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  • 上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」③

自分用SSまとめ

上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」③

最終更新:2011年09月30日 00:23

meteor089

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管理者のみ編集可

上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」③

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297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:31:07.09 ID:VIK5qYO8O
「なんか最近神裂とよく出かけるな」

上条は学園都市内にある、
遊園地に向かいながら呟く。
あと歩いて5分もすれば着く。
手には今朝ポストに入っていた
チケットと手紙を持っていた。

【チケットを2枚頂きました。
もし良ければ明日の正午、
遊園地でお待ちしています。

神裂火織】

パソコンか何かで、手紙にはこう書かれていたのだ。

(ちょっと早かったか?)

上条が待ち合わせ場所に着いたのは、
正午の10分程遠い正午の20分程前だった。

「んっ?」

さて、のんびり待ちますか、と
上条が思った時、
入り口付近のベンチにちょこんと座る神裂が目に入った。


299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:32:40.01 ID:VIK5qYO8O
「悪い神裂!待ったか?」

上条に気付いた神裂は、
慌てて立ち上がる。

「か、上条当麻!ま、待ってなどいません!
今さっき着いたところです!」

実は神裂は楽しみで楽しみで、
1時間前からこのベンチに居たのだ。
もちろん上条に言わないが。

「なんか誘ってもらって悪いな。
チケットまでもらっちまって」

上条は申し訳なさそうに頭を掻く。
「え…?」

しかし神裂は何を言っているのか分からない、
という顔をした。

301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:33:58.30 ID:VIK5qYO8O
「あ、あの…誘って頂いたのは私の方ですが…」

「は?だってこれ…」

上条は神裂から届いた手紙を見せた。

「こ、こんな手紙、私は送っていませんよ?
それにこれ…」

神裂は同じ様に手紙を取り出した。

302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:35:29.89 ID:VIK5qYO8O
【知り合いからチケット2枚もらっちまった。
良かったら一緒に行かねーか?
今週日曜日の正午、現地で待ってる。

上条当麻】

確かに手紙にはこう書かれていた。

「な、何がどうなってんだ?」

上条は困った様に手紙を何度も読み返している。
しかし神裂はキョロキョロあたりを見渡していた。

「どうした?」

「い、いえ、別に…」

実は神裂はすぐに思い付いたのだ。
これを仕組んだ人物に。
必ずどこかから監視している、それを探していたのだ。
しかし周りには、カップルや家族、
子供に風船を配っているウサギ、遊園地のスタッフしかいなかった。

303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:37:13.90 ID:jPo360w80
もはやパターン

304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:37:32.54 ID:VIK5qYO8O
「ふっ、そう簡単に見つかる様なら、
スパイとは呼べないにゃー」
その人物、土御門元春は着ぐるみの中にいた。
入り口付近で風船を配っているウサギこそ、
土御門元春だったのだ。
上条達からは数メートルしか離れていない。

「スパイがこそこそ隠れるとは限らないんだぜぃ」

上条達からは視線は外さず、子供達に風船を配っていく。

「ふっ、土御門さん絶好調だにゃー!ねーちん!
今日こそかみやんにアタックを…ぐはっ!!」

土御門は突然腹部に痛みが走った。

305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:38:52.66 ID:VIK5qYO8O
「おい!早く風船よこせよウサギ!」

「そうだぞ!ボーっとしてんじゃねぇウサギ!」


「亀よりノロマだぜ、このウサギ!」

「やーいやーい!」

いつの間にか小さな子供達が、土御門
、もといウサギを取り囲んでいた。
殴る蹴るの大騒ぎだ。

「ちょっ!いてっ!やめるにゃー!いて!ちょっ!」

子供達の嵐の様な暴力はおさまらない。

「なめるなよ…俺が本気を出せばお前らなど……」

ゴスッ!という音と共に、
子供の蹴りが
土御門の大事な部分にめり込んだ。

「にゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

土御門の断末魔が響き渡った。

306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 14:40:04.79 ID:VIK5qYO8O
「ん?今どっかで聞いた事ある声がしたような……」

上条がどこで聞いた事があるのか考えていると、神裂が深々と頭をさげた。

「か、上条当麻。申し訳ありません」

「へ?何が?」

「いえ、土御…何かの手違いで
こんな事になってしまったようです…
ご迷惑おかけしました…」

「別に謝ることねーよ。
何かの手違いなんだろ?頭あげてくれ」

上条は申し訳なさそうにしている神裂を気遣う。

317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 17:28:19.15 ID:VIK5qYO8O
「もういいからさ、早く中入ろうぜ?」

「え?」

「神裂もわざわざここまで来てくれたし、
チケットももったいねーしな」

神裂はこんな気味悪い状況なら、
てっきりこれでお開きになる、
そう思っていた。しかし上条はあっさり遊園地で
遊ぶ事を選んだのだ。
余計な事ばかりに気を使っている神裂は自分を恥じた。

(そう…ですよね!せっかく上条当麻と過ごせるのです!
素直に喜びましょう!
…土御門は後で始末します…)

二人は受け付けに向けて歩き出した。

318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 17:29:30.35 ID:VIK5qYO8O
「さてと…どっから行きますかねー」

上条は遊園地のガイドマップを手に、アトラクションの位置を確認している。

「そ、その前に上条当麻。
あの子は今日は…」

「ん?あぁインデックス?
あいつなら今日は姫神と
ケーキバイキングだ」

「ケーキバイキングですか」

「そ。あいつに来られたら
潰れるかもな、その店。
食い意地だけは人一倍だし」

「ふふ、そうですね」

神裂の頭にはその光景が、容易に浮かぶのだった。

319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 17:31:59.01 ID:VIK5qYO8O
「くちゅん!!」

「どうしたの。風邪?」

ケーキを小さく切り分けながら、
姫神が尋ねる。

「んー、なんだかとーまに
悪口言われた気がしたんだよ。」

口の周りをクリームでベタベタにした
インデックスがムッとしている。

「そう。まぁ私達は。最近影も薄いし。」

「受け入れたらダメなんだよ秋紗!」

もう慣れっこだ、姫神はそう思うのだった。

321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 17:40:01.59 ID:VIK5qYO8O
「やっぱまずは定番からだな」

「て、定番て何ですか?」

「もしかして神裂遊園地初めてか?」

「は、はい…知識はありますが、
来るのは…」

神裂は生まれた時から天草式十字凄教の
女教皇として育てられた。
神裂の為なら皆喜んで
命を捨てた。それが神裂には耐えられなかった。
だから神裂は天草から逃げ、
イギリス清教に渡ったのだ。
それからはただひたすらに
修行をした。
遊ぶ暇もないほどに。

「よしっ!!なら今日は上条さんが、
遊園地の何たるかを教えてあげましょうっ!!」

「よ、よろしくお願いします!!」

まず二人が向かったのは、ジェットコースターだ。
最大落差はゆうにビル一つ分。
この遊園地の目玉の一つだ。

323 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 17:45:20.46 ID:VIK5qYO8O
「こ………怖いです…」

係員の指示に従い、
二人は席に着きシートベルトを締める。
神裂は聖人とは思えない程動揺している。

「大丈夫だって。あっという間だしさ」

「で…ですが…」

神裂が何か言いかけた時、
発車のベルが鳴り響いた。

「お、来た来た!」

二人を乗せたジェットコースターは、
ゆっくりとレールを登っていく。

「い…………」

ガタン…

「いぃ…」

ガタン

「いやぁぁぁぁぁ!!!」

神裂の叫び声と共に、ジェットコースターは垂直に落ちていくのだった。

326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 17:51:04.77 ID:VIK5qYO8O
「ぅ……ぅぅ…」

神裂は目に涙をいっぱいに溜めている。

「か、神裂。泣く程の事じゃ……」

「…ぅぅ」

周りの客の視線が上条に注がれている。

(ま、まるで俺が泣かせたみたいじゃねーかぁぁ!!
そんな目で俺を見ないでぇ!!)

神裂が落ち着くのを待って、
上条は次のアトラクションへ向かった。

「こ、これなら大丈夫だろ?」

二人がやって来たのはメリーゴーラウンドだ。

328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:08:37.63 ID:VIK5qYO8O
「よし、上条さんはここで見ててやるから、
思いっきり楽しんで下さい!」

神裂を送り出すと、
上条は娘をビデオに収める父親の様にスタンバイする。
白馬に跨る神裂は絵になっていた。
ベルが鳴り、メリーゴーラウンドが廻り始める。

「おーい、神裂ー」

上条は神裂に手を振る。
神裂は緊張しているのか、
顔は強張っているし、
左手はポールをギュッと握りしめている。
だが右手だけは一生懸命振ってくれていた。
上条の前を廻る度に…

「そ、そんな毎回振ってくれなくてもいいぞ」

しかし神裂は上条の前に来る度に、
強張った顔で手を振るのだった。

332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:18:29.75 ID:VIK5qYO8O
「い、今のは楽しかったです」

メリーゴーラウンドから降りた神裂は、
ホッとした顔で戻って来た。

「さぁ次です!上条当麻!」

「何かやる気出てきたな、神裂」

「当たり前です!遊園地にも慣れてきましたから!」

子供の様にはしゃぐ神裂を見て、上条は来て良かったと心から思っていた。

「よっしゃ!次行くか!
えいえいっ!!」

「おー!!」

神裂のテンションは今、
鰻登りだった。

333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:19:02.59 ID:R4+VZ3Fe0
はしゃいでるねーちん可愛い

334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:33:10.11 ID:VIK5qYO8O
「ぐ……俺を…忘れてもらっちゃ
困るんだにゃー…」

子供達にボッコボコにされた土御門は、
オートリバースをかけながら、
スタッフ事務所で休憩していた。

「二人を普通にデートさせる訳にはいかないにゃー。
ここからが土御門さんの……」

「くぅおらぁぁ!!何サボってんだバイトぉぉぉ!!
次は駅前でチラシ配りだっつったろぉがぁぁあ!!」

「え?ちょ…」

土御門は襟首を掴まれ、
次の現場に引き摺られて行く。

「な、なんか今日の役回りはかみやんに似てるにゃー!
ふ、不幸だにゃぁぁぁ!!!」

335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:36:37.21 ID:4WyMKil+0
原作だとオートリバースって肉体再生にルビふってあるけどカタカナだとなんかゲロみたいだなwww

336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:38:27.51 ID:OnB3+yRfO
嘔吐でリバースだからな

337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:53:26.39 ID:nglYEEgb0
どんだけボコられてんだ土御門wwwww

338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 18:58:41.35 ID:tgbUMA860
今日立ってる禁書SSスレで初めて姫神がでてくるの見たわ

339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 19:00:36.99 ID:VIK5qYO8O
「こ……ここは…」

神裂の鰻登りだったテンションは、
フリーフォールの様に落ちていく。

「ん?お化け屋敷だ。
やはり遊園地といえばここは避けて通れない」

「…嫌です」

「えー、上条さんはこの古き良きお化け屋敷好きなのに…」

「…行きます」

神裂は上条には甘いのだ。
お化け屋敷は古い廃病院を
モチーフにしたものだった。
様々な部屋を探索し、
カルテを見付けてゴールするのだ。

「さぁ神裂さん。行きますよー」

「…………ぁぃ…」

上条を先頭に、廃病院の探検が始まった。

343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 19:20:54.90 ID:VIK5qYO8O
病院内はなかなか凝った造りになっていた。
灯りは必要最低限、うっすら緑色に灯っていた。
まずは誰もいないナースステーションを通り過ぎる。

「ししし静かですね……」

「お、おぅ。なかなか雰囲気あるな…」

上条はもっと笑える造りだと思っていたが、
意外にも本格的で正直ビビっていた。

「ひっ!!!血です!!上条当麻!血です!」

神裂は上条の袖を引っ張りながら叫ぶ。

「お、落ち着け神裂。急に叫ばれると
上条さんは泣いてしまうかもしれない」

347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 19:40:28.93 ID:VIK5qYO8O
「だ、大丈夫か?」

神裂は上条の袖をギュッと握って離さない。

「はぁ…はぁ…」

神裂は上条の声も届かない程怯えている。
まだ序盤だというのに、悲鳴を上げ過ぎて疲れている。

人や物が飛び出してくる度、神裂の疲労も溜まっていくのだ。

「お、手術室か。」

二人は術室に辿り着いた。
中は手術台や白影灯など、細部まで本物そっくりだ。
手術台の上意外は。

348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 19:42:04.49 ID:VIK5qYO8O
「か、上条当麻…人が、人がいます!」

手術台の上には、緑色の手術着の人間が横たわっていた。

「あ、怪しいです!!明らかに怪しいですよ!上条当麻!!」

神裂は上条の背後に隠れて、
一生懸命指を指している。

「わっ、分かってる!分かってるから押さないでー!」

上条もそのあからさまな罠に身構える。

「か、刀!刀を!」

「ダメダメ!!あの人死んじゃう!!」

「ならあなたの右手で!!」

「その幻想をぶち壊す!!
って出来るかぁぁぁぁ!!!」

352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 19:59:33.04 ID:VIK5qYO8O
「カルテよこせぇぇ!!」

上条は病室をバンバン開けていく。
何が隠れてようが関係ない。
ギュッと背中にくっつく神裂の体温や吐息、
背中に当たる柔らかい何かに、恐怖など感じる暇がなかった。
早くゴールしないと
理性がぶっ飛ぶ。
上条はそんな思いでいっぱいだった。

「うぉぉぉぉ!!!!カルテぇぇ!!」
その迫力に、お化け屋敷のスタッフがひるむ。

「どけぇぇぇぇ!!」

ドアを勢いよく開ける音に、
スタッフが驚く。
知らない人が見たら、
何のアトラクションか疑問に思っただろう。

353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 20:03:48.72 ID:VIK5qYO8O
二人は院内を全力で駆けずり回った。
カルテを回収し、
ゴールに辿り着く頃には、
二人はフルマラソンを走った気分だった。

「ぜぇぜぇ…上条さんは…ぜぇ
…限界です」

「………つ、疲れました」

ジュースを買い、園内のベンチでひと息つく。
神裂に引っ張っられ続けた上条の服は、
しわくちゃになっていた。

「いやー、でも神裂さんも女の子ですねー」

「え?」

「キャーキャー言ってましたよ。くっついて離れないし」

神裂は頬を真っ赤にしてそっぽを向く。

「べ、別にいいじゃないですか…」

「まぁ俺もいい思い…なんでもない。さ、さてしばらく休んだら次行くか!」

二人は体力が回復するまで待つことにした。

360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:07:49.64 ID:VIK5qYO8O
しばらく休憩して、体力も戻った二人はお土産を見に行く事にした。
遊園地のキャラクターのぬいぐるみや、
買ったことをいずれ後悔するであろう、
耳の付いたカチューシャなどが並んでいる。

「か、可愛いです…」

神裂はぬいぐるみやキーホルダー
などを一生懸命見ている。

(こうして見ると
神裂も普通の女の子だよな~)

「どうかしましたか?」

「え?いや、何でもねー。
それより神裂、何か欲しいなら上条さんが買ってやるぞ。
」

「い!いいんですか!?」

「おぅ!ただし一個だけだぞ!」

361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:10:18.90 ID:VIK5qYO8O
(ど、どうしましょう!!
プレゼントです!これはプレゼントですよ!!)

神裂は一時間以上真剣に悩み、
小さなキーホルダーを持ってきた。

「こ、これ!これがいいです!」

「こんな小さいのでいいのか?
あっちの大きいぬいぐるみとか…」

「これがいいんです!」

ぬいぐるみだって可愛いと思う。
だが神裂は、今日の思い出を
普段身に付けられる物として欲しかったのだ。

364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:35:33.22 ID:VIK5qYO8O
「もう暗くなってきたなー」

お土産屋から出ると、
外は暗くなっている。
冬は日が暮れるのがあっという間だった。

園内をブラブラ歩いていると、
ふいに袖が引っ張られた。

「ん?」

神裂は上条の袖をチョイチョイて引っ張りながら、
何かを指差している。

「神裂、あれに乗りたいのか?」

コクっと頷く神裂が指差す先には、
二人乗りの大きな観覧車があった。

(ぐっ、あれは恋人同士が
乗ることにより、その力が
100パーセント引き出されるという
伝説の乗り物!!)

神裂はまた袖を引っ張る。

「そ、そうだな。よし、乗るか」

366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:52:44.37 ID:VMirO/BSO
可愛すぎるだろ

367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:54:59.00 ID:VIK5qYO8O
二人を乗せた観覧車がゆっくりと回り出す。
暗闇に浮かぶ光の輪は、
まるで夜空に掛けられた時計の様だ。

「き、今日は楽しかったですね。
プレゼントまでして頂いて」

「あぁ、気にしなくていいぞ。
たいした物じゃなくて悪いな」

「いえ、充分です」

「もし何なら、帰りにもう一度お土産屋寄るか?」

「そんな…で、では一つだけお
願い聞いて頂けますか?」

神裂は恥ずかしそうに聞く。

「おぉ、遠慮せずに言ってみー」

「では…」

373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:34:28.79 ID:VIK5qYO8O
そう言った神裂は、上条の横にちょこんと座る。

「へ?お願いって…」

「はい」

神裂が嬉しそうに頷いた。
観覧車のシートは、
二人が座ると少し狭い。
肩と肩が触れ合う。

「か、神裂?」

神裂は頭を上条の肩にのせる。
上条の体は緊張で一気に硬直する。

「し、下に着くまででいいですから…
このままで…」

「は、はい…」

観覧車という時計が、
二人の間に優しい時間を刻んでいく。

374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:41:35.53 ID:aKWaSeQ90
甘ぇ、甘ぇよ

375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:42:29.06 ID:VC+SZEMO0
建宮あたりが写真撮りそうなくらい甘い

376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:43:01.82 ID:VIK5qYO8O
(このまま着かなきゃいいです…)

神裂は上条にもたれかかりながら思う。
これだけ心が安らぐ場所を、
上条の横意外に神裂は知らない。

(少し、大胆過ぎたでしょうか…)

上条は相変わらず体を硬直させている。
神裂もかなりドキドキしていたが、
きっと上条はそれ以上だ。

神裂にとって夢の様な時間は、
あっという間に過ぎる。
ドアが開けられて夢から醒める。

「す、すいません。
ちょっとワガママ言ってしまいました」

「い、いいって。
き、気にすんな!」

「………」


「………」

「か、帰りますか…」

「おっ、おう……」

378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:44:47.69 ID:VIK5qYO8O
二人は夜の道を並んで歩く。
冬の冷たい風が、火照った二人の顔を気持ち良く撫でていく。

「じゃあ私はこちらですので」

「おぅ。もう暗いから気をつけて帰れよ」

神裂の強さを知ってなお、
普通の女の子として接してくれる上条。
神裂の気持ちをくすぐるのは
こういう上条の優しさだ。

「さよなら」と二人は
それぞれの世界へ帰って行く。
上条は学生として、神裂は魔術師として。
まるで織姫と彦星のようです、
と神裂は思うのだった。


「完」

ここからデート編

415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:41:15.18 ID:ZY2JuoaPO
神裂火織には弱点がある。
そう、それは機械にめっぽう弱いのだ。
以前寮に届いた最新式全自動洗濯機に
散々振り回された事がある。

「ステイル、神裂にもう少し
機械の事を学ばせて欲しいと思いけるの」

妙な言葉使いで話すのは、
ローラ=スチュアート。
長く美しい金髪を持つ
イギリス清教の最大主教だ。

「はぁ、具体的にどうしろと?」

ステイルと呼ばれた長身、赤髪の魔術師は、
面倒くさそうに聞き返した。

「それはあなたの思いけるように…」

(結局僕に丸投げか)

ステイルは苦虫を噛み潰した様な顔で
その場を後にした。

416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:42:12.66 ID:ZY2JuoaPO
「ふぁ~…」

上条当麻は今日も補習を受けていた。
世間は冬休みだというのに。
いっそ学校に住んだ方が早いんじゃ…
などと窓の外を眺めていた。

「上条ちゃん!何ボーっとしてるんですかっ!
今日はここまでにしますけど、
ちゃんと明日も来るのですよー!」

「へ~い…」

いつもの様に小萌の小言を聞き、
上条は校舎を後にする。

「はぁ…上条さんに
冬休みはないのでしょうか…」
上条が一人溜め息を吐いた時だった。
ポケットの中で携帯が上条を呼んでいた。

417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:43:06.01 ID:ZY2JuoaPO
「はいは~い。上条さんですよ~」

「相変わらず間抜けな声だね、
上条当麻」

「す、ステイル!?」

珍しい人物からの電話に、
上条の警戒レベルがレッドになる。

「インデックスに何か…」

ステイルはインデックスの為なら
人を殺す事すら厭わない。
彼は否定しているが、上条からすれば恋にしか見えない程の執心だ。
そのステイルから突然連絡があるなんて、
上条にはインデックス絡みの事件としか思えなかった。

「落ち着いたらどうだ、上条当麻。
今日はあの子とは関係ない話だ」

418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:43:56.31 ID:ZY2JuoaPO
上条の警戒レベルがグリーンに引き下がる。

「じゃあ何だよ?
まさか俺の声を聞きたいだけとか……」

上条は自分で言っといて、気持ち悪くなる。

「君は幸運だね。今そこに僕が居たら、
君を焼き殺しているよ」

「ぐっ、相変わらずムカつく奴!」

「君と言い合うつもりも、
世間話をするつもりもない。
手短に用件を伝えるよ」

やっぱ嫌な奴、
と上条は電話を握る手に力を込めた。

「神裂を機械に強くしてくれ。
場所は第十五学区の電器店。
時間は…そうだな、今から行けば間に合う。
ちなみにうちの最大主教からの依頼だ。
拒否は出来ないから
せいぜい頑張るといい」

上条が何かを言う前に電話が切れた。

「せっかく家に帰るとこだったのに……
不幸だぁぁ!!」

425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:10:43.87 ID:ZY2JuoaPO
上条は学校のある第七学区から、
学園都市最大の繁華街がある
第十五学区へ急いだ。
指定された時間は分からないが、
とにかく急いだ方がいいと駅から走っていた。

「くそー!!勉強の後は体育かよっ!!」

目的の電器店に辿り着く頃には、
冬なのに汗だくだった。

電器店は地上6階、地下2階の
巨大なビルになっている。
その全てのフロアに、
学園都市の科学技術が溢れているのだ。

「くそ、詳しい話もしないで!
あの不良神父め!不幸だっっ!!」

426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:12:48.31 ID:ZY2JuoaPO
「か、上条当麻?」

ビルの入り口で人の波を避け、
申し訳なさそうに佇んでいた神裂は、
聞き覚えのある声にその人物を探す。

「か、上条当麻!?
あなたが学園都市側の協力者だったのですか!?」

「へ…?協力者?」

上条の反応がおかしいとは思ったが、
神裂は彼が協力者で
少し得したような気分だった。

「まさか…何も聞いていないのですか?」

「おう!」

自信満々に答える上条に、
神裂は肩の力が抜けてしまった。

「はぁ~、あなたはいつもそうです。
考える前に体が動いたのですね」

呆れて、けれど嬉しそうに
神裂は溜め息を吐いた。

427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:13:43.99 ID:ZY2JuoaPO
「つまりこういう事か。
神裂の機械音痴を治す為、
ステイルが用意した
学園都市側の協力者ってのが俺。
そんで今からこの電器店を
神裂に案内する。
実際に機械に触れて勉強って事か」

「はい」

神裂の説明で上条はようやく
ステイルの意図が理解出来た。

「最初からそう説明しろよな、あの不良神父!」

「ステイルには私から言っておきますから。
それにもし面倒ならお断り
して頂いても……」

「乗りかかった船だ!
上条さんに任せなさいっ!
神裂さんを今日中に機械博士にします!」

「ふふ、いつもいつも大袈裟です」

こうして二人は任務遂行の為、
ビルの中へと足を踏み入れたのだった。

446 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:06:23.16 ID:ZY2JuoaPO
「よし!こういうのは
上から攻めるのが常套手段だ!」

上条と神裂は最上階、つまり6階にいた。

「な、なるほど!」

神裂は上条の適当発言を
メモに一生懸命取っている。
最上階は清掃ロボットなどの
展示、販売をしている。

「こいつは自動で汚れやゴミを
お掃除してくれる、とっても
優秀な機械だ」

ロボットの実演コーナーで、
上条は神裂にも分かり易い様に、簡単な言葉で説明する。

447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:07:21.62 ID:ZY2JuoaPO
「か、勝手にですか?
人が入っているのでしょうか…」

神裂はお掃除ロボットをコツコツと
叩いてみる。

ビー!!ビー!!

「ひっ!!かかか上条当麻!
これ何か鳴ってます!!」

神裂は上条の後ろに隠れて怯えている。

「これはただの警報だぞ。
叩いたから鳴ってるだけだ」

(神裂の機械音痴は重傷だな)

上条は引き受けた事を
ほんの少し後悔したのだった。

448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:10:53.45 ID:HrrE8uh7O
おかえりぃぃぃ


ねーちん可愛いよねーちん

449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:13:48.69 ID:ZY2JuoaPO
「よし、上条さんが悪かった!
いきなりお掃除ロボットは
難易度が高い!次だ!」

二人は次のフロア、5階に下りた。
ここは洗濯機、冷蔵庫などが置かれている。

「あ!私冷蔵庫なら得意です!」

神裂はそう言うと近くの冷蔵庫
へ嬉しそうに向かった。

「冷蔵庫に得意も不得意もないんじゃ……」

上条は一抹の不安を抱えるのだった。

「あれ?」

冷蔵庫を開けようとした神裂が、
戸惑った声を出す。

450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:14:44.57 ID:ZY2JuoaPO
「んっ!あれ?えいっ!あ、あれ?
おかしいです…開きません!」

「神裂さん、逆…」

取っ手の無いタイプだったので、
神裂は必死に逆から開けようとしていた。
上条の指摘通りに、神裂はもう一度開けてみる。

「あ…」

カパッという音と共に、冷蔵庫の扉が開いた。
中から冷気が漏れる。
神裂の顔はみるみる
真っ赤になっていく。

「うぅ………」

神裂は泣きそうな顔をすると、
冷蔵庫に頭を突っ込んでしまった。

「な、何してんだ神裂…」


「…ほっといてください…」

上条はいよいよ頭を抱えるのだった。

453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:25:02.68 ID:ZY2JuoaPO
「さてと、次は4階だな」

5階では冷蔵庫を見た後に
洗濯機も見る予定だったが、
神裂が異常な拒否反応を見せたので、
諦めて4階に下りる事になった。
ここは主に電子レンジや炊飯器、
食に関する物が集まっている。

ここに来るまで神裂は何故か目も合わせない。
よっぽど恥ずかしかったのだろう。

454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:30:16.91 ID:ZY2JuoaPO
「これは調理してくれる電子レンジだ」

上条がそう言って指差したのは、最新式のオーブンレンジだ。

「ち、調理をですか?」

神裂は理解しているかは別だが、メモだけは取っていく。

「包丁などが入っている
という事……」

「…………」

「…という事はありませんよね」

「ありません!!」

上条はまるで子供に教えるように、
仕組みを簡単丁寧に説明していく。

「な、なるほど!」

本当に理解しているのだろうか。
上条の不安は募るばかりだ。

456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:49:05.22 ID:ZY2JuoaPO
その後も上条は、
炊飯器、ポットなど懇切丁寧に
使い方や仕組みを教える。
それを神裂は必死にメモしていく。

「や、やっと中盤か!
神裂、上条さんは休憩を提案します!」

上条はエスカレーター脇のベンチで、
大きく伸びをする。

「さ、賛成です…」

実は神裂も苦手な機械に囲まれ続け、
主に精神が疲れていた。

「そういやインデックスに
連絡してないな。」

上条が携帯を取り出すと、タイミング良く着信があった。


458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 10:56:05.10 ID:ZY2JuoaPO
「言い忘れていたよ、上条当麻」

「あっ!お前もっとちゃんと
説明し……」

「少し黙っててくれないか。
耳が痛い」

「ぐぬっ!!」

「インデックスは遊園地に
招待しておいたよ。
あの子の友人と月詠小萌も一緒にね。
夜まで戻らないだろう。
安心して働いてくれ」

それだけ言うと電話は一方的に
切られてしまった。

「あいつと話すと、
言いたい事言わせてもらえねー!
モヤモヤする!!」

(誰と何を話してたのでしょう?)

神裂もモヤモヤしていたのだった。

473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:03:03.44 ID:iXavQB/U0
土御門「あ~あ~マイクのテスト中」

上条「なんでまた電波ジャックなんてするんだよ……大丈夫なのか?」

土御門「大丈夫大丈夫、ねーちんは優しいから許してくれるぜい」

上条「というかここはどこだ?」

門矢士「ここは上条×神裂のスレだ」

上条「今のカメラマン誰?ラジオ局のスタッフ?なんでラジオにカメラマン?」

土御門「細かいことは気にしたらいかんぜい。カミやん、カンペ」

上条「またカンペ?『他スレでSS書いてたものです。1000行ったのですが、1000が
”1000ならだれかが電波ジャック”と宣言してしまったので応援してるこの
スレに殴りこみ、じゃなくて書き込みに来ました』だそうだ」

土御門「そんなこんなで保守するぜい」

474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:04:11.57 ID:d1sSf12d0
473
ちょwwww
誰かが次スレたてて引き継ぐって意味で書いたのにwwwww

477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:19:59.17 ID:ZY2JuoaPO
とりあえずインデックスの問題は片付いた。
上条は同じフロアにある喫茶店
に入る事にした。

「よし、神裂。作戦を立て直そう」

「ご、ご迷惑おかけします……」

神裂は申し訳なさそうに小さくなった。

「やっぱ、勉強だと思うから
ダメなんだと思うぞ。
堅苦しいというか」

「そ、そうですか…
ではどうすれば…」

神裂は不安そうな顔をしている。
「うーん……そうだ!
上条さん閃いた!」

上条はそう言ってある作戦を
神裂に伝える。

479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:26:38.88 ID:ZY2JuoaPO
「要は勉強だと思わなきゃいいんだろ?
だったら今日はデートだと思えばいいんだよ」

「ぶっっ!!ケホッ!ケホッ!」

神裂は飲んでいたアイスティーを
吹き出す。

「デデデデート!?」

「ん?何か変な事言ったか?」

上条はただ神裂の気分を
変えるために言ったのだが、
神裂はそれどころではない。

「し、しかし任務ですし!
……デートは…
したいです…けど…」

「ん?」

神裂は上条に聞こえないように
本音を呟いた。

482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:33:29.91 ID:eNkehG/x0
イケメンはこれだから・・・

483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:37:21.26 ID:ZY2JuoaPO
「とにかくさ、デートだと思えば、
気も楽だし。自然に
覚えてしまうんじゃねーか?」

「の、乗ります!私そのアイデアに乗ります!!!」

神裂は身を乗り出して答えた。

(そんなに機械音痴を治したいんだな)

と鈍感な上条は思うのだった。

「よし、そうと決まれば次行くぞ!」
二人は次のフロア、3階へ向かった。

484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:40:59.09 ID:hoKOs43i0
やはり上条さんはこうでないとww

485 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:50:09.76 ID:ZY2JuoaPO
3階はテレビやパソコンが集まるフロアだ。
神裂は物珍しそうに見て回っている。

「か、上条当麻!見てください!
このテレビすっっっごく薄いです!
私の七天七刀と同
じくらいしか厚みがありません!!」

神裂は最新式デジタルテレビの前で
興奮している。

「物騒なもんと比べるんじゃありません」

その後も神裂は、

「ふぁ~!」

とか

「ほぇ~!」

とか訳の分からない言葉で、
感動していた。
そんな神裂を見て、
やっぱりさっきは肩に力が入ってたんだな、
と上条は微笑むのだった。

486 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:50:50.88 ID:ZY2JuoaPO
「か、上条当麻!最近のテレビは
勝手に録画してくれるそうです!」
エスカレーターで2階へ向かいながら、
神裂は先程仕入れた知識を
自慢気に披露していた。

「へー、そりゃすげぇな」

もちろん学園都市の住人である
上条は知っていたが、
神裂の嬉しそうな顔を見れば
そんな事は言えない。

「さて、と。2階は…カメラやおもちゃか」

2階にやって来た二人は、
まずカメラのコーナーにやって来た。
実際に試せるように、
電源が入ったカメラが並んでいる。

487 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:51:38.74 ID:ZY2JuoaPO
カメラは小さなモニターと繋がっていて、
その場で確認しながらビデオカメラ
などを試せる様になっていた。

「わ、私です!」

モニターの自分を指差しながら
神裂がキョロキョロする。

「ど…どれに撮られているのでしょう…」

たくさん並んだカメラを前に
首を傾げる神裂を見ていると、
自分が未来から来た人間のように思える。

「ま、楽しそうだからいっか」

「か、上条当麻!来てください!
こっちにもカメラがいっぱいです!!」

「へいへい、今行きますよーっと」
上条はその後も、カメラコーナーで散々振り回されるのだった。

489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 14:57:43.34 ID:ZY2JuoaPO
カメラに飽きた二人は、隣のおもちゃコーナーへやって来た。
プラモデルから最新のゲームまで
幅広い品揃えだ。

「あっ!」

神裂は何かに気付くと、
小走りにおもちゃの体験コーナーへ向かう。

「み、見てください…ネコです…
ネコさんです!」

そこにはロボットのネコがいた。
外見は本物の様なネコだが、
中身は最新式のロボットだ。
使用者の声などを分析し、
プログラムされた動作をする。

492 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 15:00:17.96 ID:ZY2JuoaPO
「な、なぜネコさんがここに…」

「神裂さん、それロボットです」

「………知っていましたが何か?」

神裂は分かり易い強がりを言う。上条はやれやれという顔で
使い方を説明する。

「そのロボットに向かって話しかけてみー。
動くぞ」

「な、なるほど…」

神裂はネコロボットを抱き上げる。

493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 15:01:11.74 ID:ZY2JuoaPO
「に、にゃー」

「!?」

「あれ、動きません…
にゃー!にゃーにゃーにゃー!」

「……人間の言葉でな、神裂…」

「………………」

「上条さんは何も見てない事にします」

「……………」

神裂はネコをそっと戻し、
その場をそっと立ち去るのだった。

509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 17:57:58.17 ID:ZY2JuoaPO
ネコの件がよっぽど
恥ずかしかったのだろう、
神裂は先程から黙って拗ねている。

「ま、まぁ神裂、誰にだって
間違いはある!」

「………」

「そ、それになかなか可愛かったと
上条さんは思うにゃー…なんて」

「うぅっ!バカにしてます!
絶対バカにしてます!!」

神裂は目に涙を溜め、
真っ赤な顔で落ち込んでしまう。

「わ、悪かった!上条さんが悪かった!
もう機嫌直してくれ!神裂さん!」

今土御門が現れたら、
きっと瞬殺される…
上条は悪友が現れない事を、
心から願うのだった。

510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 17:58:54.22 ID:ZY2JuoaPO
「さて、いよいよ最後だ。
なんかRPGみたいだな」

拗ねていた神裂を何とか宥め、
上条は1階へ辿り着いた。

「先程は失礼しました。もう大丈夫です。
さぁ行きましょう!」

この階は携帯電話や、
MPプレーヤーなどが集まった階だ。

「上条当麻、この小さい箱に
音楽がたくさん入っているのですか?」

神裂はちょっと前に発売された
プレーヤーを手に、上条に尋ねる。
上条は神裂が理解出来るように、
簡単に仕組みを説明してやる。

「な、なるほど!やっぱり学園都市は凄いですね…」

余談だが神裂が手に持っているのは、佐天が使っているのと同じモデルだ。

512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 17:59:56.05 ID:ZY2JuoaPO
「あっ、これ可愛いですね。」

神裂は最新の携帯電話を手に取る。

「それ最近出たやつだろ?
便利な機能いっぱい付いてるしなー」

上条がその"便利な機能"を説明すると、
神裂は携帯を静かに戻した。

「わ、私には使いこなせそうもありませんね…」

それから二人は1階をのんびり
見て回った。

513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 18:00:50.41 ID:ZY2JuoaPO
「今日はありがとうございました」
神裂はビルから出るなり、
深々と頭を下げた。
その丁寧なお辞儀に、
上条もつられて
深々とお辞儀してしまう。

「お、お粗末さまでした」

「今日一日で少し機械に強く
なった気がします。
あなたのおかげです、上条当麻」

そう言って笑う神裂の顔は、
機械には出来ないだろう
柔らかな笑顔だった。

514 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 18:01:31.08 ID:ZY2JuoaPO
「また困ったら何でも
上条さんに言いなさい。
でも突然はもう勘弁してくれ」

上条は頭を掻きながら
苦笑いをした。

「ふふ。では失礼します」

神裂はそう笑うと、
人混みの中に消えていった。

「頑張れよ、神裂…」

上条は人混みに向かって呟いた。

515 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 18:02:34.77 ID:ZY2JuoaPO
「やぁ神裂。どうだったかな?」

イギリスに戻った神裂は、
ステイルに報告書を
渡しているところだった。

「ステイル、あまり上条当麻を
イジメるのはやめて下さい」

「んー?」

ステイルは煙草に火をつけながら
興味なさそうに報告書をめくっている。

「彼氏をイジメられると
君でも怒るんだね?」

「か、彼氏!?ちちち違います!
切りますよ!?」

「冗談だよ神裂。僕は最大主教に
この報告書を届けてくるよ」

ステイルは何か嫌な含み笑いを
しながら姿を消した。

「まっ、まだ…"まだ"彼氏じゃないんです!」

自分で言っといて、
神裂は顔が真っ赤になるのだった。

516 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 18:04:18.83 ID:ZY2JuoaPO
「これを見て欲しいのでございます」

そう言ってオルソラが、
神裂の部屋を訪ねて来た。
オルソラ=アクィナス。
元ローマ正教所属の、巨乳なシスターだ。

「これ…ですか?」

神裂が手渡されたのは
小さな携帯型テレビだ。

517 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 18:05:30.58 ID:ZY2JuoaPO
「どうも調子が悪いらしく、
映らないのでございます。
あなたは学園都市で
機械を学んだのでございましょう?」

神裂は自信満々な顔で答える。

「私に任せてください!」

テレビを受け取ると、
神裂はあちこちいじっていく。

「あ、あれ?えぃ!」

「……………」

「んっ!この!!」

「…………」

「えいっ!!(バキッ!!)」

「バキッ??」

アンテナは見事に折れている。
神裂はオルソラにテレビを返すと、静かに部屋のドアを閉めた。

518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 18:06:27.24 ID:ZY2JuoaPO
「人はそう簡単に変わらないのでございます…」

オルソラは悲しそうに
テレビに目をやると、
悲しそうな背中で帰って行くのだった。

「完」



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