とある兵舎の下馬評

(投稿者:フェイ)




「お疲れ様でーす」
「おう、お疲れレインちゃーん!!」
「今日も活躍ご苦労さん!!」
「ありがとうございますっ。えっと、ユニコーンは…」
「ああ、そこのハンガーにかけといてくれ。次の出撃までにはピッカピカの新品にしといてやるよ!」
「はいっ、ではお先に失礼します!」
「「「「「「はいお疲れー」」」」」」



とある兵舎の下馬評(グダグダトーク)






「はぁ……やっぱかわいいよなぁレインちゃん。なんつーの? こう…いつも明るくて笑顔がもうめちゃくちゃいいよな」
「俺の嫁発言禁止なお前」
「ばーかみんなの嫁だっつの」
「嫁っつーか妹だろあの子。頭を撫でてやりたくなるって言うかさ」
「お前あの子よりも背ぇ低いくせになにいってんだ」
「うっせし。ていうか妹ってんだったらベリシュナイデッドだろ。あんな健気で甲斐甲斐しい妹いてみろ。悶絶する」
「それでもお前よりは背ぇ高いけどな」
「だからうっせし」
「第一あれだろ。ベリシュナイデッドよりはやっぱベリッシュの姉御だろ。活発だしポニテだし」
「ポニテ他にもいるじゃん」
「いや、でもやっぱ姉御だろ。ついて来いっていう姉さん女房。よくね?」
「良い」
「良いな」
「馬っ鹿、お前ラウンドスターズで姉御っつったらカルナックさんだろ」
「カルナックさんとベリッシュは方向が違うんだよなぁ。わかるだろ?」
「50文字以内で説明してくれ。詳しく」
「詳しく言う割りに少ねぇよ。まぁ、さっきも言ったとおりベリッシュは前に立って引っ張っていってくれる『姉御』じゃん?」
「そーだな」
「カルナックさんは背中を押してくれるんだよ」
「あー…なんとなくわかる気はする」
「だろ? 年上の魅力はありながら、一歩引いてサポートしてくれるんだよ。相手をたてるあれは姉御…いや、姐さんだな」
「それ良いよな。弱ったときにしかってくれるタイプだろ」
「そうそうそれそれ。ゼノヴィアさんとかさ」
「分かる分かる。ただゼノヴィアさんは叱るっていうよりも上手くもり立ててコントロールされそうだよな」
「いいじゃん。あんな大人な雰囲気にリードされるんだぜ。むしろしてくださいってお願いするだろ!」
「ゼノヴィアさんと言えばこないだ、ジャックの奴に口説かれてたらしいぜ」
「マジかよ、自重しろよジャック」
「ていうか懲りろよジャック。で、結果は? もちろん張り倒されたんだろ?」
「あの優雅なゼノヴィアさんがそんなことするわけないだろ。黙って笑顔のまま楼蘭製のグリーンティーライスを差し出されたらしいぜ」
「は? グリーンティーライスだ?」
「ライスに熱々のグリーンティーをかけて、楼蘭名物の『ウメボシ』を載せて食べるものらしい。『ブブヅケ』とかいったかな」
「ほう…ジャックの野郎、口説くだけに飽き足らずゼノヴィアさんお手製料理をいただけるたぁ…」
「ハーレムだけで満足しろよなあいつ」
「全くだ。さて、話を戻すか。やっぱ一歩引くタイプがいいよな」
「ああ。あとミチルさんとかな。眼鏡なメイドさんだぜ」
「ミチルさんかぁ。普段笑顔だし優しいしいいんだけど怒ると本気で怖いんだよな」
「怖いっていうか、痛いんだよ。精神が。心が」
「こう、ザクッとくるよな」
「だがそれがいい」
「うむ」
「おい待てよお前ら!」
「?」
「やっぱ男だったらチルチルだろ!?」

「「「「「「………」」」」」」

「いや、なんでそこで黙るんだ。同意しろよ!」
「いや…怖いし」
「帰れM男」
「股間吹っ飛ばされてから帰って来い」
「いやいやいやいやいやなんでそんな俺死んでいいみたいな流れになってんのさ。綺麗じゃん! 可愛いじゃん!!」
「そこは否定しない。いや、チルチルがいい奴だってのぐらいは付き合いながくなりゃ分かるさ」
「でも怖いじゃん」
「その怖いのがいいんじゃないか! ほら、あの視線とかさ!」
「じゃあ他にお前がいいなぁと思う子挙げてみ?」
アシェナとかベリッシスター」
「やっぱM男じゃねぇか! 罵られて嬉しいか! あの冷たい視線が気持ち良いのか!!」
「いいね!!」
「いやわからなくもないが!!」
「ていうかそこにジェシカは入らないのかよ」
「ジェシカは冷たくないからな。それにジェシカはジェシカのよさがある」
「照れ顔か」
「デレ顔な。普段ツンツンしてるのは完全にフリだし」
「さっき上げた三人は、本気でデレがないからなぁ」
「アシェナとかツンから絶対零度だし」
「ベリッシスターはからかったらマジ殺しを覚悟しないとやばいしな。……いや、ベリシュナイデッドをデレと考えればありなのか?」
「落差が大きすぎるわ。ていうか別人格だし」
「だからそこでチルチルですよ。こう、ふっと笑顔を見せてくれる仲になれたらいいと思わないか!?」
「そこに至るまでにいくつ毒が刺さるんだよ」
「チルチルの笑顔のためなら堪えて見せろよ!」
「…………………。熟考した。きつい」
「ちっ。根性無しめ」
「お前みたいな純度100%のドM男じゃねぇって話だよ!」
「じゃあここまで話題に上らなかったヒカルちゃんは俺が頂いていきますね」
「ふざけんな。あんな純朴な子をお前に何ぞ任せられるか!」
「俺ほど素直で純粋な奴が何処にいる!」
「欲望に対してな」
「言えてる。お前、あの娘の前で下ネタいえるか!?」
「……………言えん…」
「だろう!? チルチルとかアシェナだったらまだ冷たい視線がグサリとくるだけでいい! だがヒカルちゃんに言ってみろ!」
「…」
「純粋な瞳でじーっと見られるんだぞ! 笑いどころの説明も出来ないしなにより自分の醜さをえぐられるようでっ…」
「落ち着け。そしてそこまで解説できるってことは言ったことがあるんだな、正座だ。反省しろ」
「むしろあの子の前に出ること自体が懺悔だよ!」
「ていうかお前なんでそこでサーシャをあげなかったし」
「地味じゃん」
「地味なのがいいんだろうが! もういい、ならサーシャは俺がもらっていく!」
「お前はサーシャの昔を知らないからそんなことがいえる…」
「ん?」
「知らないのか噂。あの子昔すごい口悪くて、口開くたびに罵詈雑言だったからむっちゃ矯正されたって話だぜ」
「マジか……いや、それはそれでありじゃないか…?」
「またドMが一人…」
「いや違うよ!? 俺の場合はSM関係なくギャップ萌えだよ!」
「「「ほーう」」」
「んな生暖かい眼で見るな! お前もなんか『同士よ』みたいな面をして俺の肩を叩くんじゃない!!」
「それに地味っ子ならもう一人いるじゃないか」
「ん? ああ、ミザリーかぁ。ほら、ミザリーは戦車乗員連中のアイドルだし、邪魔できないじゃん」
「甘いな。図書室で一緒に本を読む時間がある。戦車乗員の連中はいないしチャンスだぜ」
「なにこっそり得点稼いでるんだよ!」
「はっはっは羨ましいか! 二人きりの読書タイムだ!」
「どうせ『隣いいか?』っていって何も言われなかったから勝手に座ってみたけど特に喋ることもなく若干気まずく本読んだだけだろ」
「…………何故わかった」
「わかるわ馬鹿たれ」
「はぁ……」
「つかいままでこうしてどの子がいいとか嫁云々話してきたけどよ」
「ん?」
「そもそも俺ら、あの子らに名前覚えてもらえてるんかね」

「「「「「「…」」」」」」

「言うなよ…………」
「……すまん…」
「畜生…………活躍さえあれば覚えてもらえるんだよ…」
「いや、あー………アルファフォース転属願いでも出すか?」
「馬鹿言え…あんなとこ放り込まれたら三日と持たないっての」
「………それもそうか」

「「「「「「…はぁ……」」」」」」



終われ

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最終更新:2009年04月06日 18:19
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