だけが置き去られていた。


          *       *        *

「畜生……ちく、しょう……」

後ろも振り返らずに逃げてきたイシドロは、失われた左腕を押さえて呻き声を上げた。
森の中、大木に絡み付くツタを見つけると、右手と歯を使って引き千切る。
そして血の止まらない左腕の断端近くを、ツタをロープ代わりに、これまた手と口を使って縛り上げた。
とりあえずの止血を済ませ、イシドロは息を荒げながら大木に寄りかかる。

「ちくしょう……俺の、左手……!」

左腕は、肘と手首の中間、前腕の半ばで断ち切られてしまっている。
まるで、彼と共に旅してきたガッツと同じような欠損。信じられないほど綺麗な傷口。
確かにイシドロは、(内心では)ガッツの強さに憧れていたが……何も、こんな所を似なくてもいいだろうに。

「あ、あの鉄の義手って、どこで売ってやがんのかな……。
 まあ売ってたって、コソ泥の意地に賭けて、金払ってまで買う気はねぇけどよ……!」

引き攣った笑いを浮かべて、心にもないことを呟く。こうでもしてないと恐怖に押し潰されそうだ。
それでも右手がガクガクと震えてしまうのが止められない。

「ああ畜生、左手置いてきちまったぜ……! パックの奴がいりゃ、また繋がったかもしれねぇのに……!
 げっ、それに『ころばし屋』もかよ! ああもう、勿体ねぇ……!」

しかし一方では、この程度の損害で済んだのは幸運だった、とも思える。
手榴弾の直撃を受けても平気なタフネスと防御力。大木を斬り倒すほどの鋭い斬撃。
そして何より、他人を殺すことに一切の躊躇のない、あの冷たい瞳。
あれは人殺しの目だ。何十人何百人と殺してきた歴戦の戦士の目だ。
あんな幼い女の子が、あんなバケモノじみた存在だったとは……。
クシャーンの武器を使いこなす男の小人(と、イシドロは今でもそう思っている)より、よほど強い。

「み、見た目はアテにならねぇって、最初に殺されたねーちゃん見て分かってたはずじゃねぇか……!
 もう油断しねぇぞ。も、もう、遠慮もしねぇし気遣いもしねぇ。
 相手が女だろうと赤ん坊だろうと、慎重に、か、確実に、殺してやるんだ……!」

イシドロは震える拳を握り締め、自分に言い聞かせる。必死に自分を奮い立たせる。
――それを本当に自分が望んでいるのかどうか、彼自身にも分からなかったのだが。

          *       *        *

蒼星石は、幸いなことにどうやら軽傷だったようだ。
タバサは起き上がってきた「仲間」の姿に安堵すると共に、つい先ほどまでの自分を思い出し、小さく震えた。

考えるよりも先に、身体が動いていた。
殺し合いなんて真っ平だ、と思っていたはずなのに、戦闘が始まった途端に全て頭から吹き飛んでいた。
両親を取り戻し、平和な日常を手に入れるために始まった旅の中。
剣技に優れた兄だけでなく、タバサもまた、何度となく杖や鞭を振るって戦ってきた。
タバサの世界の魔法は結構消耗が激しい。毎回魔法を使っていてはすぐにMPが底をついてしまう。
それに経験を積みレベルが上がってくれば、初級レベルの魔法を使うよりは殴った方が効果的なのだ。

自分は兄と違って、治癒魔法は使えない。薬草の類も今は持っていない。
だから、最初に攻撃を受けた蒼星石の怪我を心配するよりも早く、「危険の排除」のために身体が動いた。
倒された仲間のことを嘆く暇があったら、当面の敵を倒す。最悪、自分だけでも生き残って全滅を避ける。
そういう風に動けるようにならなければ、生き抜くことなどできない過酷な旅だった。

そしてその旅の中で、タバサたちは無数の敵を屠ってきていた。
時には生きて目的地に辿り着くために。時には強敵に勝てるだけの戦闘経験を積むために。
そして時には、相手が持っているレアアイテムや、新たな装備品購入のゴールドを強奪するためだけに。
何十、何百、何千何万もの雑魚モンスターを、殺してきた。
そして――タバサたちにとって、「モンスター」とは単なる怪物ではない。
時に心が通じ合って仲間になり、命を懸けて互いを守る関係にもなりうる、人間にも近い存在。
いや、中には人間そのものの姿をした「モンスター」だって少なからず居たのだ。

  つまり……タバサたちは、何百人と殺害した大量殺人鬼のようなものなのだ。
  グランバニアでの幸せな日々も何もかも、無数の屍の上に成り立っているようなものだったのだ。

嫌な事実に考えが到ってしまったタバサは、それでも必死に笑顔を浮かべる。
バルディッシュや蒼星石を心配させてはいけない。怖がらせてもいけない。
彼女たちは大切な「仲間」なのだ。今回の冒険では運命を共にすることになる「仲間」なのだ。
自分が、ジェダの言う「殺し合い」に乗ったわけではないことを理解して貰わなければならない。
呆然とこちらを見つめる蒼星石に、タバサは微笑みかける。

「エヘヘ、逃げられちゃったね。逃げ足速いな~、まるで『はぐれメタル』みたい。
 それに、せっかくだから『てんくうのつるぎ』も試しておきたかったのに。
 お兄ちゃんみたいに、カッコ良く戦ってみたかったな~」
『 "Zamber form" needs too mach power. Don't waste, sir.
 (『ザンバーフォーム』には多くの魔力を要します。無駄遣いをなさらぬよう)』
「分かってるよぉ、バルデッシュ。……あ、蒼星石は、怪我は大丈夫?」
「う、うん……いや、それよりタバサ、君は、その、なんてことを……!」
「大丈夫だよ。心配しないで。だって、こんなの――」


          *       *        *

  ――夢の中で、最愛の姉に出会えた、ような気がした。
  何をどう話していいものか、困った表情を浮かべた蒼星石に、翠星石は怒った様子で言い放った。

  『蒼星石はコッチに来たらダメなのですぅ! 戻れるうちにさっさと戻るです! あっち行けですぅ!』

  翠星石の、焦りと怒りと、そして何故か涙の混じった罵声を浴びて、蒼星石は寂しげに微笑んだ。
  ああ、やっぱり自分は彼女に嫌われてしまったのだな、と。
  アリスゲームに乗って、翠星石に刃を向けたのはこの自分だ。憎まれても仕方がない。
  近くて、でも手を伸ばしても届かない距離。
  寂しさにギュッと拳を握り締め、蒼星石はクルリと背を向けて――

――意識が戻ったそこでは、自分と同じ服を着た少女がなおも戦っていた。
いや、片腕を失った少年に、なおも鎌のような武器を振りかざし、攻撃しようとしていた。
蒼星石は咄嗟に少女の名を呼び、そして……。

          *       *        *

蒼星石は、落ちていた自分の帽子を被り、転んだタバサに歩み寄る。
タバサを何度も転倒させた小さな人形は、今は動きを止めている。これならもう無害だろう。
起動に使っていた十円玉も近くに落ちているし、ひょっとしたら蒼星石たちにも使いこなせるかもしれない。
けれど……蒼星石の興味は、今はそちらには向かない。
ただ呆然と、タバサの姿を見つめることしかできない。
不意にタバサがこちらの方に振り向いて、思わず蒼星石の肩がビクッと震える。

「あ、蒼星石は、怪我は大丈夫?」
「う、うん……いや、それよりタバサ、君は、その、なんてことを……!」
「大丈夫だよ。心配しないで。だって、こんなの――」

  「ただ、人型の『モンスター』に襲われた、ってだけのことじゃない?
   人間同士の『殺し合い』とは、違うもの」

「……え? それって、どういう……?!」

まるで自分自身に言い聞かせるかのような、タバサの言葉。
蒼星石には、彼女の言わんとすることが全く理解できない。心配しないでと言われても安心などできない。
返り血を頬につけたまま、タバサはにっこり微笑む。微笑んで、首を傾げる。

「蒼星石は……私の『仲間』、だよね?」

『仲間になれないかな?』とタバサに問いかけた時と、寸分違わぬ満面の笑み。
その笑みは、今の蒼星石には、とてつもなく恐ろしいものにしか見えなかった……。



【D-3/森の中の小さな空き地/1日目/昼】
【タバサ@ドラゴンクエスト5】
[状態]:爆風で小ダメージ、MP少し消耗、バリアジャケット再展開中(蒼星石と同じ服装)。
    頬に数滴の返り血。
[装備]:バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのは(カートリッジ残数5)
[道具]:支給品一式
[思考]:大丈夫だよ、蒼星石? 何の心配もないんだよ?
第一行動方針:自分と仲間の身は「何としても」守る。
第二行動方針:信頼できる仲間を捜す。
基本行動方針:「どんな手段を使ってでも」レックスを捜し出し、仲間と共に脱出する。
[備考]:
 「ドラゴンクエスト5」内でタバサが覚える魔法は全て習得しています。
 ミッドチルダ式魔法について、バルディッシュからある程度説明を受けました。

【蒼星石@ローゼンメイデン】
[状態]:健康? 姉妹達への精神的な壁、タバサに対して隠しきれない恐れ、
     頭部の、帽子と髪で隠れている部分に傷がついている可能性あり(本人も確認していない)
[装備]:戦輪@忍たま乱太郎 ×9
[道具]:支給品一式、ジッポ、板チョコ@DEATH NOTE
[思考] タバサ……君って子は、一体……!?
    姉妹たちには会いたい。けれど会わせる顔がない。相反する感情に迷っている。
第一行動方針:タバサに協力する(ただし、少し迷いが生じてきている)
第二行動方針:タバサの『夢』に入ってレックスと接触する。そのための準備をする。
基本行動方針:タバサに協力しつつ自分探し?
[備考]:
 蒼星石は戦輪の練習をしました。命中精度に不安はありますが、とりあえず投げれば飛びます。

[備考]:
 ころばし屋@ドラえもん、小銭入れとその中身(10円玉×5、100円玉×3) は、2人の傍に放置されています。
 解説書はありませんが、2人はタバサを目標として使われる現場を目撃しています。
 戦輪@忍たま乱太郎 ×1 が、近くの藪の中に落ちています。探せば見つかるかもしれません。


【D-3/森の中/1日目/昼】
【イシドロ@ベルセルク】
[状態]:左腕の前腕部から先を喪失(乱暴にだが止血済み)。右頬にかすり傷。
    失血と疲労による消耗。激しい恐怖。
[装備]:石つぶて×3
[道具]:支給品一式、手榴弾×3
[思考]:全参加者に対するとてつもない恐怖。改めて覚悟を決める。
第一行動方針:誰に出会っても、決してマトモにはやり合わない。
第二行動方針:誰が相手でも、チャンスさえあれば今度こそ躊躇せずに殺す(と自分に言い聞かせている)
基本行動方針:優勝して大物になる(と、自分に言い聞かせている)
[備考]:食料の半分を上着の裏に吊るしています。

[備考]:
 タバサ&蒼星石とイシドロは同一エリア内にいますが、イシドロは2人の所から離れました。
 どちらの方角に進んだかは、次の書き手さんに委ねます。
[備考]:
 昼の時間枠の中で、タバサと蒼星石が今居る付近で、手榴弾が爆発し、大木が一本切り倒されました。
 近くに居る者はその音に気付く可能性があります。

≪068:疑問の扉、開く鍵 時系列順に読む 075:這い上がるくらいで丁度いい≫
≪068:疑問の扉、開く鍵 投下順に読む 070:禁忌『エキストラバージン』≫
≪017:Lapislazuli Garden タバサの登場SSを読む 085:後悔は後で悔いること≫
蒼星石の登場SSを読む
≪042:英雄志願 イシドロの登場SSを読む 079:Cinderella cage≫

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
タグの更新に失敗しました
エラーが発生しました。ページを更新してください。
ページを更新
「変わらぬ微笑み」をウィキ内検索
LINE
シェア
Tweet
ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
記事メニュー
今日 - 昨日 - 総合 -
検索 :


wiki編集用

  • トップページ
  • メニュー


ロワ本編

本編SS目次(時系列順)
本編SS目次(投下順)
追跡表
追跡表(作品別)
追跡表(主催者)

番外編

各種資料

参加者紹介(名簿順)
参加者紹介(作品別)
作品紹介
主催者紹介

死亡者リスト

ルール
地図
登場アイテム
SSタイトル元ネタ
LSロワ用語集
絵置き場
オマケ

書き手紹介

書き手紹介

2ch関係

テンプレート
過去ログ

リンク

ロリショタバトルロワイアル26
ロリショタバトルロワイアル27
したらばBBS
お絵かき掲示板
お絵かき掲示板2

2chパロロワ事典@Wiki

最近の更新(20件)

取得中です。
記事メニュー2

更新履歴

取得中です。

ここを編集
人気記事ランキング
  1. 【うたわれるもの】からの出典
  2. 【ゼルダの伝説 時のオカリナ】からの出典
  3. 登場アイテム
もっと見る
最近更新されたページ
  • 318日前

    あ行
  • 2147日前

    メニュー2
  • 2813日前

    更新用ページ
  • 4160日前

    本編SS目次(時系列順)
  • 4222日前

    死亡者リスト
  • 4222日前

    【ベルセルク】からの出典
  • 4222日前

    【とある魔術の禁書目録】からの出典
  • 4222日前

    【東方Project】からの出典
  • 4222日前

    才賀勝※
  • 4222日前

    参加者紹介(作品別)
もっと見る
人気記事ランキング
  1. 【うたわれるもの】からの出典
  2. 【ゼルダの伝説 時のオカリナ】からの出典
  3. 登場アイテム
もっと見る
最近更新されたページ
  • 318日前

    あ行
  • 2147日前

    メニュー2
  • 2813日前

    更新用ページ
  • 4160日前

    本編SS目次(時系列順)
  • 4222日前

    死亡者リスト
  • 4222日前

    【ベルセルク】からの出典
  • 4222日前

    【とある魔術の禁書目録】からの出典
  • 4222日前

    【東方Project】からの出典
  • 4222日前

    才賀勝※
  • 4222日前

    参加者紹介(作品別)
もっと見る
ウィキ募集バナー
新規Wikiランキング

最近作成されたWikiのアクセスランキングです。見るだけでなく加筆してみよう!

  1. 鹿乃つの氏 周辺注意喚起@ウィキ
  2. 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
  3. MadTown GTA (Beta) まとめウィキ
  4. R.E.P.O. 日本語解説Wiki
  5. シュガードール情報まとめウィキ
  6. ソードランページ @ 非公式wiki
  7. AviUtl2のWiki
  8. Dark War Survival攻略
  9. シミュグラ2Wiki(Simulation Of Grand2)GTARP
  10. 星飼いの詩@ ウィキ
もっと見る
人気Wikiランキング

atwikiでよく見られているWikiのランキングです。新しい情報を発見してみよう!

  1. アニヲタWiki(仮)
  2. ストグラ まとめ @ウィキ
  3. ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~
  4. 初音ミク Wiki
  5. 発車メロディーwiki
  6. 検索してはいけない言葉 @ ウィキ
  7. モンスター烈伝オレカバトル2@wiki
  8. 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  9. Grand Theft Auto V(グランドセフトオート5)GTA5 & GTAオンライン 情報・攻略wiki
  10. パタポン2 ドンチャカ♪@うぃき
もっと見る
全体ページランキング

最近アクセスの多かったページランキングです。話題のページを見に行こう!

  1. 参加者一覧 - ストグラ まとめ @ウィキ
  2. Trickster - ストグラ まとめ @ウィキ
  3. 暦家 - ストグラ まとめ @ウィキ
  4. 魔獣トゲイラ - バトルロイヤルR+α ファンフィクション(二次創作など)総合wiki
  5. hantasma - ストグラ まとめ @ウィキ
  6. ギャング - ストグラ まとめ @ウィキ
  7. スーパーマン(2025年の映画) - アニヲタWiki(仮)
  8. RqteL - ストグラ まとめ @ウィキ
  9. 機体一覧 - 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
  10. 過去の行動&発言まとめ - 鹿乃つの氏 周辺注意喚起@ウィキ
もっと見る

  • このWikiのTOPへ
  • 全ページ一覧
  • アットウィキTOP
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

2019 AtWiki, Inc.