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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • ワルプルギスの夜/宴の支度

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

ワルプルギスの夜/宴の支度

最終更新:2008年11月02日 12:19

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だれでも歓迎! 編集

ワルプルギスの夜/宴の支度 ◆sUD0pkyYlo



【0:前口上】

冷たい雨降る闇の夜、壊れかけた森の塔。
7つの運命(さだめ)が、絡み合う。

1人目の魔女は、呪詛を吐く。
闇を選んで闇に踏み込み、しかし闇に怯えて闇から逃げる。全ての闇を、隠蔽するために。

2人目の魔女は、心を閉ざす。
光を忘れて光に背を向け、光を知る前の自分を擬態する。全てはただ、光の下に帰るために。

3人目の魔女は、笑顔で殺す。
殺して殺されまた殺し、命と命を繋いで作る永遠の円環(リング)。彼女は皆を、永遠の円舞(ロンド)に誘う。

4人目の魔女は、鉄槌と化す。
主の仇に鉄槌を。主の友にも鉄槌を。主を知らぬ者にも鉄槌を。あらゆるものに、鉄槌を。

5人目の魔女は、見透かし哂う。
全てを見通し全てを識り、涙と慟哭をただ観て哂う。それでも足りずに、なお煽ってなお哂う。

6人目の魔女は、謝りつつ斬る。
かつての想いを、かつての想い出を。真摯に謝罪し、真摯に背負い。それでもなお、鋭い鋏を振り下ろす。

7人目の魔女は、悪一文字を背負う。
巨悪にならねばならぬ。正義の礎とならねばならぬ。己の最後のプライドに賭けてでも。そのために――!

それぞれの思惑を胸に秘め、それぞれの運命に導かれ。
7人の魔女が、ここに集う。
人里離れた森の中、壊れかけた塔の前。
魔の宴(サバト)にはうってつけの、ワルプルギスの夜に――。



【1:第一の魔女――南千秋の場合】

南千秋は、焦っていた。

雨の降り始めた暗い森の中、銀色のコートを翻し、千秋は駆け続ける。
少し湿った下着が気持ち悪いが、しかしそんなことに構っている余裕はない。

「あはははは! どうして逃げるの、チアキ!」
「五月蝿い馬鹿野郎! ついて来るなっ!」

後から、少女の姿をした悪夢が笑いながら追って来る。
銃で撃たれても死なない化物が、追って来る。
しくじった。本気で千秋は後悔する。
グレーテルが一休を始末した後、そのまましばらく、神社の屋根の上で息を潜めていた彼女だったが……
あの、突然始まった臨時放送に、度肝を抜かれてしまったのだ。
満月を背に演じられた、死者の復活劇――思わず驚きの声を上げてしまったのは、まさに痛恨だった。
当然ながら、グレーテルはすぐに千秋の存在に気付き、彼女を見つけてニッコリ微笑んで……。
そして、この命がけの鬼ごっこが開始されたのだった。

「チアキ、逃げずに一緒に殺して回りましょう? 誘ってきたのは貴女の方じゃない。
 貴女も殺し合いに乗ってるのだもの、悪い話じゃないはずよ?」
「お前みたいな化物とやってられるか、馬鹿野郎!
 グレーテルなら1人で十分戦えるだろっ! 遊びたいなら誰か他の奴を誘え!」

追っ手は笑っているが、安心などできるはずもない。
距離は次第に詰められてきている。単純な脚力勝負では、千秋に勝ち目はない。
千秋は暗い森の中、素早くロングフックショットを発射する。手応えを確認して、巻き取りを開始。
既に何度も経験した、空中を高速で牽引される感覚。ジェットコースターのようなGと、その後の浮遊感。
大木の枝を捕らえていたフックが千秋の体を大きく引き寄せ、追っ手からの距離を稼ぐ。
着地に失敗、無様な落ち方をしてしまう……が、シルバースキンが自動的に弾けて衝撃を吸収。怪我はない。

幸い、満月は雲に隠れ、雨の勢いは徐々に強くなってきている。
元より鬱蒼とした森の中、距離さえ稼ぐことができれば、向こうはこちらを見失ってくれるかもしれない。
そんな、ある意味で楽観的な見通しをもって、藪の中で息を潜め、今きた方向を振り返る。
……どうやら、グレーテルの側には森の中の高速移動の手段はないようだ。まだ足音もしない。
千秋は、少しだけ溜息をつく。

そういえば、ここはどこだろう――。
神社から闇雲に森の中を逃げてきた千秋は、そして近くに聳え立つ巨大なシルエットに気付く。
あれは……塔か。地図の上でも目に付いた、森の中にぽつんと存在していた塔。
となると、神社から北北西に向かって逃げてきたということか。
千秋はそして何気なく、グレーテルの位置を確認しようと、首輪探知機に目をやって――ギョッとした。

千秋を追って北上してくる、グレーテルらしき光点とは別に、もう1つ。
至近距離に――まさに千秋のすぐ背後に、新たな光点があったのだ。

「なっ――」
「……お願いが、あります」

千秋が慌てて振り返ると同時に、その人影は口を開く。
サンタクロースのような赤い服を着込み、無数のランドセルを繋げて背にひっかけた、金髪の少女。
だが何よりも印象的なのは、機械のように感情の欠落した、彼女の瞳。
彼女はそして、淡々と、信じられないような言葉を口にした。

「チアキさん、でしたか――唐突ですが、私の『御主人様』になってくれませんか?」


【2:第二の魔女――イヴの場合】

イヴは、途方に暮れていた。

心を閉ざし思考を放棄し、今この場においてだけ殺人機械に立ち戻る覚悟をした彼女だったが……
その選択は、あまりにも厳しいものだったのだ。
特に、『主人役』の選定という一点において。

最初の『主人役』だったブルーは、見捨てて逃げてしまった。
第二の『主人役』として目をつけた高町なのはとは、決定的な訣別をしてしまった。
当初考えていた以上に、『主人役』を務められる存在というのは得難い存在のようだ。
殺し合いを否定せず、優勝を目指し、それでいて他人の力を期待して手を組んでくれるような相手……。
今更ながらにイヴは、自らの選んだ道の険しさを実感していた。

工場を離れたイヴは、そして少し悩んだ末、再び学校に戻るべく歩を進めていた。
戻ったところで、ブルーはもう居ないかもしれない。居たとしても、重傷を負っていて「使えない」かもしれない。
けれども、現時点では他にアテがない。
ブルーに固執するつもりはさらさらなかったが、「とりあえずの目的地」として他に何も思いつかなかったのだ。

ここに至るまでの道中、廃病院の前を通り過ぎ、中に誰かの気配を感じた。
一瞬期待して忍び寄ったイヴだったが、その気配が複数で会話をしていることに気付き、静かに立ち去った。
既に誰かと組んでいる者には用がない。たとえ殺し合いに乗っていても、用はない。
最後に『主人役』をも裏切るつもりのイヴにとって、組む相手は1人でないと都合が悪いのだ。
もちろん、廃病院にいた者たちが殺し合いに乗っていない可能性もある。そうであればますます用がない。

そうして途中で臨時放送を耳にし、しかし大した感慨も抱かず、森の中をそのまま東に進んで……
そろそろ神社のあたりか、という頃に耳に飛び込んできたのが、千秋とグレーテルの怒鳴りあいだったのだ。
イヴは、瞬時に理解した――「ここに、新たなる『主人役』がいる」、と。
殺し合いに乗っており、しかし逃げに徹するしかない弱さを持ち、話が通じる相手。
降り続ける雨の中、イヴはそしてその少女・チアキと向きあう。

「……『御主人様』とか訳の分からないこと言い出す前に、ちゃんと名を名乗れ馬鹿野郎」
「……ひめ」
「奇遇だな。私も学校じゃ『姫』と呼ばれてたぞ馬鹿野郎。で、名簿に乗ってる名前だとなんだ?」
「……イヴ、です」

少し迷った末、イヴは自らの本名を告げる。
この偽名も名乗りも服装も、元はと言えばなのはに取り入るための偽装だったのだ。固執する理由もない。
一度切った金髪も、既にナノマシンで繋げ直している。服は着替える理由もなかったのでそのままだが。

「私は、殺人のための機械です。でも、機械が動くには命令する人が必要です。命令なしには動けません。
 チアキさん――殺し合いに乗っているなら、『私に命令を与える人』になってくれませんか?
 それなりに、お役に立てると思います。役に立つ支給品も、いっぱい持っています」
「それで……私のために働いて、『最後には』どうする気だ?」
「……ッ!!」
「ふん。私を利用して全員殺して、最後は私も殺して優勝掻っ攫うつもりか。見え透いてるんだよ馬鹿野郎」

吐き捨てるように言い放つ千秋に、イヴは身体を強張らせる。
見抜かれていた。自らの狙いを勘付かれてしまった。
やはり千秋もダメか、と諦めかけたイヴは、しかしすぐに思いもかけない言葉を耳にすることになる。

「だけど……最後には裏切るつもりなのは、お互い様だ。私も優勝狙いだしな。
 いつか私もお前を後ろから刺すぞ。それでもいいなら、イヴの『御主人様』でもなんでも、やってやる。
 で、だ――」

千秋が振り向く。イヴもつられて視線を追う。
そこには――槍と銃を手にした銀色の闇が、淫靡な微笑みと共に佇んでいた。
千秋が、手に入れたばかりの殺人機械に、短く命じる。

「『御主人様』からの、最初の命令だ――『あの化物』を、なんとかしろ」


【3:第三の魔女――グレーテルの場合】

グレーテルは、愉しんでいた。

あの臨時放送には少しだけ興を削がれた彼女だったが――
(ジェダの子飼いとはいえ、生と死の円環を逆回転させるなんて、なんてツマラナイことをするのかしら!)
それでも結局、「最後にはジェダにも『世界のルール』を教えてあげればいいだけね」、と呟いて納得した。
別に真剣に目指しているわけでもないが、この島で遊び尽くした果てには、優勝という結果しかありえない。
そして優勝した暁には、きっとジェダと再び対面することになるだろうから……
互いの哲学、互いの『宗教』を『語り合う』のは、それからでいい。

ともあれ、あの放送で「良かったこと」を1つ挙げるとすれば、それは千秋を再発見できたことだろう。
遠くに逃げられてしまった、と思った千秋が、思いのほか近い位置で見つけられたことだろう。
グレーテルは、まだ諦めていない。
千秋を徹底的に堕としたい。千秋が闇の底に堕ちた姿を見たい。千秋の泣き叫び絶望する顔が見たい――。
先のニケや一休との戦いの時には逃げられてしまったが、今度こそ。
だから。

「あら……新しいお客さんかしら? 今は相手しているヒマはないのだけど……どいて下さらないかしら?」
「…………」

降りしきる雨の中、古びた塔の前。
ようやく千秋に追いついたグレーテルは、優雅に微笑みつつも、目を細める。
下手な怒りの顔よりも、なお恐ろしい凶貌。
獲物を奪われそうになった肉食獣の笑みを前にして、それでも赤い服の少女は、ただ無言。
その顔に感情の一欠けらも浮かべることなく、千秋を庇うように立ち塞がる。

「気をつけろ、イヴ。そいつは、至近距離から銃で胸を撃たれても死なない化物だ」
「……心臓を?」
「でも、大層に殺人機械とか名乗った以上、なんとかなるんだろうな馬鹿野郎。
 なんともならないなら、お前に価値はないぞ」
「あら、死なないわけじゃないわ。死んでも次の命があるだけ。
 殺して殺していっぱい殺してきたから、それだけ命を増やしてきたの」
「なら……殺し続けるだけ……全部、尽き果てるまで」

無感動な呟きに合わせ、その長い金髪が蠢く。重力を無視して、まるで蛇のように鎌首をもたげる。
グレーテルが銀色の闇だとすれば、紅き衣の殺人機械は金色の闇。
相手から感じる強烈なプレッシャーに、グレーテルは笑みをさらに深める。
これは――愉しめそうだ。
1人で2人を相手にする愚はよく分かっているが、それを差し引いてもなお、これは、極上の獲物だ。

グレーテルは得物を手にする。右手には槍。左手には拳銃。
見かけに反し、密かに怪力な彼女だからこそ取れる、遠近双方に対応した構え。
イヴに守られる格好の千秋にも油断なく注意を配る。後方支援に徹せられたらかなり厄介だ。
千秋を今ここで殺す気はないが、おイタが過ぎるようなら手足の1本くらい覚悟してもらおう。
緊張が高まる。互いの動きに全神経を集中させる。最初の一撃を繰り出すタイミングを図――
――ガサッ。

「「「……っ!?」」」
「ちょっ、おまえ待てって!」
「……勿体無いわ」

唐突に横合いから聞こえた、草を掻き分ける音。
今まさに殺し合いを初めんとしていた3人の少女たちの視線が、新たな乱入者に向けられる。
そこにいたのは……艶然と微笑む、色素の薄い髪を持つ少女。
そして、慌てて彼女を止めようとしている、大きなお下げを揺らしたもう1人の少女だった。
それぞれ雨の中、穴がいくつも開いたボロボロの傘を手に佇んでいる。

「……聞こえなかった? この場で貴女たちが殺しあうのは、傍目に見ても『勿体無い』と思うのだけど?」
「だから紫穂おまえっ、訳わかんねぇよさっきからっ!」


【4:第四の魔女――ヴィータの場合】

ヴィータは、苛立っていた。

紫穂と行動を共にするようになて、振り回されてばかりいた彼女。
アリサとの遭遇の後、廃病院で休んでいる間に、あのジェダの臨時放送を聞いたのだが……
その内容について心の整理をつけるより先に、紫穂がまたもや不可解な言動を取り始めたのだった。

『はい、傘。ヴィータの分もあるわ、すぐに出発しましょう?』
『出発って……どこにだよ?!』
『ついさっき、この病院の前を通り過ぎた子がいるみたいね。『面白そう』な子だったから……追いかけましょ』

廃病院のどこかで見つけたのだろう、ボロボロでホコリだらけの傘を手に、にっこり微笑む紫穂。
ヴィータには、相変わらず訳が分からなかった。
休憩していたとはいえ、ヴィータも一応周囲には気を配っていたのだ。それなりに心得はある身なのだ。
そのヴィータが気付かなかった相手を、紫穂だけが気付いていた?
しかも、気付いていながら見逃した? さらに、その相手を今になって追いかける?
根拠を問うても曖昧に言葉を濁すばかりの紫穂に怒りすら覚えたものの、結局は折れるしかなかった。
口喧嘩では、元々勝ち目はないのだ。
「はやての仇を教える約束」をちらつかされては、それ以上の反論は無意味だった。

かくして降りしきる雨の中、あちこちに穴が開いた傘を差し、歩き出した2人。
先導するのは紫穂。文句を言いながらも、ヴィータがそれに続く。
時折しゃがみこんで地面を触れ、何かを調べているようだったが……ヴィータの目には、何も見えない。
足跡など全て雨で流れているはずなのだが、紫穂には何かが『分かる』らしい。
そうして深い森の中を、東に、東にと進んで行って……やがて、大きな塔が見えてきた頃。
ヴィータの耳にも、誰かが言い争う声が聞こえてきたのだった。
2人は黙って目配せすると、近くの藪に身を屈め。
塔の前で対峙していた3人の少女たちの動向を窺っていた、はずだったのだが……。

「何の用だこの馬鹿野郎ども。こっちは今、取り込み中だ」
「何のつもりか知りませんが……御主人様に害をなすつもりなら、私の敵です」
「あら……また新しいお客様? 貴女たちも血と硝煙のダンスに加わりたいの?」

3人3様の敵意をぶつけられても、ヴィータは困惑するしかない。
訳が分からないのはヴィータも同じなのだ。紫穂の支援があっても、3対2では正直言って苦しい。
いったいどういうつもりだ、と同行者の方をチラリと見るが……傍らの紫穂には、焦りの色は無い。
妙な自信に裏付けされた余裕をもって、悠然と言葉を紡ぐ。

「うーん、どう言えばいいのかしら。
 ここで貴女たちが殺しあうのは、止めさせたいのだけど……貴女たちの邪魔になる気はないわ。
 私はただ、少し提案したいことがあるだけ。これは、貴女たちにとっても悪くない提案のはずよ」
「……言ってみろ」
「ここに居るのは、私やヴィータも含めて、みな『殺し合いのゲーム』に『ちゃんと乗っている』者ばかり。
 そうでしょう? ……だけど、そんな私たちには、無視しきれない『障害』があるわ」

……その通りだ。ヴィータは心の中で小さく呟く。
ああは言っても、紫穂にとっては相変わらず悪趣味な遊び半分なのだろう。
が、今のヴィータは違う。
あの臨時放送でまざまざと見せつけられた、復活の奇蹟……。
ヴィータの中に、今まであえて考えないようにしていた、1つの希望が芽生え始めていた。
はやての仇を、討つ。ここまでは今までと変わりはない。
そしてその後、他の全ての参加者も殺し、優勝して、優勝のご褒美として、はやてを蘇らせる。
そのためには――これまで以上に効率的な行動が必要だ。はやての仇と相討ちになることさえ、許されない。
だから……続けて放たれた紫穂の言葉は、今のヴィータにとっても、実に都合のいいものだった。

「もちろん、最後には私たちの間でも決着はつけなきゃいけないんでしょうけど……今は、手を組まない?」


【5:第五の魔女――三宮紫穂の場合】

三宮紫穂は、ほくそえんでいた。

ヴィータが理解できず混乱していた言動の数々は、もちろん紫穂の能力・サイコメトリーに拠る所が大きい。
手で触れたモノの過去、手で触れたヒトの心を読み取ってしまう超常感覚。
世界最高峰の、超度(レベル)7。
兵部京介が「禁断の女帝(アンタッチャブル・エンプレス)」と呼んだ彼女に、分からないことなど何もない。

廃病院の中に居ながらにして、イヴの気配を感じ取り――
雨に備えて必要な傘も、廃病院内を『読み』、半ばゴミに埋もれていたものを素早く発見して――
イヴが佇んでいた廃病院傍の地面を『読んで』彼女の大まかな現状と向かった方角を察知して――
随時、足跡を『読む』ことで、確実な追跡を続けて――
そうして辿り着いたのが、この塔の前の一触即発の場であった。

塔の前、そこに残された過去の映像を『読み』ながら、紫穂は笑う。
もう楽しくて仕方なくて、堪え切れなくて笑う。
最初は……最初、イヴを追いかけ始めた時には、彼女の求める『主人役』になってやるつもりだった。
彼女の求めるものを与え、手懐け、しかるのちにじっくりと彼女の心の闇を解剖してやるつもりだった。
そのつもりで、イヴの後を追い始めたのだ。

けれど――これは上手くすれば、もっと面白いことになりそうだ。
廃病院で心砕けずにはいられないような悲劇を味わい、今何故か主人役を求めるイヴ。
どういう経緯か、そのイヴを受け入れ『御主人様』と呼ばれている、千秋という少女。
廃病院に残された激戦の跡で『見た』、銀髪の槍使いグレーテル。
そして紫穂が既に篭絡している、復讐の鬼ヴィータ。
4人4様の闇を抱えた少女たちを前にして、紫穂は楽しそうに提案する。

「みんなも気付いてると思うけど……この島には、この素敵な『ゲーム』を否定する子たちがいるわ。
 それも、いっぱい。その気になれば戦えるような子も、何人も」
「……確かにいるな、そーゆー奴らが。神社にメモ残してた馬鹿野郎どもとか」
「そういう子たちが残っているのに、私たちがここで潰し合ってしまうのは勿体無いと思わない?
 徒党を組まれたら厄介なのは、グレーテルさんもよく知っているでしょう?」
「あら、どこかで見ていたの? 覗き見なんて、いけない子ね」
「それはヒミツ。ともかく、こっちも人数で対抗するのが、一番ってこと」

紫穂の言葉に、千秋もグレーテルも、共に僅かに揺れる。
当然だ。
千秋の言う神社の「馬鹿野郎」というのは、きっとインデックスの仲間たちだろう。
グレーテルについては、廃病院で男女の2人組みを相手に苦戦している姿を既に『観て』いる。
どちらも、この提案には思う所があるはずだ。
確かな手応えに密かに自信を深めながら、紫穂は

「まあ、こんな雨の中で延々立ち話もなんだし、とりあえず雨宿りできる場所に移動しましょう?」
「移動?」
「ええ。――蒼星石、いいわよね? 私たちが塔の中に入っても?」

紫穂はそして無造作に、その場に居合わせた「第六の人物」に声をかける。
『蒼星石』。
聞き覚えのない名前に、紫穂を除く全員がびくり、と震える。紫穂を除く全員の視線が、紫穂の目線を追う。
……塔の外壁、大きく崩れて穴が開いた暗がりの中。こちらを窺っていた、小さな人影。
その人影もまた、紫穂の呼びかけにびくり、と震えたのが分かる。
紫穂は、さらに言葉を重ねる。さらなる「同志候補」に、甘い言葉をかける。

「そうね、出来れば貴女にも私たちの『不戦協定』に加わって欲しいわ。話だけでも聞いてくれる?」


【6:第六の魔女――蒼星石の場合】

蒼星石は、困惑していた。

臨時放送の後、塔で休むつもりだった蒼星石。しかし事態の急変は、彼女にその時間を与えなかった。
聞こえてきた何人もの声。森を掻き分け接近してくる物音。
かなり早い段階で気付いてしまった蒼星石は、塔の中から一部始終を見守っていたのだ。
殺し合って潰し合ってくれるのかと思いきや、妙な成り行きになりつつある殺人肯定者5名。
必要ならば逃走や不意打ちも考えていたのだが……まさかいきなり声を掛けられるとは。それも名指しで。

「……なんで僕の名前を知っているのかな。それに、僕が『やる気』になってるってことも」

最大限の警戒をしつつ、蒼星石は物陰から歩み出る。己の姿を曝け出す。
自分の名を呼んだ紫穂という少女を、改めて真正面から観察する。
……その顔に、見覚えはない。一度も会ったことのない相手だ。
そもそも蒼星石がこの島に来てから会った相手というのは、かなり限られているわけで。
白レンか、それとも他の姉妹からか聞いたか……?
でも、それで蒼星石が「殺し合いに乗った」と判断できるものだろうか? 覚悟を決めたのはついさっきなのに!
様々に想像を巡らす蒼星石に、紫穂はしかし、曖昧な笑みを浮かべて。

「ヒ・ミ・ツ♪
 そうね、その辺りの事情に突っ込まず、素直に場所を提供してくれるなら、サービスで『この鋏』をあげるわ。
 ちょっと血で汚れちゃってるけど……『これ』、欲しいでしょ? どうせ私たちにとっては『ただの鋏』だし」
「それは……!」

蒼星石は息を呑む。
悪戯っぽい言葉と共に紫穂が取り出したのは、あまりにも見覚えありすぎる1本の鋏。
『庭師の鋏』。
蒼星石の、まさに半身と言ってもいい武器。
ドールとしての武器なら既に手元に金糸雀のバイオリンとローザミスティカがあるが、やはり借り物。
本気で優勝を目指し始めた蒼星石にとって、それは喉から手が出るほど欲しい品物だった。
しばし迷った末、蒼星石は静かに頷く。

「……いいだろう。入ってきなよ。
 何もないところだけど、雨くらいは凌げる。詳しい話はそれからゆっくり聞かせて貰おう」

どの道、隠れていたのがバレてしまった時点で、蒼星石に選択肢などなかったのだ。
万全な状態で1対1、ならともかく、この人数を一挙に敵に回すのは愚の骨頂。
そうして雨の中、濡れるがままの面々(紫穂とヴィータは傘を差してはいたが)を見渡して――ふと気付いた。
集団から離れた位置にいた蒼星石だけが、いち早く、気付いてしまった。

「ところで、僕が『6人目』ということだけど……『そこの人』も含めれば、7人ってことかな……?」
「7人?」「……!」「あら」「あいつは!?」「へぇ……!」

「……クックック。気付かれてしまっては、仕方ないな」

蒼星石の視線の先。皆が振り返った森の中。紫穂・ヴィータ組のさらに後方。
降りしきる雨などものともせず、悠然と歩みを進めてくる、新たな影。
まるで雨さえも彼女を避けているようで――いやしかし、その表現は比喩でも何でもなく。
不可視の力場が彼女の周囲を包み込み、彼女は頭のてっぺんから足の先まで、全く濡れてはいない。
長い金髪に、溢れる自信。
その言葉とは裏腹に、「見つかったから仕方なく」といった雰囲気は微塵もなく。
小柄な体躯に似合わぬ迫力を纏い、薄い胸を張って、その最後の乱入者は言い放った。

「我が名はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。小悪党ども、面白い企みをしてるじゃないか」


【7:第七の魔女――エヴァンジェリンの場合】

エヴァンジェリンは、思案していた。

なのはやインデックスたちと別れ、敗走に近い格好で工場を離れてから――
エヴァンジェリンの思考は、急激に冷やされていった。

この島にいる『正義の味方』たちに『悪』として認識され、彼らの糧になる。
……悪の中ボスとして散ることを望むエヴァンジェリンの願いを端的に言ってしまえば、こういうことになる。
強大な敵が居れば、結束も強まるだろう。多少の反目も乗り越え力を合わせることが出来るだろう。
実戦でしか教えられないこともある。素質だけの勇者の卵たちに、経験値を積ませることも出来るだろう。
そして憎しみと敵意に拠るものであっても、自分の存在を、彼らの記憶に刻み込むことが出来るだろう。
それこそが、エヴァンジェリンの望む終わり方。無駄に長かった人生の幕引きの形だった。

だが――工場での、ほぼ敗戦と言ってもいい痛み分けは、その道の険しさを再認識させる結果となった。
『悪』として認識してもらうには、まだまだ『悪行』や『悪名』が足りないらしい。
人を1人殺してしまった、という事実だけでは、彼らの心を怒りに駆りたてることはできなかったのだ。
この辺り、元の世界での悪名があり過ぎた影響もあったろうか。
『闇の福音』『人形使い』『悪しき音信』『不死の魔法使い』『禍音の使徒』『童姿の闇の魔王』。
あの世界で魔法を知る者たちは、これらの名を名乗っただけで怯え、震え、敵視してくれたものだったが。
考えてみれば、これらの名はこの島にいるほとんどの者たちには通用しないのだ。
どこかで何か、発想の転換を図る必要があった。

リリスを探し、ジェダの情報を吐かせ、『正義の味方たち』先払いをする。その目標には変わりはない。
ただそのリリスの探索という面でも、また問題があった。
……時間が、経ち過ぎていたのだ。
あの気紛れな性格のリリスが、自由に飛びまわれる翼を持つリリスが、なお市街地に留まっているだろうか?
改めて考えてみれば……限りなく疑わしい、と言わざるを得ない。

そんなわけでエヴァは、工場から離れて森に入った後、その進路を東へと向けた。
目的は、他の参加者との接触。
目指したのは、廃病院、神社、学校といった、手近な所にある「人が集まりそうな場所」。
求める情報は、日没以降のリリスの目撃情報。
誰かにリリスのことを尋ね、反応を見て、情報を引き出して……その後のことは、まあ出たトコ勝負でいいか。
そのくらいの腹積もりで、まずは一番近い施設・廃病院へと向かったのだった。

エヴァがあの臨時放送を聞いたのは、ちょうど廃病院の近くまで来た頃のこと。
やがて廃病院から出てきた紫穂とヴィータを見つけ、その遠目にも不可解な行動に、好奇心を刺激され――
紫穂たちのさらに後方から尾行し辿り着いたのが、この雨の中の6人の魔女の会合だった。
そしてエヴァは堂々と姿を現す。
降りしきる雨すらも魔法の障壁で退けて、濡れるに任せるしかない『小物たち』を見て鼻を鳴らす。

「信頼ではなく打算に基づく協力体制、か。まあ、貴様らのような小悪党にはお似合いだろうよ」
「エヴァン、ジェリン……!」

蒼ざめた表情でこちらを見つめるのは、山小屋で一度遭遇したこともある鉄槌の騎士・ヴィータ。
他の面々も、千秋、イヴ、グレーテル、紫穂、蒼星石……
いずれも、一見しただけで「何らかの闇を抱えている」と分かる者ばかり。
それらの『悪党』を前に、そしてエヴァは冷たい笑みを浮かべて言い放つ。
『正義の味方』たちに『悪』と見てもらうための第一歩。必要としていた、発想の転換。

「だがまあ、吸血鬼の真祖たる私も、今は貴様らと大して変わらんか。
 ……私も『奴ら』には含む所があるのでな。この『魔女たちの宴(サバト)』に、混ぜてもらおうじゃないか」



【8:かくしてワルプルギスの夜宴の幕は明けて】

「とりあえず中に入らせて頂きましょう? ……まあ、見事に素敵に殺風景な部屋ね。昔を思い出すわ」
「暗いな。誰か明かり持ってねーのか?」
「……ランドセルに、懐中電灯があったはずです」
「さっさと出しとけ馬鹿野郎。……無駄にいっぱいあるな。まあそんだけランドセル抱えてたら当然か」
「ほぉ、ちょうど良かった。私は見ての通り、ランドセルを無くしていてな。それだけあるなら1つ寄越せ」
「紫穂さん、だっけ。出来れば早めに僕のハサミを返してくれないかな」
「うふふ、約束だものね。はい、これ。……あっ、落とさないでね、危ないわ(ギュッ)」
「雨合羽(シルバースキン)はもういらないか。『武装解除』っ……ふぅ。雨が降るとちと蒸れるな、コレ」
「ほぉ、いいものを持っているな。魔法の道具か?」
「ああ、そういえば服が濡れてしまったわね。乾かさなくちゃ」
「人前で躊躇いなく脱ぐな馬鹿野郎。恥を知れこの変態殺人狂が」
「あー、ところで君たち、その傘はどこで見つけたんだい? 支給品?」
「いいえ、近くに廃病院があったでしょう? あそこで見つけたのよ」
「……あそこにいたの、貴女たちだったんだ……」
「おい、誰かタオルでも持ってないか? 雨は魔法障壁で弾いたが、湿気を含んだ髪が重たくてたまらん」
「ハンカチでいいならあるぞ。ほら。『ぬ』とか書いてある変なのだけど」
「ふふ、懐かしい代物だな。そうか、今は貴様の手元にあったか」
「少し寒いし、焚き火でもしない? 誰か火種持ってないかしら?」
「得意な分野でもないが、火を起こす程度なら初級の魔法だ。すぐに出来るぞ?」
「確かヴィータが炎の剣を持ってなかったかしら」
「そんなもの使わなくても、ジッポーライターならここにあるよ」
「火種はあっても、燃やすモンがねーな」
「……こんな室内で焚き火なんてしたら、火事になって大変だろ。どんだけ馬鹿野郎揃いなんだよ」
「御主人様……さっきから思ってましたが、『馬鹿野郎』『馬鹿野郎』と言いすぎ……」

「……で、これからどうするのかしら? あまりに退屈で、適当に誰か殺したくなってきたのだけど」
「いいからお前は、まず服を着ろ。スリップ1枚で動き回るな」
「さっきの話じゃ、とりあえず一時的な不戦協定を結ぼう、ってことになってたよね。僕ら7人の間で」
「この『ゲーム』を否定する『正義の味方』たちが厄介だから、我々『悪』の輩も手を組もう、という話だったな」
「しかし不戦協定はいいけど、いつまでだよ? ずーっとってわけにもいかねーだろ?」
「そうね。休みを取りたい子もいるでしょうし……今から半日くらいは取らないと、協定の意味がないかも」
「キリのいいところで、次の正午までということでどうでしょう」
「そうだな。あ、約束破ったら、他全員の敵だからな。馬鹿野郎でもこの人数を相手にはしたくねーだろ」
「契約ってことね。『お仕事』には信頼が必要だものね。殺しのお仕事でも、ビデオのお仕事でも……」
「……貴様はまるで信用できそうにないがな」

協定1:7人の間の協定を破った者は、残り全員の敵とみなされ、協定による保護の対象から外される。
協定2:7人は、次の正午までの間、互いに戦うことを避けるものとする。

「ああそういえば、神社の鳥居にこんなメモがあったぞ。馬鹿野郎どもが手を組んでる証拠として、持ってきた」
「へえ、貸してくれる? ……ふぅん。インデックスに、リンクに、ニケに、メロ。他にもまだまだ増えるみたいね」
「あいつらか……って待て、インデックスが生きてんのか? あたしは確かに斬ったはずだぞ?」
「うふふ、ヴィータはツメが甘いのよ。私が双葉ちゃんにした『これくらいのこと』はやっておかないと」
「なんか血の匂いがすると思ったら、なんて悪趣味なモノ持ち歩いてんだこの馬鹿野郎は。さっさと仕舞え」
「あら、面白いことしているのね。私も昔よくやったものよ、懐かしいわ」
「全然話が進まないですね」
「全くだ。ここでの潰し合い避けるのはいいけど、馬鹿野郎どもがこんなに集まっても、何もできねーぞ」
「なら、いくつかのグループに分かれるのはどうだ? 大所帯ではかえって不利にもなろう」
「分散ね……。私とヴィータが一緒に行動するのは確定だけど……」
「確定なのかよ。まあ、朝までは『約束』もあるし、逃がす気もねーけどよ」
「私は、御主人様と離れる気はありません」
「2人組が2組確定か。じゃあどうする? 残った僕たち3人で、もう1組作る?」
「ああ、私は誰ともつるむ気はないぞ。広範囲攻撃呪文の巻き添えになるのがオチだからな」
「では、蒼星石と私で1組、エヴァンジェリンが単独行動で……合計、4組に分かれることになるのね」
「別れるのはいいけど、すぐに鉢合わせとか冗談じゃないぞ」
「じゃあ、ちょうど4組いることだし……それぞれ、東西南北の4方向に分かれて進むというのはどう?」
「それはいいわね。獲物の取り合いをしてもつまらないだけだものね」
「『獲物』とか言うな、この殺人狂。まあ、馬鹿野郎どもを見つけたら、ノルマとして殺さなきゃならないけどよ」
「こっから北だと、すぐに海に行き当たるぞ。西も大して距離ねーし……バランス悪いんじゃねーか?」
「じゃあ、北組は、海が見えたら北東の街を目指す。西組は、工場まで行ったら南の街を目指すということで」
「ということは、東や南を選んだ組は、街を避けるんですか?」
「だね。まあそこから先は、適当にその場に合わせて動くということで」

協定3:当面、7人は4組に分かれて行動する。
協定4:4つの組は、ひとまずは塔から東西南北の4方向に向かって進むこととする。
   海に行き当たったら、北に向かった組は北東の街を、西に向かった組は南西の街を目指す。
   東と南に向かった組は、それぞれ街は避ける。

「ふむ、そういうことなら、私は西を選ぶとしようか。まだ奴らが工場に残っているやもしれん」
「誰かと因縁でもあんのか? まあいいや。紫穂、私らはどーすんだ?」
「そうね、なら、北を選ばせてもらおうかしら。……うふふ、深い意味はないわ。『なんとなく』楽しそうと思って」
「意味わかんねーぞ馬鹿野郎。そうだな、じゃあ、私とイヴは東にするか。南はちょっと行きたくないんでな」
「私は御主人様に従います」
「じゃあ、僕たちは南だね。それでいいかい、グレーテルさん?」
「そうね。南ということは、廃墟の方に行くのも面白そう。あちらの方はまだ行ったことないし」


協定5:当面の組分けと進む方角は、以下の通り。
   東:千秋・イヴ組  西:エヴァンジェリン(単独)  南:グレーテル・蒼星石組  北:紫穂・ヴィータ組
協定6:後は臨機応変で適当に。

「ああそうだ、誰かリリスを見かけなかったか? 日没後の奴の動きが知りたい。奴にも借りがあるんでな」
「リリス? 昼間なら、まさにこの塔の前で戦ってたようだけど……?」
「……どこかで見てたのかい? 僕たちのことを?」
「誰も知らんか。役に立たん連中だ」
「あまり怒らないで、エヴァンジェリンさん。可愛い顔が台無しだわ」
「気安く触るな――というか、触れることが出来ると思うなよ小娘。さっきから見ていても、露骨だぞ?」
「……ッ!?」
「接触を条件に発現する何らかの能力持ちか。情報収集系……読心か、それとも過去視といった所か?」
「!? 紫穂っ、それでお前はっ!?」
「クッ……! まさか、知って、いたの……?」
「知らんよ。だが殺気も邪気もない以上、呪詛や直接攻撃の類ではなかろうよ。ま、これも経験の差だ」
「……経験の差って、そんな年寄りなのか? この偉そうな自称吸血鬼って」
「さあ……?」
「聞こえているぞ、南千秋にイヴ。まあ実際、真祖となってからかれこれ600年ほどにもなるが」
「600年か……。まあ僕たちローゼンメイデンも、作られてからの年月なら相当なものか」
「……協定の話はもうおしまいかしら? なら、ちょっとシホさんに見せたいものがあるのだけど」
「いいから服を着ろと何度言ったら分かるんだこの変態馬鹿野郎」
「あら、何を見せてくれるのかしら? 楽しみね」
「御主人様、出発の前に少し相談したいことがあります……」
「えーっと、じゃあ、もう個別に少し休憩を取って、準備の出来た組から出発、ということでいいのかな?」
「そういうことになるかしらね」
「しかし収拾がつかんな。全く、見事に協調性に欠けた小娘ばかりが集まったものだ。呆れ果てるな」
「お前もな……」


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