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  • 少女Q

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

少女Q

最終更新:2008年02月06日 02:02

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だれでも歓迎! 編集

少女Q ◆sUD0pkyYlo






  「もっとも萌え~な人外とは何か わかるかねベッキー?!」
  「……何のつもりだ姫子。そもそもお前、ここには呼ばれてないだろ。なんで出てくんだよ」
  「そうだ~、その通りだよ~♪ 我らが愛する吸血鬼だよベッキー♪」
  「……最初っからヒトの話聞く気ないな、コイツ」
  「ではなぜ吸血鬼はそれほどまでに愛らしい?
   吸血鬼は欠点だらけだ~ にんにくを嫌い~ 十字架を嫌い~ 聖餅や聖水は身を焼く~
   川・海・湖畔・流れる堀を渡れず~ 太陽に目をそむけ~ 聖書に耳をそむけ~
   ほとんどの吸血鬼は夜しか動けず~ 安息のねぐらは唯一ツ暗く小さな棺だけ~
   それでも吸血鬼は無敵の属性(キャラ付け)と呼ばれる ベッキー 何故だかわかるかな~?」
  「……放っておいても喋り続けそうだし、少しくらいなら付き合ってやるか。
   えっと……牙が生えてること?」
  「それは決定的ではな~い☆」
  「じゃあ……魔法使ったり空飛んだりすること?」
  「少々役不足だねー それが出来るのは吸血鬼に限らないよ~♪」
  「他人の血を吸い いくらでも仲間と下僕を増やす?」
  「それは確かにスゴイことだ だが最萌えか とは少ぉ~し 違ぁ~う
   もっともっともっともっと単純なことだよ☆」
  「…………年を取らない?」
  「そうだ~ 吸血鬼はとっても長生きなのだよ~ ベッキー☆
   反射神経 集中力 第六感 身体能力 特殊能力
   耐久力 吸血能力 変身能力 怪力 etc(エトセトラ) etc(エトセトラ)
   しかぁ~し、最も萌えるべきはその純粋な不死性………『年を取らないこと』さ!
   大人達を軽々と子供の様に見下してしまう
   そしてたちの悪いことに吸血鬼達はその愛らしさを自覚している
   単一属性としてでなく 彼女の体型(つるぺったん)を持って年輪を重ねる『ロリババア』だ!
   ロリ吸血鬼との会話は萌死を意味する
   いいかねベッキー 吸血鬼とは知性ある
   血を吸う『永遠の少女』なのだ これを萌え~☆ といわず何をいうのかー!」
  「…………もうおまえ、いい加減帰れ。元の世界に帰って今すぐ病院行ってこい。いやマジで」

        *     *     *

――全てを嘲笑うかのように、夜空にぽっかりと満月が浮かんでいた。

「…………はッ!?
 いかんいかん。喉渇きすぎて、幻聴まで聞こえてきた。さっさとどーにかしなきゃマズいなこれ~。
 というか、なんかやたらリアルな幻聴だったぞ、オイ……」

少女は川辺で1人、頭を振る。
いつまでも泣いてはいられない。そう思って立ち上がったまでは良かったが、その拍子に貧血を起こしたらしい。
レベッカ宮本、11歳。
職業:高校教師。属性:天才少女。ついでに成り立てホヤホヤの新米吸血鬼。
今の彼女には、血が足りてない。レミリアに吸われ身体はボロボロ。傷からの出血も多いし吸われた量も多い。
吸血鬼として蘇りはしても、いや吸血鬼になってしまったからこそ、今のレベッカには血が不足している。
彼女は嘆く。天を仰ぎ、己の境遇を嘆く。

「うーっ、いっそのことここで死んだ方が楽なのかな……。
 こんな身体じゃ、先生も続けられないだろうし……!」

このまま水に身を投げれば、きっちり死ぬことも出来るのだろうか。
この先永遠に味わうことになるであろう苦しみを考えたら、いっそのこと……!
将来を悲観した天才少女は、色々と想像してみる。

まず、日の光を直接浴びれないのなら、普通の生活さえも困難になる。
言うまでも無く、高校の授業があるのは昼間。昼夜逆転の屋内引き篭もりに教師は務まらない。

(……って、紫外線か何かがマズいのかな? なら私は天才だし、その辺は適当な技術で何とでもなるぞ?)

それに、飛び級の上に子供が教職についていることには、ただでさえ反対も多いのだ。
この上吸血鬼にまでなってしまったら、周囲が黙ってはいまい。きっと文科省とかどっか上の方から圧力が来る。

(……って、こないだの事件で私の敵はほぼ排除できたよな。なら、今さら吸血鬼くらい、どーってことねーだろ)

同僚の教師たちも、きっと動揺するだろう。
血を吸う怪物相手に、今まで通りに接するのは彼らにも難いはずだ。職場で孤立しかねない。

(……いや動揺しねーって。早乙女やジジイがそんなタマか? 五十嵐先生だってきっと笑って受け入れるぞ?)

何より、吸血鬼の先生なんて生徒たちがどう思うか。
怖がって授業にならないのではないか? みんな逃げてしまうのではないか? それで教職が務まるのか?

(……姫子は逆に喜ぶな。もう間違いない。
 玲は、やっぱ嬉々として十字架やニンニク持ってくるんだろーなー、あのイジメッ子め……。今から憂鬱だ……。
 くるみに都に6号は、まあ、驚くのも最初だけだろ。あいつらもなんだかんだで順応性高いし。
 で、学級委員の一条は……あいつが一番読めないか。アレが何か反応するとしたら、
 『化け物(ふりーくす)ですか?』 ……え?
 『暴力を振るっていいのは異教徒と化け物だけですか?』 ……な?! ちょ、ちょっと待て!?
 『死人が唯一の法理を破って私の前を歩くことが許せますか? 許せませんね?』 ぼ、暴力反対! やめ!
 『――AMEN(C.V.若本)、ですか?』 おい待て一条その銃剣を降ろせ話せば分かる話せばギャーッ!?)

……結論。

「……なんだ、別に吸血鬼になっても大したことないじゃん。普通に先生続けられるだろ。
 もうなっちまったモンは仕方ねーし。いつもみたいになんとかなるさ。
 何してくるか分からん一条には注意が必要だけど、それ以外はまあ、どうにでもなるっつーか……。
 にしても、嫌な妄想だった……ああいう展開だけは勘弁してくれ、頼むから……」

不条理な事件なら今までいくらでも経験してきたし、その度に適度に脱力しつつも乗り越えてきたのだ。
短時間とはいえ、深刻に落ち込んでいた自分がバカらしくなってきた。
こんなもの、どうってことない。新たな設定が1つ増えた程度のこと。
そう思ったら、なんだか一気に楽になった気がする。

「さてそれで、これからどうするか、だよな……。うーん……。
 やっぱり、レミリアの馬鹿を止めなきゃならねーんだろーけど……うーん……」

自分の身に降りかかった境遇をあっさり受け入れてしまったレベッカは、次に「その元凶」のことを思う。
つまり、自分を襲い、血を吸い尽くし、望みもしなかったのに永遠の命を押し付けてくれた、レミリアのこと。
きっとレミリアは他の参加者に戦いを挑む。レックスやアルルゥを襲ったのと同じように、戦いを仕掛けて回る。
そして、多くの悲劇を引き起こす。
誰かが止めなければならない。彼女の暴走を知る誰かが止めなければならない。
しかし……。

「だけどな~、ど~考えても今の私が勝てるわけないんだよな~」

レベッカは、今やただの人間ではない。完全に無力な存在だったさっきまでとは、一味も二味も違う。
喧嘩の心得も何もないが、相手が一般人クラスなら身体能力だけで圧倒できるだろう。
けれど彼女にとって、レミリアは吸血鬼としての「親」である。明らかに格上の存在である。
こういう身体になってみれば分かるが、親であることを抜きにしても、同族の中でも頭抜けた実力の持ち主だ。
夜を歩く者たちの中でも規格外の実力者、レミリア・スカーレット――レベッカにとって、荷が重すぎる。
あのレックスさえも圧倒した戦闘力、ちょっとやそっとのことでは崩せそうにない。

「やっぱ仲間集めて、数で対抗するしかねーか。
 そうすると、まずはバラバラになったみんなと合流して、新しい仲間も探して……」

ジーニアスやしんべヱなど、かなりの仲間が死んでしまった。先の放送で名前を呼ばれてしまった。
それでも、まだ仲間が居ないわけではない。
剣技に優れたレックスに、召喚術を扱うアルルゥ。この2人は今や信用できるし、信頼もできる。
探せば新たな仲間を見つけることもできるだろう。あのアルルゥがちゃんと懐くかどうか、ちょっと心配だが。
と、アルルゥの姿を思い浮かべたレベッカは、ふと自分の口元から零れる涎に気がつき、ブンブンと頭を振った。

「……っておいおい待て待て、『美味しそう』とか思ってる場合じゃねーだろ私ッ!
 まじやべーよ。アルルゥを『餌』にしか思えない今の私、かなりやばいって! 完全に血が足りてないぞ!」

吸血鬼は処女の血を好む。伝承に言われる通りだ。
あの幼く穢れなき身体に流れる血が、とてつもなく美味な甘露のように思えてくる。想像するだけで涎が出る。
あの細い首にかぶりつき、思う存分その血を啜ってみたい……そんな衝動が湧き上がってきてしまう。
そして同時に、そんな衝動に焦りを感じるくらいの理性はまだ残っているわけで。
このままでは、ミイラ取りがミイラになってしまう。
レミリアの暴走を止めたいレベッカなのに、このままでは逆に暴走して誰かに襲いかかってしまう。
これでは新たな仲間を集めるどころか、既にいる仲間との合流さえできない。

「こりゃ、どっかで血を調達することを優先させた方がいいな。早く何とかしないと、弾みで誰か襲っちまうぞ。
 かといって、喜んで生き血を分けてくれる奴もいねーだろうし、死体から腐りかけた血ィ啜るのもヤだし……」

生きている参加者もダメ、死んだ参加者の死体もダメとなれば、血液のアテなど限られてくる。
レベッカ宮本は、すぐに結論に辿り着く。

「……とりあえず、病院行くか。あそこなら輸血用血液のパックくらい置いてあるだろ」

レミリアや仲間のことは気になるが、今は後回し。
吸血欲求を抑えられる程度にまで渇きを癒すことが、最優先だ。
レベッカは地図を広げる。現在地はE-4北東部。目的の病院はG-7中央。
大雑把に見て、4km余りの道のり。その程度なら、今のレベッカでも――。

        *     *     *

  「しょくん! 私は吸血鬼が好きだ!
   しょくん! 私は吸血鬼が好きだ!
   しょくん! 私は吸血鬼なベッキーが大好きd (ズガン!)」

  「もう分かったから帰れ姫子。人の脳内で勝手に演説始めるな。アホ毛からゆんゆん電波飛ばすな。
   次やったらそのアホ毛を引っこ抜いてメソウサの餌にするぞ。いいな?!」
  「マ……マホ……! (ガクッ)」

        *     *     *

「…………疲れた。また幻聴が聞こえてくるくらい、疲れた」

レベッカが勢いよく歩き出して、まだ数分も経っていない。なのにもう力なく道端に座り込んでいた。
まあ……そりゃ、疲れてはいるはずだ。
元々体力もないのに全力疾走の追いかけっこの連続。そして慣れない戦闘。挑発しての逃走。
そして、血を吸い尽くされてのひとたびの死。人ならざるものとなってのこの世への帰還。
薄味の単行本なら1冊分くらいには匹敵する大イベントの連発だ。疲れていないわけがない。
それこそ、少し歩いただけでバテてしまうくらいに。これでは、病院まで到底もちそうにない。

「あー、吸血鬼って言っても、やっぱ歩けば疲れるんだなー。
 こーゆー時はやっぱこう、首筋にガブッといってチューッと新鮮な血を……って何考えてんだ私。
 そうしないために歩いてたんじゃねーか! しっかりしろ、私!」

まるで仕事後にビールをあおるサラリーマンのように、嬉々として血を味わう自分の姿がリアルに思い浮かぶ。
これは結構ヤバい状況なのかもしれない。このままでは病院に着くまで持たないかもしれない。
血を吸ったこともないのに美味いと分かる吸血鬼の本能スゲー、とか笑ってみても何にもならない。

「だいたい、吸血鬼なら空くらい飛べるのがお約束だろ。なんで地べたを歩かなきゃならないんだ。
 ほら、レミリアは軽々と飛んでたわけだし……ん!?」

座り込んだまま、グチグチと愚痴っていたレベッカは、そしてふと何かに気づく。
それは自分の身の内に宿る、ある種の「力」の流れ、とでも言うべきか。
憔悴しきっていたことも忘れて、立ち上がる。耳を澄ませるかのような仕草で、身体の中の力の流れを確かめる。

「ひょっとして……これを……こんな感じ、か?」

その「力の流れ」を制御する感覚は、上手く言語化できない。人間の言語体系にそれを表現する言葉はない。
けれども、直観的に分かった。それが可能なことだと理解できてしまった。
しばらくああでもない、こうでもないと頑張っていたレベッカの身体が、やがてふわり、と宙に浮く。

「……おおっ! 飛べた! 飛べたぞホントに!! アイキャンフラーイ!! あはははははっ!」

何の支えもなしに、身体が宙に浮かぶ。
見る見るうちに地面が遠ざかる。少し念じただけで、森の木々を飛び越え身体が動き出す。
間違いなく、レベッカ宮本は今、その身1つで空を飛んでいた。

        *     *     *

   「ベッキーはなんで飛ぶのかな~?」
   「11歳ですけどー?」
   「 ノシ 」

        *     *     *

なんだかまた一瞬クラスの問題児の声が聞こえた気がしたが、適当にあしらっておく。
アホ毛切断の約束も当面保留。気分は一気にハイテンションだ。
これならすぐにでも病院に辿り着ける! 一気に飛んでいける! 吸血鬼万歳!

「あはははは! それ、いっけーっ!!」

レベッカ宮本の小さな身体は、暗い森の上を飛んでいく。
このまま一気に病院まで飛んでって、輸血用パックをイッキ飲みして、すぐに引き返してレミリア捕まえて……!
夢が広がる。自信が溢れる。吸血鬼に成ったばかりだというのに、さすが天才!
この調子なら、この勢いでレミリアもコテンパンにやっつけられるかも……?!

        *     *     *

――数分後。
調子に乗りすぎたレベッカは、すぐに力尽きて森の中に墜落した。まっ逆さまに、墜落した。
当然の結果である。空飛ぶのだってタダじゃない。
そりゃ、足の筋肉は疲れないかもしれないが、別の部分で消耗する。
天才少女なら墜落する前に気付いても良かったはずだが……ま、ベッキーだしな。無理だろ。うん。

        *     *     *

  「優麻と」
  「優奈の」
  「「人情劇場~~!!」」
  「…………おい、A組の双子。姫子が出てこないと思ったら、今度はお前らかよ」

  「優奈~ おねえちゃんだよー おまえのおねーちゃんだよー 今帰ったよー 開けておくれー」
  「本当かー 本当に本当の優麻ちゃんですかー 本当の優麻ちゃんならこれができるハズです」

  「ベッキーのものまねー」

  「授業する気がないのなら自習にすればいいじゃない」

  「うわー超ゴーマーン やっぱり優麻ちゃんだーッ」
  「はっはっはっはー」
  「……柏木姉妹、お前ら帰ったらちょっと説教な。てか、とうとうネタに『吸血鬼』の一言も入らなくなったか」

        *     *     *

「……痛てて。今一瞬意識飛びかけたぞ……。なんかまた『出た』し。
 あーしかし吸血鬼で良かった。人間だったらきっと大怪我してたな、今の高さ」

湖畔近くの森の中。折れた木の枝の上から起き上がりながら、レベッカは頭を掻く。
飛び方のコツは、案外早く掴めた。すぐに飛びたい方に向かって飛べるようにもなった。
けれど足りなかったのは、持久力。
重力に逆らって飛ぶ以上、ただ浮かんでいるだけでもエネルギーを消耗する。
一言で分かりやすく言えば、疲れる。

「うう、疲れた……。ただでさえバテてたのに、空なんて飛ぶモンじゃないな……。
 全力で走るのと同じくらい疲れるじゃないか。よくあんな調子で飛びまわってたな、レミリアの奴」

あるいはそれは、まだレベッカが慣れていないからかもしれない。吸血鬼として未熟だからかもしれない。
もう少し経験を積んでいけば、同じ「飛ぶ」にしても効率よく消耗を抑えることも出来るのだろう。
しかし、それは今のベッキーには叶わぬ願い。
例えてみれば、ちょうど泳ぎを覚え始めた子供のようなもの。
なんとか溺れずに25m泳げるようになったところで、すぐに遠泳に挑めるはずもない。
その差を埋めるには相当の努力と時間が必要となる。一朝一夕でどうにかなる問題ではない。

「ちくしょー、これで楽できると思ったのになー。
 ここは……エリアで言えば、E-5くらいか。まだ3km近くもあるのかよー。もう歩けねーし飛べねーよ……」

レベッカは湖面を見つめる。
ここから病院までは、直線距離なら2kmほどか。陸地を道なりに行っても3kmもない。
真っ直ぐ行けたら楽なのになー、と呟いたレベッカは、そしてふと「あるもの」の存在を思い出す。

「そうだ……アレ、使えないか?!」

        *     *     *

  「どうも、メソウサです……。
   吸血鬼に関係あるネタをやってこいと言われましたが、何も思いつきません……。
   タネ本として渡された某吸血鬼漫画も、指がないので開けません……読めません……。
   ああ、僕はなんて不幸なんだろう……。姫子さんのアホ毛も無理やり喰わされるそうですし……。
   あのぉ~、僕は……僕はどんなボケをすればいいと思いますか?」

  「幻聴幻覚の分際で私に相談すんな。さっさと出てけ。
   ……そうだな、帰ったら私が直々に噛みついてやるよ。一緒に吸血鬼の世界に道連れだ。
   私1人だけ苦労するなんて許せん。おまえも吸血鬼になれば、もうネタ不足に困ることもねーだろ」

  「な~~ぜ~~!? (ガガーン!)」

        *     *     *

魔導ボードに乗ったレベッカは、病院へと急ぐ。
湖畔の獣道を疾走し、大きな橋に向かって滑るように進む。
不調続きだった魔導ボードだが、今はもうすっかり最初の頃のスピードを取り戻している。
それと言うのも……。

「……魔力切れとは、盲点だったな。でもま、これでいつでも自分で充電できるわけだ。
 吸血鬼も、案外悪くないじゃないか」

転んだ拍子に調子が悪くなったと思い込んでいた魔導ボードだが、なんのことはない。
単なる魔力切れ――最初の時点で充電されていたエネルギーが、ボードの酷使によって尽きかけていたのだ。
そして今現在のレベッカは吸血鬼。
魔法自体は知識と経験が要る高等技術だが、「魔力の存在そのもの」は種族的特性だ。
この単純な構造のマジックアイテムに再充電するくらいなら、今の彼女にも可能なことであった。

「それにしても……『流れる水』があんなに怖いとはなぁ。
 まあレミリアも渡れないくらいだし、『成り立て』の私には到底無理ってことか。
 大人しくあの大きな橋を渡るしかないみたいだなー」

最初は、斜めに湖面と川を横切ってショートカットしようと思っていた。
魔導ボードの機能を考えれば、湖面も地面も大差ない。直線距離を進むことで1/3ほど道程を短縮できる。
が……湖面に「水の流れ」を認めた途端、渡ろうとしていたレベッカに凄まじい恐怖が襲い掛かったのだ。
自分でも理由の分からない、本能的な恐怖。
無理をすれば自分の存在自体が滅びてしまうかもしれない、という根拠なき確信。

「やっぱ吸血鬼って不便の方が多いな~。太陽もダメ、にんにくもダメ、流れる水もダメってどんな虚弱体質だよ。
 ……決めた。帰ったら八つ当たりだけどメソウサの血も吸ってやる。奴も同じ境遇に引きずり込んでやる。
 私1人が苦労するなんて、許されないからな。あいつなら今さら不幸が1つ2つ増えたところで平気だろうし」

レベッカはニヤリ、と底意地の悪い笑みを浮かべて深く心に誓う。
なんだか遠くから「それさっきも言われましたけど~~!?」とか悲鳴のような声が聞こえてきた気もするが無視。
今はただひたすらに、吸血衝動を抑えつつ、病院への道を急ぐ。

        *     *     *

……哀しみを忘れたわけではない。
ジーニアスとしんべヱの死は、思い返せば今でもレベッカの心に重くのしかかる。
……怒りを忘れたわけでもない。
レミリアの暴走は、今でもレベッカには許せない。あのどうしようもない意地っ張りをなんとか張り倒してやりたい。
どちらの感情も、簡単に忘れられるようなものではない。本来なら、笑っているような場合ではない。

それでも、レベッカは笑う。頑張って笑う。
桃月学園の生徒たちを思い出し、彼女たちなら言いそうなことを想像して、一生懸命に笑う。
きっと今のレベッカにとって一番の「武器」は、その強靭で真っ直ぐな精神だから。
いつもの調子を保ち続ける平常心こそが、あのレミリアをも圧倒しうる最大の「武器」だから。
だからレベッカは笑いを絶やさない。笑うための余裕を決して忘れない。
いつも通り、適当に肩の力を抜いて、ちょっとグダグダになりながらも、彼女は自分の軸を決して揺るがさない。

(本当は……私も、泣きたいんだけどな。
 「誰か私を泣かせてよ」、と言いたい所だけどな。そっと静かに泣かせて欲しいんだけどな。
 でも……今は、それじゃダメなんだ……!)

言ってみれば、これも彼女なりの戦いかた。
絶対に負けない。絶対にみんなの所に帰る。どんなに厳しい戦いになっても、決して諦めない。
翠星石の犠牲を、ジーニアスの決意を、絶対に無駄にしない。絶対に忘れない。
帰った後にどんな大変な問題が待っていたとしても、どんな身体に成り果てたとしても、必ず帰る。
そのためにも。

        *     *     *

  「体温ですにゃ」
  「…………」
  「輸血用パック、温めておきましたですにゃ」
  「…………」
  「人肌ですにゃ」
  「…………」
  「………………かみさまですにゃ」

  「……だぁーーーーッ!! おまえら出てけーーーーーッ!! 私の頭の中から出てけーーーっ!!
   心配しなくても、私は絶対戻るからッ!! 絶対だぞっ!?
   だから、わざわざみんなで出てくるな、このバカどもーーッ!!」

        *     *     *

そのためにも、レベッカ宮本はこんなところで立ち止まってはいられないのだ。



【F-5/橋のすぐ傍/1日目/夜】
【レベッカ宮本@ぱにぽに】
[状態]:吸血鬼化(肉体強化、弱点他)、疲労(大)、魔力消費(小)、傷だらけ(再生中)、血が不足、吸血衝動あり
[服装]:普段通りの服と白衣姿(ただしボロボロ)
[装備]:木刀@銀魂、魔導ボード@魔法陣グルグル! ヒラリマント@ドラえもん(ボロボロだが一応使える)
[道具]:支給品一式×2、15歳のシャツ@よつばと!を裂いた布、宇宙服(最小サイズ)@からくりサーカス
[思考]:う~、喉渇いた……。早く血を飲まないと……。
第一行動方針:誰かを襲ってしまう前に、G-7の病院に行って輸血用血液を確保し、喉を潤す
第二行動方針:何とかレミリアを止めたい。そのために仲間と力を求める
基本行動方針:主催者を打倒して元の世界に帰る。
参加時期:小学校事件が終わった後

[備考]:吸血鬼化したレベッカの特殊能力として、魔力の存在と飛行能力を確認しました。
   ただし魔法の技術や知識は一切持っていないため、現時点で魔法を使うことはできません。
   また慣れていないため、飛行すると非常に疲れます。
   流水を渡れないという弱点を確認、当人も理解しました。

[備考]:魔導ボードの不調は故障ではなく、単に魔力切れを起こしかけていただけでした。
    吸血鬼化したレベッカが自分で充電して、今は満タンに近い状態に戻っています。


≪193:カモフラージュ 時系列順に読む 195:刀銀十字路(前編)≫
≪193:カモフラージュ 投下順に読む 195:刀銀十字路(前編)≫
≪182:すべては妹のために(前編) ベッキーの登場SSを読む 204:伸ばしたその手は拒まれて≫

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