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――その後のことは、皆さんご存知ですね。
――とても仲の良いふたり。
――並んで歩く姿を、きっと一度は目にしたことでしょう。


  • ダンゲロス最強(最萌)トーナメントより



『最萌とは』


堕天使の像は厳かに告げた。

『問おう。最萌とは何だ』



――――――



希望崎学園の地下迷宮。
迷宮探索愛好の徒、いつもの三人が奥地に眠る秘宝を目指して侵攻をしていた。

「そろそろこのフロアの一番奥になりますね。何か見つかるといいですが……」

先頭を歩くのは頼れる壁役。物語を愛し、物語に生きる少女、虚居まほろ。

「弱い敵はみんな倒しちゃったからねー。怖い敵が待ち構えているかも」

続いて歩くは俊足のアタッカー。夢を愛し、夢に生きる少女、夢追中。

「これで大したものが見つからなかったら承知しないわよ」

最後を歩くは使役する蜂による索敵兼アタッカー。名声を愛し、皆に愛される少女、埴井葦菜。

三人は今日も地下迷宮を訪れ、群がる弱敵達をなぎ倒し、宝箱から戦利品を集め、探索を楽しんでいた。
が、しかし、今日はどうにも、珍しいアイテムも見つからなければレアモンスターにも出会わない。
凶悪な罠にも出会うことなく、気付けば現在のフロアの探索も終わりを迎えようとしていた。
フロアの最奥には珍しいものがある――残る頼みはこのお約束だけである。

「野生の熊とドラゴンにまだ遭っていないのが心配ですけれど……きっといいものが見つかりますよ」

前を行くまほろが、葦菜の文句に慰めの言葉をかけた。ちょうどその時である。
まほろの背後ににゅるりと伸びた影。希望崎学園(地下でも地上でも)名物、触手が突如として暗がりから姿を現した。

「っ!危ないっ!」

緊急事態を前に、咄嗟に使役する蜂を攻撃に転じさせようとする葦菜。
だが、それを夢追が引き止めた。

「待って!」

そして、触手に驚き、その場を飛び退ったまほろと、蜂を嗾けようとした体勢で中途半端に固まった葦菜の前で、
夢追は親しげに触手へと歩み寄り、声をかけた。

「こんにちは!――姦崎君」

暗闇の中から現れた触手――よく見れば何やら学ランを纏い、顔(?)にメガネを掛けたその触手は、
希望崎学園の良心、稀代の超絶技巧の持ち主、和姦派の触手……姦崎姦その人(?)であった。



――――――



「びっくりさせてごめんねー」

「あ、あの、僕のことはお気遣いなく……」

「あたしはホーネットやSucieじゃないんだから暗がりで触手の見分けなんてつかないわよ……」

「(私にも見分けはつきませんから……)」

ぶつくさと文句を言う葦菜をなだめつつ、偶然にも迷宮探索に来たという姦をパーティに加えた4名は、探索を再開していた。
姦と夢追は、以前、希望崎学園に転入してきたばかりの夢追に姦が周辺の道案内をしたという縁があったため、既知の間柄であった。
頼りなさげな言動とは裏腹に、確かな実力を持つ姦は重要な戦力となる。
特に、今回の敵との遭遇状況を考えると、この後に危険な相手とやり合う可能性が高い。
そんな理由からの急遽4名体勢探索であった。

そして、その作戦は功を奏することとなる。


†††


「野生の熊!まほろ!危ない!」

「えいっ!」

「あっ!姦崎君!」

「僕が動きを止めている間に!」

「凄い!熊を絡め取った!」

( (酷い光景だ……) )


†††


「あーっ!ドラゴン!!」

「ちょっと!あんたがいくらドラゴン好きだからって飛び込むんじゃないわよ!」

「わ、わかってるけどー」

「皆さん!危ないです!」

「やあっ!」

「ああっ!姦崎君!」

「僕が動きを止めている間に!」

「すすす凄い!ドラゴンを止めてる!」

( (これは酷い……) )


†††


こうして姦の活躍によって、4名は無事にフロアの最奥まで到達したのであった。



――――――



そして話は冒頭に移る。
最後の部屋は不思議な力によって護られ、侵入することが出来ない仕組みとなっていた。
白く光るモヤモヤが壁となって、外部からの侵入者を押し戻すのだ。
そのモヤモヤを突破する方法――それはこの手のダンジョンのお約束、横に鎮座する堕天使の像が発する問いに正解する事だ。

何度も迷宮探索を繰り返してきた面々に迷いは無く、即座に像を起動させた。
迷宮内に隠された暗号についての問いか、ロジカルな問いか、はたまた数学的な問いか。
そう身構えていた4名にかけられた言葉、それが……

『問おう。最萌とは何だ』

これである。
無言で像を蹴飛ばそうとした葦菜を引き止めるまほろという微笑ましい光景をしばし差し挟み、その後、全員は頭を捻った。
最萌とは。

「あんたはそういう本とか読んでないの?」

「読みますけれど……萌えと一口に言っても、定義は人それぞれですし……」

「最燃だったら私は師匠だけどなー」

「あ、それなら……皆さんの好きな人の特徴を挙げて、それをまとめてみるとか……ど、どうでしょう?」

「何言い出すのよ!あ、あたしは別にあんなヤツのことなんて好きだとかそんなんじゃなくてほらあれよ!」

「葦菜ちゃん落ち着いて」

「埴井さん落ち着いて」

――そんなやり取りを繰り返していた時。

『時間切れだ!愚か者め!』

堕天使の像から、無情な音声が轟いた。
ちょっとここまで来て!?もう少し時間を貰えませんか?毒ガスとか噴き出すの!?え!?だ、大丈夫!?
像の宣言に色めき立つ4名。像の問いに答えられなかった場合は大抵、何某かの罠が作動する。
なんとか罠から身を護ろうと身構えた全員に対し、しかし、罠が作動する事はなく、像は言葉を続けた。

『愚かな者達よ。それならば後学の為に教えよう。最萌とは――』

厳かに、神託を告げるが如く。



『最萌とは――カップリングだ!』

「えっ」

「えっ」

「えっ」

「えっ」

『えっ』



――――――



『よいか。確かにキャラ単体にも萌えは存在する。萌えるキャラというものはいくらでも存在する。
 だが!真なる萌えを!最上の萌えを求めるならば!それはキャラとキャラとの掛け合いにこそ存在するのだ!
 それならば最も萌えるキャラ同士の掛け合いをひとつ答えろだと?愚かな!カップリングの可能性を狭めてどうする!
 カップリングとはそこに無限の可能性を秘めているからこそ!そこに無限のカップリングが存在しうるからこそ最上の萌えとなるのだ!』

堕天使の像の言葉は延々と続いていた。
ヘッドライトの明りを使い、手持ちの文庫本を取り出して読書を始めるまほろ。
そろそろ本当に蹴飛ばしてもいいんじゃないの?むしろ蹴飛ばすべきなんじゃないの?と逡巡する葦菜。
どうしたものかと所在なさげに沢山の触手であやとりめいたことをして時間を潰す姦。
唯一、夢追だけはふんふんと頷きながら像の言葉を聴いていた。

「ねぇ……そろそろ帰らない?そんな像の妄言なんて聞いててもしょうがないわよ」

とうとう痺れを切らした葦菜が夢追に声をかけた、その時であった。

『例えば!其処に目立ちたがりで行動力に溢れ、我侭気質の女の子がいたとする!
 なんだかんだと面倒見が良く、他人の世話も焼くが、自分の気持ちを素直に表現できない不器用な女の子だ!
 それだけでも萌える!だが!さらに其処へ女の子が思いを寄せる相手がいた場合を想定してみるがよい!
 頼りなげな見た目と言動、しかしいざという時には男を見せる、そんな男の子が相手だ!
 そのふたりが不器用に笑いあったりデートをしたり、ぶつかり合ったりする……萌え滾るだろう!』

「あんた何言ってんのよおおおぉぉぉーーー!!!???」

堕天使の像が随分と馴染み深い気のする喩え話を始めた。

「ちょっとどきなさい!そいつ蹴っ飛ばしてやるから!」

「え、でも私、ちょっと理解できたような」

「理解しないでいいわよこんなの!」

「埴井さん落ち着いて」

『例えば!元気の塊のような女の子と、奥手で気弱な男の子がいたとする!
 普段は元気な女の子が男の子を振り回し、どう見つくろっても仲の良い友達同士といった間柄だ!
 それが女の子のピンチに、男の子が普段は見せぬ勇気を見せつける!
 それを見守る女の子の胸に仄かな暖かい想いが芽生える!どうだ!萌えに萌えるだろう!
 真なる萌えとはキャラクターに固着するのではない!キャラとキャラの間!カップリングに真髄があるのだ!』

「……はっ!?そういえばさっきの姦崎君の活躍は胸にグッと来るものが……!」

「えっ、いや、あの、僕はそんな……」

『そうか!分かるか!』

「意気投合してるんじゃないわよっ!!!」

(話が噛み合っていないような……)

こうして、騒ぎはしばらくの間、続いたのであった。



――――――



「で、結局見つけたのがこれだけ……と」

地上に戻った葦菜が、戦利品を改めて見直しながら、そう言った。
場所は迷宮から移って夢追の屋敷。姦とも別れ、いつもの三人による今回の探索の反省会であった。

あの騒ぎの後、お前達には見所がありそうだという堕天使の像の先見(?)によって、最後の部屋への入室に成功した4名。
そこに置かれた宝箱の中から得たもの……それが、葦菜が手に持つ『夢幻の欠片』であった。

――萌えとは欠片のようなもの。欠片を合わせ、掛け合わせ、そうして真の萌えとなる。

頭の痛くなるような、像の台詞を思い出し、葦菜は顔をしかめた。
今回の探索は骨折り損であったものだ……そうため息をついた。
だが、夢追はそんな葦菜を見て、でも今回は凄いものが見れたじゃないですかと口を出した。

「姦崎君のドラゴン縛り!凄かったですよねぇ!」

「ああ……えっと……」

「うーん……」

凄かったというより酷かった、とは流石に言い出せない葦菜とまほろ。
互いに顔を見合わせて苦笑するより他なかった。

「だってドラゴンですよ!あのドラゴン!ドラゴンを止めるなんて……えへへ」

「はいはい、あんたがドラゴン好きだってのは分かっているから」

「確かに言葉だけで聞けば凄い事をやっていますよね」

浮かれる夢追の様子を見ながら、葦菜とまほろは再び苦笑した。
しかし、その笑顔は先程よりも暖かく、穏やかであった。
明らかに楽しそうに笑う夢追の笑顔にほだされ、細かいことなどどうでも良い気分になってしまったのだ。

――まあ、楽しめたのならそれはそれで、今回の探索も成功ってことで、いいかな。

声に出さず、それでもお互いの考えを見通し、頷きあうふたり。

「ほら!それじゃ夕ご飯にしましょ!」

反省会はこれまで。ここからは祝勝会に切り替えよう。
はーいと元気良く返事をして、食事の準備に取り掛かる夢追。
手伝いますよとその後を追って土間へと向かうまほろ。

そんなふたりを見送りながら、葦菜はふと手に持った欠片に目線を落とした。

「もしかして、こんな結末も、あんたのせいだったりするの?」

ぼんやりと色を変えて、夢のように、幻のように揺らぐ欠片は何も答えなかった。

「ま、あたし達にはあんたなんて必要ないけどね」

――どうせ、こんなものが無くても、仲良くやっていけるのだから。

葦菜は無造作に欠片を荷物の山へと放り投げると、土間へと向かっていった。



――――――



静かに囲炉裏の火がゆらめく板張りの客間。
一角にまとめられた荷物の上で、夢幻の欠片が淡い彩光を放っている。

土間からは、せめて盛り付けくらいは手伝うわよ、それは助かります、などと、仲の良さそうな少女達の笑い声が響いていた。



仲良き事は美しきかな<終>


『ガールズトーク』


ホー「……とまあそんな感じで、蜂さん達ったら……もう……///」
葦菜「ふーーーん。ホーネットも相変わらずねぇ。理解に苦しむわ」
夢追「葦菜ちゃんは可愛い系の男の子がお好みですもんねぇ」
葦菜「う、う、うっさい!そういうあんたはどうなのよ!」
夢追「私ですか?」
葦菜「理想の男性像とか、恋人に望む条件とか、そんなの!」
ホー「あ!それ私も興味あります!」
夢追「うーーーん……そうですねぇ……」
葦菜「(真っ当な答えが返ってくるか怪しいけれど)」
ホー「(そもそもそういった目で男の人を見ているんでしょうか)」
夢追「あ!ありました!恋人に望む条件!」
葦菜「へえ」
ホー「聞きたいです!」
夢追「恋人には是非、ドラゴンを倒して私を迎えに来てもらいたいです!」
葦菜「え……」
ホー「それはまた……」
夢追「あれ?素敵だと思いません?」
葦菜「あんたの恋愛脳は本当に古典的ね……はぁ」
ホー「確かに素敵ですけれど……ちょっとハードルが高いですね。ふふふ」
夢追「あれー?」
葦菜「……っていうかさ、それだと、ほら。この前の迷宮のアレ」
夢追「はい?」
葦菜「ほら、姦崎。あいつがその条件満たすってことになっちゃわない?」
夢追「あー、そうですね。あのときの姦崎君は格好良かったですねー」
ホー「葦菜ちゃんが電話で言ってた話?」
葦菜「そうそれ。その条件だと触手が満たしちゃうじゃない」
夢追「えっ。何か問題があります?」
葦菜「えっ」
ホー「ドラゴンをやっつける触手さんですかー。確かに格好良いですねー」
夢追「やっぱりそう思いますよね!」
葦菜「えっ」
夢追「葦菜ちゃんさっきからどうしたんです?」
葦菜「え、いや、あの、さ……触手だよね?」
夢追「触手ですよ」
ホー「触手ですよね」
葦菜「えっ、触手……ありなの?」
夢追「えっ、触手に何か問題が?」
ホー「触手に問題でもあるんですか?」
葦菜「えっ、なにこれあたしがおかしいの?」


†††


葦菜「……なんて事があって……どうなってるのよまったく」
スー「えっ、触手に何の問題があるの?」
葦菜「相談する相手間違えたわよもうやだーーー!」


†††


葦菜「ねえ……あたしおかしくないわよね……触手がおかしいのよね……ねぇ……」
歌琴「(葦菜ちゃん……やっぱりSucieさんの元でアイドル業をするのは大変なのね……)」
葦菜「ねぇ……そうだといって……お願い……」
歌琴「だ、大丈夫だよ!葦菜ちゃんは正常だから!」
葦菜「そうよね!そうよね!」
歌琴「(葦菜ちゃん程のアイドル力でも苦労してるんだから……私も頑張らなきゃ!)」
葦菜「あたしは正常……触手が悪い……ぶつぶつ」
歌琴「よしよし」



仲良き事は美しきかな<終>


『バロネス夜渡の人生相談』


夢追「こんにちはー!バロネス夜渡さんいらっしゃいますかー?」
ワシ「このお店、入って大丈夫なのかな……」
夜渡「なーにアンタ?まだお店はやってないし、そもそもここはアンタみたいな子供の来る場所じゃないわよ」
夢追「ああ!バロネスさん!お久しぶりです!」
夜渡「うん?……ああーあの時のマフラーっ娘!」
夢追「その節は私が騙されていたみたいでご迷惑を」
夜渡「いーわよいーわよ。おねーさん細かいこと気にしないから」
夢追「本日はあの時のお詫びにやってきまして」
夜渡「そんな固くなるようなことじゃないわよー」
夢追「いえいえ、そんな……」
夜渡「まあ、こっちにお掛けなさいな」
夢追「あ、失礼します……それで、お詫びと言ってはなんですが、これを受け取って頂けませんか」
夜渡「なーにこの鉄板……あら、星座の模様?綺麗じゃなーい。コースター?」
夢追「コースターとして使って頂いてもいいですし、いざというときは投擲武器に……」
夜渡「へー……ああ、そういやアンタにはアタシの能力披露したんだっけ」
夢追「あの時はどうも……えへへ」
夜渡「それじゃありがたく頂戴するわね。あ、ちょっと待ってて。今飲み物でも入れるから」
夢追「あ、お気遣い無く……」
夜渡「遠慮するんじゃないわよ……ところでアンタ、あっちのあのでっかい鳥はなんなの?」
夢追「ああ、私の親友のオウワシと……オウワシ?そんなに隅っこで固まってないで!ほら!」


†††


夢追「それで、バロネスさんからパンフレット代を……えへへ」
ワシ「そういえばあったねー……ふふ」
夜渡「アンタ達仲良いわねー」
夢追「大親友ですから!(ぎゅっ)」
ワシ「ど、どうも……あ、かなめちゃん」
夜渡「ふーん……ね、アンタ達」
夢追「はい?」
ワシ「なんですか?」
夜渡「アタシはそーいうのに偏見ないから、応援してるわよ!」
夢追「へっ!?」
ワシ「ななななにを言い出すんですか!?」
夜渡「だーいじょうぶよ!愛さえあれば性別とかほかのなんか、あれとか、問題ないから!」
夢追「あ、いや、私とオウワシは」
ワシ「ちょっと何を言っているんですか私とかなめはあのちょっと仲良くて昔からの親友で!」
夜渡「照れない照れない!」
ワシ「キーッ!」



――――――



夢追「こんにちはーバロネスさんまた来ちゃいましたー」
夜渡「あらアンタいらっしゃ……えっ、ちょ、アンタ後ろ!触手!」
夢追「ああ、こちらは姦崎君と言って、私のお友達で……」
姦崎「こ、こんにちは」
夜渡「ちょっと、アンタ……」
夢追「はい?」
夜渡「ちょっとこっち来なさい」
夢追「はい」
夜渡「……アンタね、いーい?何があったか知らないけど若い身空で自棄になっちゃだめよ!」
夢追「へっ!?」
夜渡「そりゃアンタだって若い身体持て余すことだってあるかも知れないわよ」
夢追「えっ?えっ?」
夜渡「でもほら、今しか出来ないことだって一杯あるでしょ?なんか、ほら!ね?」
夢追「えっ?あの」
夜渡「なんかあったらおねーさんが助けてあげるから!大丈夫!」
夢追「えっ、何で私こんな心配されてるんです?」



――――――



夢追「こんにちはーバロネスさんまたまた来ちゃいましたー」
夜渡「あーらいらっしゃい。アラ、今日は一人なのね」
夢追「どうもー」
夜渡「ちょっと待ってて。飲み物入れるから」


†††


夢追「あー、コースターに使ってくれてるんですねー」
夜渡「2回くらい武器にも使ったわよー」
夢追「おおー……ん?社?ああ、そう。気の抜けたのをバロネスさんに……」
夜渡「どうしたのアンタ?いきなりぶつぶつ」
夢追「あ、すみません。私の服とちょっとお話を……うん、そうそう」
夜渡「服と……?アタシには何も聞こえないけど」
夢追「ああ、私にしか言葉が聞こえないみたいで……えっ、いやそんなこと……」
夜渡「……」
夢追「……はい、失礼しました。えっと、何の話をしていたんでしたっけ」
夜渡「……ね、アンタ」
夢追「はい?」
夜渡「ほら、このデザート、アタシのおごりだから遠慮せず食べて」
夢追「え、いいんですか?ありがとうございます!」
夜渡「……ね、何か悩みがあるなら、おねーさんが相談に乗るから」
夢追「へっ!?」
夜渡「大丈夫よ。アンタが思っている以上に、世の中はアンタに優しいんだから!」
夢追「えっ、何で私こんなに可哀想な子を見る目で見られてるんです?」
夜渡「アタシはこう見えて結構人の相談事には良く乗ってるんだから!安心なさいな」
夢追「えっ?えっ?」
社「(まあ傍から見たらそうなりますよね……)」



仲良き事は美しきかな<終>

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