Go straight!
プロデューサーに出会えて、“オレ”は“私”になれたんだ。
◇ ◇ ◇
朝焼けの境界線を越えた太陽が大地を照らす中、永吉昴は真顔で佇んでいた。
楽しかった思い出。辛かったレッスン。これから先待っていたであろう希望。
全てが泡沫となって溶けていく。
今まで続いてきた日常は終わらないと思っていたし、プロデューサーとこれから先、ずっと一緒に進んでいくことも決めていた。
一緒に見た夕焼けの茜色も覚えているし、あの時掴んだ右手の温もりはまだ指先から消えていない。
困ったような彼の笑顔は、昴の中で今も宝物として綺麗なラップを包んで保存してあるのにも関わらずだ。
掴んだ右手は無理矢理に離されてしまった。
あの時感じていた温もりは仮面を外されるのと同時に消されてしまった。
綺麗なラップはグシャグシャに丸め込まれ、彼の笑顔と一緒にゴミ箱に投げ捨てられてしまった。
もう、何も見えないし聞こえない。
断続的に胸に迸る痛みが視界をぼやけさせる。
大好きなプロデューサーの顔も、いつの時か見たはずの綺麗な夕焼けも。
全部、痛みの中へと消えていく。
楽しかった思い出。辛かったレッスン。これから先待っていたであろう希望。
全てが泡沫となって溶けていく。
今まで続いてきた日常は終わらないと思っていたし、プロデューサーとこれから先、ずっと一緒に進んでいくことも決めていた。
一緒に見た夕焼けの茜色も覚えているし、あの時掴んだ右手の温もりはまだ指先から消えていない。
困ったような彼の笑顔は、昴の中で今も宝物として綺麗なラップを包んで保存してあるのにも関わらずだ。
掴んだ右手は無理矢理に離されてしまった。
あの時感じていた温もりは仮面を外されるのと同時に消されてしまった。
綺麗なラップはグシャグシャに丸め込まれ、彼の笑顔と一緒にゴミ箱に投げ捨てられてしまった。
もう、何も見えないし聞こえない。
断続的に胸に迸る痛みが視界をぼやけさせる。
大好きなプロデューサーの顔も、いつの時か見たはずの綺麗な夕焼けも。
全部、痛みの中へと消えていく。
「何というか、さ。これまで男みてーな扱いばっかなオレを女の子として見てくれたのはプロデューサーが初めてだったよ」
アイドルになる前の昴なら、絶望のモノローグをたっぷりと重ねて終わっていた。
凄絶な殺し合いに尻込みをして、死にたくないという免罪符を掲げて殺し合いに乗っていただろう。
いくら強がっていても、男みたいな扱いを受けていても、他の人達からは頼りにされていても。
永吉昴は人並みに悩んで、迷って、弱る人間で、一人の女の子だから。
凄絶な殺し合いに尻込みをして、死にたくないという免罪符を掲げて殺し合いに乗っていただろう。
いくら強がっていても、男みたいな扱いを受けていても、他の人達からは頼りにされていても。
永吉昴は人並みに悩んで、迷って、弱る人間で、一人の女の子だから。
「一人の女の子として認めてくれたの、嬉しかったんだぜ?」
そんな自分をしっかりと見てくれた人がいる。
弱さもお前の一部であり、良い所だと言ってくれた人がいる。
存在証明――永吉昴の全てを肯定してくれた彼の言葉を昴は失くせなかった。
弱さもお前の一部であり、良い所だと言ってくれた人がいる。
存在証明――永吉昴の全てを肯定してくれた彼の言葉を昴は失くせなかった。
「そんで、今もオレの中には残っているんだ。アンタの笑顔が、アンタと過ごした日々が。
どうやら、オレは相当にプロデューサーに絆されてるらしいぜ?」
どうやら、オレは相当にプロデューサーに絆されてるらしいぜ?」
きっと、その言葉はどんな美辞麗句よりも心に響いてしまったから。
「オレだけはいつまでもアンタのアイドルで在り続けると決めている」
だって、少女はその言葉のお陰で、一人の女の子として前へ進むことが出来たから。
「他のアイドル全員がアンタを否定しても、オレだけは受け止める」
自分以外は彼を忘れようとするかもしれない、否定するかもしれない、非難するかもしれない、憎むかも知れない。
あくまで昴の考えだが、彼はそれを良しとする可能性が非常に高い。
そして、一人で真実を抱えたまま、ただ一人の悪役として朽ちていく。
何を望んで殺し合いを開いたのかをアイドルに知らせずに、一人地獄へと堕ちようとするだろう。
あくまで昴の考えだが、彼はそれを良しとする可能性が非常に高い。
そして、一人で真実を抱えたまま、ただ一人の悪役として朽ちていく。
何を望んで殺し合いを開いたのかをアイドルに知らせずに、一人地獄へと堕ちようとするだろう。
「一人きりになんてさせはしねーぞ、プロデューサー」
昴はそんな結末を絶対に認めないし、許さない。
動く理由などこれだけで十全だ。
胸に滾る想いを糧に、一直線に彼の元へと疾走れるなら――どこまでも。
動く理由などこれだけで十全だ。
胸に滾る想いを糧に、一直線に彼の元へと疾走れるなら――どこまでも。
「ま、仕方ねぇよな。何て言ったって、オレはアイドルとしてプロデューサーのことが……いや、ちげーな。
こんな時ぐらい真正面からぶつかりに行かなくてどうするよ。なぁ、“私”」
こんな時ぐらい真正面からぶつかりに行かなくてどうするよ。なぁ、“私”」
それが、永吉昴の覚悟の末の決意であり、想いの結晶だ。
親愛なる社長が無残に殺されようとも、曲げれなかった直球のストレート。
親愛なる社長が無残に殺されようとも、曲げれなかった直球のストレート。
「永吉昴はプロデューサーのことが大好きです。今も変わらず、“貴方”のことを信じています」
余計な言葉など要らなかった。
この想いに曇りはなく、一瞬の刹那でさえ迷いを灯さない。
この想いに曇りはなく、一瞬の刹那でさえ迷いを灯さない。
「だから、見つけに行く。アンタの意志を、アンタの答えを。
その上でさ……全部ひっくるめて知った上で――オレはアンタの手を掴むよ。
あの時掴んでくれた右手を……今度はオレが掴みに行くからさ」
その上でさ……全部ひっくるめて知った上で――オレはアンタの手を掴むよ。
あの時掴んでくれた右手を……今度はオレが掴みに行くからさ」
他のアイドルには、殺し合いに放り込まれた憎き相手に何を言ってるんだと、怪訝な顔で見られるだろう。
だが、それで構わない。
自分の行いが受け入れられないことは百も承知だ。
今から昴が成し遂げようとすることはただの自己満足であり、他人に押し付けるものではない。
だが、それで構わない。
自分の行いが受け入れられないことは百も承知だ。
今から昴が成し遂げようとすることはただの自己満足であり、他人に押し付けるものではない。
「はっ、どんな理由があろうとも絶対に諦めねーからな。
嫌だって言っても無理矢理にこっち側に引っ張り戻してやるよ。
オレはもうとっくに惚れてるんだ、アンタに。惚れさせるつもりが逆に惚れちまうなんてお笑いざまだぜ」
嫌だって言っても無理矢理にこっち側に引っ張り戻してやるよ。
オレはもうとっくに惚れてるんだ、アンタに。惚れさせるつもりが逆に惚れちまうなんてお笑いざまだぜ」
故に、昴の想いは誰にも否定させない。
これだけは譲れないし、護り抜く――最後まで。
それでも、否定しようと立ち塞がるなら、“反則”してでも押し通すまでだ。
これだけは譲れないし、護り抜く――最後まで。
それでも、否定しようと立ち塞がるなら、“反則”してでも押し通すまでだ。
「という訳だ、プロデューサー。もしも聞こえてんなら覚悟しとけよー。
オレはしつけーんだ、一度曲げねぇって決めたらとことんやってやる。
アンタが育ててくれた永吉昴のままで、この殺し合い――駆け抜けてやるよ」
オレはしつけーんだ、一度曲げねぇって決めたらとことんやってやる。
アンタが育ててくれた永吉昴のままで、この殺し合い――駆け抜けてやるよ」
永吉昴は揺らがない。一人きりであろうとも、自分だけは彼を追い続ける。
どんな災難辛苦が待ち受けようとも、必ずだ。
どんな災難辛苦が待ち受けようとも、必ずだ。
「だから、待っていろっ……プロデューサー。担当アイドルのワガママぐらい笑って許してもらわなきゃなぁ?」
必ず、彼を見つけに行く。
【一日目/朝/C-1】
【永吉昴】
[状態]健康
[装備]
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
1:プロデューサーの真意を知った上で、彼の手を掴む。
[状態]健康
[装備]
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
1:プロデューサーの真意を知った上で、彼の手を掴む。
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