折れた明日に何を祈ろう
雰囲気は間違いなく最悪だった。
何をやっても空回りをするような、そんな感覚だった。
伊織は先ほどからどうするかと言って地図を見ながら黙り込んでいる。
麗花は……ちょっと探検してくると言ってまた出て行った。
何をやっても空回りをするような、そんな感覚だった。
伊織は先ほどからどうするかと言って地図を見ながら黙り込んでいる。
麗花は……ちょっと探検してくると言ってまた出て行った。
そのせいもあってか、管理室は非情に空気が重い。
それを一番肌に感じているのが島原エレナ当人だった。
伊織はどんどん苛立ちを増して、麗花はそのたびに空回りをして。
このままでは何もかもが壊れてしまうような。
それを一番肌に感じているのが島原エレナ当人だった。
伊織はどんどん苛立ちを増して、麗花はそのたびに空回りをして。
このままでは何もかもが壊れてしまうような。
(……こういう時、コトハやメグミなら……どうしたのかナ)
雰囲気を見る力が強く盛り上げることが出来る友人の恵美ならどうしただろうか。
自分には出来ないような事をして、この場を収めれたのだろうか。
琴葉なら、悪い雰囲気の中だろうが纏めようと動いただろう。
だが、自分にはそれができない。
そんな力がないという事を自分自身が一番わかっているから。
自分には出来ないような事をして、この場を収めれたのだろうか。
琴葉なら、悪い雰囲気の中だろうが纏めようと動いただろう。
だが、自分にはそれができない。
そんな力がないという事を自分自身が一番わかっているから。
ただただ無言で時間が過ぎて行く。
ここから逃げ出してしまいたい、そうとまで思えるほどに重々しく時間が進む。
ここから逃げ出してしまいたい、そうとまで思えるほどに重々しく時間が進む。
なんとかして、この雰囲気を壊してしまいたい。
少しでも前向きにいれるように、明るくしなければいけない。
だが、死んでしまった仲間がそれを許さない。
少しでも前向きにいれるように、明るくしなければいけない。
だが、死んでしまった仲間がそれを許さない。
特に伊織にとって春香は高め合う仲のようなものだった。
麗花にとってよく話していた茜も美也も死んでしまった。
こんな中で明るくいようとしている麗花がすごいのかもしれない。
形はどうあれ、伊織を気遣って明るくいようとしていたのだから。
麗花にとってよく話していた茜も美也も死んでしまった。
こんな中で明るくいようとしている麗花がすごいのかもしれない。
形はどうあれ、伊織を気遣って明るくいようとしていたのだから。
「……あれ」
ふと、目のやり場に困り防犯カメラの映像を見る。
そこには、2人の人が映る映像があった。
そこには、2人の人が映る映像があった。
――――2人?
流石に考える事が苦手な自分でもそれがおかしなことだという事くらいはわかる。
この施設にいるのは自分と伊織と麗花の3人だ。
だが、そのうちの2人はここにいる。
そしてこの映っている2人はどう見ても自分と伊織ではない。
この時点で様々な可能性が浮かぶが、確実な事が1つだけあった。
この施設にいるのは自分と伊織と麗花の3人だ。
だが、そのうちの2人はここにいる。
そしてこの映っている2人はどう見ても自分と伊織ではない。
この時点で様々な可能性が浮かぶが、確実な事が1つだけあった。
『ここに誰かが来たのだ』、という事だ。
多分片方は麗花であると予測できるが、もう一人が誰かはわからない。
長い髪ではない、くらいはわかるが顔まで細かくは見えない。
急いで向かわないといけない、もしもう一人が殺し合いに乗っていれば、大変な事になる。
長い髪ではない、くらいはわかるが顔まで細かくは見えない。
急いで向かわないといけない、もしもう一人が殺し合いに乗っていれば、大変な事になる。
「イオリ! 大変だヨ!」
「……ん、どうしたのエレナ」
「えっと、その……誰かわかんないけど誰かがここに来てるヨ!」
「えぇ!?」
「……ん、どうしたのエレナ」
「えっと、その……誰かわかんないけど誰かがここに来てるヨ!」
「えぇ!?」
先ほどまでずっと地図に向いていた伊織の視線がこちらに向いた。
それと同時に座っていた椅子から立ち防犯カメラの映像を見る。
状況は変わっていないが、麗花ではないもう片方の人が何かを構えているのが見える。
それと同時に座っていた椅子から立ち防犯カメラの映像を見る。
状況は変わっていないが、麗花ではないもう片方の人が何かを構えているのが見える。
「ま、まさか……これ」
伊織が良くなかった顔色を更に青ざめさせた。
自分も顔色が悪くなっているのだろうとエレナ自身も思う。
なぜなら、その構えてる物がどうみても凶器のようなものだからだ。
声が聞こえなくとも映像でなんとなく何が起きているか理解できる。
自分も顔色が悪くなっているのだろうとエレナ自身も思う。
なぜなら、その構えてる物がどうみても凶器のようなものだからだ。
声が聞こえなくとも映像でなんとなく何が起きているか理解できる。
「は、れ、早くレイカを助けに行かないといけないヨ!」
「待ちなさい!」
「待ちなさい!」
急いでいこうとしたところを伊織に制された。
止めた伊織は管理室の壁にかかっているU字型のさすまたを手に取る。
止めた伊織は管理室の壁にかかっているU字型のさすまたを手に取る。
「……私が行くわ、エレナはここで見ていなさい」
「え!? で、でも危険だヨ!」
「二人で行って全員やられる方が問題よ、エレナはここにいて。
映像で見れるはずだけれど、もしあの侵入者にやられたらすぐに逃げなさい」
「だったら私は行った方がいいはずだヨ! 考えれるイオリが残った方が……」
「いいから残ってなさい、さっきも言ったけれど最悪の場合はすぐに逃げて」
「え!? で、でも危険だヨ!」
「二人で行って全員やられる方が問題よ、エレナはここにいて。
映像で見れるはずだけれど、もしあの侵入者にやられたらすぐに逃げなさい」
「だったら私は行った方がいいはずだヨ! 考えれるイオリが残った方が……」
「いいから残ってなさい、さっきも言ったけれど最悪の場合はすぐに逃げて」
無理やりそう言うと伊織は管理室から出て行ってしまった。
着いていこうかと思ったが、もし何かが起きたら大変なのは流石に自分でもわかる。
ただ、今は2人が無事に戻る事を祈る事しかできなかった。
着いていこうかと思ったが、もし何かが起きたら大変なのは流石に自分でもわかる。
ただ、今は2人が無事に戻る事を祈る事しかできなかった。
◆ ◆ ◆
「……工場ね」
三浦あずさが目的地への中継点として設定した工場が目の前にあった。
プールや消防署、学校などがある市街地方面に向かおうとするためにまずは道なりに行かなくてはいけない。
そのためにまずつかなければいけない場所がここ、工場だった。
プールや消防署、学校などがある市街地方面に向かおうとするためにまずは道なりに行かなくてはいけない。
そのためにまずつかなければいけない場所がここ、工場だった。
お世辞にもあずさは土地勘が良いとは言えない。
いつも通っている事務所やシアターへ行く際も迷ってしまうほどだ。
だが、ほぼ一本道をまっすぐ行けばいいと言われれば流石に間違えない。
そのおかげで何とか工場までは着くことが出来た。
いつも通っている事務所やシアターへ行く際も迷ってしまうほどだ。
だが、ほぼ一本道をまっすぐ行けばいいと言われれば流石に間違えない。
そのおかげで何とか工場までは着くことが出来た。
「とりあえず、工場なら何か使えそうな道具はあるかしら……それに方向もしっかり把握しておきたいし……行くべきかしら~?」
誰か人がいれば殺せばいい、誰もいなければ探索しつつ準備すればいい。
総じて考えれば行かない理由はないに等しかった。
総じて考えれば行かない理由はないに等しかった。
門を通り入る、周りには誰もいない。
少なくとも外には誰もいないはずである。
ならば中に入る方が良いか。
少なくとも外には誰もいないはずである。
ならば中に入る方が良いか。
――――そう思った時だった。
「あれあれ? あずささん?」
「麗花ちゃん……いつの間に後ろにいたの?」
「門近くでぼーっと考え事をしてたらあずささんがいたのでついつい声をかけちゃいました♪」
「門近くでぼーっと考え事をしてたらあずささんがいたのでついつい声をかけちゃいました♪」
門の横、と言うのはどういう事だろうか。
入ってすぐ横の所の死角の部分なのか。
少なくとも彼女に聞いてもまともな答えは期待できない。
入ってすぐ横の所の死角の部分なのか。
少なくとも彼女に聞いてもまともな答えは期待できない。
「丁度良かった~♪ あずささんも一緒にこの計画を止めるために……」
というより、聞く理由もないのだ。
持っていた剣を構える。
持っていた剣を構える。
「……え? あずささん? あっ、チャンバラごっこですか?
でも私はそれっぽいものも持ってないし……」
「大丈夫よ、麗花ちゃんはそのまま殺されてくれるだけでいいもの」
でも私はそれっぽいものも持ってないし……」
「大丈夫よ、麗花ちゃんはそのまま殺されてくれるだけでいいもの」
自分でも残酷な事を言っていると思う。
だが、もう迷う事はできないのだ。
弱い自分を殺すために、彼女を――――北上麗花を殺さなくてはいけない。
だが、もう迷う事はできないのだ。
弱い自分を殺すために、彼女を――――北上麗花を殺さなくてはいけない。
剣を振りかぶる。
あとはもう振り下ろすだけで、彼女の死が避けられないものになる。
その剣を振り降ろ――――。
あとはもう振り下ろすだけで、彼女の死が避けられないものになる。
その剣を振り降ろ――――。
「――――あずささんは、伊織ちゃんの笑顔を奪うの?」
せなかった。
伊織、その単語を聞いたからではない。
体が固まった、恐怖で動けなかったからだ。
伊織、その単語を聞いたからではない。
体が固まった、恐怖で動けなかったからだ。
「麗花、ちゃん?」
今の声は誰のものだ。
非常に冷たく、冷酷で、残酷な。
憎悪とかそういう類ではない、恐怖を与える声を出したのは。
非常に冷たく、冷酷で、残酷な。
憎悪とかそういう類ではない、恐怖を与える声を出したのは。
「――――誰かが美也ちゃんの笑顔を奪った。
――――誰かが茜ちゃんの笑顔を奪った。
今度はあずささんが伊織ちゃんの笑顔を奪おうとするの?」
――――誰かが茜ちゃんの笑顔を奪った。
今度はあずささんが伊織ちゃんの笑顔を奪おうとするの?」
(……なんで、こんな……怖、い?)
恐怖で体が動かなくなっている。
剣を振り下ろせば殺せるのに。
この恐怖を感じる事もないのに。
なのに、振り下ろせない。
弱い自分を終わらせることが出来ない。
剣を振り下ろせば殺せるのに。
この恐怖を感じる事もないのに。
なのに、振り下ろせない。
弱い自分を終わらせることが出来ない。
「これ以上伊織ちゃんの笑顔を奪わせない、元気になってもらわないといけないから」
麗花は自分の荷物から『それ』を取り出した。
早くしなければ、私は『それ』に殺されるだろう。
だが、動くことは出来ない。
早くしなければ、私は『それ』に殺されるだろう。
だが、動くことは出来ない。
「さようなら♪」
カチン、という音の後――――乾いた音が響いた。
◆ ◆ ◆
一体何の音かわからなかった。
いや、発砲音だというのはわかった。
だが水瀬伊織にとってはここで発砲音が鳴る理由がわからなかった。
いや、発砲音だというのはわかった。
だが水瀬伊織にとってはここで発砲音が鳴る理由がわからなかった。
(……さっき襲い掛かろうとしていた誰かは、銃なんか持ってなかったはず)
少なくとも剣を構えている時点で銃を持っていないのは明白と考えられる。
もし銃を持っているのならそれを持って対峙すればいいはず。
わざわざ剣を持つ理由などない。
もし銃を持っているのならそれを持って対峙すればいいはず。
わざわざ剣を持つ理由などない。
「まさか……?」
考えられないが、一つの可能性が浮かぶ。
一番考えたくない可能性が。
一番考えたくない可能性が。
それを確認するためにすぐに下に向かう。
玄関口で様子を確認する、それが先決だと判断した。
玄関口で様子を確認する、それが先決だと判断した。
(……麗花、何も起こすんじゃないわよ)
そう思いながら、そう願いながら覗き込む。
だが、現実は非情と言わざるを得なかった。
北上麗花は無事だった、生きていた。
だが、現実は非情と言わざるを得なかった。
北上麗花は無事だった、生きていた。
――――生きている。
「……ふざけないでよ!!」
声を上げると麗花がこっちを向いた。
そして、彼女は――――。
そして、彼女は――――。
「あっ、伊織ちゃん! どうしたの~?」
そんなふざけた台詞を吐いてのけた。
なぜ彼女は笑っていられるのか。
この状況を理解していないのか。
なぜ彼女は笑っていられるのか。
この状況を理解していないのか。
「アンタ、何したかわかってるの!?」
「え? 何をしたって……伊織ちゃん、笑顔が消えてるよ~♪ スマイルスマイ……」
「触らないで!!」
「え? 何をしたって……伊織ちゃん、笑顔が消えてるよ~♪ スマイルスマイ……」
「触らないで!!」
麗花の手を払いのける。
そして倒れている彼女の所に向かう。
そして倒れている彼女の所に向かう。
「……あずさ」
「伊織、ちゃん……」
「アンタがしようとしてた事は知ってるわ……なんでこんな事をしようとしたの」
「伊織、ちゃん……」
「アンタがしようとしてた事は知ってるわ……なんでこんな事をしようとしたの」
そう言いながら彼女の腹部を見る。
内臓が破壊されているのか血が止まらなくなっている。
少なくとも、伊織にはどうにもできない状態だった。
処置をしたとしてあずさは死ぬだろう。
内臓が破壊されているのか血が止まらなくなっている。
少なくとも、伊織にはどうにもできない状態だった。
処置をしたとしてあずさは死ぬだろう。
「……伊織ちゃん、あの人を……助けて、あげて」
「は……? あずさ、何言ってるのよ……」
「あの人は、苦しんでる……ずっと、苦しんでた……だか、ら……」
「何言ってるのよ!? 全く意味が……」
「は……? あずさ、何言ってるのよ……」
「あの人は、苦しんでる……ずっと、苦しんでた……だか、ら……」
「何言ってるのよ!? 全く意味が……」
「…………最後に一目、見たかっ」
その声と共に、あずさの体から力が抜けた。
まったく、その遺言を理解できないまま。
ただそこには、静寂のみが残ってしまっていた。
まったく、その遺言を理解できないまま。
ただそこには、静寂のみが残ってしまっていた。
「伊織ちゃん……」
「…………」
「…………」
声を掛けられるが、答える気もしない。
初めて目の前で人が死んだから、というのもある。
死んだのがあずさだから、というのもあるかもしれない。
だが――――伊織の心情の中で占めていたものはまったく別のものだった。
初めて目の前で人が死んだから、というのもある。
死んだのがあずさだから、というのもあるかもしれない。
だが――――伊織の心情の中で占めていたものはまったく別のものだった。
「なんで……なんで殺したのよ」
麗花が人を殺した、この事実が受け止められず理不尽な怒りに変わっているだけだ。
いつも通り変な発言をしてイライラしていた、だがそれまでなら呆れるだけで済んだのに。
いつも通り変な発言をしてイライラしていた、だがそれまでなら呆れるだけで済んだのに。
「せめて銃で牽制するとか、あったでしょ!? なんで、なんで殺したのよ!」
「答えなさいよ、麗花!!」
「だって、あずささんは皆の笑顔を奪おうとしたから……」
「だからって殺していい理由になんかならないでしょ!」
「…………」
「だからって殺していい理由になんかならないでしょ!」
「…………」
麗花の顔はとても悲しげであった。
あのような表情を見た覚えはなかった。
だが、それとこれとは別なのである。
麗花が何を思っていようが、もう取り返しがつかない事をしたのだから。
あのような表情を見た覚えはなかった。
だが、それとこれとは別なのである。
麗花が何を思っていようが、もう取り返しがつかない事をしたのだから。
「何か言いなさいよ、だんまりすれば許されるとでも思ってるんじゃないわよね」
「…………」
「…………」
ずっとだんまりを決め込む麗花に苛立ちを覚えた。
いや、苛立ちと言うだけでは済まない。
軽蔑のような、そんな嫌悪と言える感情が生まれていた。
いや、苛立ちと言うだけでは済まない。
軽蔑のような、そんな嫌悪と言える感情が生まれていた。
「……もういいわ」
「…………伊織ちゃ」
「…………伊織ちゃ」
「もう二度と私に着いてこないで」
そうとだけ言いきって、麗花から離れる。
最後に彼女がなんと言おうとしたかなど、知らぬ存ぜぬと言うが如く。
最後に彼女がなんと言おうとしたかなど、知らぬ存ぜぬと言うが如く。
【三浦あずさ 死亡】
◆ ◆ ◆
「イオリ! ……その、えっと……レイカは?」
「……置いてきた」
「エ……?」
「……置いてきた」
「エ……?」
管理室に戻って椅子に座る。
これからどうするかを決めないといけない。
麗花がいなくなってもやることは変わらない。
この殺し合いに対抗する、それだけだ。
これからどうするかを決めないといけない。
麗花がいなくなってもやることは変わらない。
この殺し合いに対抗する、それだけだ。
「……なんで、レイカを置いてきたノ……?」
「あんな事して傍に置いておきたくないわよ、当然でしょ」
「あんな事して傍に置いておきたくないわよ、当然でしょ」
そう言うとエレナは立ち上がった。
そしてすぐに管理室から出ようとする。
そしてすぐに管理室から出ようとする。
「どこに行くのよ」
「レイカを止めに行くヨ! だって、みんなで仲間だし……」
「やめなさい、殺されるわよ」
「レイカを止めに行くヨ! だって、みんなで仲間だし……」
「やめなさい、殺されるわよ」
皮肉をたっぷりと込めて言う。
というより、実際あれだけ言ったのだから下手をすれば暴走しかねない。
最悪、ここからすぐに出ないといけない可能性が出てしまった。
あそこで拘束せずに放置したのは間違いだったと今更ながらに気付く。
そんな所にわざわざ行くほどエレナも馬鹿ではないはずだ。
というより、実際あれだけ言ったのだから下手をすれば暴走しかねない。
最悪、ここからすぐに出ないといけない可能性が出てしまった。
あそこで拘束せずに放置したのは間違いだったと今更ながらに気付く。
そんな所にわざわざ行くほどエレナも馬鹿ではないはずだ。
「……いや、行くヨ」
は? と言いそうになってしまった。
今彼女はなんて言ったのか。
行く? 麗花を連れ戻しにいくと?
今彼女はなんて言ったのか。
行く? 麗花を連れ戻しにいくと?
「だって、よくわからないけど……レイカがなにもなくこんなことするはずがないヨ!
だから……信じてあげなきゃいけないんじゃないのかナ……だって」
「だってなによ」
だから……信じてあげなきゃいけないんじゃないのかナ……だって」
「だってなによ」
「仲間……なんだかラ」
エレナはそう言うと出て行ってしまった。
それをただ見過ごすだけしか出来なかった。
それをただ見過ごすだけしか出来なかった。
「……なんでよ……なんでよ!」
普段の自分ならどうしたのか。
今どうすべきだったのかとか。
何もわからないが、ただ一つだけ言える事があった。
今どうすべきだったのかとか。
何もわからないが、ただ一つだけ言える事があった。
『また、一人になってしまった』
【一日目/午後/G-8研究施設管理室】
【水瀬伊織】
[状態]健康
[装備]無線機
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:こんなふざけたイベントになんか乗らない、抵抗する。
1:なんでよ……!
2:麗花はもう見たくない。
3:なんでこの施設がここに……?
[状態]健康
[装備]無線機
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:こんなふざけたイベントになんか乗らない、抵抗する。
1:なんでよ……!
2:麗花はもう見たくない。
3:なんでこの施設がここに……?
◆ ◆ ◆
「レイカー! ……どこに行っちゃったのかナ」
島原エレナが外に来たときには、既に北上麗花はいなくなっていた。
そこにあるのは、三浦あずさの死体だけだった。
死体を目の前にすると、悲しい気持ちがエレナを支配した。
そこにあるのは、三浦あずさの死体だけだった。
死体を目の前にすると、悲しい気持ちがエレナを支配した。
自分が止めれたわけではないが、責任のようなものを感じてしまう。
あずさの前に座り、せめてと思い手を合わせる。
あずさの前に座り、せめてと思い手を合わせる。
「……あれ?」
ふとあずさの横に落ちている剣が目に入った。
あずさが使用していたもので間違いないだろうが、それを手に取る。
だが、想像したより重量がなかった。
あずさが使用していたもので間違いないだろうが、それを手に取る。
だが、想像したより重量がなかった。
「……折れてるヨ」
いや、重量がない理由は明白だった。
剣がぽっきりと折れてしまっている。
柄と刃の部分でわかれてしまっていた。
剣がぽっきりと折れてしまっている。
柄と刃の部分でわかれてしまっていた。
何故こうなっているのかはわからない。
あずさが倒れる際に何かの形で折れてしまったのかもしれない。
あずさが倒れる際に何かの形で折れてしまったのかもしれない。
「……レイカ」
どうして麗花がこんな事したのかなどわからない。
様子がおかしいのはわかったが、ここまでするほどだとも思えない。
何か理由がある、そうエレナは信じる。
様子がおかしいのはわかったが、ここまでするほどだとも思えない。
何か理由がある、そうエレナは信じる。
「絶対に、仲直りしてまたみんなで頑張りたいヨ……!」
伊織と麗花とエレナでまた、皆で手を取り合いたい。
このままじゃギクシャクしたまま終わってしまう可能性だってある。
せめてそれは止めたい、そうエレナは願った。
このままじゃギクシャクしたまま終わってしまう可能性だってある。
せめてそれは止めたい、そうエレナは願った。
――――折れてしまった明日を拓く剣を握りしめながら。
【一日目/午後/G-8研究施設管理室】
【島原エレナ】
[状態]健康
[装備]無線機
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らない。
1:二人を仲直りさせるヨ!
2:レイカ、大丈夫かな…。
3:なんだか、かなしいヨ
[状態]健康
[装備]無線機
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らない。
1:二人を仲直りさせるヨ!
2:レイカ、大丈夫かな…。
3:なんだか、かなしいヨ
※折れた明日を拓く剣の刃が三浦あずさの死体の傍に落ちています。
◆ ◆ ◆
誰もいなくなっちゃった。
■■ちゃん怒ってたなぁ、笑って欲しいのに。
どうすれば笑ってくれるんだろう。
■■ちゃんを困らせる人をやっつければいいと思ったのに。
笑うどころか、とっても怒られちゃった。
■■ちゃん怒ってたなぁ、笑って欲しいのに。
どうすれば笑ってくれるんだろう。
■■ちゃんを困らせる人をやっつければいいと思ったのに。
笑うどころか、とっても怒られちゃった。
■■ちゃんに機嫌を直してもらわないと……。
じゃあ、どうすればいいんだろう……。
じゃあ、どうすればいいんだろう……。
「そうだ♪ いい事思いついちゃった♪」
伊織ちゃんを笑顔にする邪魔をする子をもっともっと×せばいいんだ。
そうすれば■■ちゃんは喜んでくれる。
そうすれば■■ちゃんは喜んでくれる。
「さーって、もっと頑張らないとね、ふっふっふーん♪」
銃を握り締め、道を歩く。
その道がどこに続くかも知らずに。
その道がどこに続くかも知らずに。
【一日目/午後/G-8】
【北上麗花】
[状態]■■
[装備]レミントン デリンジャー(1/2)、無線機
[所持品]支給品一式、.41shortリムファイア弾(12)、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本:××××××××××××××。
1:とりあえず、■■ちゃんを元気づける。
2:■ちゃんが死■■■■■■
3:■■■■■■■■■■■■■
4:■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■
[状態]■■
[装備]レミントン デリンジャー(1/2)、無線機
[所持品]支給品一式、.41shortリムファイア弾(12)、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本:××××××××××××××。
1:とりあえず、■■ちゃんを元気づける。
2:■ちゃんが死■■■■■■
3:■■■■■■■■■■■■■
4:■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■
【レミントン デリンジャー】
北上麗花に支給。
1864年にレミントン社のウィリアム・エリオットが設計した、中折れ上下2連式のデリンジャー。
レミントン・ダブルデリンジャー、ダブルデリンジャー モデル95とも呼ばれる。
1866年から1935年までのおよそ70年間に、約15万挺が製造された。
北上麗花に支給。
1864年にレミントン社のウィリアム・エリオットが設計した、中折れ上下2連式のデリンジャー。
レミントン・ダブルデリンジャー、ダブルデリンジャー モデル95とも呼ばれる。
1866年から1935年までのおよそ70年間に、約15万挺が製造された。
| 夢の続きを見たくて | 時系列順に読む | 五里霧中 |
|---|---|---|
| 夢の続きを見たくて | 投下順に読む | 五里霧中 |
| アナタガ欲シイ | 三浦あずさ | 死亡 |
| フタリの記憶 | 水瀬伊織 | |
| 北上麗花 | ||
| 島原エレナ |